悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
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2011.10.31:
輸出入の話が出たついでにTPPの話をしておきたい。
まず言っておくが、大手マスコミが流す「事実」はあまりに政府・輸出大企業に偏ったものなので、そのまま信じることはできない。特にアメリカからの圧力に逆らうことを不可能のように描いたり、農業だけでなく医療についても多大な影響が出ることを報道しないなどである。
関税はその国の経済に影響することなので、その主権を主張することは不思議でもなんでもない。それを何でもかんでもゼロにするという発想そのものは、主権の放棄でしかない。実際、カナダはそのことで交渉に参加しないことを決めた。
しかし日本政府はアメリカの軍事力がいなくなること、それと共に巨大市場であるアメリカに自動車や電化製品が売れなくなることを恐れ、アメリカの顔色を伺うことに汲々としているのである。とても独立国の政府とは思えない。
医療については日本の健康保険制度が破壊されるかもしれない。アメリカの保険会社が健保制度よりも有利な条件で民間保険を売り出したら、誰もがそちらを選ぶだろう。マスコミは生命保険・損害保険会社の広告収入がなくなることを恐れるために、この事実は書かない。日本は薬価が高いことや、薬害問題を取り上げることに消極的なことと根は同じである。「アリナミン」、「ルル」、「リポビタン」の広告収入が入らなくなることは新聞社にとって死活問題なのである。
日本がアメリカの50番目の州に成り下がることは願い下げにしてもらいたい。陸地で繋がったEUの通貨統合とは意味が違う。太平洋を隔て、地理も歴史も言語も文化もまったく異なる国同士が、強制的に同一経済圏になることなど所詮無理があるのだ。
2011.10.30:
輸出のことを書いたので、やはり輸入についても少し書いておこう。空港での乗客の手荷物検査の話ではない。ウチの会社がれっきとした機械部品を輸入するときの話である。
近年韓国、中国あたりで、ウチの図面に基づく加工外注品を作らせて輸入することが多くなった。もちろん国内メーカーで作らせるよりも、運賃がかかっても安くなるからである。また、品質は国内製よりもかなり劣るのだが、そのリスクは負わねばならない。。
そいういう意味では国内の空洞化を推進する悪役の一翼を担っているわけだが、輸入手続の話がメインなのでその問題はちょっと脇に置く。
最近は、昔はほどんどなかった税関の監査が毎年のようにやられるようになった。主な目的は関税・消費税の脱税である。向こうは先に書いたNACCSのデータベースで詳細な資料を握っているのでシビアなチェックが行われる。ひところこれで消費税の脱税が摘発されて、消費税プラス罰金が課せられることが多発した。原因は相手国との契約金額を実際よりも低く申告する粉飾ではない。
問題は日本から無償支給して相手国で取り付けさせる特殊な部品、例えばベアリングとかモーターが再輸入されることである。無償なので相手国との契約金額には含まれない。しかし実際は非課税で輸出された部品が取り付けられてブーメランのように再び日本に戻ってくるのだから、その金額を含めて輸入申告して消費税を支払わねばならない。これが意図的ではなくても忘れられることが多かったのである。これに税関が目をつけないわけがなかった。相次いで消費税脱税を摘発された。
もちろん今は、輸入申告のときにそれら無償供給した部品の輸出時の申告書を添えて税関に提出するようになったが、当初はウチの会社の盲点だったのである。
2011.10.28:
今週は船積がなく、ちょっと落ち着いた日が続いた。しかし来週は船便が2件、航空便が1件ある予定。
貨物を輸出するには、輸出梱包−−梱包の重量と寸法を告げて船または飛行機の予約−−通関(税関の検査を受けて許可を取ること)−−船・航空会社に引渡し−−出発−−「船荷証券(B/L)」の受取、の手順を踏む。これだけのことをやるにはそれなりの知識が必要で、「貿易実務」というタイトルの一冊の本が出るくらいの内容がある。
その中で今日は通関に関する話をする。
税関の輸出許可を取るには、送り状(インボイス=品名と輸出価格を書いたもの)と輸出申告暑を乙仲の通関士を通じて税関に提出する。申告書は昔完全な紙ベースだったが、最近はNACCSと呼ばれる電子申告に変わった。税関は申告書の内容を画面で見て、3種類に分類する。一つ目はほぼフリーパス。二つ目は書類審査で、通関士を呼んで品物の説明をさせたり材質を聞いて価格が妥当か、禁輸品でないかを確認したりする。最後の3つ目は最悪で、時として梱包を開けさせられる。こうなると長時間にわたって審査を受け、予約した便に荷物を積めなくなることもある。もちろんウチの会社はそんな胡散臭い荷物を送りはしない。
