悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
02.06
2002.06.30:
今月も終わりになった。
今月ほど色んなことに振り回されたことはなかった。先月末からのイギリス出張に始まり、引き続いて別のイギリスとの会社とのいざこざ、その合間に「のぞみ化プロジェクト」の会議。少なくとも昼間は息抜きの時間はまったくなかった。
そして極めつけは・・・・この話は初めて書くが、実は会社の昇級の試験・論文が月末に待ち構えていたのである。
もはやこれ以上言うことはあるまい。おまけにどれもこれも来月に入っても引きずりそうな雰囲気なのだ。
2002.06.29:
ここ数日、リンク切れがまったく起こっておらず、当然ながらプロバイダから割り当てられるIPアドレスはずっと同じままである。
きっかけは24日に行なわれたプロバイダのサーバーメンテナンス以降のように感じられるが、確信はない。それにしてもADSLは非常に環境に左右されやすい技術だ。今までまったく経験のない、低周波の線路に無理矢理高周波を混ぜるという、画期的なアイデアでありながらリスクの大きい方式だからである。
ものの本に書いてあったが、「ADSLを光ファイバーが普及するまでの単なる過渡的技術として批判する人もいようが、最低でも数年は続く、次の技術が一般に普及するまでの必要なプロセス」と位置付けていた。まさに同感である。ローマは一日にして成らない。8ビット機が一世を風靡したように、それは16ビットのCPUを準備するための揺りかごとして必要不可欠だったのである。
2002.06.26:
今月は「のぞみ化プロジェクト」他で出社していないことが多く、事務処理が猛烈に溜まってひどい目に合っている。今週などは月曜日と明日の午前中しか顔を出さない。「今月は半分くらいいなかったかなあ」とアシスタントの女性に聞いたら、「3分の1しか顔を出してないと思いますよ」との答えが返ってきた。
2002.06.25:
通勤電車の窓を眺めていたら、兵庫駅のところでふと気付いた。神戸での試合が終って、出口を示す黄色の大きな看板がなくなっていた。ああ、もうW杯は終わりに近づいているのだった。
今夜は韓国−ドイツ戦。この日記は試合中に書いたのでまだ結果は出ていない。
2002.06.24:
イギリス出張はなくなった。しかしその裏では大変なことが進行していた。ここ数日、その件で走り回り、また憂鬱な気分の日々が続いていたので、日記もちょっと休みにした。
前置きが長くなったが、遂にイギリスでの交渉決裂、相手が仕事を妨害するぞと受け取れる内容の宣言をしたためにこちらから契約破棄を申し渡した。こうなったら相手は予告通り訴えて出るだろう。国内の裁判ではないので国際的な民間の仲裁機関に裁定を仰ぐ形になるのだが。
2002.06.20:
郵便ポストを覗いたらユニセフの募金依頼の封筒が入っていた。差出人はニューヨークの国連本部で、アメリカの消印が印刷してある。しかしどう考えても日本で印刷して郵便局とは関係なく各戸に配布したものに見えた。
かつ私の個人名が封筒と中の案内状に書いてある。しかし私はこれを不愉快と感じた。何故ならどうして私の個人名を知り、そして募金を依頼することになったのかの経緯がまったく書かれていないからである。個人のプライバシーということを考慮するなら、個人名をどうして知り得たかを説明するのは当然ではないか。さもなければ不正な方法で個人名と住所を入手したとしか思えない。ユニセフとあろうものがこういう配慮をしないことには愕然とする。
このホームページのアドレスを使った一方的宣伝メールなどはそれなりの扱いすればいいし、その程度のものとして軽蔑しながら削除すれば済む。しかし天下のユニセフがやることではない。以前、東芝が私の会社のアドレスに対していきなりぶしつけな宣伝メールを送ってきた。東芝とは仕事の付き合いで知らない関係ではない。だがやはり宣伝を送ることになった経緯が書いていなかった。激怒した私は心当たりのある営業マンに対して「無礼にも程がある。二度と送るな」と書いたメールを送った。
2002.06.19:
16日、会社に出て行く前の午前、休日の授業参観があった。
授業をのぞいていたら若いお母さんがやってきた。それも手に小さなミネラルウォーターのペットボトルを握りしめ、そのまま教室に入ってきた。さすがに教室で蓋を開けることはなかったが、十数分いた後やはりペットボトルを握りしめたまま知り合いの人たちとおしゃべりし、その場を去った。
こういうのを「子供が子供を育てている」というのだろう。バスでも電車でも平気で立ったまま飲食する。それはまさに大人のコピーでしかない。
2002.06.17:
朝一番の「のぞみ」で東京へ。そして帰りは「ひかり」だったが、これが往きと同じ700系の車両だった。運用の関係だろうが「ひかり」に「のぞみ」車両が混じることがままある。
今日の車内でひとつ気付いた。新幹線の案内で途中の停車駅を示す英文が"stopping
at〜"となっている。イギリスでは表示も放送も"calling
at〜"になっているのだが、日本はアメリカに合わせているのだろうか。またオーストラリアはどうなのだろうか?
