悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
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2011.12.31:
今年も後数時間。先日も書いたが、今年は本当に震災を中心に動いた年だった。とにかく他の出来事はほとんど記憶に残っていない。
さて、今年も鬼籍に入った人のことを書く。
今年注目するのはビンラディンとカダフィである。
二人の共通点は病死でもなければ自殺でもなく、心ならずも殺されたこと。この意味は何か?
はっきり言っておくが、彼等を殺したことには何の道理も正当性もないことである。いかに人々を苦しめ、また多くの他人の命を奪ったとしても、彼等はきちんとした裁きを受け、罪状を明らかにするとともに二度と問題を繰り返さない手立てを決めた上で、罰を受けるべきであった。
いかに感情的に許されない行状を行った個人であっても、怒りに任せて命を奪う行為は厳に慎まなければならない。
2011.12.30:
この年末に芳しくない話が出ている。もちろん消費税増税の話である。
民主党の税制調査会は、「14年4月に8%、15年10月に10%」を決め、首相も了承した。これから国会審議に入るが、国民の猛反発は必至。しかも民主党を離党する議員も出ているのでただではすまない。
沖縄県への環境評価書提出といい、増税案といい、年末にあたふた決める感覚は、震災を乗り越えて復旧・復興への道を進もうとしている国民の気持ちを無視し、また自らの選挙公約もすべて投げ捨てて地獄へ走る亡者の姿そのものである。
国民はそういう首相の姿を見て「地獄に落ちろ!」と叫ぶだろう。
2011.12.29:
部屋の掃除と買物の続き。
どうも落ち着いてこなせない。何となくあたふたしている。理由はスケジュールを作らずに場当たり的にやっているためである。これまではおせち料理のメニューまで作っていたが、今年は何故かやる気が出ない。思いつきばかりである。
去年と何が違うのか、考えてもわからないので、明日は早起きをして買物リストも作ろうと思う。
2011.12.28:
年末休みの1日目、まずは台所周りの掃除。
食器に付いた油分はふき取ってから洗うので、流しのパイプにはほとんど付着しない。むしろガスコンロ周りの壁に、フライパンから飛び散った油がこびりつく方が多い。
そう言いながら、今夜はチキンチャップを作って、後でガスコンロの油を再びふき取ることになった。
2011.12.27:
とうとう今日で年内の仕事は終り。終わってから職場で一杯飲むのが恒例の行事。まあ深酔いはしないが、そこそこ飲んで帰宅となった。
決算は予定していた書類のかき集めは無事終了。
しかし決算ではないが新しい仕事が入って、すぐに手配の依頼。そうは言ってももはや年内は誰も動くわけはないので、実際に物も人も動くのは年が明けてからとなる。
ということで私も今日は家でも店じまい。ちょっと胃がやられているのか、唇がやや腫れていいるので明日はとことん朝寝坊する。
2011.12.26:
今日は月末&決算処理がかなり進んだが、いよいよ今年の仕事は明日のみ。
先週末に電話で聞き出した客側の日本代理店ともコンタクトが取れて、どうやら新年早々の船が確保できそうな感触が得られた。これで船積の方は懸案事項がなくなった。
残るは決算。
今日の処理から残ったのは、決算からふるい落とすものが1件、逆に含めるものが1件。そして決算になったことを示す証拠書類の回収が1件となった。これくらいの残り方は毎回の決算の平均である。
クリスマス寒波のピークが過ぎたとは言え、夕方には少しだけ雪が舞った神戸。年の暮れはこうして1日づつ過ぎていく。
2011.12.25:
昨日と今日は寒波で猛烈に寒い。幸いにして神戸には雲もかからず、雪を見ることはなかった。
さて、私は両日共に仲間内の忘年会。ただ、へべれけになるほど飲んではいない。というかあまり飲めなかったというのが正直なところである。
