悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

08.06


2008.06.29:

「モラルハザード」ということが言われて久しいが、最近も人材派遣にうなぎ。
儲かる・儲からないが、法律を含むすべての判断に優先するような神経になっていく人間の、思考のプロセスはどうなっているのだろうか?
ひとつのタガが外れると将棋倒しのように崩れていく道徳観。そして「会社が生き残るためには仕方がないこと」というように合理化されていく。また「もうけて何が悪い」という居直りも出てくるようになる。ここには「競争」という名で追い立てられる経営者と、それを押し付けられる社員の焦燥感がにじみ出ている。
ウチの会社でもそうだが、中間管理職のみならず一般社員までもが「儲けないとダメだ」、「コスト、コスト、コスト」という恐怖感に追い立てられ、目の色が変わる姿が見られる。
本当ならトップが「経営とは何か」ということを見据えて冷静に判断するものであるが、「生き残り戦略」などという言葉を周りからいやというほど聞かされて、少しづつ人間が変わっていくのである。
ここには資本主義の中でも最もえげつない金儲けの論理がまかり通る社会がある。そしてそれを助長しているのが「規制緩和」。すなわち儲けるためには規制を外して競争を激化させる、麻薬のような役割を「規制緩和」が担っているのである。
そして中には金に目がくらんで、道徳も法律もぶっ飛ばして突き進む不届き者も現れるのである。昔から違法行為をする者はいた。しかし今は数も増え、またその手口も常軌を逸したものにエスカレートしている。
これを解決するにはやはり規制の強化、そしてカジノ資本主義の制限だろう。「モラル」のみに任せる時代はもはや過去のものである。

2008.06.27:

北朝鮮を含む六ヶ国協議の進展で、核施設の申告が行われ一部施設の爆破も行われた。
全体としては北朝鮮の姿勢転換の動きとして注目されるべきことだろう。あれこれ屁理屈をつけて問題の先延ばしをはかってきた北朝鮮が、たとえ一つでも世界の仲間入りができる条件をクリアしたのは評価していいだろう。もちろんまだ一歩に過ぎないが。
ところで、北朝鮮を巡る動きの中で、何か変だと思われることがある。
ひとつはアメリカが解除する予定の「テロ支援国家」というレッテル。そんなものはないほうがいいに決まっているが、そもそもアメリカがそのようなレッテルを他国に貼って、あれこれ「制裁」を加えることの是非が問われている。本来なら国連を通じて、湾岸戦争の時のイラクのように制裁を行うことはそれなりの名目が立つ。しかしアメリカの定義は国際的な意向がどうであろうと関係なしに勝手に決めている。こういう手法は国際的な外交関係を乱すものである。今回の北朝鮮の場合、レッテル貼りをやめるわけだが、根本的に「テロ支援国家」ということを勝手に決めつけることそのものが問われる。
もうひとつは日本の北朝鮮に対する拉致問題の解決を条件とした制裁で、これも国際的な流れから見たら変な感じがする。拉致被害の家族としては忸怩たる思いがあるだろうが、元はといえば日本が北朝鮮との独自の外交ルートを築かなかったことが原因で、しかもアメリカの顔色を窺いながら接触しているようでは、政府としての道理ある行動ができるわけがない。
そのあたり、拉致被害者家族も気付いているのだろうが、政府への気兼ねのために言い出せないでいるのではないだろうか。
こういうったあたりを正常な形で対処しないと、これから先の交渉は簡単に行くとは思えない。

2008.06.26:

どうやら「のぞみシステム」の次世代システム開発が動き出しそうだ。
「のぞみシステム」は今年度で開発費の減価償却が終わる。加えて社内全体の動きとして「ホスト離れ」が志向されており、順次クライアント・サーバーに切り替えるチャンスでもある。そうしたことから、同じシステムを使いながら今は組織が完全に分かれたある情シス部門から、次世代開発の提案書が出されて幹部の許可が出たのである。
その話が今日私の耳にも入り、それではどうかということで関係部門と電話で話したら、便乗しようかということになった。何といっても開発費が複数組織に分散できるからメリットは十分ある。そうでなくても「のぞみシステム」よりも開発費がかかることがわかっているからである。
もしこの話が本格化したら、私としては現役最後の大仕事となるだろう。予定ではシステム稼動が2010年。実際はもう1年くらい後になるだろうが。
さて、そうなると重要な問題が出てくる。私にとっての最後の大仕事ということは後継者が必要だということである。
残念ながら今は一人もいない。ものづくりをしている会社で実務をこなしながらシスアドとしての感性を持つ人間はそうざらにはいない。若い連中でも、Windowsのユーザーとしては慣れていても、業務全体の流れをシステムとして捉えることは苦手だからである。
幸いにして私は若い頃に少量の在庫管理のデータベースを自作していたこともあったから、業務のアルゴリズムをフローに展開したりすることは問題ない。実際、昨年も内部統制のフローチャートを講習を受けながら一人で作り上げた。しかしその能力を誰かが引き継ぐのはまた別問題。
いずれ上司に「後継者をどないすんねん!」と脅し(?)をかけるつもりだが、さてどうなることやら・・・

