悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか! |
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2011.06.30:
ああだこうだと言いながら、月末になった。これで今年も半分が過ぎる。早いものだ。特に3月11日以降の時間の経過は普段よりも早く感じる。逆に被災者は長く感じるかもしれない。阪神の時は自身が(準)被災者で、そう感じたものだった。
本日にて決算は締め切り。しかし3件の書類が未提出となって(私のミスが原因ではない)残った。そのうちのひとつはある営業マンの認識の甘さ(営業データの入力は決算直前でも構わないと勝手読みしていた)が原因で、昨日警告メールを流したら、今朝本人からメールと電話で頭を下げてきた。また原因もはっきりしたので、「データだけ早めに入れてもらえば後はこちらで何とでもする」ということで決着した。
それにしても神戸に移ってから昔の仕事を復活することでスタートしたが、予想以上にトラブルとか調整・指示の仕事が多い。やはり人が少ないのである。しかもベテランが毎年のように消えて行くのに対し、それを引き継ぐ新人がなかなか来ない。ひどい部署では年寄りが退職した穴埋めを年寄りがやるというような現象さえある。
今日もトラブルが2件、ヘルプデスク(システムではなく人間系)が3件、手配書作成1件、そして決算の整理と未提出書類の報告、それだけで一日がドタバタと過ぎた。しかもこれを必ず定時内で決着させる、私は「5時まで男」なのである。
当然その後は「兼業主夫」として夕食の準備が待っている。
こういう私って一体何者なのだろう?
2011.06.28:
いよいよ決算が佳境に入ってデータの確認をしていたら、決算とは関係ないが納期が半月過ぎても納入されていないものを発見した。おかしいと思い調べたら調達からの注文書が出ていない。それでメーカーと調達双方に電話してみると、メーカーは注文書を貰ってないと言い、調達は渡したという。
大変なことになったが、客先に対しての納期には「ゲタ」がはかせてあるので、期限までにはまだ1ヶ月弱ある。そこでメーカーには口頭で手配をかけた上で調達には必要な書類のやりとりを指示した。
原因はほぼ間違いなく調達。担当者は白を切ったが私には信じられない。これは永年のカンである。
さて、このあたりの電話のやり取りを聞いていた部長が「発注漏れか?」と聞いたので、私は平然と「そうだ」と答えた。私にはリカバーする自信があるから涼しい顔である。部長は元同僚の私の性格を知っているから安心したようだった。
この「事件」、工程表を目を皿にして眺めなかったら見逃していたかもしれない。正直ホッとした。
2011.06.27:
関西電力の株主総会に平松大阪市長が出席して、脱原発の主張をするという。大阪市は関西電力の筆頭株主だそうだ。
だとしたらこれまでの原発推進の方針に対して賛成してきたことの反省はあるのか。しかも脱原発の主張をしながら、原発を推進する関電の議案には賛成するという矛盾だらけの態度である。
要するに脱原発の演説は単なるパフォーマンスに過ぎないことがわかる。
だったら大きな口は叩かない方が良い。橋下大阪府知事も色々ヒトラーばりの発言をするが、平松氏も彼のような真似をせず、首尾一貫した態度をすべきである。
2011.06.26:
湿度の高い、蒸し暑い日が続いている。朝から体にべっとり汗がへばりつくようになった。だからといって梅雨明けではなさそうだ。まだセミが鳴いていないからだ。
そろそろ本格的な夏を迎えるので、薄い衣服の準備が必要だ。ということで頭も涼しくと散髪に出かけた。3ヶ月近く放置している(いつもこうだ)ので刈り取ると極端に頭が軽くなる。
それで最近目立つようになってきたのが、耳たぶに長い毛が生えるようになってきたこと。これは老人に目立つようで、私もいよいよ老人の入口にさしかかっているらしい。一説によると年齢と共に毛の成長期が長くなるということだ。つまりある程度の長さになると伸びなくなるのが、老人ではいつまでも伸び続けるということである。
不思議というか、うっとおしいともいえるこの現象は避けられないらしい。
2011.06.25:
輸出の仕事を再びやるようになって、昔とは違う話が飛び交って面食らうことがある。
そのひとつが"surrendered
B/L"という船会社が発行する書類。
本来なら船荷証券(Bill of
Lading、略称:B/L)を正式なものとして発行するのだが、"surrender"が付くとこれは本来の書類の意味とはまったく違うものになる。
通常の信用状(Letter
of
Credit、略称:L/C)によるプロセスは、
1.送り主が船会社に荷物引渡し
↓
2.受取証拠として船会社がB/L発行
↓
3.送り主が銀行にB/L提出(銀行が受け取り人に代わって代金支払)
↓
4.受取人の銀行に送付(代金請求)
↓
5.受取人が代金を支払うのと引き換えにB/L引渡し
↓
6.B/Lを船会社に提出
↓
7.荷物の受取
となる。
注目いただきたいのはB/Lが3〜5の間、有価証券としての効力を持つこと。また、1で荷物が船積されてから7で荷物の引渡しが行われるまで、最低でも数日を要することになる。
しかしこの面倒な手続が荷物の引渡しに障害となるケースが生じる。主なものは、韓国のように船積期間が1日程度にもかかわらず、銀行からB/Lを貰うのが遅れて荷物がいつまでも引き取れないこと、またはL/Cではなく現金払いの契約では3〜5は不要であるから、紛失したら二度と発行できない有価証券の効力を持つB/Lは不要となることである。
こうした時代の変化が"surrendered
B/L"を生む背景にある。つまりB/Lはあくまで送り主・受取人双方の荷物の引渡しにのみ必要で、有価証券としての効力のない、文字通り"surrendered"の書類でないと仕事がスムースに進まなくなったのである。
これ以上の細かい説明は専門書に譲るが、「聞き魔」の私がこの話を理解するまで、乙仲の担当者に相当迷惑をかけてしまったことは言うまでもない。
2011.06.24:
地デジ完全移行、すなわちアナログ消滅まであと1ヶ月となった。
我が家はCATVで、かつデジ−アナ変換を続けるので当面影響はない。だが戸建住宅で個別のアンテナを持っているところは有無を言わさずである。
従来の技術なら「上位互換性」ということが考慮されてきた。だが、今回はそういう配慮がまったくない。例えばモノクロ放送はカラー受像機、モノクロ受像機双方でモノクロ、カラー放送はカラー受像機ではカラー、モノクロ受像機ではモノクロと、まったく見えないということはなかった。このあたりの配慮がないのは非常に不愉快である。
PCでもWindows98は「サポートはしない」というだけで、今でもその気になれば使える。しかしデジ−アナについては容赦がない。ここには日本特有の、あくまでメーカーに有利な方向での解決を優先する方針がある。
デジタル受像機は決して安くない。コンバーターもそうだ。要するにアナログ受像機が寿命で自然消滅するまで待つだけの配慮もなく、しかもデジタル受像機を買わせようということとあいまって、メーカーの売上を確保してやる意味もある。
似たような例で、高速道路の料金を頭打ちにさせるシステムがある。あれもETCにだけに適用することで、料金所のソフト改造と自動車のETC設置を促すという、メーカーの売上確保を保証する仕掛けが組まれているのである。
いずれにせよ、ユーザーのことは二の次であることははっきりしている。
ユーザー抜きの地デジ移行は、そういう問題を象徴する出来事である。
2011.06.23:
今日は沖縄慰霊の日。
国内で唯一の戦場となった沖縄では、軍人だけでなく、多くの民間人が犠牲になった。しかも米軍による攻撃だけでなく、あれこれ理由を作って日本軍から自決を迫られたのである。そうした中で若い命を終えねばならなかったひめゆり挺身隊の女学生たちの話はあまりにも有名である。
私も彼女たちの手記を読んだことがあるが、絶望の中で命を落とした人が多数いたことに悲しみを覚えた。
辛うじて生き延びた人達も今は齢(よわい)80を超える人が多くなったが、いまも当時のことは忘れられないという。第三者の私が感じる以上に、彼女たちは歴史の証言者として私たちに伝えたいことが山ほどあるだろう。
そして今の沖縄は、他国の人達を傷つけ死に追いやるための米軍の後方基地の役目を担わされている。沖縄の人達は戦争と直接、間接に関わるという現状からいつ抜け出せるのだろうか?