そもそも輸出についてはそんなにうるさく言われるようなことはないのだが、唯一、旧共産圏向けの輸出を制限する「ココム規制」時代からの流れを受けて作られた「輸出貿易管理令」という政令によるチェックだけは厳しく、今も北朝鮮向けや武器に転用できる品物には目が光っている。よってそういう類の品物でないという「非該当証明」を提出させられることもあるし、大企業各社ではすべての輸出品についてコンプライアンス委員会に非該当であるかどうか報告させているところが多い。
しかし輸入に比べれば輸出に対しての税関の目はそれほど厳しくない。輸入はそれこそ偽ブランド品、ワシントン条約(国際取引禁止の動植物を定めたもの)、麻薬、関税脱税など、実にバラエティーに富んでいる。
2011.10.27:
最近ウチの職場に何人かが異動してきたのだが、その中のSは若くもないのに行動に落ち着きがない。
どうやら人に何かを指摘されると、そのことで頭が一杯になり、広くもないビルの廊下を走ったりと落ち着きがなくなるのである。
その典型はメールアドレスの間違い。同じく異動組で私の名前が似ているKに宛てたメールのつもりが私のアドレスになることがしばしば。しかもそれが2度ならず、注意しても5〜6回繰り返す。さすがの私も頭にきて「何度間違えたら気が済むのか、注意力がなさ過ぎる!」とメールの宛先全員に返信した。さすがに彼もガックリきたようで、私に頭を下げに来た。
Kと私は日本語では似ているがローマ字にするとまったく違うものになるのだが、何故かSはその違いがまったく眼中にない。K曰く、「彼はそういう性格なんだ」と言うが、もし他人に見られたくない、しかも社外宛のメールだったらミスでは済まされない。
そう考えると、Sはやはりプレッシャーに弱いのではないかと思ってしまう。慌てると周りが見えなくなって廊下を走る癖も同じ根っこなのではないだろうか。
こういう性格は非常に危険である。もし建設現場だったら大事故を起こす可能性が高い。視野が狭いままパニクった行動に出ることは、母親を見つけて突然道路を横切る子供と同じなのだから。
2011.10.26:
東京電力をはじめ、電力会社というのは永年の独占で自分たちに都合の悪いことは隠す、避けるという体質が染み付いているようだ。だからといって独占の話にのみに矮小化して、発電と送配電を分けろなどという話にすり替えるつもりはない。
今回やっと黒塗りのない重大事故のマニュアルが東電から出てきた。世間の非難を浴びて渋々公開した。「企業秘密」だとか「テロ対策」などという屁理屈など通るわけがない。政府や国会からも非難を浴びた。
中身といえば、やはり全電源喪失などの想定はしていない、不備だらけのものである。
事故マニュアルもそうだが、放射能被害による補償についても、膨大なページの申請書類・マニュアルを送りつけ、しかも一旦申請したら後は訂正を認めないという態度である。勿論こういう傲慢な態度を許す背景には政府が甘やかしてきたのも一因ではあるが。
東電の他、九州電力も「やらせメール」問題で、第三者委員会の勧告を無視して佐賀県知事の関与をわざと伏せた。知事に対する政治献金がそうさせたのだが、そこには住民に対する配慮よりも自社の利益を優先する態度が見える。
その他、発電コストの問題ではあくまで原発の方が安いような結論を出すように仕向けることもやっている。事故の補償の経費を積んだように見えるが、廃炉の費用とか放射性廃棄物の処理費用(これなどは予測ができないほど膨大になるだろう)を無視するなどの意図性が感じられる。
国民としては危険な原発と心中するわけにはいかない。よって電力会社の身勝手を糾弾し、国民に奉仕する会社に作り変えていく必要がある。
2011.10.25:
昨日の話、私の予想通りの展開になりそうだ。
設計の部長は、お馬鹿さんの発言は一流企業とは思えない暴言であると断言した上で、この論法で行くとウチの会社の協力は必要ないということになり、これまでの協力関係は断ち切らざるを得なくなるとの懸念を表明した。
そして営業と親会社の間で善後策を探るべきと付け加えた。
従って今後はウチの会社と相手親企業の上層部との協議が始まることになる。戦後すぐの時代から両社の良好な関係が続いてきたから、互いに手を切るということにはならないと思うが、話がここまでエスカレートした以上、お馬鹿さんはスポイルされることになるだろう。話が大袈裟になる原因を作ったのは他ならぬ彼だからである。
談合とかの違法な行為を告発したのならともかく、また親企業と下請企業企業の間柄でもない合法的契約を結んできた関係を、下っ端の一人が「商社口銭は不要だ!」と叫んだところで、何かが動くことはない。企業同士の関係は単に支払の金額だけでなく、技術的あるいは人間的信頼関係など、金銭では量ることが困難な部分も存在するのである。
2011.10.24:
1ヶ月前に書いた破損機械部品について、その後SVを現地に派遣したのだが、その契約をめぐって現地企業のお馬鹿な日本人がウチの会社に対して「今後共に絶対に商社は入れない」という趣旨の「最後通告」を出してきた。