2008.06.25:

今日社内監査の報告が回ってきたが、その中に工場のある作業を継続的に頼んでいる会社に対して一年前の請求金額を先月に支払ったことが問題として上っていた。
実は支払われていなかったのを最初に見つけたのは私で、「のぞみシステム」のデータをチェックしていたら検収すらされていないデータが存在していることに気付き、作業を指揮している部署に「おい、これどないなっとんや?」と聞いたことから始まったのである。
そもそも未払いがあることを相手の会社も督促しなかったので、ほったらかしになっていた。金額はわずか数十万だが、担当者が請求書を他の書類の中にもぐりこませたまま放置されていたのである。私は慌てて検収と支払いの手続をするよう指示した。
とはいえ1年前のものを支払ったものだから、監査員の目に止まらないわけがない。お陰でその担当者は大目玉を食った。
こういうとき、私の立場は辛い。仕事だけさせておいて支払っていないのは言い訳が聞かない。とはいえデータをそのまま放置したら未完データとして半永久的に残る。もちろん指摘をするか、放置をするかどちらを選べと言われたら、私は間違いなく指摘をするほうを選ぶ。データのこともあるが、法的には明らかに支払っていない方が悪い。「借金の踏み倒し」は許されるわけがないのだ。

2008.06.24:

岩手・宮城内陸地震の被害を見ていると、山岳地帯の被害の巨大さに驚かされる。
簡単に言うと、砂浜に山を築いて「ドン」と地面を踏んだら一気に崩れたという感じである。火山性の土であることと長期間にわたって断層が動いていないから、振動で一気にバランスが崩れたと思われる。
自然のエネルギーが一気に放出されたら、人間などは吹き飛ぶくらいの威力を発揮する。だから地震は恐ろしい。
自然の力の大きさを示すものは他にもある。例えばロケットを飛ばす場合、地球の重力から抜け出すにはものすごいエネルギーが必要だ。太い鎖につながれているわけでもないのに、なぜあれだけの発射装置が必要なのか。考えたら地球の引力すなわち重量がロケットのそれに比べてどれだけ大きいかが良くわかる。
考えたら、そのことに気付いたニュートンもこれまた偉大だったのだ。

2008.06.21:

夏至ということでいよいよ本格的な夏への入り口である。
奇しくも梅雨前線が活発になり、場所によっては警報が出るほどの豪雨になっている。神戸の雨量はまだ少ないが、昼間は湿度が高くなったことを感じた。肌にべたついた汗が引かない。
街角にはアジサイが咲き、露に濡れるとその鮮やかな色が輝く。

2008.06.19:

今朝は1時間ほど朝寝坊。よって息子に簡単な朝食だけ(卵かけ飯)を与えて、家を飛び出した。
私の朝食はコンビニで買ったサンドイッチ。駅のベンチでコーヒーとともに慌しく取った。終わった頃に電車がやってきた。
寝坊をするのはなぜか木曜が多い。木曜の朝は燃えるゴミの日だから、寝坊をするととてつもなく忙しい。ゴミ出しの日を逃すと後が大変だから仕方がないのだが、どうして寝坊が木曜日に集中するのか自分でも不思議でならない。

2008.06.18:

福田首相が消費税増税を示唆する発言をした。
安倍首相同様に選挙に勝つつもりがないようだ。というか、今の与党には国民を向いて政治を行うということができない体質にどっぷりつかったまま、身動きが取れないようだ。
先日の年金試算が典型的だが、アメリカにひたすら貢献するとともに財界・大企業には徹底的に奉仕することが基本命題になっているために、国民に犠牲を強いる政策しか選択できなくなっているのだ。だから事あるごとに消費税増税を持ち出してくる。
国民の選挙によって(もっともそれは現在虚構の議席数だが)選ばれながら、国民の願いに反する政策を次々と出してくる、あるいは利権と金にまみれた官僚を御することができないのでは、救いようがない。
早く選挙をやって、国民の声が素直に届くようにしてもらいたい。逆の政策ばかり出され、そのたびに「ノー」を言わねばならないのは非効率だ。

