悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
02.09
2002.09.30:
秋雨前線の影響で雨の日が多くなった。やや湿度が高いのでジメジメしたところもあるが、朝夕は本当に涼しくなった。昼間はともかく、出退勤の時間はやはりスーツがいる季節だ。コオロギも鳴いて、少しづつ静かな秋の夜は暮れていく。
上期の決算も終って区切りがついたようだが、イギリスでのトラブルに関した幹部の査察が近々行われるので心の中は落ち着かない。
2002.09.28:
「のぞみ化プロジェクト」のコーナーで書いたが、大変な話が出てきた。まだ最終決定ではないが唖然とする話である。
時間も金もないから帳票だけとりつくろって現行の「新幹線システム」を他のとことろにも無理矢理押し付けてしまえという指示である。いちばん腹が立つのは、ワーキンググループの議論を無駄にすることもそうだが、上層部へ来年のスタート期限を約束したからそれを死守せよということである。いったい誰のためのシステム更新なのか?
週明けには死ぬほど噛み付いてやろうと思っている。
2002.09.27:
ついでだから鉄道の話題を続ける。
在来線の東海道・山陽本線の快速電車に113系が走っている話は幾度か書いたことがあるが、一度だけ113系の1号編成を見た事がある。調べると網干運転所が拠点になっているようで、1963年(昭和38年)に製造されてから今も現役で走っているのだから驚きである。現役の電車としては最年長というわけではないが、113系と同世代の115系は全国的にもそこそこの台数が走っているから「丈夫で長持ち」の典型であろう。
本来なら廃車されても不思議ではないが、新車と入れ替えないのはそれなりの理由があるのだろう。しかし、想像するに部品の交換は大変だと思う。いくら鉄道用の部品が特注だとはいえ、作る技術や製造設備が変化するので40年近くも同じ物を作り続けるのは容易ではない。京都の梅小路蒸気機関車館にあるSLなんぞは部品を手作りせねばならない。その意味で113系もメンテナンスに苦労しているだろう。
ただ、最近の量産品は使い捨ての傾向が強く、一部が壊れても丸ごと取り替えてくれというのが多い。というかコストダウンでチャチな部品が多いし、組み立て工数を削減するためにネジ止めの箇所も非常に少ない。40年前だったら分解して手入れ、再組み立てというのは難しくなかった。そのあたりが長持ちの秘訣なのかも知れない。
2002.09.26:
最近、JR(西日本)の車内放送に新たなものが加わった。「ケータイの電源を切れ」の他に「不審な荷物は連絡を」と「駆け込み乗車は危険」がある。
不審な荷物というのはオウムの地下鉄サリン事件以降だったと思うが、駆け込み乗車は最近特に強調されるようになったような気がする。確かにあれは危ない。私も一度だけ体の真ん中でドアに挟まれて結構痛かった記憶がある。乗り物のドアは普通エアシリンダで駆動されている。なぜかというと、もし人が挟まれて途中で止まった場合にシリンダの中の空気が圧縮されることによって押す力が若干緩和されるからである。もし油圧シリンダだと、油に圧縮性がないために反発力がもろに人間にかかって骨折する可能性が高くなる。
もちろん空気でも危険性はある。最も危ないと思われるのが閉まりかかったドアに指をかけること。次が傘を差し込むことだろうか。理由をくどくど説明する必要はあるまい。
駆け込み乗車の問題は、危険性の他に車内放送にもあるようにダイヤの乱れになる。昨日も書いたように最近のダイヤには余裕がない。阪神電鉄などは昔から特急優先のダイヤでものすごくタイトである。阪神の普通電車に乗ったことのある方はあの体が持っていかれるような高加速を知っておられると思うが、特急に追いつかれないよう新幹線と同じくらいの馬力のモーターを使って猛烈に走るのである。
さて、危険といえば、車内での化粧、特にまつげの手入れは最悪である。もしあのエスカルゴをつまむ鋏のような道具(ビューラーと言うらしい)を使っている時に急停車したらどうなるか、答えは明白である。
2002.09.25:
ふと疑問に思って調べてみた話。
現在東海道・山陽在来線を走っている新快速、これはいつ頃から始まったのだろうか? 私の記憶では30年くらいと思っていたら、やはり1970年ということが判った。運行当初の車両は新幹線の開業で余った急行電車用の153系。多分今は1両も残っていないだろう。それが1979年に117系、1989年に221系、そして1995年からは223系が登場した。