そのことで矢面に立たされている商社の営業マンから関係者に「お助け」メールが流れた。本当に同情する話である。
これだけの挑戦状が出されたわけだから、多分ただでは済まなくなるだろうと私は見ている。
というのも、商社を完全に排除するという論法なら、今までお馬鹿さんの出身企業である日本の親会社を通じた発注は止めなければならないし、他にもウチを通して納入したドイツ製機械のアフターサービスは直接メーカーとコンタクトしてもらう必要がある。もちろんお馬鹿さんは英語を使えるわけではない。
私だったら、売り言葉に買い言葉でこれだけのことをストレートに投げ返してしまうだろうが、営業マンとしては売上が減ることを恐れて口にはし辛い。だから助けを求めているのである。
しかしここまで挑戦的態度で来るならば、社内のしかるべき人の判断を仰ぐしかないだろう。但しその場合はお馬鹿さんの親会社を味方につける必要がある。そうでないとその親会社がやっている国内の工場から来る注文にも影響するからである。
ということで、明日はお馬鹿さんの口をどうやって塞ぐか、関係者が相談して方針を決めることになる。
もちろんベストの解決方法はお馬鹿さんをスポイルしてしまうこと。本人には傷が付くが、それはここまで過激な発言をやってきたことが招いた結果、自業自得と割り切るしかない。
2011.10.23:
野菜の高騰はかなり落ち着いたが、何故かトマトだけはまだ高値。台風の影響だけでなく、気象の影響で赤くならないという話があるようだ。
トマトで思い出したが、冷蔵庫の冷蔵室(冷凍室ではない)の温度調節を間違えて冷えすぎになり、かなりものが凍ってしまったことがある。
幸い缶ビールなどの炭酸系はなかったので、破裂するようなことはなかったが、かなりのものがやられた。
温度を上げることで落ち着いたが、その結果は以下の通り。
トマト。皮はともかく、中は熟れた柿のようにズルズル。食えたものではない。
卵。殻が割れた。そのまま解凍すると白身が流れて汚れるので容器に移した。
青物野菜。葉の部分はトマトと同じで崩れる。
豆腐。凍ったら本当に高野豆腐のように硬くなるが、水分が抜けているので解凍すると独特のなめらかさは失われる。
魚を含む肉類は見た目は問題ない。しかし弾力がなくなるので冷凍と解凍を繰り返すのは良くない。
−−−−−−−−
話は変わってリビア問題。
カダフィ大佐は殺害されてしまった。そのいきさつはともかく、どさくさ紛れの殺害はいただけない。ビンラディンも同じだが、きちんと法の裁きを行わないとその罪が何なのかを明らかにして、二度とこのような独裁者を生む条件を排除せねばならない。
そうでないと再びカダフィのような人物を生んでしまうことになりかねない。
シリアやイエメンでもこのような決着にならないことを望む。
2011.10.22:
「キャピタリズム(資本主義)」という映画を見た。
ドキュメンタリー映画で有名なマイケル・ムーアの作品である。借金まみれにさせらた庶民がある日突然に住み慣れた家を差し押さえられ、ホームレスになっていく姿や、年収が1万6千ドル(80円/ドル換算で128万円)しかない航空機のパイロットなどを映す。一方で、リーマンショックの時に銀行などを税金で救ったこと、その金で多額の報酬を得た役員などを紹介していた。また、極めつけは当時のブッシュ政権の高官や議員が、そういった銀行や証券会社の出身で、多くの利益を受けていたことも暴露していた。
要するに上に厚く、下からは収奪を続ける格差社会を生み出す資本主義に対する告発である。そしてそれらを是正していく力は、民主主義によって民衆による働きかけが必要であることも強調している。
まさに今アラブ世界で起こっている民衆による独裁者追い出しや、ニューヨークなどで行われた反貧困の集会と通じる内容である。
折りしも日本では震災に乗じて経済特区とかTPP参加を政府が推し進めようとしている。
そうでなくてもバブル崩壊以降、大企業の経常利益は伸びるのと反比例して労働者の賃金は下がり続けている。しかも震災を理由にした首切りも少なくない。
ウチの会社の場合でも、ここ何年かは賃上げゼロ、ボーナスも利益に自動的に連動させる仕組みを作り上げてしまった。つまり会社の利益をしっかり確保した上で、残った僅かな金を労働者同士で奪い合えという思想である。
こういう仕組みに対して「ノー」ということを下から突きつける以外にない、そうマイケル・ムーアは訴えているのである。
2011.10.21:
ある職場にTという若い男がいて、私も時々仕事で書類をやりとりしているのだが、煮ても焼いても食えないヤツという感じが拭えない。
その評判の悪さはウチの職場の部課長も知っていて、私が時々叱り飛ばしているのを聞いて、ニヤニヤしながら「またか」という顔をする。
昨日も銀行に提出する、「信用状」に記載の書類を彼に準備させたのだが、間違いだらけで使い物にならない。それで「全面書き直し!」と指示したのだが、一日かかって出てきた改正版はほんのわずかを訂正しただけで多くのミスが残っていた。これを何度も書き直させていたら時間の浪費だし、提出期限が迫ってくるので、私が信用状と首っ引きですべて修正、半日を費やして書き上げた。