2008.06.16:

岩手・宮城内陸地震の被害は時間を追うごとに増えている。今日1名が遺体で発見され、これで死者10名、行方不明12名となった。夜が明けると生死の分かれ目となる「72時間」。絶望感が漂う。
今回は人的被害もひどいが、火山性の土地が生み出した山の崩落があちこちで見られる。中国四川省でも問題になっているせき止め湖もできてしまい、行方不明者の捜索にも支障が出ている。捜索隊の当事者は大変だろうが、見ている方はやきもきする。

2008.06.15:

岩手・宮城内陸地震(ちょっと言いにくい名前だ)で死者9名、行方不明11名が出ている。大変な災害だ。M7.2で阪神大震災に匹敵する。
世界に例のない4つのプレートがひしめきあう日本列島、地震多発の時代に入ったとされるのだが、とにかく地震に無縁な土地はないから、被害を最小限に食い止める手段を早く取ってほしいものだ。

2008.06.13:

最近ウチの会社では社内外に向けてキャッチフレーズを公表した。
しかし評判はすこぶる悪い。普段使わない言葉を散りばめ、かつやたら長い。社長はひとり自己満足していて、管理職が集まった場で「ちゃんと覚えろ」とハッパをかけるが、「そんなことは無理」というのが社員の99%の声である。
全文を紹介するわけにはいかないが、一つの例を示そう。
例えば「広汎な」という言葉が出てくる。
「広汎」などという言葉はまず普通の文章では使わないだろう。若者だったら「こうはん」と読めないヤツも出てくる可能性がある。
三省堂の「大辞林」によれば「範囲の広いさま」とある。しかも「広範」と同じ意味である。もし馴染みのある言葉であるなら「広範」でかまわないはず。何も使用頻度の低い言葉を使う必要はない。
日立製作所の"Inspire the Next"のように英語を使う必要はないが、企業のキャッチフレーズは覚えやすさが信条。その昔、宮沢りえをキャラクターに使っていた時代があったが、今の社長は世間受けに対するセンスは皆無のようだ。

2008.06.11:

「コンプライアンス」とかいう言葉で違法行為を一掃する制度が各企業ででき始めているが、相変わらずサービス残業は一向になくならない。財界は「ホワイトカラーエグゼンプション」という法律を作らせて、いくら残業しても残業代を払わなくても良い法律を作らせようとしているが、少なくとも今はサービス残業は違法であるので、どうやってそれを逃れるかに苦慮しているようだ。
ウチの会社の場合、タイムレコーダーを廃止してから数十年になるが、労基署の指導をかわすあれこれの方法で逃げまくっている。
世間の多くはタイムレコーダーやICカード、あるいはPCの起動停止のログから出退勤を記録するようになっているが、ウチの会社は非常にセコい方法で残業代逃れをやっている。
手口としては、社内メール・掲示板で使っているLotus Notesの起動・停止ログをもって労働時間を計るというものである。PCの起動・停止ではないところがミソで、その差は「会社にはいるが、仕事はしていない」からという屁理屈を持ち出すのである。
誰が好き好んで会社にいるものか。こういう仕掛けがあるので、忙しい連中はNotesだけ停止させて仕事をしている。休日出勤ともなると、社内であってもわざわざOutlook Expressでメールを流すのである。もし休日出勤したことがわかるとあれこれ理由を書かされるし、残業規制がうるさいので苦肉の策としてこういう方法を使うのである。
PCの運転時間であろうとNotesの運転時間であろうと記録を取ることに技術的困難はない。いずれもWindowsが持っているイベントログから必要なデータを抜き出すだけで済む。要はそのデータの使い道の問題である。

2008.06.09:

無差別殺人は本当に恐怖だ。ある日突然後から刃物で刺され、そのまま息絶えるというのは想像するだけでおぞましい。
秋葉原で多くの人が傷つけられ、命を落とす人まで出たが、何故このように人の命が軽んじられるのか?
命の尊さを学校で教える?冗談ではない。TVゲームで殺し合いを見ている子供たちに頭の上で説教しても意味はない。
息子にも聞いてみたが、人が死ぬことの恐怖は実感として理解している。
ではその差は何なのか?
これはすべてではないが、人の死を目の前で経験するのもあるだろう。息子は私の母の臨終に立ち会った。もちろんかなりショッキングな経験だったようだ。すべての人が経験できるわけではないが、それもひとつのきっかけにはなるだろう。
私が子供の頃は、町内で誰かが亡くなればその家で葬儀が行われ、霊柩車が家の前から出発した。だが今は専門の会館で葬儀が行われる。
経験だけですべてを語るわけにはいかないが、人の命を大切にする世の中でなければならないことは言うまでもない。

2008.06.08:

いつの間にか梅雨に入っていたようで、なるほど雨の日が多い。雨でなくても曇りの時間が増えた。
世の中は田植えの終わった水田や、そしてアジサイが咲き始めているのが見られる。
人の命が軽んじられるこの頃、季節の変化に合わせてたくましく生き延びようとする自然の営みはたくましい。

2008.06.07:

最近息子の雰囲気が少し変わった気がする。
もちろん動作というか、部屋を奇麗にするかという点は相変わらず鈍臭い。しかし私が注意したことについてはわずかだがリカバーしようという傾向が見られる。
それと最近変わったのは、学校を休まなくなったこと(今のところ新学期からは皆勤である)、成績が少し上ったことである。どうやら勉学態度が就職に響くことを意識し始めたようだ。まあ、親がいちいち注意しなくても、自分が本気でまずいと思ったことは必至で直そうとするということだろう。
そういう時は黙って見ていればいい。「ほら、お父さんが言った通りじゃないか」などというダメ押しはしないにかぎる。

2008.06.05:

The day before yesterday, I wrote a suicide who worked in my office.
Today, I heard the direct reason of his death. He generated hydrogen sulfide in the car beside his house in Higashi-Harima district, Hyogo Pref. But it is still unclear why he terminated only 41 years life and decided to leave his family.
It is my opinion, however, provably his working circumstance caused his worry. As I also wrote, his family refused to join the office members to the funeral. This means his family may be afraid of remembering negative impressions when they meet the office members.
I don't know what who is. I don't know what he troubled, except since many years seldom heavy diseases including mental disorders, or suicides,  were seen in his office. There are also long over time work (of course no pay!) to cause the diseses.
This time, only very few people wonder how to stop the repeated suicide. Others shut the mouths.
Recently, suicides by hydrogen sulfide are reported in the news. However his case was not reported. I have no reason to understand our company interrupted the journalists to write the report. But I'll never forget this affair in order to stop Japanese "Karoshi" or "karo-jisatsu".

P.S. Why I wrote this diary in English is that I wanted to avoid his name will be easily identified.

2008.06.03:

近所の職場でひとり在職死が出た。年齢は40を過ぎたばかり。
社内に流れた訃報には死因も書いていなかった。普通なら「病気療養中のところ」とか「交通事故で」などどあるもの。ということは普通の「事故」とは考えられない。自殺の可能性もある。
しかも遺族から葬儀の参列も断ってきたというから、本人あるいは親族が会社を嫌っていたと思える。
最近はどこの会社でもそうだが、精神疾患や自殺が増えている。成果主義の導入と、連日のように「コスト削減」が上から押し付けられるため、我々の若い頃よりもストレスはずっときつくなっている。しかもサービス残業の蔓延だ。
人一人が亡くなるということはどういうことか。それも天寿を全うせずに死を迎えることには、やはり憂鬱さを覚える。それぞれの事情はあろうが、人に愛され、惜しまれて亡くなる道を私は選びたい。

2008.06.01:

6月に入った今日から変わったこと。
車の後部座席のシートベルト着用が義務化。ガソリン税の値上げ。そしてたばこ自販機には「taspo」が必要になったこと。
「taspo」を初めて使ったが、なれないせいでカードがうまくタッチできない。タイミングを覚えるまでちょっとだけ時間がかかるだろう。
さて、昨夜は親しい友人の中で定年退職者が出たのでその送別会。いよいよ大量の定年到達者が出てきた。職場でも今年で既に2名。あと9月に1名が予定されている。会社は今頃になって大量の新規・中途採用をやり始めた。さらには派遣社員を正社員にしたりするが、「盗人捕らえて縄をなう」で遅すぎる。
私も「のぞみシステム」の免許皆伝の必要性を要望しているが、誰かを今から弟子につけるような動きはない。この調子では、5年後には仕事はまともに動かなくなるだろう。