悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
02.01
2002.01.30:
ヨメハンは薬を飲んで一夜明けたら少し元気が出ていた。やれやれである。だもんで仕事に出た。
会社へ行くと今度は風邪のウィルスではなく、コンピュータ・ウィルスでちょっとした騒ぎになっていた。言わずと知れた"MYPARTY"の亜種が、メールサーバーをすり抜けて個人のPCへ入り、そこで捕捉されたのである。それも発信元は某著名学会のメーリングリストで、大量にばら撒かれたものが会員であるY氏のところに来たのである。MLの管理者は慌てているだろう。
それはさておき、ウィルス騒ぎの聴取に来た工場情シスの担当者からこんな笑い話を聞いた。題して「ウィルス博物館」。
ある日のこと、この担当者(O氏とする)に本社から電話がかかってきた。それも「お前んとこのPCが1台色んなウィルスに感染しとるやないか。情シスのもんが何をほったらかしにしとるんや!」との怒鳴り声である。詳しく話を聞くと、あることがきっかけで本社のサーバーにそのPCのウィルスレポートが流れ、本社ではあまりのウィルスの多さに腰を抜かし、慌てて電話してきたのだった。
それに対してO氏は平然と答えた。「ああ、あれはウィルス博物館とでもいうか、今まで発見した標本を置いてただけだよ」。つまりある共用PCの特定フォルダ(「標本棚」とでも名付けたのかどうか、それは知らない)にこっそりと大量のウィルスを溜め込んでいたのだが、それがばれてしまったのである。
ではきっかけになった「あること」とは何か。それは最近になって全社のPCにインストールされた「ウィルスバスター・コーポレート・エディション」に、感染したウィルスをサーバーに報告する機能が設定してあって、「博物館」PCにソフトをインストールした直後に感染データがドッと流れたのである。本社はブツクサ言っていたようだが、今でもO氏はせっせと標本を集めているという。
2002.01.29:
帰宅したらヨメハンが熱を出して寝込んでしまっていた。
最近会社でも風邪の方が流行っているし、世間でもインフルエンザ患者が増えているらしい。
明日は会社を休まねばならぬかも知れない。仕事の方は月末処理の大半を今日中に済ませたので気は楽だ。
2002.01.28:
会社でのネット閲覧の監視が非常にきびしくなった。元はといえばNimdaウィルス騒ぎで感染源が業務外のサイトであることが問題になり、それ以来ネットにアクセスできるPCを許可制にしたこととアクセスログのチェックが非常にシビアになったのである。
ところがそれだけうるさくなったにも関わらず、相も変わらず芳しくないサイトや遊びのチャットに出入する人間が出てどれも処分を受けた。もちろん同時にネットアクセスの許可は取り消された。
世の中には注意されてもルール・モラルを守れない人間がどうしても出るのだが、最近の例を見ていると決して少なくない数が摘発されているようだ。ひどいのは巡回ソフトで毎日数万回も外を覗きに行っていた話もある。世間では度重なる警告を無視してネットに入り浸りになり、会社を辞めさせられたケースもあるというが、これはもう病的なのだろう。
私も以前は会社から私的な用件で外に出たことはあるが、ものには限度がある。立場を弁え、自分自身をコントロールできなくては大人ではない。ただし、それでもスケベオヤジが自宅でネットからウィルスに感染して私に相談に来た情けない話は数回あり、こういう輩も仕事で先輩風を吹かす資格はないと言えるだろう。
2002.01.27:
風邪の方は治ったが、鼻水がなかなか止まらない。ちょっとしつこ過ぎるのだが、40過ぎてからアレルギー性鼻炎と診断されて以来どうにもならないようだ。鼻炎の薬もあまり効果がなく、ひたすら忍の一字である。やはり大気汚染が微妙に影響しているのだろうか。だが不思議と杉花粉との関連はまったくない。
2002.01.25:
雪印の問題は本当に深刻だ。今回はもちろん子会社の「雪印食品」の方だが、そうはいっても同じグループだから似た体質の会社と理解されてもやむを得ないだろう。要するに「倫理の欠落」という点では完全に共通しているからである。
今回の事件はさらに詐欺罪もからむからもう救いようがない。根本的には経営陣の総入れ替えと徹底的な経営姿勢の見直しだろう。それともうひとつ指摘しておきたいのはチェック機能の確立である。社内監査もそうだし、これはさらに重要だと思うのだが労働組合がちゃんと目を光らさねばならないと思う。
雪印の労組がどういう姿勢なのか、手掛かりがないので原則的なことだけを書くが、普段から会社に対してものが言えないようならそれは組合としての任務放棄だ、とだけ指摘しておく。
2002.01.24:
風邪を引いてしまった。例年のごとくアレルギー鼻炎に始まり、やがて鼻水が喉を刺激して腫れ上がり、気管支やられて熱を出すというお決まりのコースである。今年の冬くらいはおとなしくしていてくれと思ったが、ちょうどのど飴を切らしていて油断したためであった。無念。
