悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

03.02


2003.02.27:

毎年恒例の会社現役&OBの集まりに参加した。各メンバーからの近況報告で、やはり話題のメインテーマの一つはイラク、北朝鮮の話である。
それとともにOBが会社の外から見た率直な意見も語ってもらった。その率直な結論から言うと、「大企業の窓から世間を見ても何も判らない」、逆に言えば世間の庶民の視線に立ってから初めて本当のことが見えるということである。
先日会社での出来事で、「陸蒸気組」が作った外注の仕様書に「変更による追加請求は一切認めない」という文言をめぐって、私が以前にいた事務所の連中から強烈なブーイングを食らったということがあった。つまりすべての責任を下請になすりつける、いわゆる「リスク・ヘッジ」で逃げる手口が強烈な批判を浴びたのである。こういう「下請をいじめてナンボ」ということは、「新幹線組」である私には信じられないことである。ところが「陸蒸気組」は大企業ということにあぐらをかいてきた連中だから、責任を下請になすりつけてもなんとも思わなかった。しかし現実には下請も馬鹿ではないから、万が一の時の費用を上乗せしていたのである。当然価格は高くなる。
残念ながら世間の常識を知らない大企業の狭い視野だけで生きている人にとってはこのプロセスが理解できない。だが私のように外から大企業を見るチャンスに恵まれている人間にとって、あるいは世間に揉まれた人にとっては、こういう「世間の常識」に遭遇しても驚きはしない。
ただ唯一の救いは、いかに「陸蒸気組」といえども、一旦世間の見る目を知ってしまえば、大企業的観点はいとも簡単に消えてしまうことである。

2003.02.26:

いつものように病院へ行って糖尿病の薬を貰ってきた。
やはり2月はほとんど飲む機会もなかったので、血糖値はかなり下がっていた。私の体は不思議なことに臍のあたりの皮下脂肪の厚さと血糖値・ヘモグロビンA1cが比例関係にある。だから時々皮下脂肪をチェックして暴飲暴食にならないようにコントロールしている。
血液検査で細かい数値を追いかけるよりも簡単な指標があるとは思わなかった。但し個人差があるようだから、他人に推奨するつもりはない。

2003.02.25:

そんなに大騒ぎするようなニュースでもないようだが、北朝鮮が小さなミサイルを発射した。
よりによって韓国の新大統領就任の日である。明らかに挑発である。意図的であろうとなかろうと、そういう役割でしかあり得ない。日米の軍事関係者は事前に知っていたようで、騒ぐことはなかった。
しかし妙な話だ。
北朝鮮は必死でアメリカとの交渉をやろうとあれこれ挑発する。これに対してアメリカは冷ややかに対応する。それに比べてイラクの場合は、アメリカがあれこれイラクが腹を立てるように、何とか戦争に持ち込めるように国際社会を挑発する。
一体何なんだ、これは?

2003.02.24:

2月は早い。既に月末まで1週間もない。
今月は月末までの仕事がそれほどあるわけではないが、何故かドタバタしている。今日は会議で半日がつぶれてしまい、ちょっと焦り気味の気分になってきた。
よく考えると、来月は決算だ。気の早い話だが、そのことが時間を加速させているように感じられる原因かも知れない。

2003.02.23:

イラク査察問題で世界が揺れているが、国際世論の多数はやはり戦争反対だ。仏独などは査察継続の対案を出して論陣を張っている。
ところで戦争反対の街頭デモが世界のあちこちでやられており、マスコミ報道でもパリやニューヨークでの様子を知ることができた。しかし肝心の日本ではどうなのだろう?いくら政府がアメリカ寄りだとはいえ、やっていないことはあるまい、と色々調べてみたら、やはり14、5日あたりに万を越す人たちが東京で集会を開いていることがわかった。しかし大手マスコミは徹底してこういう行動があったことを無視している。報道しても地方都市での出来事を短く扱っているだけで、明らかに意図が感じられる。
実際、15日には日本も含めて世界中でタイミングを合わせて集会・デモが行なわれた。これを海外の分だけに限定しておいて、国内分を無視する日本のマスコミは、もはや報道機関としての良心も批判精神も完全に失ったと言えるのではないか。
さらに言えば、労働運動の分野でも連合の動きは伝えるが全労連の方は殆ど取り上げない。何故か。共産党が全労連を好意的に見ているから、ただそれだけの理由である。

