悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

03.07


2003.07.31:

7月11日の日記に書いた、ドイツでの矯正施設の話を会社の友人に話したら、「施設で折角至れり尽せりの生活をしても、社会に出て安い賃金で働かないといけないのであれば元の木阿弥役ではないか」という疑問が返ってきた。
日本ならそうかも知れない。しかしドイツの社会ではまったく賃金のベースが違う。インフレの程度がどうなのか詳しく知らないが、20年前のドイツの賃金は、当時の100円/マルク換算で日本の約2倍だった。もちろん税金や物価の高さがからむので単純比較はできないが、それでも日本よりは余裕のある生活をしていたことは間違いない。そのことを話すと友人は驚いていた。
ドイツに限らず、EU諸国では現在10%近い失業率である。日本の失業率は他国に比べて見かけが小さくなるような計算方法を取っているが、実質的に10%くらいはあるだろうというのが大方の見方である。だが年間3万人を超える自殺者が出たり、社会保障は削られ、逆に負担ばかりが増える日本と違って、ヨーロッパでは失業者に生活できる給付がなされている。またワークシェアリングで失業者を減らす努力もされている。
要するに日本の現状を基準にして他国を比較しても意味がないのだ。

2003.07.30:

「のぞみシステム」最初の月末処理の準備に追われて忙しい。加えてトラブルが頻発&サポートがこれまた飛び込んでくる。目が回りそうだ。

2003.07.28:

1週間の休みが明けての出社、何か大きなイベントというか大騒ぎになるような話は「のぞみシステム」をも含めてなかった。
今日から2週間は長期の休みに備えて必死で仕事をこなすことになる。

2003.07.27:

梅雨明け宣言が出たが、相変わらず気温はそれほど上がらない。
北日本では7月の日照時間が極端に少なく、このままだと凶作になるという。丁度1993年と同様の現象で、この年にはかの米輸入騒ぎがあった。
10年前の教訓は生かされているのだろうか?

2003.07.26:

昨日、急にExcelが起動できなくなった。最初は「リソース不足」だったが、その後は起動とハングの繰り返しになり、PCを何度再起動しても解決しなかった。
それでOffice全体を再インストールしたが、これも×。トラブルの予兆として「Explorerの不正な処理」が何回か出ていたので、思い切ってWinMeの修復インストールを試みたが、ついにはPCの正常な起動さえも不可能になり、諦めて全体のリカバリに及ぶことになった。
思えば新しいPCを入れてから3年半、一度もリカバリをしたことはなく、レジストリもゴミが溜まったまま膨れ上がっていた。今までおかしくならなかったのが不思議なくらいである。以前のWin95マシンは半年に1回くらい掃除していたが、だんだん面倒になってきて、これまで手抜きしていたのである。
幸いにしてリカバリの手順はHDのCドライブだけクリアして、Dドライブには手をつけない方法になっていたため、多くのユーティリティーソフトを再インストールする手間が省けた。おまけに数日前に個人で作ったデータや設定ファイルのバックアップを外付けHD&CDに取っていたので、トータル1日足らずで復旧できた。ただ、年賀状作成用の住所録のバックアップのみ忘れてしまったので、これは再度作り直しだ。
初心者ではないのでパニクることはないが、やはり精神的にはドッと疲れる。

2003.07.24:

梅雨明けがかなり遅れている。気象庁あたりでは後1週間みたいなことを言っているが、体感的にはそんな前兆はない。朝晩が相変わらず涼しく、朝目覚めた時に顔が汗でべったりしているようなことはない。日中セミが鳴いていることもあるが、あのけたたましいアブラゼミの合唱と、真夏のムッとする熱気はまだない。
下手をすると何年か前のように「梅雨明けは不明」という結論になるかも知れない。とにかく今年の気象どこかおかしい。ヨーロッパでは30℃を超える日が続いたし、モスクワは今週でも28℃というようなとてつもない気温になっている。
近年の異常気象は、そのままずっと「正常」化してしまうのだろうか?