2002.01.22:
親しくしている韓国の会社の社長が来て、今年の仕事の話と後に一杯飲みに行って意見交換をした。
仕事の話としては日本の景気が悪いことから今年の仕事量は下がる見通しにならざるを得ないだろうということで落ち着いたが、彼は面白い話をしてくれた。
彼の将来の展望として、アジア各国が協力して発展すること、わけても日韓中が牽引役となるべきだと言うのである。だが同時に日本が政治的にも独立してくれないと困る、特にアメリカに対しての独立性を確保してもらわないと韓国自身がアメリカに物申すことができないというのである。
やはり見ている人は見ているなと思った。現に最近ニューズウィーク日本版の特集で「属国ニッポン」という記事が出ていた。中身を詳しく読んだわけではないが、今の日本を見ている限りアジアの人々の懸念は残るし、そもそも世界が日本をどう見ているかを如実に物語るタイトルだと言っていいだろう。
2002.01.21:
「多様性」という言葉がある。
生物の種の進化あるいは生存のためには同じ種の中でも個体それぞれが個性を持っている方が有利なのだと言う。生物が雌雄に別れたのもその一環らしい。人間の場合でも遺伝の問題から血族結婚を禁止しているし、下等生物でも無性生殖と有性生殖の両方を行なう種があるそうだが、有性生殖のほうが活発だという。もちろん雌雄だけでなくその中の個体自身にもDNAに多様性が保存されているのは言うまでもない。
ところが不思議なことに人間社会には時として多様性を否定するような動きが発生することがある。どうしてなのか?
過去のヒットラーの時代もそうだったし、日本の戦前でも多数と違った人たちは迫害された。もちろんそういう歪みは是正されたが、時としてそういう歴史の逆流が発生することがある。表面的には支配する側から支配される側への強制力がそのバランスを越えたとも見えるのだが、それ以上の考察は私には不可能である。しかしその一方で、強制されていないように見えても実質的には強制されているのと同じ効果を持つ現象も存在する。「皆同じでないといけない」がそうだろう。「多様性」ということから考えると人間社会の発展に逆行しているように思えるのだが、これは論議を拡張させ過ぎだろうか?
2002.01.19:
家庭内LANができてから子供が時折インターネットの世界へ出るようになった。僅かながらメールも交わしている。
しかしLAN環境ができて子供も常時接続できるようになるとそれだけPCに触る時間も増え、同時にお呼びがかかる回数も増える。ヨメハンは専用ワープロは使えてもPCはまるでダメ。従って突然「おと〜〜〜さ〜〜〜ん!」と大きな声が家の中に響くのである。今日もプリンターの紙のセットが悪くて印刷できない現象につき合わされた。
ここしばらくは家庭内サポーターも兼任せねばならぬが、子供が中学生くらいになったら解任させてもらえるだろう・・・と期待している。
2002.01.18:
15日に書いたシステムの更新だが、今日ふと安上がりな方法を思いついた。簡単に言うと陸蒸気組のデータを新幹線組システムに吸収してしまうのである。当然ながら仕事のやり方も完全に変えてしまい、新幹線システムに対する文句は一切受け付けないという条件付きである。
これをやると必ず移行した直後には死ぬほど愚痴が出るだろう。しかしハード的にはほとんど金がかからない。ソフトは個人のPCに専用ソフトをインストールするだけで、これが1本約15000円。他にサーバー側の多少のプログラムのパチ当て費用が発生するだろうが1千万円を超えることはあるまい。これが私の概算見積である。
そもそもが緊急避難的な話なのであるから、安上がりが一番だ。どうせいずれのシステムにも問題点はあるのだから、それは次世代の新しいシステムができる時に費用も時間もかけたらいいのである。
この案はかなり大胆だからユーザー側から反論が出るだろう。何しろ10年も親しんだやり方を180度転換させられるのだから。これにはかなりの説得力を要するだろう。ちと頭が痛い。
2002.01.17:
今朝の通勤電車はいつもと違う車両が使われていた。221系ではなくて新快速用として初めて作られた117系である。今は主に福知山線の快速で使われているが、東海道・山陽線では「ホリデー号」として走る以外にほとんど見なくなった型式である。
何故車両が変わったか案内はなかったが、221系の故障あるいは検査でやりくりがつかなくなったせいだろう。しかしこの117系、ドアが2箇所しかないために停車が長引き、そうでなくても学生たちがダラダラ乗降するからあっという間に遅れを出してしまった。車掌の催促の放送はまったく効果がなかった。
2002.01.16:
連休中は本当に暖かかった。ストーブをつけていると汗が出るくらいだった。しかし雨が上がって今日は少しづつ寒くなってきた。また冬に戻りつつある。明日もまた今日よりも気温が下がるだろう。
7年前のあの日もそれほど冷えた日ではなかった。もし冷えていたとしても、あまりの興奮で寒さも感じなかったのだろうか。
2002.01.15:
ついに陸蒸気組の業務システムを更新することがほぼ決まった。いよいよサーバーも端末も含めたハード全体の寿命が尽きる寸前になったからである。端末の予備機は残り4台しかなく、メーカーはもはや修理さえ受け付けない。10年も経ったのだから当たり前だ。
これまでにも何度か更改のチャンスはあったのだが、幹部のOAに対するケチ志向はずっと変わらなかった。しかし一度でもサーバーが壊れてしまえばそれで終わりである。そのことの重大さに気付いた中間管理職は覚悟を決めて残り少ない今年度予算を全部つぎ込むことにしたのである。
まだ仕様は確定していないがOracleデータベースをVisual
Basic(もう古い?)のカスタムアプリにするか、Webブラウザにすることになるのだろう。私としてはWebには反対である。あのJava
Scriptのうっとうしい動きには既に別のシステムでうんざりしているからである。特に対外的な正式書類を印刷するのは全く不向きとしか言いようがない。
開発メンバーの一人として私もノミネートされた。10年以上も前にdBaseIIのマクロを組んだ経験は時代遅れになっているだろうが、実務サイドとして新幹線組の開発に途中から加わった経験は多少役立つかも知れない。
2002.01.14:
今日は成人式。今年も風変わりな式がある一方で、多くは紋切り型の挨拶で終ったようだ。
私の頃の成人式の印象は、「これで酒も煙草もOK!」というイメージが強かった。それだけ大人の仲間入りを喜ぶ傾向があった。中には「20歳になったから酒も煙草もやめるぞ」などというギャグを飛ばす者もいたが。
今の成人を見ていると、彼ら自身も自覚があるようだが、まだまだ幼いという感を強くする。時代なのだろう、社会とは閉ざされた世界で育つ上に大学への進学率が高いことが影響しているのではないかと思う。我々の頃は中卒で働きに出る者も少なくなかった。
成人式のありかたについては昨年に書いたので、これ以上深入りはしない。ただ最近は大人と子供の境界線が少しづつ曖昧になっているような気がする。つまり精神的にも経済的にも、「自立」ということを子供にはっきり自覚させない傾向が感じられてならないのである。
2002.01.13:
年に一度の会社OBとの新年会に行ってきた。もちろん仕事を取ってくるためのコネとか上下関係とかには全く縁のない、自由にものの言える交流の場である。OB、現役ともに現状を語り合い、時代の行く末を見る上でのそれぞれの思いを忌憚なく語った。
しかしそれぞれの人たち、特にOBの人生には今の日本の現状・経済が大きく影を落としていることがわかった。特に再就職とか年金問題はOBだけでなく、我々現役組とも深くかかわってくるからである。
こういう話は共通認識があってこそ本音を語ることができる。有意義な場を持てていることを誇りに感じる1日だった。
2002.01.12:
久々にウィルスメールが来た。BADTRANSである。
駆除したついでにCドライブの検査をしたらあ〜ら不思議、年末にJS/Seeker.genを貰っていたことが判った。当然駆除したが何となく情けなくなった。というのもあまり変なサイトには近寄らないようにしていたつもりだったのでWebのフィルターはかけていなかったからである。あ〜〜〜〜〜あ、油断も隙もない世界じゃ。(*_*)
2002.01.11:
今日は先日倒産した会社の事務所へ行ってきた。机の上は前日まで社員がいつもどおり仕事をして帰宅したそのままの状態で放置されていた。まるで社員全員が交通事故か何かで急死したという風な雰囲気である。
依頼していた機器の製作手配はすべて終っていたが、一部は下請会社が支払いの済んでいない品物を引き取ってしまっていた。今後はこれらの品物を転売されないうちに金を払って掻き集めなければならない。また倒産した会社が所有してる品物については管財人との交渉も必要になる。
2年半前の倒産のときはタイミングが非常に良くて、品物だけ回収していて後は金だけ払って(債務と言う)おしまいだった。
だが今回はそうはいかない。まだはっきりしているわけではないが、倒産したところの仕入先が悪質なところだとこちらの足元を見て吹っかけてくる可能性だってある。これは金額の多寡の問題ではない。従って精神的にも良くない。
とにかく今日は疲れた。
2002.01.10:
どうも妙チクリンに聞こえるのだが、アフガニスタンでオマル・ビンラディンの二人がなかなか捕まらないのに対して、アメリカ軍が「かくまっているのがわかったら爆撃するぞ」と脅かしのビラを撒いているという。
一体どこの国の話なのか、いつからアフガニスタンは米国の領土になったのだろうか?