忘年会では両方とも今年1年を振り返るということが話題になったが、私も含めて3.11の震災と原発事故が頭の中を締めてしまって、他の事はほとんど記憶にない、というのが実情である。それだけインパクトが大きかったということだが、阪神の時はオウム問題もあったので、今年のような印象は生まれて初めてである。
忘年会はあと仕事納めの27日だけになるが、その後は掃除など迎春準備で追われることになるだろう。
2011.12.23:
今日は世間が3連休の中の出勤日。しかし私にとってある意味では出勤した方がベターな日であった。
というのも、欧米とのやりとりで今日中に解決しないと、クリスマス休みに突入されて仕事が先に進まぬことがあったからである。しかも悪いことにウチの会社は28日〜新年4日まで8連休。実質的に明日から年明けまで仕事にならない。
現実として、昨日西欧のある会社にメールを打って、今朝までに回答を貰うよう依頼したのだが、結局メールは来ず。切羽詰った私は午後4時(現地時間午前8時)過ぎに電話を入れる事にした。
何せ数年ぶりの英語での電話。かなり緊張しながらもかけたら、いきなり電話口に出たのは担当の本人。かなり訛りがあって戸惑ったが、「私のメールを見たか?」と聞いたら「見た」との返事。だったら回答をくれてもいいじゃないかと頭にきながらも、2、3質問をして答えを引き出した。これ以上は話が長くなるので、「わかっていることだけでもいいから、10〜20分以内にメールで返事をくれ」と言った。時差が8時間あるのでそれくらい言わないと、こちらは午後5時を過ぎてしまう。すると彼は時差のことを理解していたようで、「わかった」と答えた。
そして待つこと半時間以上、4時50分になっても回答が来ない。また騙されたかと思いつつも・・・そして57分、メールが届いた!
間髪を入れずに「ありがとう&メリークリスマス!」のメールを返信。関係先にもコピーを落として本日の仕事は完了!となった。
それにしても、こんなことになった原因は、またもや営業のバカタレTが1週間以上かかっても必要な回答を引き出せなかったのが原因。しかも本人はそれまでのメールのやりとりのコピーを落とさないばかりか、私が督促しても生返事しかしない。
どうやら1月中旬には船積しないといけないこと、休みが重なってクリスマスまでには回答必要なことなど、急いでいる背景を説明せずに、壊れたレコードのように「回答ください」としか書いていなかったようである。
彼には再三注意したことがあるが、人が動くにはそれなりの理由、動機付けが要る。またその背景がわからないと上司に説明もできない。「客がそう言っているから」などというガキの使いでは説得力がないどころか、反感を買うだけである。
週明けは再びTに説教を垂れねばなるまい。
2011.12.22:
再び仕事の話。
おととい書いた減速機の破損事件はとりあえずSVを派遣して調査と対策を練ることになった。可哀相だがもちろん工場は停止。同時に歯車の緊急製作が始まる。但しこの歯車はあくまで一時的な使用を前提に、本来の作り方を一部手抜きして納期を短くする。もちろん後で正規のものに交換するのであるが。
これは以前でも使った手法だが、平たく言うと歯の表面が正規品よりも若干軟らかいのである。
普通は歯の表面を真っ赤に焼き、その後急冷する。これを「表面焼入れ」と言う。すると表面から数ミリだけが非常に固くなるのである。これで歯の磨耗が防げる。
昔は歯車全体を固い材質で作っていたが、高価だし納期もかかるので、今は焼入れが主流である。
緊急品はこの焼入れをも省略してしまって納期をさらに短くするのである。おわかりのように緊急品は過負荷運転は厳禁である。そして緊急品で運転している間に正規品を作る。
今回もこの手法を使うことになるだろう。
そして今度は・・・同様の事故が国内で起こった。別のメーカー製である。