新快速は私鉄とのスピード競争で次第に早くなり、223系では最高130km/hで風を切りながら走る。そうなると新快速を優先させて走るためにスピードアップの度にダイヤが変わるのである。実はその影響で、複々線の線路の使い方が一部で風変わりなことになっている。そこから最初に書いた私の疑問が生じたのだ。
今の新快速は特急や貨物と同じ外側線を走る。快速・普通は内側だ。ところが灘〜芦屋の間についてだけは昼間の快速が外側を走るのである。そもそもの原因は新快速に合わせて快速もスピードアップしないと西明石から東で新快速が快速を追い越すことが出来ないことにある。西方は複々線でないためである。ところが快速は逆に明石海峡大橋の開通で舞子に停まるようになるなど次第に停車駅が増えて平均時速は下がる一方。おまけに途中で普通電車を追い越す必要があるなど制約が多いのである。それで限られた距離と時間を有効に生かすために苦肉の策が取られた。
従来から快速は芦屋駅で普通電車を追い越す。同じ線路で電車を追い越す場合、前後の電車の間隔は最低でも2分は必要であるが、これをさらに短縮する方法として考え出されたのが、快速を一旦外側を走らせることだ。これだと電車が並行して走れるので前後の間隔は不要になる。実際、上り電車だと三宮あたりでは前を走る普通電車の4分後から快速電車が追いかける。これが灘を過ぎたところで快速が外へ回ってしゃかりきに追いかけると、何と芦屋ではほとんど同時にホームに滑り込むのである。そして快速電車は先発して内側へ戻るのである。下りだと快速と普通電車はほぼ同時に出発し、快速は先回りして灘駅の手前で内側に入る。
私鉄とのスピード競争があるために必死の思いで考え出された妙案であるが、一旦ダイヤが乱れると影響が大きくなる可能性があるだけに、高速でレールが磨り減るのと同じくらいに、運転士をはじめとする関係者の神経もこれまた磨り減るのではないかと心配している。
2002.09.24:
子供がネットゲームをやりたいと言い出した。世間でも有名なあるゲームである。
ID登録も無料だしフリーのプレイ用ソフトもダウンロードしてやって許可した。そしてこれがチャンスと思い、ネチケットとかセキュリティーの概略も説明した。そして最後にメールアドレスや電話番号、住所などは公開しないように注意したら、「わかってるよ」との答えが返ってきた。
どこでそういう知識を得たのか、本人も無意識であったが、私の行動や友達からの情報を総合して、プライバシーの公開はまずいということを知ったのだろう。
もしろん子供のことだからこれで安心とは思っていない。というか場合によっては軽い痛みを経験しなければならないことも必要かも知れない。しかし世間一般のトンデモナイ話、特にチャット、オークション、フリーマーケットでのトラブルの多くが無知・無警戒によるものであることから考えると、早目に教えておかないといけないと思うのである。
今日、「のぞみ化プロジェクト」の会議の後、数人と一杯飲みに行った中でこのことが話題になった。
2002.09.22:
あるTV報道番組で日朝合意の特集をやっていたが、ひとつだけ気になったのが「日朝合意と拉致問題との矛盾」というスタンスだった。
しかしこれのどこが矛盾なのか? まったく不可解である。
街のインタビューでも、拉致された家族の悲痛な心境を思いやると同時に、国交正常化への一歩を踏み出したことに対しては肯定的な意見が多かった。私も二つの問題がが対立関係にあるとは思わない。
というのも北朝鮮の側にも同じ事が言えるからである。彼らにとっては日本の戦争責任と国交回復は密接な関係にある。だからといって謝罪だけでなく経済援助などがすべて解決しない限り国交回復しないとは言っていない。また過去の日本がアジア各国と国交回復するにあたっても。何もかもが解決しないと信用できないなどという議論は問題にさえならなかった。
確かに今回の拉致事件ほどひどい話はない。外務省もまた恥をさらした。しかし真相解明はこれからである。これは徹底してやるべきだし、北朝鮮にも責任を明確にして貰わないといけない。それには勿論遺族への謝罪と補償を含むのは当然である。だがそのことは国交回復交渉とは全く矛盾しないし、下手なリンケージをしたらまた世界から笑われるだろう。
TV番組の妙な姿勢がどこから来ているのかは知らないが、トンチンカンな議論はしないほうがいい。2002.09.20:
急な東京出張となった。原因はまたも契約のゴタゴタ、そして訴訟を臭わせる手口もまた・・・
しかし今回はこちらも馴れ(?)たものだし、相手側も仕事そのものは終ってしまっているので、脅しとしてはあまり効果はないと思うのだが、それでも念のため弁護士の見解を仰ぐことにしたのである。