2003.07.23:

最近、「マイナスイオン」に続いてまたもやあいまいな用語の商品が売られている。その名も「アミノ酸飲料」。
アミノ酸としては「味の素」で有名なグルタミン酸をはじめ、イノシン酸、リジンなど20種類あるそうだ。それで実際に売られている各社のアミノ酸飲料には3〜8種類のアミノ酸が含まれている。
「マイナスイオン」に比べれば具体的な物質の特定が可能なのでまだマシかも知れない。しかし「アミノ酸」という曖昧な総称を使うことが問題であることに変わりはない。
それとさらに問題なのが「こんな運動しなくても」というCMである。表示としては「痩せる効果がある」とは書いていない。しかし言葉の内容からすると、運動しなくても飲むだけでカロリーを消費することが可能と解釈はできる。しかし実際はアミノ酸が「燃焼効率を上げる」ことはあっても「燃焼させるのではない」、つまり運動することが前提条件なのである。
このことをはっきりしないままの宣伝文句が消費者を惑わせる原因になっている。今「アミノ酸飲料」は売れ筋になっている。それも若者が「健康にいい」とか、「飲むだけで痩せる」とかの短絡的イメージに飛びついて、買っている傾向が強い。そのために思わぬ問題も発生している。
TVでやっていたのだが、2L入りペットボトルをガブ飲みして「ペットボトル症候群」、すなわち糖尿病になってしまった例があるそうだ。過ぎたるは及ばざるが如し、と言ってしまえばそれまでだが、売られているアミノ酸飲料には結構糖分が多く含まれているそうで、成分表示を見ずにイメージだけで買った(正確には「買わされた」か)結果がこういう悲劇を生むことになる。
私としては、以前から問題として指摘しているように、売らんがための宣伝文句の規制が緩いこと、および消費者教育が全く行なわれていない、の2点を挙げたい。
あと、宣伝文句に飛びつくのは若者だけではないことを指摘しておこう。50代の分別があってしかるべきオッサンもドツボにはまる実例を紹介する。
職場のT氏、聞くとノートPCの横に竹炭を置いている。その理由は「電磁波を吸収してくれる」からと言う。確かにいくらかの効果は期待できるかも知れない。但しあくまで竹炭の方向に飛んだ電磁波にのみの話であるが。
さらに彼は自慢げに「プラチナ」を身につけて寝ているという。貴金属という意味ではない。プラチナから発する「遠赤外線」の効果だと力説したのである。冗談ではない。重金属であるプラチナから赤外線が出るなどというのは初耳だ。
私がそのことに疑問を投げかけると、彼はむきになってその「プラチナ」なる商品を売っているサイトを探してきて、「それ見ろ」と言わんばかりに反論を試みてきた。ホンマカイナ?と思いつつも、画面を覗いてみて結論はすぐに出た。「プラチナを触媒」にして作った「プラチナフォトン繊維」というのがその実態だったのである。

2003.07.21:

旅行の情報を仕入れるためにシベリア鉄道の旅行記を書いたサイトをいくつか見た。そこで気付いたのはロシアの激しい変化である。当然ながらネットの普及と97年のソ連崩壊以降の訪問が圧倒的に多い。そして98年のデノミの前後で物価がかなり変わっているようであった。
それと気をつけないといけないのは、外国人旅行客が増えていることで駅の露店の値上がりが心配されることである。
いわゆる観光ガイドブックとは一味違う「地球の歩き方」という本が結構参考になるが、シベリア鉄道については2001年末の編集のためか、やや現在との違いが目立つ。
もうすぐビザの手続きに入る。

2003.07.20:

最近聞いた話だが、飛行機の乗務員と乗客とのトラブルのトップは機内での携帯電話の使用だという。とにかく注意されても止めない。日本ではないが乗務員の告発で裁判にかけられた例もある。
電車・バスの車内でもそうだが、この件に関してはルール・マナーを無視し、注意されてもどこ吹く風でケータイに固執する、というのが特徴である。
ルール無視というと、こんな話もある。ADSLに詳しい人なら知っていると思うが、繋がらない、スピードが出ない原因に保安器がかかわっている場合があり、それを解決するために自分で保安器を取り替える人がいる。(秋葉原で売られているのも事実だが)
電話回線は保安器までNTTの所有物であり、現在の法律では勝手に交換することはできない。ところがこれを無視した上に掲示板で交換を推奨し、あまつさえ批判を受けると「それはNTTの思い上がりだ」と逆襲する輩までいる。しかし法的にこれは「器物損壊罪」に相当する。

両方の話に共通している問題は、「別に大したことは起こらないのだから、硬いことを言うな」という手前勝手な居直りの論理であると私は思う。なおかつルールに基づいた注意を受けても無視し、エゴイズムを押し通す身勝手さも見過ごせないものがある。
確かに世の中にはおかしいと思うルールもある。それに批判を加える権利も許されるべきだ。だが文句があるなら堂々と公の場で論議すればいいし、そのための運動を起こすもよしである。しかし現存するルールを個人的に捻じ曲げ、エゴイズムを他人に押し付ける権利はない。もし無秩序にルールの破壊を許すなら社会は成り立たないし、民主主義に反する。
力のあるものの横暴とルール破りが蔓延している日本社会の現実はあるが、小市民がそれを真似ても何の役にも立たない。