ただ、現在問題になっているのは、このメーカーは非常に不親切で、「明らかに壊れているものをSVが見に行ってもしょうがない。それに壊れた歯車だけ交換しても高いだけだから、減速機全体を交換してください」と、困っている客のことなど知るかいという態度である。
さすがにユーザーも怒りまくっている。もしも工場全体が半年近くも止まってしたら経営に響くことは必死。タイの洪水被害の比ではない。
こういう場合、最悪のパターンはウチの会社の重役が減速機メーカーの社長を呼びつけて「何とかせんかい!」と叱り飛ばすことである。こうなると力づくで何らかの対策を取らせたとしても、担当者レベルの間に生じた相互不信は必ず残る。それはずっと尾を引いて、抜き差しならないことになるだろう。
世の中金の力が支配的に見えるが、長期的には人と人との信頼関係がものをいう。
以前カルロス・ゴーンがだまし討ちの手法で自動車ボディーを作っている製鋼メーカーの価格を買い叩いたことがあったが、もし発注先が下請企業だったら、明らかな違法行為だった。しかしこのようなことはたとえ大企業間であっても、許されるべきではない。
2011.12.21:
源泉徴収票を貰った。
同時に受け取った給与明細では、年末調整がプラス、すなわちこれまでに払った所得税では不足だからさらに召し上げるというものである。
ここ数年、年末調整で所得税の不足分を支払わされることが多くなった。要するに増税である。
昔は毎年のように減税が行われたために、取りすぎた分が12月給与で還付される=マイナスが多かった。ところが近年は種々の控除を廃止することで実質増税になっているのである。一方で最高税率を下げてきたために高額所得者には減税が続いている。
さすがにこれには批判が強かったためか、政府は最高税率の引き上げを決めようとしている。それはそれでいいことだろう。
しかし日本の所得税の仕組みは先進国の中でも遅れていると言われている。その際たるものは株などの配当に対する分離課税である。その税率は低い。もし給与所得などを含めた総合課税にすると所得税は増える。
そもそも高額所得者は給与よりも投資などによる所得の比率が高くなる。欧米では金持ちが「私などから税を取るべき」との発言が出ている。日本も大企業とか金持ちに対してもっと税金をとるべきだろう。彼等から取っても生活に困るわけではないのだから。
2011.12.20:
仕事の上ではいよいよ年末までのカウントダウン開始。
明日から仕事納めまで、実労働日は5日。但し5日といっても23日(祝)はウチの会社だけが出勤で世間は休みだから実質的には4日。
こういう状態の中で、月末締め切り、4半期決算が重なって遂には神経戦に突入である。しかも年末までの船積で、便名が決まらないのが飛行機1件、船1件。明日解決しなければ私自身がキレるかも知れない。
というのも、今日の定時前にとんでもないニュースが入ったからである。
アジア某国に入れた大型減速機の歯車の一部が欠けているという。工場停止の危機であるだけに、調査SVの派遣、交換歯車の手配などが入ってくることは必定で、メーカーは正月休み返上、私もあおりを食らって調整役に追いまくられる可能性がある。
これ以上書くと脳の血管も沸騰しそうなので、今日は寝ることにする。
2011.12.19:
今日の昼休み、会社で流されたNHKラジオの冒頭のニュースは北朝鮮のキム・ジョンイル総書記死亡の一報だった。
職場には一瞬静けさが漂った。あまりに唐突で誰もが耳を疑ったことだろう。
心臓麻痺と思われる症状で、享年69歳。死亡から2日後に発表されるのは早い方かもしれない。報道機関が一本のみで、かつ政府としての正式見解を出すには指導部としての根回しが必要だったのだろう。
これまでも脳梗塞などの病気で体調が良くなく、さればこそ三男のジョンウン氏を早くから後継者に指名する必要があった。
私に言わせればキム・ジョンイル氏は太りすぎである。餓死する国民がいた中、彼はどの程度贅沢な生活をしていたのかは知る由もないが、以前病気から回復した彼の姿をTVで見ていて、思い切ったダイエットをしない限り長生きは無理だと思った。
