悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

06.11


2006.11.27

イラクの情勢がとんでもないことになっている。もはや内戦状態に等しい。
こうなることはイラク戦争以前から予想されていたことだ。アメリカのブッシュ政権が戦争に持ち込んでフセインを放逐し、実質的な傀儡政権を作って石油利権を握る。その後は「民主的」政権がイラクの実権を握ってアメリカは後で糸を引くという図式はもろくも崩れた。
フセイン元大統領の時代は、その出身であるスンニ派が大手を振って歩いた。その影でシーア派やクルド族は虐げられていたのである。ブッシュ政権はフセインを取り除いて軍事力で各派のテロを鎮圧できると見ていたようだが、虚構の化学兵器所有などをでっち上げたためにイラク人ならびに世界中から顰蹙を買ったのである。だから誰もアメリカのことを信用しないし、アメリカが無理矢理作った政権を信用できないのは当然のことである。
もちろん他の宗派の人たちに対して、テロで報復を加えることは許されない。だが、話の最初から懸念されていたことを軽視したアメリカの責任は重大である。今の内戦状態を平和的に解決することが最も重要だが、その障害の根源となっているアメリカ軍の撤退なしに前進はあり得ない。アメリカの「人殺し」を口実にできる前提は取り除かなければならない。

2006.11.25

正常値 2004.08.31 2004.10.26 2006.10.28
GOT 10〜40 28 22 38
GPT 5〜45 39 26 46
γ-GTP ♂80以下
♀30以下
22 20 36
総コレステロール 130〜219 239 195 204
HDLコレステロール ♂35〜78
♀40〜92
70 69 105
中性脂肪 35〜149 58 41 49
尿素窒素 8〜20 13.4 13.9 17.7
クレアチニン ♂0.7〜1.4
♀0.5〜1.2
1.1 0.9 0.7
HbA1C 4.3〜5.8 9.1 7.0 6.6
先月血液の精密検査をやったのだが、以前の日記に詳細を書いたことを思い出し、比較をやってみる気になった。
前のデータはちょうど2年前である。各指標の説明は2004.11.27の日記を見ていただくこととし、改めての説明は省かせていただく。
糖尿病治療の重要な目安となるHbA1Cは6.6あたりで安定するようになった。本当は6.0〜6.5がベターなのだが、それでは「寝たきり老人」同様の食事量となって我慢ができないという私の強い抵抗で、主治医が妥協した数値である。
今回の特徴はGPTとHDLコレステロールが高いこと(HbA1Cは糖尿病患者であるという前提から赤字にしなかった)。明らかに酒の量が増えたことに起因している。HDLコレステロールは「善玉コレステロール」だから多めにせよと良く言われるが、多すぎるのは肝臓をシャカリキで働かせている証拠で、好ましいことではない。
こういう現状は体にちゃんと反映しているようで、最近へその周りの皮下脂肪が増えた。アルコールもさることながら、肴のカロリーも注意しないといけない。私はチーズとか出汁巻き、枝豆などを中心にしている。だが、それでも皮下脂肪はつきやすい。本当はアルコールをやめればいいのだが、昨今の精神的状態ではどうしても酒に目が向いてしまう。辛いところだ。

2006.11.23

本来は会社の出勤日だが、例によって休みにした。
そもそも、世間が家族連れで出かけるのを横目で見ながら出勤するというのは精神衛生上良くない。それに出勤しても電話はほとんどかかってこない。それが逆に仕事に身の入らない原因となる。ガスの抜けたサイダーと同じだ(若い人ならコーラと表現するだろうな)。