東京からの今日の帰りは早めにした。連休前で下りの新幹線は席が取れないと判断したからである。案の定、新神戸に着いて空席状況を見たら夕方の下りの指定席はどの列車も満席になっていた。もちろん自由席の手もあるのだが、夕方の超満員の中で3時間以上も立ったままというのはもはややる気もない。2002.09.17:
14日に書いたように、エディタをHomepage
Managerに変えたことによってゴミタグの整理がやりやすくなり、ファイルのサイズもコンパクトになった。そこらあたりはFrontpageExpressのように自動的にタグがベタベタ貼りついたり、勝手にタグを書き換えるのとは全く感じが違う。その代わりにリンクとかテーブルの細かい設定は手入力にならざるを得ないが。
ちなみに一度だけWord2000でHTMLの編集をやったことがあるが、あれは本当にひどかった。WYSIWYG機能がついているのだが、馬鹿丁寧にいちいちワード単位でFONTタグの定義をしてしまい、あっという間にファイルが膨れ上がるのである。やはりすっきりしたHTMLエディタを見つけるのは難しい。世間では「ホームページビルダ」の人気が高いようだが、実際はどうなのだろう?
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追記:
北朝鮮に拉致された人たちの消息が公表されたが、「死亡」というのは想像だにしなかった。なんと言うことだろう・・・
基本的には北朝鮮の側に非がある。しかし、ここまで解決の糸口を見つけるのが引き延ばされてきた原因のひとつに、日本政府が北朝鮮を徹底して敵視し、何十年も外交ルートを開いてこなかった事実もあると思う。アメリカなどは早くから非公式ながらも積極的に接触していただけに、その差が際立つ。2002.09.16:
スタイルシートによる全ページの編集が終った。ついでにゴミタグの整理も行ったのでかなり時間がかかってしまった。
あ〜しんど!
2002.09.15:
スタイルシート作成のために過去の日記を調べていたら、去年の2月8日にマシンの比較表を載せていたことがわかった。
ついでだから子供用新機を付け足す。なお、旧子供用は近所に嫁入りした。
新(私) | 旧(子供) | 新(子供) | |
---|---|---|---|
本体 | FMV ME5/657 | NEC PC98NX VS20C | NEC PC98NX VL300/2D |
拡張メモリ | ノーブランド 128MB | MELCO 64MB | - |
プリンタ | CANON BJ F360 | CANON BJ-15v Pro | CANON BJ S700 |
拡張ドライブ | HD-4.3GBx1, HD-60GBx1 | - | - |
ターミナルアダプタ | NEC Aterm IT21L(飾り) | - | - |
2002.09.14:
9日の日記で約束したスタイルシート、ちょっとテスト的に採用してみたのでご覧いただきたい。なお、ソースを見ていただけると判ると思うが、定義を別ファイルにしていない。IEとNNでフォルダの解釈が違うとの話のためである。
しかし、スタイルシートを編集するにあたってえらいことがわかった。普段使っているFrontpageExpressがもはや古くなっていて、STYLEタグを受け付けないというか、勝手にPタグを挿入してしまうのである。これは参った。
それで急遽Homepage
Managerというフリーソフトを使うことにした。このソフトはテキストに加えて簡単ながらもWYSIWYGエディタを備えており、以前から注目したので既にインストール済だったのである。それが今回役に立った。
さて、見易さについて御意見を伺いたいので諸兄の方々、掲示板の方へぜひご感想をいただきたい。
2002.09.13:
この頃、街中で見かける若い女性で目立つようになってきたのが、耳にはヘッドホン、目はケータイの画面のまま歩いている姿である。
「見ざる、言わざる、聞かざる」をそのまま表現したようないでたち、非常に危険ということもあるが、そこまでしてプライベートな空間を確保したいか、という思いがする。
別な言葉で表現すると「歩く個室」とでも言えようか。以前から日本人の「孤立化傾向」ということを指摘してきたが、家の外にいる限り避けようのない他人との接触を、公共の場でもなるべく避けたいという気持ちがにじみ出ている感じがする。本人にはあまり意識がないだろうが、そういう行動の裏にある若者たちの「いつでも自分だけの空間の中にいたい」という気分を、最も過激なかたちでアピールしているように見えた。
2002.09.12:
嗚呼・・・阪神5位転落!!!