2002.06.16:
急遽会社から「ヘルプ!」の電話があり、2時から9時まで延々会議。結果、明日は東京へ日帰り出張となった。そして・・・
19日か20日にイギリスへ出発しそうな感じだ。
今月はスケジュールが滅茶苦茶建て込んでいる。実は「のぞみ化プロジェクト」の会議スケジュールも詰まっているのだが、これではまともに進まなくなりそうで、他のメンバーから白い目で見られそうだ。もしそうなっ後はたら上司に任せるしかあるまい。彼も事情は熟知していて、何とか尻拭いをしてくれるだろう。
2002.06.15:
サッカーW杯、日本が1次予選を突破するという快挙には本当に頭が下がる。私もにわかサッカーファンの仲間入りをしてしまった。
それまで国際試合で1勝はおろか1点すら取れなかった時代、ヨーロッパの向こうを張ってJリーグまで作っても国際レベルには簡単に追いつくまいと思っていたが、あれよあれよという間に急激に延びた。
地元での試合ということを差し引いても、2勝1分というのは、ダテではないだろう。
中田をはじめ、国外でプレーする選手も増えた。野球界でもイチローなどが活躍する時代、スポーツの世界では本当に国際的に通用する一流選手が増えた。それはそれでいいことだろう。
それにつけても日本の経済、そして日本人の生活レベル、ましてや働く人たちの労働条件は国際レベルには程遠い。スポーツ同様、努力すればできないことはないはずなのだが、それを阻んでいるものがあまりにも大きすぎるせいなのだろうか。
2002.06.14:
今日は通勤電車でえらい目に遭った。朝6時半頃に尼崎で老女が電車にはねられたらしく、それで上下線ともストップ。運転再開が7時を過ぎていたから通勤時間と重なって混乱。私といえば下り電車が来たのは7時20分。それで乗ったのはいいが途中で「網干行きですが、西明石で運転を打ち切ります」というアナウンス。こちらはまだ西へ行かねばならないので真っ青。今日は重要な用事で定時に出勤しないといけない。しかし西明石に到着したのはちょうど8時。 w(☆o◎)wガーン
ついにタクシーを飛ばすことになった。もちろん不可抗力でタクシー代は会社に請求した。
そして退勤したら・・・まだダイヤが乱れまくっていた。車両のやりくりが滅茶苦茶になったのだろう。
2002.06.13:
通勤電車から見た風景で気がついたこと。
その1−そろそろ田植えのシーズン、田圃に水が張られ、一部はもう小さな苗が植えられていた。梅雨入りがもうひとつはっきりしないが、農家は空と気温と溜池の水量を気にしながら今が時期と判断したのだろう。
その2−兵庫駅のホーム、よく見ると「出口」を示す黄色い看板があちこちにあった。それも上から日・英・中・韓・仏の5ヶ国語で表示されている。試合がある日は新快速が臨時停車する。さらに、ホームには黄色いボックスの非常停止ボタンがこれまた増設されていた。ワールドカップが終ったらこれらは外されるのだろうか?