同時に彼には「一日かかってこの程度か」というメールを流したら、電話がかかってきた。
かなり頭にきていた私は怒りをぶちまけ、「書き直したからこれを元の書類と入れ替えろ」と指示して電話を切った。
実は、Tは最初神戸にいたのだが所属を転々とし、現在は東京にいる。その部署でも数年いるのだが、一人前の仕事はさせてもらえない。相変わらずアシスタント的な存在でしかない。明らかに何らかの問題があるからで、残念ながら彼にはとても仕事を任せられない、という理由が厳然と存在するとしか考えられない。
私がTについて特に感じるのは学習能力の低さ、向上心のなさである。
個人に対する酷評は慎むべきなのだろうが、あまりに若者らしくない、前向きな姿勢が欠けた発想には首をかしげる。彼の対極として設計のHは上司の評価も高く、私の意見にも素直に聞くと同時に食い下がりもする、積極性が高いのが特徴である。
Tは自信をなくしているのかもしれないが、私に言わせれば謙虚さのなさの欠落に見える。つまり「教えてくれ」あるいは「教えろ」ということが言えないのである。
私は若い頃、嫌がられるくらいの「聞き魔」だった。だが彼はそれが言えない。そのことが問題を起こす原因になっているのではないだろうか。
一度彼の本音を聞いてみたいと思う。
2011.10.20:
最近納品後のトラブルが多い。多くは欠品である。しかし中にはえっ!と思うものがある。
設計ミス。これは先日書いたからおわかりと思うが、材質を変えたたために昔の図面を書き換えたのだが、新旧図面の比較をいい加減にやったために取り付けボルトの穴の位置が間違っていたもの。言い訳無用である。
盗難。仕向地の港でこっそり箱を開けられ、中身の一部が抜き取られて、その後再び蓋が閉められ、現地に着いてから発覚した。
その昔、日本の港でも抜き荷をする悪いやつがいた。梱包にフォークリフトの爪を突っ込ませて単純な事故を装い、中身を持ち去る手口である。補充と梱包のやり直しは保険でカバーするので荷主は損をすることはない。犯人はそれを悪用しているのである。
客からの難癖。消耗品のオーダーで、包装の形状を変えたことによる型番の変更だけで品物は変わらないのに、「違うものが納品されているので交換せよ」とのクレーム。注文前の見積の時からそのことを伝えていたのに、客の末端まで伝わっていなかったらしい。
しかしいきさつを確かめもせずに文句だけ先に並べるのはいやがらせに等しい。
2011.10.19:
防衛大臣と外務大臣が相次いで沖縄を訪問し、知事との会談に続いて新しい基地の「予定地」辺野古がある名護市の稲嶺市長と会談した。
いずれも市長が(市民との)公約通り基地移設反対、アメリカに日米合意の撤回を求めよ、と逆提案した。予想通りの展開である。
このままでは一歩も進まないとわかっていながら、政府側は遮二無二正面突破を図ろうとする、ここに出口が見えない原因がある。そしてそういう原因を作ったのはいきなり日米合意をした政府自身である。それを大臣が言葉だけで謝罪しても実際に態度が変わらないのであればますます事態の打開は困難になる。
TPP問題でも同じことが言えるのだが、政府が有権者である国民の声を徹底的に無視して、アメリカの要求を丸呑みするから話がこじれるのであって、先に国民のコンセンサスをとるなりの努力をすれば暗礁に乗り上げることはない。民主党政府の態度は自民党政権時代よりももっと悪くなった。明らかに政権交代を望んだ国民の選択とは逆行する流れである。
もちろんこのようなアメリカ言いなりの態度の背景には、輸出目的のモノが売れないと困る財界・大企業の意向があるのだが、それがどのような結果を生むのかが民主党政府はまったく理解できていないでいる。
これはひとつの傾向だと思うのだが、今の野田首相のように松下政経塾出身者には国民との接点をまったく持ったことがないために、庶民の感覚をまったく知らないまま育っている。逆に言うと、松下政経塾は大企業の論理で行動する人間を育てる場であったということである。
だが世の中はそう甘くはない。議員を選ぶのは庶民であり、大企業ではないのである。
2011.10.18:
昨日のプログラムミス、徹夜はしなかったそうだが、夜間の自動更新を利用しての権限設定は失敗、よって再び振り出しに戻った。
そして今日はまた、別の下請発注システムに不具合が見つかった。
先週末に多くの改正を含んだバージョンアップを行ったのだが、やはりこれも部署による権限設定の間違いで、ウチの部署ではボタンをグレーにすべきところを通常色にして操作可能にしていたことが原因。
最近のプログラムの傾向として、同じメニュー画面を使ってデータ遷移の時に部署による権限を加えて画面表示させる方法が良く使われる。
だが今回のトラブルの特徴は、テストのときに権限による違いを確認せずに単独の画面だけを見ていたのが原因に思える。