2002.09.11:
9月11日がやってきた。悲しみを新たにしてあの日が蘇る。アムステルダムの空港待合室にあるTVではもうひとつ判らなかった。その後イギリスのホテルに着いてからやっと事態が飲み込めたのだが、あまりの衝撃に言葉を失った。ただテロによることだけはつかめたので、昨年の日記にはこう書いた。
いかなる理由があろうと、テロを正当化する理由は何人も持ち得ない。何の罪もない人たちに対する攻撃は世界に対する挑戦状だ。
このことは今も生きているだろう。その後のパレスチナ問題はまさにそのことを証明した。
また、今ブッシュ政権が試みようとしているイラクに対する攻撃という冒険主義はテロと殆ど違わない雰囲気だ。いかに米国民が支持しようとも(それだって50%の支持率だそうだ)、「悪の枢軸」などというレッテルを貼る権利はない。
2002.09.10:
今日はちょっと部長の機嫌を損ねるような話になった。
要するに昔からの新幹線組でのやっつけ的な仕事のやり方が、謹厳実直な部長の肌に合わなかったのである。まあそういうこともあるだろうが、今の事務所に移ってから丸3年、新幹線組が次第に陸蒸気組の組織に吸収されるにつれて、今まで表面化しなかった文化の違いが真正面から衝突しだしたのである。
そういうこともあるだろうとは思っていたが、実際に遭遇するとあまり気分のいいものではない。もちろん郷に入っては郷に従え、ではあるのだが。
2002.09.09:
ゲストブックを変えたら早速レスポンスがあった。
その中で行間の狭さの指摘があったので、この日記を改めて眺めてみると確かに今月の初めからびっしりと字が詰まっている。よく気付かなかったものだ。
解決策としてはスタイルシートの採用が現時点での最善策なのだろう。早速「とほほのWWW入門」で少し勉強した。根がズボラな性格なので今までHTMLの基本しか考えて来なかった。でももうそういうことも言ってられない時代のようだ。
それにしても最近のJava
Scriptなどの乱用を見ていると何となく気が引ける。会社の出張旅費精算用ウェブデータベースなどは最悪で、会社が標準にしろと言ったネスケで入るとわけわからん状態になる。多分そういう経験が尻込みの原因なのだろう。
スタイルシートにはひとつだけ気になることがある。古いブラウザには当然対応していない。比率にしたら恐らくユーザーの一割にも満たないとは思うが、マイノリティーの人達が犠牲になることである。結論的にはスタイルシートの採用に踏み切らざるを得ないだろうが、不幸にして見づらくなった人には事前に謝罪しておく。ゴメンナサイ。
ということで今週末には改造に向けてのテスト&本番に入るだろう。
2002.09.08:
ゲストブックを変えてみた。
前のものはフリーウェアのCGIを一部改造したのもだったが、どうも使い方がしっくりこないし、CGIの作者も新シリーズのもっとややこしいものに変えてしまったので、もうひとつ前の無料BBSを利用することにした。
気分一新、ゲストの皆様の叱咤激励をお願いする。
2002.09.06:
昨日の事件、S君の上司のところへ話が行った。どうなったかはわからないが、「教育的指導」のようである。
こういう場合、本人だけでなく周囲の人間にも指導がなされる。S君のようなケースが出る背景には同様なことをやっている人間がいるかもしれないからである。実は今日もまた、今度は違法行為寸前の話が持ち上がった。S君と同僚のK君が「有印私文書偽造」を他人に実行させようとして未然に防がれる事件が発覚したのである。