2011.06.22:
今日は夏至。それを見計らったように気温は上昇し、神戸でも気温は30度を超えた。いよいよ梅雨の後半で、太平洋からの暑い風が勢いを増してきたのだろう。体感として、湿った空気が肌にまとわりつく。
国会は会期末ぎりぎりで70日の会期延長を決めた。震災復興関連の法案を通すのにはどうしてもそれくらいはいるのだろう。
それにしても不可解なのは自公の動き。
大連立の動きに始まって、内閣不信任案、会期延長でのごたごたと、見ていると菅首相辞任などをネタに民主党に対するいやがらせをやっているに過ぎないように見える。要するに民主党はだめだと思わせるような対案はまったく出てこないのである。対案どころか、消費税増税に含みを持たせた復興基本法案には賛成するのである。当然国民はこれら自公の動きを注視している。だから「民主党よさらば」と単純にはいかない。
さて、話は変わって私の仕事の話。
営業からのメールで、海外の客から「現在製作してもらっている部品がひとつ壊れた。助けてくれ」という要望があった。
納期は本来秋口だが、下請に聞いたらたまたま「完成している」との返事。それだったら空輸の準備をするのが最善との結論で、私のほうは飛行機の手配などにとりかかり、若手営業マン(彼は私の言いたいことの理解が早い)は客との交渉、特に航空運賃(本来は船)の実費精算を認めさせたうえで、注文の変更手続をすることになった。
こういう連係プレーは私の得意分野。結果として客に喜ばれればそれでよし。それが次の商売に間違いなくつながるというのが私の信条である。
2011.06.21:
そろそろ6月決算の追い込みが始まった。
今回は割合とスムースに行きそうなのだが、1件だけ悩ましいのが出てきた。それは30日に終わる技師派遣である。
ウチの会社が入れた機械の点検・調整の依頼が客から出てきたのだが、予定では終了するのが30日。もし無事に終了したらすぐに客のサインの入った完了証明をエンジニアが受け取って、すぐにそのコピーをFAXで送ってもらわねばならない。私はそれを持って管理部まで走るのである。
万が一30日に終わらずに翌月に延長となった場合、やはりそのことをエンジニアからFAXなどで連絡を貰う手筈である。
要するに30日は夕方まで気が抜けないのである。
それ以外は余裕を持って決算処理が終わる。例の信用状の有効期限が切れた件は、客側の銀行から延長OKという返事が今週末までに入れば何とか決算までの船積に間に合うが、ダメならその時点で決算から外れる。
私の仕事はその話が決着したら先の話を残して終わる。もっとも、営業は売掛計上処理が多く残っている。なぜかというと、客先の注文はメールだけで正式な注文書が出ていなかったり、発注金額が決まっていないなど、結構いい加減な注文が多いからである。ひどいのになると、注文金額を決めて品物を納品した後で検収処理のために営業マンが受領書を取りに行くと、「それでなんぼ値引きしてくれるんや」と言い出す社長もいる。これは大抵ヤッチャンである。
2011.06.20:
私が関係している震災復興の仕事が本格的に動き出した。津波でかなりやられているので、工場の再稼動は秋になるが、塩水をかぶった機械の掃除、再生不可能な部品の取替、等々、話が次々と舞い込んでくる。
分解と点検は客先が行っているので五月雨式にしか話は伝わってこないが、ある程度は自分達でやりたい、やらねばならないとの思いがあるようで、作業をしている人達は大変だろう。
もちろん専門家を必要とする修理や、大きすぎて工場の修理設備では無理があるものは神戸に運ぶことになる。そのための大型トラック手配がまた大変。でもそれが多少でも被災地の役に立つなら文句は言うまい。実際、設計の若者も取替用部品の図面完成を一日でも早くと頑張ってくれている。
泥だらけの機械を水で洗い、再生できるものは取り外してさらに磨き、どうしようもないものは資材を通じてメーカーに特急手配を頼む、そのような仕事を毎日続ける被災地の作業員たち。その思いを共有して「何とかしてやるから待ってろよ」と心の中で叫ぶ日々がこれから続く。
2011.06.19:
首相が停止中の原発の再開を要請した。対策ができた「つもり」のものを再稼動せよという、一種の自治体首長に対する命令に近い。だが多くの自治体首長は、福島の現実を知っている住民の感情を考えたら「はいそうですか」とはならない。日米政府で勝手に決めた基地の辺野古移転に頑強に抵抗する沖縄県知事の立場と似ている。
日本にある54基の原発のうち、現在動いているのは約3分の1の17基。それらも近いうちには定期点検で全部一旦停止となる。一度止めたらそう簡単には再開できないことは首相も承知のはず。だから先手を打って日本の原発の存続をはかろうという意図である。
だが、本当に日本に原発が必要なのか、その議論抜きでやみくもに動かしたらどうなるのか。ろくな対策ができていない原発を動かして、またぞろ福島の二の舞を起こす可能性はある。何しろ巨大地震が起こり得ないという場所に立地している原発は日本にはない。実は日本以外の諸外国で、巨大地震の震源地に近い原発はまったくないのである。例えばアメリカの原発は西海岸にはない。