主権を持つ国ならこんな無法は許さないだろう。だが、現在のアフガニスタンはこれに対抗できる軍・警察力も弱体化しているし、寄り合い所帯の暫定政権ではクレームすることさえできないのが現状だ。それをいいことに調子に乗るのはさらに悪辣としか言いようがない。元からが「世界の憲兵」を標榜して憚らない連中だから、これくらいのことは平気でやれる神経になっているのだろう。
2002.01.08:
今日出社したら危惧していたことが起こっていた。倒産である。もちろん私も当事者になった。
典型的な不況型倒産で、不渡りを出して大騒ぎになり関係者に迷惑をかける前に社長が自己破産を決断した。仕事の激減で刀尽き矢折れた果ての廃業である。
業界でもその仕事は評判が高かっただけに、私としても忸怩たる思いがある。これから後始末で破産管財人と打ち合わせをしなければならない。双方ともに辛い気持ちを押さえて、極めて事務的に処理しなければならない事態になったことに、心は乱れる。
2002.01.07:
大阪教育大付属池田小学校の子供たちを殺した事件で、弁護団が法廷で被告に対して「自ら犯行の動機を明らかにするように」という催促というか呼びかけを行なったという。
通常の神経では理解できないという意味で弁護団が匙を投げたような格好にも見えるが、同時に被告自身がこの事件に対して自分の責任を人事のように扱っているのではないかとも思える。
それとともに被告の父親が「全部私の責任、刺し違えて死にたい」と言っているそうだが、これも何となくしっくりしない。というのも親としての責任感から出る善意の発言としても、人間の人格形成は100%親が関与しているとも言えないからである。
では彼の歪んだ人格はどこから来たのか?また誰が主な責任を取るのか?
それはやはり本人が語る以外にないだろう。しかし十分な証拠調べも始まらないうちに弁護団から「お前が自分で解明しろ」みたいな発言になるとは、よっぽど異様なやりとりだったのだろう。門外漢の私が勝手な想像をすることは避けなければならないが、被告の極端なニヒリズムを垣間見る気がする。
2002.01.06:
家族揃ってスキーに出掛けた。息子は最初恐がって、去年よりも下手になったかな?と思っていたが、何のことはない、即座に回復するとともにそれ以上に上達してしまった。やはり子供の伸びる力はすごい。来年あたりは下手な親父を飛び越えてしまって相手にして貰えないのだろうか。
2002.01.02:
今日は京都の実家へ年始の集まりに出かけた。
そのときに気付いたが、初詣の人たちも少ないし京都駅前の商店街は閑散としていた。どう考えても不況の影響としか見えない。おまけにいつも利用する自宅最寄の駅では書店が1つ年末に店を閉めていた。昨年の駸々堂の倒産で出版業界も低迷していることは知っていたが、こんなところにまで影響しているとは思わなかった。
正月早々暗い話だが、現実は相当深刻であることを再び実感することになった。
2002.01.01:
皆様、明けましておめでとうございます。
昨夜は子供にとっても、また私自身にとっても生まれて初めての除夜の鐘を撞いた。大阪にあるネット仲間のご住職の寺では毎年鐘楼の鐘を撞いており、近所の人達に混じって順番を待った。だがこれで昨年の煩悩が払われたか、それは私もわからない。
今日は寝ぼけ眼で雑煮を食べたが、その後、子供にPCのサポーターをさせられた。従兄弟からメールを送りたいとの電話があり、アドレス(私の数あるアドレスの一つを与えた)を教え、まずは向こうから来たメールに返事を書くことと、アドレス帳に相手のアドレスを送ることから教えた。しかし初心者が決まってはまる、OutlookExpressのアドレスの表示名と相手の名前との混同で直接相手の名前を宛先に書いてエラーを起こしていた。しかし子供のことだからすぐに上達するだろう。
しかし良く考えると、ADSLになったからこそ家庭内LANを組み、2台並行して自由きままにネットに接続できるようになったのである。4年近く前、PCを買い替え、ネット社会に首を突っ込むようになって以降、あっという間に「IT最前線」とも言うべき環境になってしまった。時代の流れだろう。しかも当時に比べて便利になってなおかつ費用も安くなったのである。そこには競争と、そして忘れてはならないのが仕事に追いまくられ、決して働き易い職場ではないにせよ多くの技術者が努力してきたことがある。そういしたことに思いをはせながら、今年もまた職場サポーター、プラス家庭サポーターとして今年も走り回るのだろうと、ふと思った。