さて、彼の訃報を聞いた家族・親族にはお悔やみ申し上げる。しかし彼は単なる私人ではない。
北朝鮮「金王朝」の元首として、また対外的には「瀬戸際外交」と呼ばれる国際的には通用しない数々の無謀な行為を行ったことは批判されるべきである。今後彼の後継者が誰であろうと、このようなことを繰り返すことなく、「六ヵ国協議」をはじめ、国際舞台で道理ある態度を取ることを望むものである。
2011.12.18:
12月もいよいよ後半に入ったが、新年の準備はほとんどやっていない。この週末も年賀状を書いただけ。
後は、来年のカレンダーと手帳を会社から持って帰ったこと、正月用の金箔入り日本酒を買ってきたくらいのものである。
さて、昨日の続きだが、内外共に「冷温停止状態」はまやかしだという批判が相次いでいる。いつもは政府の使う言葉をそのまま流す大手マスコミも、さすがに今回は現実とかけ離れていると批判している。
それにしても何故野田内閣はネタバレの安全宣言を強行したのか。
どうやらそこには電力会社をはじめ、原発ビジネスで儲けている機器メーカーなどのいわゆる「原発マネー」からの圧力があるようだ。
その理由としては、安全宣言をすることで現在停止中の原発の再開、ひいては原発増設への世論誘導の意味があるし、一方ではベトナムをはじめ、原発の輸出に向けて「日本の原発は事故が起こっても安全確保は可能だ」というアピールをする意味もある。
それを政府が首相を先頭にお墨付きを与えるというのだから、これはもう救いようがない。野田首相はこれまでもそうだが、国民の生活と安全を最優先に守るという姿勢が完全に欠落している。
2011.12.17:
政府が福島第一原発を「冷温停止状態」を達成したとして宣伝しているが、どう考えても何らかのイベントが発生したとは思えない。というのも大量の冷却水をこれまで突っ込んできて、ただ冷却水の温度が100度以下になっただけのことだから。
核燃料の取り出しとかの廃炉に向けての作業は何も始まっていないのである。
しかも「冷温停止状態」という言葉には一種のトリックがある。本来の「冷温停止」は健全な原子炉の炉心の温度を基準にしているもので、「状態」を付け加えることで意味の違うものにすり替えを行っているのである。現実は炉心が失われ、核燃料は格納容器の底を突き抜けている可能性がある。それを大量の水で冷やしているだけで、その汚染された冷却水は溜まるばかりである。
従って政府は、これ以上の事故の拡大を防ぐプロセスの途中の取るに足らない事実を宣伝に利用しているだけである。
2011.12.16:
昨日の、年末ぎりぎりの船積の話だが、30日に神戸を出る船が見つかり、重量も何もわからないまま(とはいっても箱1個だけで1トンもない)に仮予約。
早速営業のT(例のボケナス社員)にメールを入れ、電話をしたら今日は出張とのこと。朝にメールを入れてから昼過ぎにTから「月曜に取り掛かりますがいいですか」というメールでの回答。
あ、こりゃだめだ、どうせ1日かかってもろくなものができない(前科あり)と判断した私は、必死になって梱包に関する数字を空白にしたままの4種類の書類を自ら作成。これをTに送って致命的なミスがないかチェックさせることにした。
さすがの私も目を三角にして格闘、一時は残業に突入かと思ったが、定時前寸前で完成。
しかしその間にろくでもない話が割り込んできた。いずれも中国で、
−11月に送った小さな部品1個が船積漏れ(実際は中国で紛失?)で再手配の依頼
−日本の設計担当同士で勝手に、機器の中にある部品を、来年に送る本体よりも先に別送することを合意した。しかもメーカーには何も相談せずである。
ということで本日午後は神経戦で消耗。夕食のメニューは一番単純な野菜炒めに決定!と相成った。
2011.12.15:
この期に及んで、年末ぎりぎりの船積が発生しそうだ。中東某国向けで仕事納めの前後に船があるかどうかで決まる。あれば月曜日に荷物が来るのでしゃかりきで梱包、船積書類の準備。なければ年明けまで放置となる。信用状ではなく、納期よりも早めに送って欲しいという客の「希望」なので、遅れても罰則があるわけではない。
そういう中で、今日は来年の話が飛び込んできた。まだ納期までの時間はあるので慌てる話ではないが、向先がインドにインドネシア。これらの国については言いようのない恐怖を感じる。国内の輸送事情が悪いというか、ノーコンで有名だからである。
港で荷物をおろした後、その後は船であろうとトラックであろうと、はたまた鉄道であろうと、期限どおりに荷物が届くことはまずない。時として行方不明になることもある。(ロシアの鉄道貨物も似たところがある)
インドなどではトラックの運転手に運賃をちゃんと払わないというケースもある。20年位前、ある運転手が元請の会社が金を払わないとして裁判に訴えた。そして弁護士が書いたその訴状のコピーがウチの会社にいきなり届いたのである。もちろん被告はウチの会社ではないし、我々に何かを求めるものではなかったが、どうやら運んだ梱包に書いてあったの荷主の名前(SHIPPER)がウチの会社だったことで、同情を得ようという意図だったようだ。
こんな話を聞くと、日本のように、書留とか時間指定配達などがきちんと行われている国は極めて少ないということに尽きる。
2011.12.14:
そろそろ年末と4半期決算で忙しくなる。
幸いにして下請に対する検収は余裕を持って終わりそうだが、売上の方は特に国内で仕事納めぎりぎりの納品や工事終了がいくつかある。困ったものだ。
仕方がないので営業の尻を叩いて、書類に客の捺印を貰うしかない。いやな役目だ。
2011.12.13:
金曜に出るはずの船が遅れて土曜日になりそうだ。
飛行機だと、欠航は別として遅れても1時間程度。しかし船は1日遅れなど珍しくもなく、2日というのもある。ただ、あまり遅れると荷主からクレームを受けるので(信用状の船積期限が過ぎたら大変なことになる)、寄港地のいくつかを飛ばしてしまうことがある。これを「抜港」と称する。
飛ばされた港へ荷物を送る予定にしていた荷主には迷惑な話だが、船会社はちゃんと代替船を用意するので問題はない。
船が遅れる原因の多くは、悪天候(特に台風)と、港での混雑である。荷役設備も人も十分ではないところへ貨物が集中すると大混雑になり、岸壁にたどり着けない船は「沖待ち」となる。上海や香港では慢性的で、1泊は当たり前、時として2泊というのもある。船会社も心得ていて、こういった沖待ちによる遅れを勘定に入れてスケジュールを組んでいる。
ただ、一泊どころか1週間、1ヶ月の沖待ちが生ずることがある。これは途上国での大型プラント建設の短期集中とか、戦争の影響による代替港への殺到が原因することが多い。こうなると船会社もしたたかで、"Congestion
Surcharge"とかいう追加料金を要求する。もちろん沖待ちによる発電機の燃料、船員の食費など、余計な出費がかさむことは事実なので、荷主は負担するしかない。
船での最悪のトラブル、遅れの原因は事故(主に衝突)とエンジン破損である。これだけは先が読めない。他の船に積み替えが必要になるかどうか、船会社としても決断を迫られる。
私が若い頃に聞いた話。ひとつはドイツのコンテナ船がインド洋で大シケに出会い、船体がひびだらけになって日本で数日ドック入り。仮の溶接修理を行った上で本国に帰っていった。
もうひとつは日本のカーフェリーで、就航中に突然ディーゼルエンジンのピストンのひとつの頭部が割れてシリンダーを突き破り停止。幸いエンジンを2つ持っていたので片方のエンジンとプロペラで速度を落として航行。終点の港で客を降ろした後はそのままドック入りした。
2011.12.12:
どうやら年内ぎりぎりまで船積が続きそうだ。
今週に1回、来週に1回船が神戸港から出る。その合間に飛行機が飛ぶ予定である。相変わらず船積書類のとりまとめが毎日続く。
さて、先日からの技術継承の話の続き。