2006.11.22

今日はケネディ大統領暗殺の日、と同時に私のン歳の誕生日でもある。
あれは小学校4年生か5年生のとき、23日の朝にラジオ(テレビではない)がやたらうるさいのでよくよく聞いていると、大統領が暗殺されたというニュースが流れていた。そこだけは何故か鮮明に覚えている。
私の誕生日は翌日が勤労感謝の日なのでまず間違えることはない。もっともこの日は戦前の新嘗祭なので、あまり祝うという気分にはなれないのだが。
そんな話はともかく、今夜は息子と二人だけで寿司をパクつきながらささやかに祝った。寿司のほかは自分で作ったトンカツ、それに安物ワインである。とてもじゃないがボジョレは高くて買う気にならない。
ボジョレと言えば私は20年以上も前にパリのレストランで初めて味わった。まだ日本で大騒ぎするずっと以前である。レストランの前に「ボジョレ・ヌーヴォーあります」とあるので試しに飲んでみただけなのだが、やや炭酸が効いた味わいで悪くはなかった。しかし飛びぬけてうまいという感じではない。今の日本ではマスコミも加わってやかましいが、ボジョレだけのために高い金を払う言われはないと思う。珍しいワインというなら、私はドイツのフランケンワイン(白)を挙げる。モーゼルの白はちょっと甘すぎて沢山飲めない。

2006.11.21

会社では、安全関係でつまらないスローガンを書かされる。私はあまりに馬鹿馬鹿しいので書いていない。しかし若者は会社に逆らうということを好まない傾向があるので無理にでも書くが、そのひとつを紹介する。
「制限速度をできるだけ守る」
この「できるだけ」というのがミソで、書いた人間の心境が良く表れている作品である。つまりイヤイヤ書かされたという側面と、制限速度を守るような実態になっていない現状を物語る、非常に素直(?)な言葉が使われているのだ。
会社は労災保険の保険料をケチりたいがために、事故の原因をできるだけ本人の不注意とか自覚の不足を強調する。いわゆる精神論なのだ。それは警察が交通事故を起こす原因を追求する考え方と瓜二つである。
言っておくが、飲酒運転を他人のせいにするという意図はまったく持ってない。

2006.11.19

そろそろトップページのデザインを変えようと考えているが、何せセンスが悪いのでいいアイデアが浮かばない。
そうでなくても「技術馬鹿」で育ってきたから、テキストエディタで見易いプログラムの書き方は練習したが、グラフィカルなレイアウトは全くだめ。そうでなくても子供の頃から美術の点数は最悪で、救いようがないレベル。あのピカソでさえ写実作品の基礎はきっちりできている。その基礎もできていない私にはウェブデザインの力量は期待すべくもない。
私が手伝いをしているHPの最近の編集会議で、「デザインを何とかしろ」と言われたが、能力がないのでどうすることもできない。「デザインのうまいヤツを連れて来い」と居直るしかなかった。

2006.11.17

先日初めて知ったことだが、糖尿病とうつに強い相関関係があるという。
糖尿病の患者は血糖のコントロールを厳しく指導され、食事や投薬をきちんとやらないといけない。患者の気持ちとしても、いい加減なことをすれば合併症でさらに苦しむことなならないか、私もそうだが、恐怖に駆り立てられるのである。
こうなると精神的ストレスは強くなり、うつに陥る人が増える。調査によると糖尿病患者の3割がうつの傾向を示しているという。
逆にうつの患者が糖尿病になりやすいのは、ホルモンのバランスが崩れてインスリンに対する抵抗性があるからだという。つまりインスリンの量は正常でも、うつ患者はインスリンの効果を抑制してしまい、血糖値が高くなるのである。
私自身はうつの傾向は無いと自覚している。とはいえ、他人から見たらどうなるかは聞いたことがないのでわからない。しかし私の気持ちとしては、うつとは逆に以前より怒りっぽくなったという感じがしている。特に空腹感が強まるとイライラが募ることがある。
私のストレス解消方法は酒である。最近は連日の晩酌。私の血糖値の記録を見て、医者もある程度飲酒を認めている。といいながらそれでもストレスはきつい。息子との二人だけの生活に加えて不登校が加わったため、緊張した毎日が続く。従ってより強いストレス解消法を求めようとする。いちばん強力な方法は注射量を許容最大にして、血糖値のことなど一切忘れて死ぬほど酩酊することである。一種の麻薬とも言えるものだが、数ヶ月に1回は実行する。さすがにこれだけは医者にも内緒だが、死ぬまで糖尿病と付き合わないといけない身には、こうでもしないと持たない。いや、こういった「ガス抜き」があるからこそ糖尿病とうまく共存できる。
何回か日記に書いたが、私のこの経験があるから、若い女性のばかげたダイエット方法を批判する。特に単品ダイエットは精神的ストレスをもたらすだけで、百害あって一利なしである。死ぬまでそのような食生活を続けることはできない。糖尿病は患者に対して、長続きのするダイエットを強制する。だから愚にもつかない方法を採るわけにはいかない。ストレスと戦いながら、どういうメニューにするかを毎日考えないといけないのである。
とてもじゃないが、太ってもいないのに「私は太っている」という何の根拠もない観念を抱くことは不可能である。毎食前の血糖値とヘモグロビンA1cという厳然たる数値が糖尿病患者を追い立てる。