もはや日本には原発はいらない。今後のエネルギー源を考えるとき、原発以外のものを本気で開発・建設してこなかった政府と電力会社の過ちを繰り返すことなく、今からでも遅くないから代替エネルギーに順次切り替えるべきである。同時に省エネ対策も待ったなしである。夜遅くまで生産を続ける工場、浪費型経済を助長する24時間営業の店など、もうやめていいのではないか。
2011.06.18:
昨日も少し飲んでいたので、日記の更新は本日に延期。
ということで昨日の話を書く。会社の会議で、私が前にいた工場・事務所のうち、事務系のスタッフが秋に大挙して神戸に来る話が公表された。ということは私が12年前に一緒に神戸から移った連中がそのまま里帰りすることになったわけである。
ただ、里帰り組だけではなく、元からいたメンバーも一緒に移る。
残るのは工場で働く現業職と、もの作りに関わるスタッフおよび人事・勤労関係となる。
よって、私はたまたま先行して神戸に戻っただけ、という構図になった。
2011.06.16:
信用状は遂に時間切れを起こした。よってとりあえずは船積中止。後は客先にすがって信用状の納期・有効期限延長をお願いするしかなくなった。最悪である。商社と営業からは鋭い視線が浴びせられている。
そしてドケチの韓国の客は譲らず、今度は営業が「注文の多いお得意さんやからここはちょっとだけ譲ってくれや」と頼み込んできた。ケッタクソは悪いが、何十万、何百万円もの負担ではないし、納期が迫っているので渋々妥協した。
そして今日はもっとひどい話が・・・
昨日、震災復旧の仕事ですぐにオーダーを出すからという条件である部品の見積を提出したら、何の相談もなしに納期5ヶ月のところを勝手に3ヶ月で注文を切ってきたのである。いくら慌てているとはいえ、協力の要請もなしにおおよそ不可能ともいえる納期短縮を一方的に要求するなど、常識では考えられない。しかも輪をかけたように、その部品は客自身の手では交換不可能なものであることを知りつつ、納入先を客先に指定した。しかも本体の修理の注文はまだ出ていない。こんな無謀なことをする営業担当者に私は一発カウンターパンチをお見舞いした。それは定時前のことだったので、明日どんな返事が来ているかお楽しみである。
2011.06.15:
信用状の時間切れはまだ解決していない。くだんの海外メーカーから船積書類の下書きが来たが、間違いだらけで真っ赤に添削して返した。本当にイライラする。
さて、一方で6月末決算に間に合わせる必要のある出荷がまだいくつか残っている。そのうちでも韓国の客がグダグダ言い出した。
契約はFOBと言って、本船に積み込んだら売る側の仕事はおしまい。もっとも最近は海上コンテナが主流だが、この場合はコンテナ用の貨物集積場で船会社に引き渡したらおしまい(正式にはFCAと言う)。そこからコンテナへの積み込み、コンテナを本船に運ぶ作業は船会社の海上輸送作業も含んで客の責任である。これは国際的な取り決めである。
ところがこのけちな韓国の客は、駄々をこねてコンテナへの積み込み作業、コンテナの賃借料をこちら側に負担させようと画策した。今日は客側の海上輸送代理店から、そういう要求を持ち出したので、怒った私は国際約款をたてに断固拒否した。しかも荷物の梱包は海上輸送に耐えられる輸出用のがっしりした梱包をしてある。不備を突かれることはしていない。だからなおさらである。
明日は別の航空便の準備が待っている。
2011.06.14:
イタリアの国民投票で脱原発が決定した。
投票率が50%以上あることが条件だがそれを超え、原発反対票が94%ということで決定的な結果となった。他のヨーロッパ諸国への影響は避けられないだろう。日本でも脱原発の運動が盛り上がってきている。
だが日本の政府はそういう運動に冷や水を浴びせるように、原発をやめると電気料金が大幅アップするぞという脅しをかけてきた。
数字を出しているのはあの悪名高き「安全保安院」を抱える経済産業省だから、額面どおりに受け取るわけにはいかない。そうでなくても以前から「原子力は安い」という宣伝をしていたから、計算根拠は推して知るべしであろう。
識者に言わせれば、多くの補助金が原子力に注ぎ込まれ、また実際にかかったコストから計算するのではなしに、稼働率を80%と仮定してのモデル試算であるから信用できないという。細かい説明は省くが、あくまで原発に固執する政府の姿勢が現れている。
一方、関西電力が一律15%の節電要請を公表した。猛暑が前提で、かつ余裕を見ての数値である。これには橋下大阪府知事が噛み付いた。不明確な数字の根拠には同意できないという。
一部に彼独特の暴論があるが、関電側もあいまいな説明しか出来ない。ここにも政府・電力会社の原発に固執する体質が現れていると見る。
2011.06.13:
阪神大震災から3ヶ月後にはどうなっていただろうか?