我々の世代もそうだが、続く40代の若手管理職もぼろぼろである。何故かというと、若いときから落ち着いて仕事をやったことがない、つまり目先の仕事に追われ続けて、全体を見回すことや後輩の仕事の相談に対して的確な指示ができないまま過ごしたからである。「プレイングマネージャー」と称して中間管理職の名目だけ与えられるが、管理職としての取りまとめ能力は育っていない。そのことを経営幹部は嘆いているが、そういう状態にしてしまったのは自分たちである。しかも同時に猛烈な人減らしをやったのだ。
実はその裏で、出世競争から外れたベテラン社員はじっくりと技術を磨いてきた。客先の無理難題にもめげず、場合によっては逆襲できるくらいの能力と経験を積んだのである。特に団塊の世代はひとにぎりの「出世組」を除いてベテランが多くいる。先の「プレイングマネージャー」の中にも、部下のいないベテランが混じっているのである。定年を迎え、職場を去る人が多い中でもそうした人達はまだ少なくない。
本当は裏方で汗をかいてきたその人達から学ぶべきなのだが、若い人は入ってこないし、忙しいときは派遣で間に合わせるということを繰り返しているために、教えられないあるいは自分自身が辞めたくても人が足らないので辞めさせてもらえないという悪循環が続いているのである。
こうして老いも若きも目先の仕事、しかも常に「コストダウン・利益優先」で追いまくられている。技術の継承はいつも後回しなのである。
2011.12.11:
3.11から9ヶ月、慰霊祭なども行われたようだが、復興への道のりはまだ遠い。
そんな中、政府が被災地の漁港を集約するという。要するに復興に金がかかりすぎるので小さなところはつぶせということである。
これは民主主義の基本を無視して政府のご都合主義を押し付けるものでしかない。漁民が再建を諦めたのならともかく、上から目線で線引するやり方は許せない。
神戸でも行政の押し付けが悲惨な結果を招いた。その例が六甲道駅前の高層住宅である。
住民の希望を聞く前から、古い町並みをつぶして無理矢理高層ビルにした。神戸市としても高層でないと国の補助金が出ないし、3ヶ月以内に決めろと突きつけられたのである。当時は被災者への個人補償を拒否した村山社会党内閣。
見た目はきれいな高層ビル群。しかし住民は元に戻らず、しかも不景気が続いたままで、ビル1〜2階のテナントは定着しない。出店しても半年くらいで撤退するところが多い。またいつまでも空きスペースになっているところもある。
庶民が住みやすい街になっていないからそうなる。
岩手、宮城、福島3県でも見捨てられた漁港の町は急速に寂れるだろう。加えてTPPを受け入れたら壊滅的になる。これのどこが民主主義だ。
2011.12.10:
最高気温が10度を下回るようになって、骨身にはこたえることから、やせ我慢はやめて今夜からガスファンヒータを始動させた。
しかし一方で、街路樹の銀杏はまだ完全に落葉していない。完全に冷え込んでいないから、葉の根元が閉まりきっていないのだろう。
とはいえ、今日の雲行きは冬型の天気を象徴するようなものだった。気温がもっと低ければ雪になっているような飛沫のような雨が、低く垂れ込めた雲から落ちてきた。
週明けからは私もパッチを穿いて出勤することになるだろう。
2011.12.09:
今夜は職場の忘年会。考えたら昨年も同じ顔ぶれだったから、要するに神戸に戻ってから1年を越えていたわけである。
今日はたまたま課長と隣り合わせ。とは言え同年代で昔の顔なじみだから遠慮はない。そもそも私を神戸に呼び戻した張本人だから、そのあたりを聞いてみた。やはり彼は私を「即戦力」と見ていたらしい。
もちろん彼の目論見は成功したと思っているようだったが、一方で私は、やはり時代が変わって面食らうことが時々あるので、見た目ほど楽ではないと言っておいた。そして何よりも私の後継者を今から(遅すぎるくらいだが)見ておかないと大変なことになるとも釘を刺した。