ある大手ゼネコンからの公共事業の下請で、ウチの会社が現地工事を請け負っていた。マスコミでも取り上げられたが、最近現地工事の丸投げ下請が禁止されるようになった。そのため、法律施行以前に商社を挟んで既に出していたある工事の孫受け発注が違法行為となることから何とか解決しなければならなかった。念のために言っておくが、この商社は実際の仕事をする業者の出資会社で、商道徳に反するようなピンハネを目的とした仲介をやっていたわけではない。しかし法は法、ということでこの商社を抜いた直接発注にする必要が生じ、またゼネコンからも丸投げをしていないという証拠を提出せよということで、その注文書のコピーを提出しなければならなかった。
だが、ここでK君の行動が問題となった。
彼は発注担当から商社経由の注文書のコピーを貰い、それに似せた工事業者への直接発注の注文書を作って、「丸投げ問題を解決するためにウソの注文書を作らざるを得ない。だからこれに判を押してくれ」と頼んだのである。発注担当は驚いた。新しい法律施行以前から労災の関係で下請関係を証明するために注文書のコピーをゼネコンから要求されることはしばしばあったので、コピーには気軽に応じた。しかしニセ注文書に「捺印」となるとタダでは済まない。「有印私文書偽造」は明白だから、ばれたら本人と会社の責任が問われることは必至である。
しかもK君はこの書類に簡単なメモ書きをつけて発注担当に送ってから自分は出張に出てしまった。つまり認識が軽いのである。慌てた発注担当は、K君の上司にクレームすることになった。「いくらなんでも判を押せとはひどすぎる」と。
この解決策として、結論的には直接発注の注文書が切られ、商社には別途手数料が払われることで違法行為は防がれるだろう。だがK君のような安易な行為が何を意味するか、これがひとつのポイントである。
雪印の事件が典型だが、「会社のためには仕方がない」との理由で違法行為を強行し、そしてそれが日常化すると意識が次第に麻痺して問題とも思わなくなるのである。K君はまさにそういう世界にいた。ウチの会社もゼネコンも「丸投げ」の世界にどっぷり浸かっていたために、新しい法律が出来て混乱し、なおかつその混乱を別の違法行為で解決しようとしたのである。こういう世界に住み続けていると正常な行動ができなくなる。そのことを強調しておきたい。
2002.09.05:
今日、ある社員が社内ルールを無視した行為をやったために大騒ぎになった。本人は自覚がなかったのだが、私が電話で警告しているのを耳にした上司が事情を知って「大問題だ!」と話を拡大したのである。
話の発端はこうである。設計のS君がン千万円もする電子機器の買入票を切った。それが手配担当に回り、そして納品を受け付ける倉庫担当が員数チェックをして現場に回す手筈になっていた。ところがS君はこの電子機器を工場試運転で必要になるからと倉庫担当の了解も得ずに、メーカーに直接連絡して品物を自分で受け取り、そのまま現場に持ち込んでしまったのである。それが発覚したのは納品から1ヶ月も経った今日、おまけにそれを組み込んだウチの機械は既に出荷されていた。ということは倉庫担当は納品された事実をまったく知らなかったのである。
例えて言えば、受取人になりすました他人が勝手に受領印を押して物品を横取りしたのと同じことになる。
同じ社内だからいいじゃないともいえるが、大企業の場合はこれが大問題となる。
これは原則論だが、多くの企業での物品の購入には「三権分立」と呼ばれる相互チェックシステムを採用している。つまり要求→買入→検収→支払のルートで、最初の3箇所の担当を別々の人間に分けることによって、不正行為が行われることを防いでいるのである。最後の支払は別格で、ここでは会計監査が目を光らせている。もちろんこれらの三権が結託し、会社の金で買った品物を着服する「業務上横領」はまた別問題であるが。