いちばん大きかったのは、JRの山陽新幹線と在来線が全通したことだろう。
個人的には、息子が被害のなかった幼稚園に通い始めたこと。
とはいえ被害のひどかった地域では学校の体育館が避難所になったまま新学期を迎えたところも少なくなかった。
町はまだあちこちで瓦礫の片付けが行われており、ほこりの舞う工事現場にはねじ曲がった鉄筋やコンクリートの破片がうず高く積まれて、そばを通る人達はマスクをしていた。
仕事はほぼ以前に戻りつつあり、当時は「カミカゼ」と呼ばれる猛烈な円高のために売り込みに来日する外人が多かった。物珍しさもあってか、来社したついでにJRで新長田付近を通過して帰っていった人もいたが、多くは顔を覆うくらいショックを受けたという。そのうちの一人は夜の三宮へ出かけて夕食を共にしたが、店に行く途中の光景を見て「爆撃を受けたみたいだ」と感想を漏らした。もちろん今回の津波を受けた地域はそれ以上であることはいうまでもない。
それにしても、神戸でも未だに瓦礫を片付けただけの空き地が残るだけのところもある(風呂場のタイルが残っているのもある)くらいだから、三陸あたりの被災地は20年経っても放置されたままの土地が残っているかもしれない。ましてや福島原発近くでは残留放射能の関係で手がつけられない地域も最後まで残る可能性だってある。
言っておくが復興が遅いのは天災のせいではない。多くは人災が原因である。
2011.06.12:
震災から3ヶ月、昨日その話を書くべきだったのだが、友人との飲み会の約束があって今日になった。
震災復興がなかなか進まず、避難所から出られないとか職が見つからないなどで困っている人達がまだ多い。早く手を打たないといけないのだが、政府や国会では本気で対策を考える気があるのか疑わしい動きが目立つ。
何と言ってもいちばんひどいのは、内閣不信任案提出とその後の大連立、そして復興や福祉の財源に名を借りた消費税増税。
それと震災復興の案そのものにも地元の意向を無視して、「○○特区」とか1次産業の特性を無視して大手資本の参入を認めさせようという動きもある。
1次産業は自然を相手にすることが基本だから、儲かる・儲からないで勝手に出たり入ったりするものではない。しかも地元の優先雇用を保証するものでもないから、資本(多くは大手)の身勝手に左右されることになる。そのことは既に仮設住宅建設に出ている。
阪神大震災でも問題になったが、行政から大手建設会社に対して地元の会社への優先的下請発注を要請したのだが、ことごとく無視され、被災地以外から人を送り込んだ。今回もその動きが繰り返されている。
話は変わるが、財源問題でマスコミも絶対触れないのが政党助成金。しつこいくらい繰り返して主張するが、年間350億円くらいもあるこの金は震災復興に回すべきだ。自民も民主も政治資金の半分以上を政党助成金でまかなっているようだが、国民の浄財を汗水たらして集める努力もせずに、税金にたかることは許されない。大連立のような茶番を演じる暇があったら、被災地に出向いて政党助成金を義捐金として差し出すくらいのことをすべきだ。
2011.06.10:
昨日打ったメールの効果があったのか、何とか半歩前進。但し週明けまで待たないと本当のところはわからない。
さて、国内ではあまり芳しくない話が飛び交っている。
衆議院で震災復興債権の法案が通ったが、そのための償還財源を増税でまかなう方向で行くつもりである。法案では言葉を濁しているが、結局は消費税を中心とした増税が待ち構えている。
菅首相を引きずりおろすことだけが表面的に報道されているが、その裏では民主も自民も消費税増税では一致するのである。
2011.06.09:
ここ何年か、具体的にはイギリスへの短期出張を繰り返していた時代以降、英文の世界とは遠ざかっていたが、最近は輸出が多いことから、客先や海外メーカーとのやりとりが増えた。昔取った杵柄ではないが、よく使っていたフレーズを思い出しながらメールを書くことが多い。