2006.11.16

教育基本法の改悪案が無理矢理衆議院を通過させられた。この国の権力者たちは、アメリカが仕掛けた戦場に子供たちを赴かせることに必死のようだ。もちろん憲法も同時にターゲットになっている。歴史を学ばず(奇しくも子供たちから日本史を学ぶことも奪おうとしている)、再び好戦主義者を育てようとしていることには、次の言葉が出ないくらい悲しい。

2006.11.14

子供のいじめと自殺の問題、深刻な事態だと思う。最も問題だと感じるのは、子供達に人権感覚が薄いことと、そのことを真剣に解決する気が行政にないことだ。
調査によれば、「いじめられる側にも原因がある」と思っている子供が多いという。明らかに大人の社会が反映しているし、大人が人権を教えられない状況にあること、また教育行政も子供の言うことを受け止められないのである。
自殺に追いやられる子供たちの声、また電話相談で語られる子供たちの叫びは「親も先生も理解がない」ということに尽きる。
国連で制定された「子供の権利条約」というのをご存知だろうか、この条約の根底には「子供には成長する権利と自由がある」というスタンスがある。つまり主役は子供なのである。日本では子供が民主主義社会で生きていくための自立心を尊重する雰囲気がない。「子供は大人の言うことに素直に従うべきものであって、権利を主張することなどもってのほか」というのが日本の社会には強すぎる。その典型が「愛国心」の強制だ。
子供の言い分を、是非を問う前にまず聞くべきだ。それをしないから解決策がとんでもない方向に行く。子供の成長を助けるための環境整備をサボったまま、行政が好き勝手に子供の心にまで点数をつけ、権力の意のままに操るような教育基本法の改悪には絶対反対だ。「教育勅語」に毒された子供達がどう育ったか、そのことは先月に書いた私の母の経験が如実に物語っている。

2006.11.12

ちょっと外出して、というか週末はいつも1週間分の買い物に出かけるので外の空気を感じるのだが、今日は秋の冷え込みが体に染みた。昨日も強風が吹いたが、今日も秋の終わりを告げるような風だった。
実はこの夏以降シャワーばかり使っていたが、もはや温かい湯船にしないと体が冷えて仕方がない。蛇口から出てくる水の冷たさは確実に季節を反映したものになっている。

2006.11.11

私は毎日ヨーグルト、それもプレーンで砂糖などは一切入れないものを食べるのだが、市販のプレーンヨーグルトには必ず砂糖の袋が付いている。わざわざ砂糖が付けてあるところを見ると、多くの人達は砂糖なしではプレーンヨーグルトが食べられないようだ。
そりゃそうだろう。日本でヨーグルトが店頭で見かけるようになってからまだ歴史も浅いし、あの独特の腐ったような(発酵=腐敗であるから当然なのだが)匂いに慣れない人は多いだろう。健康にいいと言われながら我慢して食べるには甘味で誤魔化すしかない。
納豆でも同じことが言える。またカマンベルチーズもフランス純正のものは鼻にツンと来る強烈な匂いがする。しかしこれらに砂糖を入れる人はいないだろう。ヨーグルトにだけ砂糖を添加するのは何故だろうか?