例えば、発注金額については特定の1部署だけが編集可能で、それ以外の部署は閲覧だけ可能にするのであるが、そのときの編集可能フラグの設定を間違うととんでもないことが起こる。それをテストで確認すべきなのだが、慌てていると確認が漏れるのである。
もはや私にはシステムのことにあれこれれ口出しできる立場にはないが、こういう初歩的ミスを防ぐには現場環境でのテストが不可欠ではないかと思うのである。
2011.10.17:
8月に買い換えた自宅ルーター、非常に順調に動いている。以前とはえらい違い。
ということは、前のものはプリント板の不良、またはその上にある部品の経年劣化だったのだろう。
プリント板の劣化は今時非常に珍しい。私が経験した中でも、ある制御盤に組み込まれていたブレーカーの過電圧トリップ機構で使われていた小さなプリント板が、裏の絶縁物の品質不良でショートしたくらいしかない。
さて、今日は仕事でハプニングがあった。
ジョブ番号の管理をする新しいシステムが今日から立ち上がったのだが、私がプログラムを起動したらマニュアルどおりのメニューにならない。
それで経理にいるキーマンを呼んで画面を見せたら、「???」という顔をした。要するに上下のスクロールバーが出ないのである。同じ事を部署内の別PCで実験しても同じ現象が出た。
キーマンの部署では問題ない。ということは部署ごとに内容が異なる立ち上げ時のメニューのプログラムミスの可能性が高い。ということで初日からの不具合発見に、キーマンはそそくさと帰っていった。
システム開発担当者と共に、彼も徹夜かもしれない。
2011.10.16:
昨夜の雨も上がって今日はポカポカ陽気。
それでも昼は秋冬メニューの「たぬきそば」(関東でいう「きつねそば」)。休日の昼はこの他、きつねうどん、チャンポン麺、焼そば、ピラフが圧倒的に多い。ただ一人前をまともに食うとカロリーが高すぎるので、麺やご飯は息子に多く回す。
夕食は中華味の鶏チャーハン。店で食べるよりも圧倒的に野菜の具が多い。もちろん栄養のことを考えているためである。野菜が多いので作り方には注意が要る。まず野菜だけを先に軽く炒めてさまし、水分を飛ばすのがコツ。それをせずにご飯と同時に炒めると水分がご飯の中に染み込んでおじやのようにベタベタになるのである。
さて、息子にカレンダーが9月のままであることを指摘された。息子も今日まで気付かなかったのだが、それに輪をかけて大ボケをかました私。そそくさとカレンダーをめくることになった。
2011.10.15:
東京世田谷区での放射能騒ぎ、どうやら民家の床下に置かれていたラジウム226が原因のようだ。
医療用あるいは蛍光塗料用とみられるラジウムが、何の目的で放置されてたのかは不明。だがきちんと管理すべき放射性物質を民家に置いたまま放置するなどもってのほか。
ラジウムを発見したキュリー夫人の研究設備からは今も放射線が出ているが、被爆の問題がまだ重視されていなかった戦前ならいざ知らず、「知らなかった」では済まされない問題である。
世田谷区としてはまだ区内の放射線の調査は続けるようで、これはいたし方ないだろう。
被災地からのゴミ処理問題で受け入れを認めた自治体で、住民が理由のない拒否反応をしている例もあるようだが、要らぬ恐怖心で怯える前に、きちんとした調査を行い、結果を公表することが望まれる。精密な放射線計測機器を持つ研究設備はあちこちにあると聞く。自治体も積極的にこれらを利用すべきだろう。
2011.10.14:
大変珍しい人が職場にやってきた。
何と学校の同窓生で、入社以来顔を合わさないまま今に至り、彼が社内の名簿から私を見つけてわざわざ私のところを訪ねてきたのである。考えたら38年ぶり。彼は今東京の事務所にいて、神戸に出張に来たついでに立ち寄ってみようと思ったという。
よく考えたら、今の会社で同窓生は彼と私の2人だけ。それも珍しいが、辞めもせずにずっと同じ会社にいることはこれまた滅多にないことである。
話をする時間は短かったが、互いの無事を喜びあい、時計が逆回りをして若い頃に戻ったような気がした。
2011.10.13:
今日は自販機で珍しいことが起こった。私には初めての経験である。自販機にはルーレットのような機能を持っているものがあり、当選すると代金が戻ってくるものがあるが、その「当たり」に遭遇したのである。
大した金額ではないが、やはり当たると、ラッキー!と思ってニンマリするものである。
それはさておき、仕事の方は相変わらずドタバタ。決算が終わっても次から次へと輸出が続く。今月初めからでも2件、来週には航空便が2件、船便が1件待ち構えている。
しかも出荷の形態は、船積までで運賃は客負担(FOB)、相手国まで運賃も負担(CFR)、加えて貨物の保険料込み(CIF)とバラバラ。もちろん販売価格にはそれら運賃、保険も含まれているのだが、客側の手間を省く意味がある。
それらを区別しながら仕事を進めるにはそれなりの頭の切替が必要だが、こういうことがいくつになるまでできるのだろうか?