2003.07.19:

今日から27日までの7連休が始まった。
最近ウチの会社も含めた大企業では7月末あたりに盆休みとは別の休暇を設定することが増えている。会社としては夏のピーク電力で超過料金を払わなくて済むし、働く者にとっても盆休み以外のラッシュを避けた家族との旅行もできるので、この時期に休みが取れることの評判は良い。こういう傾向は中小企業にもすこしづつ広がりつつある。
ただ、無条件にこの休みを喜ぶわけにはいかない。この時期の休日は別の時期の土・日曜出勤で埋め合わせるのが常だからだ。

2003.07.18:

今週初めからおかしな天気だと思っていたら、やはり北の高気圧が強くて冷夏になりそうな感じだ。現代の収量からいえば、江戸時代の天明・天保の大飢饉のようなことにはならないだろうが、それでも農産物に冷害が発生する可能性はある。
農家の方々の心配そうな顔が浮かぶ。

2003.07.15:

まことに不細工な話だが、「別冊落書帖」が消されていた。一昨年の11月から長い間更新していなかったせいである。
新しいアドレスを取得したので、順次コンテンツを再掲する。お暇な方はご覧いただきたい。

2003.07.14:

昨夜から急に涼しい風が吹き始めた。もうすぐ梅雨明けも予想されるというのに、この気温は何だろう。おまけに湿度も低い。まるで秋のようだ。変わったことが起きる前兆でなければ良いが。

2003.07.13:

旅行スケジュールの詳細を詰めるため、ネットで調べ物をした。特に今回気をつけないといけないのは空港アクセス、両替、食事である。
空港アクセスは思っている以上に時間を食う。だから東京−大阪間などは新幹線でも飛行機でも時間があまり変わらない。特に関空を使うとなおさらだ。それしても今回のロシア国内、ウラジオストックもモスクワも最悪だ。市内から空港までの公共交通はろくに整備されておらず、主流は高額のタクシーである。観光もビジネスも、本格的な時代がまだ始まったばかりなのだろう。
次が両替。クレジットカードがまだ普及していないからルーブルへの換金が必要なのだが、どうもトラベラーズチェックよりもUSドルまたはユーロの「現金」が必要なようだ。
さて、最後の食事だが、列車に乗っている間の食事をどうするか、子供と相談してみたがカップラーメンとか、レトルト中心にならざるを得ない。私は多少の冒険ができるが、息子は我慢して食うという経験も根性もまだない。そういう訓練をさせてもいいが、それはチャンスがあれば、という条件付きにしておこう。勿論食堂車や駅売店もトライしてみようと思うが。ただひとつ心配なのは両替ともからむが、田舎で現金が不足した場合にユーロ現金を受け付けてくれるかどうかだ。私の手元には現在USドルのトラベラーズチェックしかない。このあたりは旅行代理店に聞いてみよう。
ベルリンでの1日分の余裕を除いて、観光も含めた詳細スケジュールを決めた。息子に説明したところ大まかには理解したようだ。これから持ち物の検討に入る。また旅行代理店からのホテル情報などを仕入れねばならない。現在のところ、ベルリンの見本市がからんでホテル予約が取りにくいとの話もあるが、1ヶ月前なら何とかなるだろうと勝手に決めている。

2003.07.11:

少年犯罪の凶悪化が問題になってから久しい。今度も12歳の少年が4歳の子供を殺したことでマスコミが騒いでいる。思い出せば、以前神戸で問題になった「酒鬼薔薇」少年の事件。彼も世間に戻ってきた。また、少年ではないが9年間少女を監禁した男の最高裁判決も出た。
弱者がそのまた弱者をいじめる構図、これはまともな社会ではない。それとともに弱者と強者の関係が敵対しているのもまた異常である。
「古びた本棚」のコーナーで取り上げた、「豊かさとは何か」という本を再び読んだが、こんなことが書いてあった。
「貧富の差が激しくなることで、強者が安心できるわけではない。いつ自分が弱者に転落するかわからないから」
またドイツの少年犯罪者の矯正施設では月50万円の支出をしているという。何故か。犯罪を起こすような境遇の子供たちは、似たような子供と結婚し、また同じような子供を再生産する。それを防ぐのに50万円はちっとも高くないというのである。
社会全体で物事を考えるというのは重要である。日本にはそいうことを考える力もなくなったのか、ネットで犯人の少年の名前や写真を流して喜んでいるようでは情けない。