2006.11.09

何気ないことだが、電車やバスのドアは空気シリンダで動かされていることに気付いた。
油圧でもよさそうなものだが、まずお目にかからない。というか油圧にしてはならない理由を考え付いたのである。ではその理由は何か。
それは圧縮性の問題であるようだ。油は圧縮しようとしてもほとんど縮まらない。だが気体は人間の力でもある程度縮む。
例えばドアに手を挟まれたとしよう。油圧ならばピストンはほとんど動かないから反作用の力は手に全部伝わり、なおかつドアは閉まるまで戻ろうとする。ということは手は切断される可能性があるわけだ。ところが空圧だとドアの隙間の分だけ空気は圧縮されうる。だから一部の力は挟まれた手に伝わるが、残りの力は圧縮された空気の運動エネルギーとして蓄積される。油圧と空圧ではシリンダが受け持つエネルギーがゼロかそうでないかの違いによるのだ。よってどちらがより安全かという答えは明白である。
言っておくが閉まるドアに手をかけてもいいということではない。

2006.11.07

昨日「11月に入っても最高気温は20度を下回らない」と書いたら、。それを裏切るように今日は強風で最高気温も20℃。それも未明が最高気温で、昼間は15℃程度。
北海道では竜巻で死者まで出た。猛烈な低気圧ということで予想外のことだった。
予想外といえばがん患者からの腎臓移植。規制する法律もなければ学会でのルールもない。普通の医者の神経ではまず思いつかない。凡人でもこんな危険なことは思いつかないの狂った発想である。
もうひとつの予想外は教育基本法についてのタウンミーティングでの「やらせ」。それも役人が仕掛けた。これも発想が狂っているし、そもそも国民をだまそうとするのは明白な犯罪である。

2006.11.06

3連休が明けて出社したが、眠気が残っていて頭はボーッとしているし、ディスプレイを見る目はショボショボして辛かった。歳を重ねてくるとこういう時の回復力がやたら遅いので困る。
さて、11月に入っても最高気温は20度を下回らない。それに雨が極端に少ない。午後にパラパラとしたがそれもわずか。台風も来ないし今年は琵琶湖の渇水が心配される。関西でこうだから四国ではさらに深刻になるかも知れない。
野菜の価格はかなり落ち着いたが、これから先はどうなるだろうか?稲刈りの終わった田んぼを車窓から眺めながら、季節感を感じる一方で現実の家計を考えている自分が可笑しかった。

2006.11.05

昨夜は友人としこたま飲んだ。とはいうものの最近は毎晩の飲酒が止まらない。糖尿病患者としては、もちろん血糖値とにらめっこしながら限界を超えないようにしているが、友人と飲む時はその制限は取り払う。というのも、今までの愚痴をぶちまける話し相手がいるからである。
今日で3連休も終わり。明日からは再びもうひとつ乗り気のしない仕事が始まる。

2006.11.03

三連休に入ったが、例によって特別な計画があるわけでもなく、ひたすら「主夫」として家事にいそしむ毎日である。ただし明日の夜は友人と久しぶりの飲み会を約束してはいるが。
息子もどこへ行くでもなく(というか人ごみを嫌う)、ひたすらネットゲームにのめり込んでいる。それもパンツ一丁で、最近の異常な暖かさを見事に証明している。

2006.11.02

北朝鮮が6カ国協議に復帰するとの報道が流れた。何はともあれ北朝鮮の身勝手で脱線した協議が元に戻ることはいいことだ。
北朝鮮を説得する努力について、わけても中国の役割は大きい。やはり隣国であり、長年にわたって関係を築いてきた影響力はあれこれ分析するまでもないだろう。
それに比べて日本が中国のような外交努力をしてきていないことを改めて知ることとなった。原因はアメリカという窓を通じでしか行動できない日本外交の根本的欠陥にある。
湾岸戦争の時でも、日本の外務省はTV中継を見ているしかなかった。何の情報も教えられなかったし、独自の情報源を持っていなかったからである。また、他国が日本外交に期待するものは何もない。国際的な問題で日本に意見を求めることなどあり得ない。アメリカの見解さえわかれば事足りる。
このような自主性のなさは今に始まったことではない。私が知る限りでは日独伊三国同盟からだが、それ以前でもそのような傾向はあったかも知れない。
そういう背景だから、今回の6カ国協議再開について日本が影響力を発揮できないことに驚きはしない。しかし自主的外交のなさに頬かむりしたまま、「押し付け憲法」などと言うのは論外だ。

2006.11.01

もう11月だというのに日中は相変わらず暑く感じる。
それも雨が少ない。四国あたりでは例年の10%くらいしか降雨量がないそうだ。それもそのはず、本土直撃の台風がまったくない。11月もこんな調子だと紅葉が遅れそうだ。朝夕はジャケットが必要になったが、秋はどこへ行ったのだろう?