2011.10.12:
今日は腹立たしいニュースが2つ飛び交った。
ひとつは財務大臣の「税と社会保障の一体改革」、つまり消費税増税は必ずやるという発言であり、もうひとつは厚生労働省が年金の支給開始年齢を引き上げる検討を始めると発表したことである。
要するに庶民増税と福祉切り下げを同時進行で行うというあからさまな表現である。
そうでなくても、消費税導入以来福祉のレベルは下がるばかりで、「消費税は福祉財源に回す」という話は嘘だったことが明らかになっている。
しかも一方で法人税はどんどん下げられ、今度の震災復興財源では税率アップと言いながら、実態は既定の引き下げ幅が圧縮されるだけで、差し引き減税は間違いないのである。
大手マスコミはまったく騒がないが、庶民は怒りで一杯である。これが怒らずにいられようか。折りしもアメリカでは若者を中心にウォール街で気勢を上げ、富の極端な偏在に対して抗議の声を上げている。
我々日本でも怒りの声を強くしようではないか。
2011.10.11:
震災から今日で7ヶ月。
避難所も次々と閉鎖され、住居問題は仮設住宅の方に移ってきたようだ。しかし仮設に移っても買物の足や住環境そのもが不十分だったりしてすべてがハッピーというわけにはいかない。それに加えて原発の放射能汚染問題は深刻になるばかり。
一方、私の仕事では被災地の工場復旧で、残っていた修理品の納入を今週末に行ってほぼ終了。現地では11月操業再開に向けて最後の追い込みに入っているという。
関係者の努力によって、少しでも前進していることは喜ばしい。ただ、政府の動きは被災地の努力を踏み台にして、TPP推進とか、大企業に有利な経済特区を作るとか、法人税減税と消費税増税をたくらむとかの、悪政を推進する試みを続けている。
これが政府のやることか!
2011.10.10:
久しぶりに友人HPの話。
最近常連の訪問が減ってきて、HP編集のメンバーもだんだんマンネリ気味。加えてデザインはHTMLだけのシンプルな作りなので決して綺麗とはいえない。
そもそも編集メンバーにウェブデザインの経験者もいなければイラストの素養がある者もいない。そういう私も学校の図画工作の成績は常に「アヒルさん」だったから救いようがない。その証拠はこのHPのトップデザインを見てもらえばわかるはず。
そしてJavaScriptも使えない(使う気がない)とあれば当然殺風景となり、「お!面白そうだ」と読者の興味を引く要素は全くない。
使える上級(?)テクニックは行間を広げて見やすくするスタイルシートくらいのもの。
いつぞやは編集メンバーの一人がトップページの細かいことにケチをつけるので、だったらその改良アイデアをスケッチにして持って来いと言ったら、黙ってしまった。その程度の連中である。
私自身も不勉強でJavaScriptを本格的に取り入れようという意欲はもうひとつ。その昔「HTMLが書けますか?」と言われ、発奮してこのHPを作った時の根性はさすがに落ちた。年齢のなせる技、と正当化できなくはないが、だからといってこのまま引き下がるのは癪。
こういう思考のプラスとマイナスの間で心は揺れている。
2011.10.09:
年齢と共に体のあちこちにガタがきているのだが、この頃気になるのが少々耳が遠くなったこと。
昨年あたりから耳に栓をしたような感じが次第に目立ったきている。先日の会社の定期健診では、40代半ばから4000ヘルツが聞こえなくなっていたことに加えて、1000ヘルツでさえ左が感じなくなった結果が出てしまった。
耳が遠くなったことの反映として、電話での声が大きくなったと他人に言われることが多くなった。そうでなくても私の声はよく通る。若いときから発声法を会得したためだが、これに難聴による影響が反映して、私の会話はフロア全体に聞こええるほどの大きさになる。もちろん私自身はあまり自覚はない。
もちろん理にかなわないことは言わない主義なので、気の置けない人とはざっくばらんに話をするのだが、他人から見ればかなりぞんざいな物言いに聞こえるらしい。
今のところ日常生活に極端な支障はないが、将来的には補聴器の助けを借りないといけないかも知れない。少々気が滅入る話だ。
2011.10.08:
最近は「ハッピーマンデー」方式を多く取り入れたことから3連休が増えた。