2002.06.12:
最近息子が「一緒に風呂に入ろう」と言わなくなってきた。たまには声をかけてくるが、明らかに回数が減った。
高い声が出にくくなってきたということも合わせて、少しづつ変化が出てきたようだ。子供の成長と親離れが進行中である。
2002.06.10:
思い出しイギリス日記・4
食い物をまだ引っ張る。
イギリスへ行ったときの土産の定番はカマンベールチーズとショートブレッドである。チーズ(但しフランス製がベスト)の方は有名だから説明の必要はないだろうが、この「ショートブレッド」だけは日本でもあまり知られていない。というかデパートの輸入お菓子売り場でも目立ったところで売られていない。
正確には"Scottish
Shortbread"と言って、バターの多いクッキーの一種である。味と手触りははクッキーよりもボサボサした感じだがあっさりして美味いのである。ビスケットのような口の中で粘る感じはないし、かといってクッキーのような強い甘さでもない。
家でも会社でも非常に評判は良い。だが日本で積極的に売られていないのは何故だろう? 想像だが、握ったり齧ったりすると破片がどっとこぼれ落ちるのを「これでは評判が悪い」と勝手に思い込んでいるのではないか。
空港の免税店では必ず"Walkers"というブランドの赤いタータンチェックの箱が置いてある。
で、よく考えるとこのショートブレッド、"Scotland"の名物であって"England"ではない。"England"にうまいものなし、か(笑)
2002.06.09:
ちょっと辛いニュースが入ってきた。会社の友人がひとりガンと診断された。詳しくは分からないが、外科手術を適用しないというから恐らく末期だろう。
独身で家族は母親ひとり。父親もガンで亡くなったというから彼もそれなりの想像はできるようだ。医者は告知をしたが、はっきり末期とは言っていない。そのあたりが微妙なところで、本人がツッコまない限り、末期とは言い辛いだろう。ましてや私が調べたところでは5年生存率が2割を下回るときては、もう言葉が出ない。
彼はこれから会社を休職して療養生活に入る。痛みも既に出ていて、化学療法(抗がん剤)とともにペインコントロールも必要になるだろう。
ガンの辛さは一進一退を繰り返しながら悪くなる方向に向かっていくことである。これが本人は勿論、周囲にとって非常にこたえる。しかしそれを乗り越えて充実した最期を迎えさせてあげるのが最も望ましい。友人のひとりとして何かの手伝いをしようと思う。
2002.06.08:
今朝のNHKで親子3人家族の月あたり電話・インターネット料金が42,000円というのをやっていた。母親と小6の娘がケータイを持っているが父親は持っていないという、どこにでもあるような感じ。しかし話を聞いていると彼らはあまり金額そのものに頓着してないような印象だった。それと今頃の小学校6年生はすでに半数近くがケータイを持っているらしい。それも使い道はメールが主なようである。
ウチはケータイなし、固定電話とADSLで10,000円ちょっとである。また子供も(男のせいだろうが)まだケータイには興味を示していない。この差は何なのか?
番組では「もっと安くできる」というテーマだったが、この呑気な家族は料金体系について本当に何も知らないという雰囲気だった。というよりも何とか安くならないかという努力もしていないし、あれこれ調べてみたけれどわからなくて困っているというような切実感もなかったと言ってよい。ネットも買い物などには熱心だが、本物の情報を求めて苦労しているという姿も見えなかった。
ここまで来て私が感じたのは、モノは豊富にあるように見えるが、本当に必要な買い物をじっくり選んで買うとか、安くていいものを必至に探すという姿勢が薄いというとことであった。そう言えば最近の女性雑誌はゴシップ記事を除いて、食べる・飾る・遊ぶといった話題しか載っていない。中には商品カタログとしか思えないものもある。さらに男性雑誌にもそいう類のものを見かけるようになった。
モノが豊富なったことはいいことだが、「あれも買え、これも買え、じゃんじゃん金を使わせろ」という宣伝文句を流し、若者がそれを無批判に受け入れるように誘導している傾向を見ると、本当の豊かさって何なんだろうと考え込んでしまう。
2002.06.07:
会社帰りの電車にワールドカップの試合が終ったスエーデンのサポーターが乗り込んで来て、はしゃいでいた。試合後の混雑はもう過ぎていたが、黄色いシャツを着た連中が大声で応援歌を歌っていた。中には日本人も混ざっていたが、彼らは通訳ボランティアなのかも知れない。
2002.06.06:
突然、関東の1工場を閉鎖する話が発表された。そして大挙してこちらの事務所・工場に移転するという。何か暗い気持ちになる。
おまけに向こうの人員のすべてが移るのではなく、別の工場へ分散させられたり、ドサクサに紛れて会社を辞めてくれることを期待しているフシもある。えげつないと言ったらありゃしない。