2003.02.20:

職場サポート幹事長が体調を悪くして長期の休暇を取っている。それで私に負担がかかることを心配していたが、幸いなるかなパワーユーザーではないが考え方がしっかりしたベテラン社員がトラブルシューティング以外の日常業務を引き受けてくれている。私は現在「のぞみ化プロジェクト」が忙しいので、「陸蒸気システム」の面倒まで見切れない。だから助かったという思いだ。

2003.02.19:

次第に日が長くなってきた。夕方も6時頃になってやっと暗くなる。それにつれて朝夕の寒さもかなり緩和されたので、パッチを脱いだ。
厚着でだぶだぶした感じがなくなって体も軽く感じる。あと小さな寒波が1、2回あってから本格的な春に向かうのだろう。ひな祭りも近い。

2003.02.18:

何年かぶりに最も親しくしている出入の下請会社と飲みに行った。本来なら下請にたかるような真似はしてはいけないし、実際どこの会社とも2年は酒の付き合いはしていなかった。
昨今の不景気で下請も接待費を極力抑えているが、その会社とは長い付き合いがあったことから、あうんの呼吸で楽しくやろうやということになった。しかし経費を抑えることからこちら側も気を使って2人のみの参加である。
いずこも同じく不景気で、先行きが見えないことを愚痴る場になってしまったが、それでも去年より発注量が増えたことで、相手も少しはホッとしたようだった。

2003.02.17:

昨年秋から始まった会社最寄の駅の改装工事が進んでいる。今日はついに数十年使われていた旧駅舎が完全に解体された。現在は仮駅舎での営業。しかしひとつ、トイレが工事現場で使われる仮設のもので、汚い上にものすごい異臭がする。使用後の洗浄水がないからで、いくら仮の設備とはいえこれは何とかしてほしいものだ。

2003.02.16:

2月8日の日記で予告した新しいコーナーを公開した。
最初考えていたタイトルではどうもしっくりこないので、「古びた本棚」という名前にした。これから順次更新していくことにする。それにしても何冊までいくだろうか?

2003.02.14:

今年で入社してから30年になる。そして勤続30年の社員には特別に約1ヶ月の休暇が貰えると同時に旅行クーポンも出る。
この制度ができてからもう10年以上になるだろうか、多くの人は初めての海外旅行に出る。もちろん私は公私共に海外旅行の経験はあるので、「この際だから」というわくわくするような気分にはならない。しかし仕事と遊びではまったく雰囲気が違う。だから選択肢として海外旅行を考えないわけではない。
それにしてもいつ休暇を取るかということになるとかなり迷う。というのも6月から「のぞみ化プロジェクト」本番が控えているし、その後のサポート&バグフィックスで数ヶ月は長期休暇なんぞ取れないだろうからである。もしそんなことをしたらプロジェクトのメンバーから猛烈なブーイングを食うことは必至だ。
旅行に出るならシーズンオフに限るし、かといって一月も家でゴロゴロしていたらヨメハンに嫌われる。ではヨメハンと一緒に出ようといっても、子供1人で留守番させるわけにはいかない。ああ、どうしよう・・・(溜息)

2003.02.12:

また今の事務所の愚痴を書く。
本当にここの地元の「陸蒸気組」の仕事のやり方というか、伝統には滅入ってしまう。基本的に上意下達、それも非現実的なことをやれと言われた時に反論することも許さない。なおかつ強権で命令したことができないと叱責、槍玉に挙げるのである。「上の命令に逆らうなどトンデモナイ」という雰囲気に満ちている。
若者は当然、我々「新幹線組」もこういう封建的雰囲気には馴染めない。ただ、今の若者も長期間その環境に染まってしまえば同じ事を繰り返すのだろうが、私のようにズケズケ物を言う生活を送ってきた人間には我慢ならないし、スタンスを変える気も無い。だから時々摩擦を起こす。甚だしい場合は喧嘩を売ってくる(絶対自分では売らず、「今までこうやってきたのは事実だ」とだけ言う)。
あまり細かいことを気にしているとうんざりするので適当に聞き流すのだが、私としては精神衛生上非常に良くない。