個人的にはあまりメリットはないが、家族連れで出かける人達には喜ばれているようだ。息子はもう大きくなってどこかへ出かけたいという話もないし、私も兼業主夫であれこれたまった家事で忙しいので、1日だけゴロゴロしているくらいのものだ。
今は新米と秋祭りのシーズン。しかし被災地はそれらを単純に喜ぶ状態には至っていないようだ。特に福島原発周辺は除洗の問題が残っていて、安心して住める状態ではない。それと同時に東電の補償問題は十分なものではない。申請書とマニュアルで膨大なページのものを送って平然としてるのは、嫌がらせでしかない。
ところで被災地ボランティアの話が私のところにもいくつかあるが、残念ながら距離が遠くてどうしても会社を休む必要があり、今のところ可能性はない。よって募金でしか協力できない。申し訳ない限りである。後は仕事で被災地の工場の復旧支援くらいのものか。
2011.10.06:
人間立場に窮してくるととんでもないことを口にしたりする。その最も卑近な例が営業マンである。
彼等は立場として客におもねたり、機嫌を損ねないようにあれこれ骨を折る。場合によっては社内を敵に回したりもする。しかしそういう心理が理解できなくないものの、ムカッと来ることがある。
その1、これは2度続けてあったのだが、客から機械部品の交換パーツの見積依頼があって、それに対して設計は純正品の立場からオリジナル寸法のもので見積の仕様を書いたり、機能上一緒に取り替えるべき部品の追加を行って見積データを営業に回した。
ところが営業は客からの書類を絶対視し、「要求と違うからこれはおかしい」と、理由も聞かずにいきなり設計に文句をつけた。設計からはもちろんカウンターパンチが飛んだが、営業のお馬鹿さんは不満の様子だった。
その2、私の身に降りかかった話で、船が出た後いつごろ現地の港に到着するか船会社が提供する到着予定日(ETA=Etimated
Time of
Arrival)について、出航直後のものと10日後に発表されたものでは1週間ほど遅れることが明らかになった。それを聞いた営業マンは「何故遅れるんだ!理由を聞いてこい!」と電話で怒鳴り込んできた。私は冷静に「荷物を積んだら後は船会社の都合もあるし、悪天候や寄港地での時間のロスもあるから、到着日は保証しないのが常識」と答えた。これは国際契約の常識で、契約書に出航日については期限を明記はするものの、到着日は先に書いた背景から期限を切ることはしない。営業マンなら常識なのだが、客に「早く着けるよ」と甘いささやきをした手前、船のスケジュールが遅れることに焦りを感じて冷静さを欠いたようだ。
私も常に冷静さを保てる自身はないが、「お客様は神様」のような卑屈な態度は取れない。よって今まで色々な仕事をやってきた私には、営業だけは絶対に避けたい職場である。
2011.10.05:
最近は本当に夕食のメニューを考えるのが面倒になった。息子と二人だけの生活になってから6年近く、次第にワンパターン化してきて、しかも新しいメニューに挑戦しようという意欲も萎えてきた。ひとつは兼業主夫のため、限られた時間で作るものに意識が行ってしまうことに原因があるのだが、同じようなメニューをローテンションしているだけでは飽きてくる。よって以前は1週間分のメニューを考えて、それに合わせた買物を土曜日に行うことが多かったのだが、今はメニューを考えるのが仕事が終わる直前というのがざらにある。
それが嵩じるとスーパーで惣菜を買って帰るということになる。
こういう気分になるのは何も私だけではないようで、世間の主婦も同じだということを耳にしたことがある。
総じて家事に追われる生活をしていると、それから逃れたいと思うのは仕方がないのだろう。私も50を過ぎてからこういう経験をするようになったが、ろくに家事を手伝ったことがない男性諸氏には想像がつかないと思う。
2011.10.04:
昨日書いた製作ミス事件、興味があったので新旧の図面を比較してみた。
円形で、ちょうど自転車の車輪のように中心から太目のスポークが放射状に伸びているのだが、スポークの数箇所にはボルト穴が空いている。その穴の数と位置は、旧図ではスポークの角度によって数が異なるのだが新図は全部同じだった。これは新旧の図面を並べてみれば一目瞭然。
何故そんな違いが見抜けなかったのか、それは設計のみぞ知る。
さて、話は変わって東京電力の問題。