これから後継者難の時代が来る。時間は何人にとっても平等に過ぎるのである。私も来年はひとつの区切りの歳を迎える。だからカウントダウンは既に始まっているのである。残っている時間の間に手を打たなければ技術は目に見えて落ちる。
そういう現実の厳しさを彼はわかってくれるだろうか。
2011.12.08:
今日は日米開戦の日だが、ちょっとネタが思いつかないので昨日の続きをやる。
我々の世代は何だかんだ言っても、先輩から身をもって教えられた世代である。現場では、ミスをして商品をオシャカにしたら罵声とゲンコツが飛ぶこともある。設計でも出した図面が係長、課長のチェックを受け、何も言わずに赤鉛筆で染まったものがつき返されるということもある。
だが、それでも多くの若手はへこたれずに努力を重ね、やがてベテランへと育っていった。その背景には「今は半人前でも、長く勤めていれば給料が上がるし、先輩のようなベテランになれる」という夢が持てる時代だったのである。そういう中で商品の改良とかコストダウンの努力も少しづつ重ねられていった。
ところが今の新入社員は最初から「成果」が求められる。ミスをしたために遅くまで働くことになっても残業は認められず、能力が低いのは全面的にお前が悪いとされる。しかも自分がどの程度関わっているのかわからないまま、決算で利益が上がっているかいないかで給料が決まってしまうのである。これでは仕事を覚えるよりも「儲かる」部署へ移りたいという気持ちが強くなるのは当然である。
これでは技術の伝承などできるわけがない。
また、非正規労働者を増やしても同様のことが起こる。彼等はずっと定年まで雇ってもらえる保証はないから、言われた通りをやっていれば良いのであって、その職場で技術を磨くなどという発想は当然浮かばない。もし何かを身に着けたとしても、それは自分を高く買ってくれる他の会社への売り込みの武器になるだけである。
こうしてものづくりの弱体化は進行していくのである。
2011.12.07:
4日の話の続き。
最近のアンケートで、男女共に「結婚したくない」が減って「結婚できない」若者が増えているという。原因はもちろん低賃金である。年収300万円以下ではもはや結婚を諦めざるを得ないと言っていいだろう。当然ながらこういう層は派遣とかフリーターが圧倒的に多いから安定した収入を期待するのは無理な話。結婚数が減るから当然少子化に拍車がかかる。
ここ数年、ウチのようなものづくりの会社でも正社員を増やすようになった。しかし我々が入社した頃に比べて、新入社員の募集数は桁が違う。はっきり言って現役を去る団塊世代の数には追いつかない。そうなると無理にでも現役を引き留めて延長戦に持ち込むことになる。しかし賃金だけ下がって仕事の量・質はそのままである。収入がないよりはマシだから年寄りはやむなく職場に残る。
一方で若者には就職活動の時点から正社員の狭き門があり、先に述べたように熾烈な競争が待ち受けている。そのため、学期末になっても就職できない学生が増えていることは承知の通りである。
そしてまた、入社できたとしてもその先には成果主義賃金というハードルが待っているのである。
この続きはまた次回。
2011.12.06:
最近ジョブ番号の管理をするシステムが変わった。
それまではホストだったので使い勝手が悪かったのだが、ウェブベース+オラクルになって動きが軽くなったのは喜ぶべきこと。
しかしユーザー用メニューには3つの重大なミスがあると判断せざるを得ない。具合的には、
1.データの詳細表示にポップアップウィンドウを使っているのはいいが、中に「閉じる」ボタンがない。
仕方がないのでウィンドウ右上の×印で閉じているが、これぐらいのことは配慮してしかるべき。
2.同じくポップアップで、確認用"Yes/No"のウィンドウを作っているのだが、配置が"Yes/No"のものと"No/Yes"がメニューによってバラバラ。「間違えてください」と言っているようなもの。