2002.06.05:
思い出しイギリス日記・3
食い物の話の続き。
最近イギリスではコーヒーの愛飲家が増えているそうで、コーヒーショップのチェーン店が繁盛しているらしい。確かに向こうの会社へ行ってもコーヒーを飲む人が多かった。時代は変わってきている。
それから向こうのレストランだが、伝統的なパブも勿論多いが歴史的な背景から中華、インドのレストランも目立つ。そんな中、イタメシの店も結構多くてイギリス人に人気があるようだ。もっともウチの会社で雇っているイタリア系フランス人に言わせると「あれはイタリア料理ではない」ときびしい。
ところで去年からのイギリス出張シリーズで、まあまあいけると思われるイタリア料理の店を見つけた。名前は"Concordia
Notte"。場所はロンドンのパディントン駅から西へCraven
Roadを数分歩いたところにある。すぐ近くに私の定宿がある。パディントンを拠点にしているのはヒースロー空港まで行く直通列車の出発駅であるためで、帰国する場合の午前の便に乗るには極めて都合がいい。実際駅近辺にはホテルがずらっと並ぶ。
さて、"Concordia
Notte"で日本人の胃袋には十分なスープ+メイン+ビールを注文すると約£20、高くもなければ安くもないといったところか。
2002.06.03:
思い出しイギリス日記・2
次はイギリス料理。
日本のガイドブックでもそうだし、ヨーロッパの大陸側でもイギリス料理の評判は芳しくない。食えるのはフィッシュ・アンド・チップスくらいというのが大方の意見である。私の印象でも、フランス人なら"too
'eavy"とでも表現する大味、とにかくしつこい油と強い塩味に閉口するのである。
しかしイギリスの朝食は味のことを除けばメニューは非常にユニークである。通称"English
breakfast"と呼ばれるのだが、大皿にベーコン、ソーセージ、目玉焼き、フレンチフライ、それに加えて大豆の煮豆、焼き椎茸、焼きトマト(!)が添えられる。あとトーストとコーヒーか紅茶、というのがセットになっている。ホテルだけでなく、街のビュッフェでこの朝飯を食わせてくれるところがある。焼きトマトは決して美味いとは言えないが、ちょっと珍しい。
さて、イギリス人が「名物料理」と称するヨークシャー・プディングのことを書こう。実に妙な前菜で、湯飲み茶碗のような形にしたパイ皮(?)の中に肉汁系(?)のソースを入れたものである。見かけは確かにユニークで、これ何?という第一印象だ。しかし味は塩辛くて二度と口にすまいと誓った代物であった。こんな調子だからイギリス料理は味音痴といわれるドイツ人からも嫌われるのだろう。
2002.06.02:
思い出しイギリス日記・1
今回は慌しい日程だったので、どこかを見て回るなどという余裕はなかった。また最後に思いがけない事件もあったので簡単な日記に終った。そこで昨年のことも思い出しながら、もうイギリスへは当分行くことはないだろうという前提で、ざっと思い出したことや印象を書こうと思う。
まずは鉄道の話。今回もロンドンから列車の旅をしたが、相も変わらずの遅刻である。行きは30分、帰りも最初は順調だったが小刻みに遅れが蓄積し、駄目押しは終着駅目前で場内信号に引っかかって最終的には20分遅れた。まあ、イギリスでは常識なのだろうが、ドイツとかスイス国鉄の正確さを経験している私にはどうしても歯がゆく感じてしまう。
昨年も書いたが、民営化以降、線路やトンネル、信号などの施設を所有するRailTrackという会社の累積赤字は未だに解消していない。唯一稼げるドーバー海峡線だけを売り飛ばす話まで出たくらいだ。車中心の社会で鉄道を運営するのはどこも苦しいことは理解できる。しかし渋滞に無縁の鉄道を、ゼニ勘定だけで完全に滅ぼそうとするどこかの国のような傾向はまだヨーロッパには見られない。大都市の入口に大きな駐車場を設けてそこから都心まで電車を使って通勤するPark
& Ride方式を採用しているところもある。イギリスも根本的解決がない限り赤字も事故もなくならない。
2002.06.01:
無事帰国した。帰りはかなり寝ることができたがそれでもやはり眠い。時差ボケは年とともにこたえるようになる。
さて、同行の上司の話だが、実は手提げバッグが置き引きに遭ったのである。それもホテルのフロントで!
二人がホテルに入ってフロントでチェックインの書類を書いているわずか1分足らずの間に玄関から入り、鞄を持ってスッと出て行くというプロの早業である。
パスポートが入っていたから大騒ぎになったが、幸いにも犯人が捨てた鞄は奇特な人が警察に届けてくれた。だが、ノートPCなどの換金できそうなものは抜かれていた。会社のサーバーに出入できる設定がしてあったため、IDとパスワードは即座に抹消した。
それにしても駅などでの置き引きは有名だが、ホテルのフロントというのはさすがに見たことも聞いたこともない。
私からも死角になっていたし、フロントも完全に予想外の出来事、見事な手口としか言いようがない。