政府の調査委員会の報告では、東京電力は経費削減と人件費削減をせよと迫っている。
「人件費削減」とは要するに人減らしである。これには賛成できない。一般社員には経営方針にあれこれ口出しできる余地はないからだ。よってその責任を転嫁させられるいわれはない。
経費削減のほうだが、そもそも電力会社の体質として原価を膨らませる方が儲かる仕組みになっている。法律で原価を元に必ずいくばくかの利益がプラスされることが認められていて、それが電気料金に反映されるからである。だから設備投資を必要以上に膨らませることができ、わけても高額の原発設備に金が注ぎ込まれる理由にもなっているのである。これは法律を作った国会・政府の責任でもある。
私も昔、電力会社が発注した設備の仕事に関わったことがあるが、電気設備などは他の産業に比べて比較にならないほど贅沢な仕様だった。それがためにある制御盤では世間の相場に対してゼロが一つ多い価格になったのである。つまり「高いほどいい」のが当たり前の世界だった。
これではいやでも消費者は高い電気料金を払わされることになる。
政府の調査委員会はこうした法律についての政府の責任を触れていない。そしてもうひとつ、触れられていない点として株主の責任がある。
以上のような電力会社の経営体質の上に、電力会社の株主は決して損をすることなく、長年にわたって配当の甘い汁を吸うことができた。その金はどこへ行ったのか?
福島原発事故の賠償責任として、これら株主が得た金は、経営陣の報酬も含めて還元すべきではないのか?
2011.10.03:
週が明けて、決算も終わったし少しは落ち着いて仕事ができると思ったら思わぬニュースが飛び込んできた。
国内のある工場に入れた製缶品が作り損ねであることがわかったのである。
元は鋳物であるものを、作りやすさと重量軽減のために普通の鉄板を加工するものに設計変更した。そして現場の工場で組立ようとしたら既設の部分との接続ボルト用の穴の位置がずれていたのである。
工場側はとりあえずずれた分だけわざと穴を大きくして当面をしのいだが、ウチの会社に猛烈なクレームを出した。当然だろう。結果として正規の寸法での作り直し。もちろん金は取れないからン百万円の大損である。
原因は設計の図面ミス。材質変更による図面の作り直しの際に、何を勘違いしたかボルト穴の位置を間違えていたのである。担当者を先頭に課長に至るまでチェックできなかった。よって始末書の作成と損金処理の申請をやることになる。もちろん再発防止策も書かされる。
それにしても何故こんなことが起こるのだろう? 旧図との比較が不十分だったのだろうか?
単なるポカだけで終わるにしてはちょっと異常な事態。私も新しい図面を見たが、さすがに旧図との比較までは思い至らなかった。またそれは私の仕事でもない。設計を信用するしかないのである。気分は芳しくないが、作り直しの話を下請メーカーとやるしかなくなった。勿論下請には責任はないから金は払う。
2011.10.02:
ジーパンを買ってきた。ウェストは30インチ(約76センチ)。これでも余裕がある。逆に日常的なダイエットをやっていてこれ以上のサイズだと恥ずかしいくらいである。糖尿病とはそういうものだ。
糖尿病関連だが、涼しくなってきてもこむら返りがなかなか完全には収まらない。明け方に目が覚めた途端ガーンと来る。
寝る前に芍薬甘草湯を飲むのだが、夏場は寝汗がひどいので血液の粘度が高くなってやむを得ないとしても、涼しくなってもまだ出てくるのは何故だろう。
投薬していれば足を動かせばほんの瞬間だけで収まるが、薬を飲んでいないと10分以上、筋肉がゆがんでいるのが見えるくらい激痛が走る。だが薬の効果が十分に出ている場合はぴくりともしないで熟睡できる。
薬の量を増やすことも考えるが、芍薬甘草湯には高血圧と低カリウム血症の副作用があるので要注意。既にこの副作用が出ているので無茶はできない。よってしばらく様子を見ることにした。
2011.10.01:
10月に入った。これで今年の3/4が過ぎたことになる。
さすがに10月になると涼しくなってくる。今日も買物で外に出たが、半袖だとやや寒さを感じる。空にはうろこ雲も出ていた。
ということでそろそろ冬物のジーパンを出そうとしたが、春にひざの部分が大きく破れたまま放置していたことがわかった。明日新しいものを買いに行くことにする。