3.検索条件設定メニューで「営業担当部門」と「営業担当者」が設定できるのだが、営業以外のユーザーでもここに自分の所属と自分のIDがデフォルトで入ってしまう。営業以外のユーザーにとってはいちいち消さねばならず迷惑千万。
いずれにせよ上の3つに共通して言えることは、ろくにテストをやっていないという結論になる。
2011.12.04:
友人と若者の話をしていて気付いたこと。
最近は「就活」と称して学生が「エントリーシート」などを書いて、自分を売り込むのが当たり前になっている。しかし我々が就職をする頃は、必要以上の選り好みをしなければ、卒業しても就職できないということはほとんどなかった。むしろ中卒などは「金の卵」と称して引き手あまただった。
高度成長経済が続いていて、設備を拡張してもそれを動かす人員の慢性的不足が続いていたのである。ベビーブームで大量の若者が供給されていてもであった。
ところが今は大企業を中心に、職場の実態とはかけ離れた、見せ掛けの買手市場が作られている気がする。
どういうことかというと、団塊世代が定年を迎えて大量に消えていくのに、その技術を継承する若者がろくに育っていないのである。しかも少子化で若者は少なく、今後は日本の人口が1億2千万人をピークにさらに減少していくはずで、本来なら若い労働者がもっと必要なはずである。
こういう実態と若者の就職難の乖離は何故生じるのか?
実は財界の労働力に対する戦略が存在するのだが、その話は省くとして、今は人手不足の補充として、いつでも首が切れる非正規労働者の導入と、海外生産への移転という「脅し」で、買手市場の宣伝が振り撒かれている。言っておくが日本の生産技術はそれを支える労働者の実力を含めて、そう簡単に海外の工場に移転できるものではない。
こういう作られた就職難と、それがもたらす結果については明日以降に書くことにする。
2011.12.03:
今日は通院の日。
注射量を増やして血糖値を下げることには一応成功したものの、こむら返りの方はまだ明け方に軽いものが残ることを話したら、注射を一日4回打ったらどうかと勧められた。毎食前プラス寝る前に1回ということである。
さすがにこれは面倒。丁重にお断りした。
それにしてもこむら返りが完全に解消しないのは何故だろう?
やはり運動不足なのだろうか。最近は足のつま先のしびれが強くなった気がする。年齢と共に体のあちこちがおかしくなって来ることは仕方がない面もあるのだが、困ったものだ。
2011.12.02:
今度は防衛相がj問題発言。沖縄県民を大きく傷つけた少女暴行事件のことを詳しく知らないと発言したことで、自公が問責決議案を出す動きを見せている。
やはり防衛局長の発言と根は同じようだ。
首相以下、政府とっては辺野古移転が絶対であって、沖縄県民の声は目の前を飛ぶうるさいハエ程度の認識でしかない。だが、これは民主主義の何たるかを弁えない不遜極まりないものである。
自民党政権時代でももちろんアメリカ絶対の傾向はあった。しかし一方で多少なりとも有権者の1票を恐れて、ゴリ押しするにしてもわずかの遠慮があった。ところが民主党政権、わけても野田首相になってからは二枚舌を使うなど、強行突破の姿勢が強い。
やはり松下政経塾流の、庶民との接点を欠いた「知らしむるべからず、寄らしむべし」の上から目線の視点、それと有権者の声を聞かなくて済む政党助成金が背景にあるのではないか。
2011.12.01:
今年もとうとう12月。カレンダーは昨日のうちにめくったので、息子から笑われることはなかった。
さて、冬のボーナスが入ったので、元ヨメに対する「手切れ金」の残りを支払った。これで債務は完全になくなった。
もはや彼女との関係が名実共に終り、気持ちがサバサバするかと思ったが、振込みを行った後の銀行口座の残額がいつもより少なめになったことに「何かあったときは大丈夫かな?」と、そちらの方に心が動いていた。
個人的な話はさておき、震災復興に名を借りた所得税増税が国会で決まった。何年か後には「元に戻る」だけだが、法人税は減税据え置き、すなわち何年か後には「減税」になる。
不公平極まりない。