2003.07.10:

最近会社の規則が強化された。企業の不祥事を防ぐために違法行為に対する「報告」、すなわちタレコミ制度である。しかし実効性は疑わしい。
まず匿名は受け付けない。それからタレコミを受け付ける社外の弁護士は必要とあればその実名を会社に告げることができる。これでは会社と弁護士が一緒になってタレコんだ本人を責めることも可能だ。これでは内部告発の意味をなさない。
おまけに、これが最大の問題なのだが、もし違法行為が明らかになったら、実行したその個人を会社が訴えたり処分できることだ。つまり責任は違法行為を起こした個人にすべてなすりつけるのである。これで会社は「無実」になる。
こんな馬鹿馬鹿しい制度で何が改善されるというのだろう。まずもって会社ぐるみの談合は防げまい。もしバレたら、特定の個人(それも中間管理職が槍玉に上がるだろう)だけが臭い飯を食うことになるのがオチだ。

2003.07.09:

新入社員のK君とたまたま帰りに一緒になったので呑みに行った。
彼は非常に気さくな性格で、あまり飾った言葉や遠慮した言い方をまったくしない。入社のきっかけも聞いていて面白かった。
まず、文科系でありながらウチのような会社に興味を持ったのは、銀行とか証券ではなくてモノ作りをしていることだという。おまけにあるTV番組がきっかけで、わざわざウチの事務所・工場に行きたかったという。
こちらも変にえらぶったりせずに思っていることを話した。それで彼から面白いことを聞いた。
1.就職活動を学校はまったく支援せず、リクルート・ナビで応募し、採用された。
2.入社して感じたのは、サービス残業が蔓延していること。今のままではずるずる飲み込まれそうだが、決していいことだと思わない。何とかなくせないかと考えている。
やはり印象が強かったのがサービス残業問題で、若者が決して「仕方がない」と諦めているわけではないということが良くわかった。

2003.07.08:

ボーナスのシーズンでもあるせいなのだが、時折電車の中でボーナス査定など人事関係の書類を開けているオジサンがいる。
もちろん私には関係ないので冷静に見ることができるのだが、他人事ではあっても、正直言ってあまり気持ちのいいものではない。やはり他人のプライバシーに関わることだから、隣に誰が座るか判らない状況下で開く書類ではないだろう。こういう無神経な上司に給与を左右される部下達は気の毒だ。

2003.07.07:

今朝起きると顔が汗でべったりとしていた。そろそろ梅雨明けが近いことを思わせる。
日中も冷房が切れる(省エネで温度設定が高く設定されているため)と、額から汗がにじんでくるようになった。セミが鳴いていた、との噂も聞いた。
真夏へ一歩近づきつつあるが、照りつける太陽の下に響く軍靴の響きだけは聞きたくない。

2003.07.05:

最近になって、始終リンク切れで毎日のようにIPアドレスが変わっていたADSLの接続が突然安定し、既に1週間以上同じアドレスが続いている。どこかでISDNが使われなくなったとか、工事が行なわれたせいかも知れない。
本当は光を引きたいのだが、マンションのため諦めている。NTTも、CATVのように引き込みまでの工事費用は無料ということならもっと加入者が増えると思うのだが。

2003.07.02:

「のぞみシステム」2日目、いやはや大変なことになりつつある。といってもシステムのトラブルではない。
内容はそちらのコーナーで書くが、サポートに忙殺されて本来の業務ができない。遂に当分の間は他の仕事を隣の席の若者に任せて、私はサポート専任ということになった。
ということで、この日記も飛び飛びにしか書けないだろう。興味のある方は「のぞみ化プロジェクト」の方を主にご覧いただきたい。

2003.07.01:

「のぞみシステム」が発進した。とりあえずは「みずほ銀行」のような鈍臭い真似にはならなかった。まずは安心だが、いくつかマイナーなトラブルがあった。詳細は「のぞみ化プロジェクト」に書いた。
もっとも今日は上流側のデータ作成だけで、明日にならないとこちら側に本番データが流れてこない。本当の意味での本番は明日からである。
私もサポート掲示板の準備や、運用手順書の作成で忙しい。