中小企業では各担当が個人がベースになっているケースが多い。組織があっても社長あるいは役員クラスの部長が目を光らせている。だが大企業では大きな組織で運営するために一個人のやっていることを事細かに監視することはできない。そのために杓子定規なルールと必要書類が決められいるのである。従って各部門の間での連絡はハンコをついた書類が大量に飛び交う。この点は役所と同じかそれ以上である。しかし書類以外に事実の客観性を示すものは何もないとも言えるので、無用のトラブルを防ぐには他に方法がない。そこが大企業の大企業たるところで、特に検収を担当している部署では支払に直結するだけに、書類の完備が必要になる。事実、検収データをインプットするコンピュータプログラムはタイムスタンプの他に誰がインプットしたかを記録するようになっている。
それだけ厳密なものを、入社して20年にもなるS君は教育されていなかったようで、安易に違法?なことをやってしまったのである。私は倉庫担当ではないのだが、ことの重大さに気付いて彼に警告を与えたのだった。明らかに検収担当に断りも入れていない越権行為、しかも手配したものと同一であるということを証拠立てる書類には不備があった。しかもその品物はもはや社内にはない。
明日はどうなることやら・・・
2002.09.03:
神戸市バスの中でこんな張り紙を見た。
謝 罪
平成14年8月28日、市営バスにおいて、運転士の酒気帯び運転による死亡事故を引き起こし、誠に申し訳ございません。
亡くなられた野田八恵様に心からお詫び申し上げるとともに、ご冥福をお祈りいたします。
市民の安全を守るという市営バスとして、前代未聞の事件であると厳粛に受け止めております。
今後このような事件が二度と起こらないよう、管理体制の強化、職員の指導の徹底等、厳正に対応してまいります。
このたびは、誠に申し訳ございませんでした。
神戸市交通事業管理者 井村 幹雄
同文は神戸市交通局のHPにも掲載されていた。そして今日、この運転士は懲戒免職となった。
非常に早い対応、当然といえば当然。それも事は基本的に一運転士の規律違反だからだろう。組織的な問題だとこうはいかないかも知れない。
「組織的な問題」と強調したのは最近の傾向として組織全体が問題を起こしており、またそれを統括・管理する上部の認識があまりにも世間の常識とかけ離れているからである。もちろん神戸市バスの今回の問題が組織全体に潜在しているという証拠があるわけではない。
しかし最近の企業のモラルの荒廃を見ていると、神戸市バスの事件の裏に何か引き金になるようなものがありはしないかと、妙に猜疑心を持ってしまうのである。
2002.09.01:
最近の企業のモラルハザードには背筋が寒くなる。人の健康に大きな影響を与える食品に加えて、ひとつ間違えば地球規模での被害を与えかねない原発も例外ではなかった。
もちろん原発については以前からチラホラ疑惑の噂が告発本に出ていたりした。しかし決定的な証拠は行政と電力会社に握られていたために真偽はいつも闇の中だったのである。しかしそれもついに崩れた。
今回は内部告発というより国外からのタレ込みである。そして疑惑を調査するのに行政が意図的に報告を遅らせたのではないかという新たな疑問も浮かんでいる。要するに電力会社と行政が「安全神話」の崩壊を恐れて、何とかうやむやにならないか腐心したという図式も成り立つだろう。しかし事実は明るみになった。
世間に対する背信行為ではないが、ウチの会社でも赤字の事実を正確に上に報告しなかったとして最近大問題になった。原因はある部長が普段から部下への恐怖政治を敷いていたために誰もが部分的な報告しかせず、気付いたときには重役の決裁を得なければならないほどの大赤字が出てしまったのである。結果として幹部がこの部長を抜きにして下の人間から事情聴取し、強権で組織を変えてしまった。それも重役が「雪印の教訓として問題があるなら早く上に報告しろ」という指示を出した矢先のことだったのである。
もって他山の石とすべし。このままでは日本の企業は世界からつまはじきにされるだろう。