2003.02.11:

ここ数日暖かい日が続いている。そして今日は丸一日雨。さすがにストーブは消した。しかし明日からはまた寒くなるそうだ。
最近自宅にはウィルスが全く来ない。世間では結構騒いでいる向きもあるが、そもそもREDLOFに感染していそうなサイトへは行かないし、このHPに載せているメールアドレスに細工をしてからは迷惑メールも来なくなった。
但しひとつだけ注意しないといけないウィルスが残っている。それは「インフルエンザ」。

2003.02.10:

春闘の季節になってきたが、今年は異常ともいえる事態になっている。
ウチの会社もそうだが、ベースアップ要求をしないところが多くなっている。それも会社が赤字でないのにである。いちばんすさまじいのがトヨタで、当初2002年度の決算が1兆円と言われ、最近になってそれが1兆5千億円にまで膨らむことがわかっているのにである。
おまけに富士通などは労組が要求を出す日に会社側が賃下げ提案をするという、完全に喧嘩腰の姿勢も見られる。
この、赤字でもないのに賃上げを要求しないというスタンスは、組合運動の将来に大きな禍根を残すことになろう。つまり組合側が組合員の意向を代弁する前に会社の顔色を伺い、自己規制するということになれば、組合の存在価値が一挙に崩壊するからである。交渉は水物だから要求がすべて通るとは思わない。しかし一度でも相手に跪く態度を示せばそれが重い足かせとなって残るはずである。
以前にも書いたが、雪印が不祥事にはまっていくプロセスには労組も含めた御意見番がいなくなったことが深く関わっている。もし日本全体の労働運動全体がものを言えなくなるという深みにはまるなら、戦前と同じ「産業報国会」に変質していく可能性もなくはないのではないか、と憂慮するのである。

2003.02.08:

ちょっと気分が変わって新しいコーナーを設ける予定である。その名も「埃まみれの本棚」。
半世紀を生きた私が今まで読んだ本はいくつくらいだろう。小さい時から本が好きで、覚えているのは親に買ってもらった小学生向け「太閤記」、「曾呂利新左衛門」、「ファーブル」。さらに本格的な文学作品では、親が読んだ後の「武器よさらば」が記憶にある。それが小学6年の頃。
しかし最近は若いときに買った本もあまり読まなくなり、紙は茶色く色あせて埃をかぶったものも出てきた。そこで整理をつける意味もあって、印象深い作品をピックアップし、私の半生を振り返る(大袈裟か?)ことにした。またそうした作業によって私のものの考え方がどう形成されてきたかということも振り返ってみたい気もするのである。
実際の公開はもう少し作品を絞り込んでからにしたいと思う。

2003.02.06:

最近の話題で、受験会場に行くための電車を間違えた中学生を車掌や駅員が機転を利かして臨時停車、無事開始時間に間に合ったということが報じられている。
心温まる話だ。中にはルールを守れとか甘やかすなという声もあるようだが、それはないだろう。人々の思いやり、親切心がルールを曲げることに何の反省が必要なのか。そもそもこんな話は過去にいくらでもあるし、関係者はむしろ受験のチャンスを奪ったことに後悔しないで済んだことを、良かったと思うに違いない。
甘やかすなというのなら、数の力で「自己責任」のルールを無理矢理ねじまげ、税金を際限なく銀行に注ぎ込んだ行為こそ許されざることではないのか。

2003.02.05:

そろそろ花粉症の季節だ。職場でも目や鼻を赤くしている人もいる。私といえば花粉症とはまったく関係なく鼻水が流れる。この冬は12月初めからずっと止まらない。12月の中旬には熱を出して寝込み、医者にかぜ薬+鼻炎の薬を貰ったが熱は下がっても鼻水は相変わらずチョロチョロ出たまま、今日に至っている。
この調子では春先になっても回復しないかも知れない。こんなにひどいのは例年にない寒さと乾燥のせいだろう。
時間を見つけたら耳鼻科で徹底的に治してもらおう。

2003.02.04:

イギリスでの仕事に絡んだトラブルが今も続いており、関係者は頭を悩ませている。納入した機械の故障もさることながら、契約上のゴタゴタが尾を引いて、裁判沙汰寸前まで行った去年の話にとどまらず、次々と新しい問題が発生するのである。最近も私が直接関与した会社から「金を払わないなら弁護士を通じて交渉させてもらう」と、契約条件を満足していないことに頬かむりしたまま難癖を付けはじめたのである。
契約条件といっても納入品の保証状(warranty Bond)と請求書(Invoice)を出すだけのことなのだが、催促しても無視した上に、壊れたレコードのように「金払え」と繰り返す、まるで悪徳サラ金並みだ。
こうした経験で感じるのだが、すぐに裁判をちらつかせる傾向はアメリカよりもイギリスの方がひどいのではないか。アメリカの訴訟社会はつとに有名で、弁護士のスタンドプレーが認められている関係上エスカレートしやすいのだが、私のつたない経験でも脅迫めいた言葉を投げつけることはあっても実際に弁護士が表に出てくることはなかった。ところが今回のイギリスでの仕事では既に5件発生していて、その中の一つでは相手の会社がイギリスの国会議員にタレ込んで、ウチの重役に「何とか解決してやれよ」との手紙までが来ることになったのである。
こうしてみると、イギリスの社会は本当に荒れているという印象が強い。モノ造りはでたらめ、上は官僚主義と無責任が横行、なのに過去植民地から巻き上げた財産だけはあるので大きな顔をしているという、何かフシギな国である。もちろん庶民は明るいし、優れた文化もある。だがどこかで歯車がうまく噛みあっていないのだ。

2003.02.03:

シャトルの事故原因として、やはり発射時の燃料タンクから剥がれたウレタンが左主翼の耐熱タイルを破損させたことに注目が集まっている。確かに事故直前の異常が左翼に集中している。だが左翼の耐熱部がどういうプロセスで空中分解に至るかという点はまだ明らかでない。耐熱タイルが剥がれて機体がむきだしになり、大気との摩擦熱を直接受けたらあっという間に溶けるだろうが、その前後の様子を示す証拠は発見されていないので、まだ想像の域を出ていない。
ところで落下したシャトルの破片をネット・オークションにかけた大馬鹿がいたという。いずれ捕まるだろう。テロ事件のときにWTCの破片をこれまたオークションに出した輩もいたそうだが、洋の東西に関係なくこういう無神経な人間は存在するようだ。

2003.02.02:

日本時間の昨夜遅く、NHKのTV50周年記念番組が終る頃になってえらいニュースが入ってきた。スペースシャトル・コロンビア号からの連絡が途絶えたというものである。もちろん今朝になって空中分解ということがはっきりしたが。
多くの先端技術を使っているシャトルだが、やはりリスクはあり、事故があれば悲惨な結果を生む。原因はこれから調査委員会を中心に明らかにされていくだろう。現時点では発射の際に左主翼の耐熱タイルが破損したことも取り上げられているが、機体を回収したらはっきりする。
実は私のPCの壁紙は数年前からシャトル発射の画像を使っている。発射の度ごとにNASAから画像を取り込んでいつも最新のものに更新しているのだ。だが今回は画像を見て少し淋しい思いになった。

2003.02.01:

あっという間に1ヶ月が過ぎた。まず1年の1/12を消化したことになる。
寒い日が続くが、先日の冷え込みになれたせいか痺れる感じはない。しかし夜空を見上げると冬らしく星のいくつかが瞬く。私が子供の頃は都会といっても日が暮れると南の空にオリオン座がはっきり見えた。だが、今は夜でも照明が強いので数個がまばらにしか見えない。
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今日は内蔵・外付けともにディスクの整理をした。フリーソフトが多いのでバージョンアップをバックアップするのに結構時間がかかる。またWindowsを始めとするバージョンアップやセキュリティーパッチもこまめにやっているので、そのファイルもある。万が一のリカバリーに備えて溜めておくのが私流である。オンラインアップデートという方法もあるがどれを入れたか忘れるので、ファイルにして保存するのだ。
ところでWindows Media Player 9が出たのでインストールしたが、MSは「システムの復元」を強要する。ムカついたので復元してインストール、そのあと再び復元を外したが、余計なお世話だ。もし復元ファイル(Restoreフォルダにあるもの)にウィルスが感染したら「システムの復元」を外すしかないのに。