だが昔と違って、契約に関する話ではなく、納期遅れなどの揉め事が圧倒的に多い。だから正直言ってうんざりする。どう転んでも「格調低い」文章を書かねばならない辛さは普通の人にはわかってもらえないだろう。
さて、今日もある海外メーカーの話で、納期が遅れに遅れて、遂には信用状の有効期限が切れる寸前にまで追い込まれている。
調達担当と共同して必死で鞭を入れていたのだが、もはやこれまでというところまで来てしまったのである。
仕方がないのでウチの海外事務所の所長に泣きを入れ、同じ市内にある会社に直談判をしてもらうことになった。こういう場合、やはり日本人なのでそれなりの仁義を切らねばならない。まずは日本側の部長クラスから所長にコンタクトしてもらって、簡単な事情を説明した上で、担当者ベースで話を進めることになる。しかもガキの使いではないから、これまでの経緯を、関係書類を添えて述べてから、こういうことをやってもらいたいと丁寧に頼むのである。相手はもちろん現地スタッフ。上下関係で仕事の命令をするのではないから、わかりやすくかつ「困っているからお願いしたい」というニュアンスが必要になる。
さすがにこれは骨が折れる。メールだから長々と書くわけにもいかないし、さりとて中学生みたいな"I
ask you the papers"ではシャレにもならない。
結局1〜2時間かけて書き上げたが、終わったら疲れがどっと出た。
2011.06.08:
この話は、本当は「サポート日記」の方に書くべきなのだろうが、自分としてあまりに情けない、馬鹿馬鹿しい話なので、こちらにこっそり書くことにした。
前置きはこれくらいにして、ことのいきさつはこうだ。
最近OutlookExpressの受信メールのチェック時間がものすごく長い。送信はあっという間だが、受信は1回につき1分以上、時として5分くらい、「待機しますか」のメッセージも出ながらチェックが続く。明らかにPOPサーバーと私のPCとの交信に問題がある。
これがずっと毎日続いているので、私は意を決して本社のネット接続関連のヘルプデスクに電話して助けを求めた。
向こうが出す質問に答えながら、原因を色々探っていたが、ある質問のところで私は思わず「あっ」と声を上げた。その質問は「サーバーにメッセージを置く」設定にしていませんか、というものだった。
それだと受信チェックが長いことに納得がいく。すなわちサーバーに残っているメール容量が多ければ多いほどスキャンする時間は比例して長くなるのである。それで調べたら、やっぱり「サーバーにメッセージを置く」になっていた。
それでチェックを外した途端、それまでのことが嘘のように瞬時にして受信チェックが終了したのである。
それにしても何故このような設定が放置されていたのか思い当たることがない。だがPCの更改でもユーザープロファイルを引き継いできたから最低でも5年はそのままになっていた事は疑いない。しかも神戸に戻ってくるまではE-Mailを使うことは少なかったから気付かなかった。
ところが最近は洪水のように、また大きな添付ファイルがあるE-Mailが毎時毎日飛び交う。それでPOPサーバーに溜まったメールも巨大化したというわけである。OutlookExpressの規定値ではPOPサーバーの保存期間は5日間。それでもスキャンに時間がかかるということは、毎日MB単位の添付ファイルが飛び交っているということである。
自分はそんなつもりはなくても、好ましくない設定が残っていることもあるから気をつけろ、というのが教訓のようである。
2011.06.07:
6月末の4半期決算ということで、そろそろ準備が始まった。
手始めは今月中の納期・船積期限の再確認(信用状がらみが多いので常時監視しているが)。それを元に貨物の積み込み予約、船荷証券の回収が続く。
それで時々納期が6月末より早くなったり、遅くなったりすることもあるので、その場合は営業にジョブ番号データの訂正を督促する。放置すると今度は経理から営業に強烈なパンチが飛ぶのである。「はよせんかい!」
ということで今のところは順調だが、ひとつだけ気がかりなのがブラジルからの船積。先月もすったもんだしたのだが、今月も21日がターゲットのはずなのに何も連絡がない。ラテン系のずさんな仕事振りにやきもきする日が続くと思うとうんざりする。
2011.06.06:
今朝出勤したら悲しいニュースが待っていた。
前の工場・事務所で付き合いのあったSさんが週末に急死していた。原因は不明、自宅でのいわゆる突然死である。
私が神戸に移ってからも電話でちょっとだけ仕事の話をしたこともあり、最近背骨を痛めていたものの、病気を抱えているような声ではなかった。
実は息子も、中学のときに私の職場に来てSさんの顔を知っており、帰宅してから亡くなった事を告げるとびっくりしていた。
私よりいくらか年上で、もうすぐ定年を迎える年齢ではあったが、まだ老け込むような歳ではない。こうして私とあまり変わらぬ年代の人達がこの世を去っていくのは寂しい。ましてや「在職死」である。
昔は50歳、60歳は「おじいさん」だったが、平均寿命が80にも達する時代。50代などは"洟垂れ小僧"で、とても天寿を全うするような世代ではない。それだけに私は寂しさを感じるのである。
2011.06.05:
大阪府議会の次は国会。菅辞任の後について民主・自民などの「大連立」構想が出ている。
震災関連で各党が合意できるものがあれば個々の法律を一致して通せばいい話で、政策が異なるものを全部飛ばして連立するということは「菅降ろし」に別の意図があったと考えざるを得ない。つまり菅がいては連立できないから共同して行動した、と読めるのである。
だがこれは先の総選挙で民主党政権を誕生させた民意に反するものである。
もし連立を組みたいというのならば解散、総選挙をすべきである。
もっともこの大連立構想には大義名分も何もない。ただひとつあるとすれば悪法をどんどん通過させることである。例えばTPP、沖縄基地問題、消費税増税などである。
だが国民にとってこんな選挙は迷惑でしかない。何から何まで国民をいじめる内容での連立であり、わけても被災地にとっては怒りを買うものである。最優先の被災地支援法案を通すべき国会が、政党の主導権争いのために悪用されているからである。
ということで、大阪府議会のみならず、国会さえもが民主主義の根本をないがしろにしている。このままでは日本の将来は真っ暗である。一日も早く国民の目線で解決しないといけない。
2011.06.04:
大阪府議会ではとんでもないことが起こっている。
春の統一地方選で過半数の議席を得た、橋下知事が率いる「大阪維新の会」が、民主主義を踏みにじる暴挙を行った。
ひとつは「君が代」斉唱時に教職員に起立を強制する条例をろくな審議もせずに強行採決。全国始めての条例である。自民、公明、民主、共産は反対した。しかもこの条例に続いて、9月には君が代で起立しなかった教員は処罰するという条例も準備している。
これは明らかに憲法の「思想信条の自由」を踏みにじる。法律で国歌と規定されているからといって、起立する・しないは個人の自由。教員であるかどうかは関係ない。
今日は今日とて府議会の議員定数を109から88に激減させる議案を反対各派が欠席する中、今日未明に過半数で可決した。審議時間はゼロ。
橋下持論で、東京都並みに議員一人当たり10万人の有権者になっていることをそのまま無批判に導入することを目論んだのである。しかも「橋下定数」を鳥取県に当てはめて「鳥取県議会は6人でいい」と発言したものだから、県知事から抗議を受けて撤回するというおまけもあった。
要するに88議席という根拠は、たまたまそういうところもあるというだけで、何もないのである。しかも109から88にすると1票の格差は拡大する。だから他の会派は慎重審議を要求した。ところが維新の会は問答無用で過半数をいいことにいきなり強行採決をした。
こういう流れを見ると、「橋下ヒットラー、ナチス維新の会」という性格が見えてくる。彼等にとって議論を戦わした上で採決するという民主主義は敵であり、自分達の主張に従わない教員は処分するという、極めて偏狭な独裁主義が見えてくるのである。
2011.06.03:
今日は今日とて「区切りのついたところで辞任」という時期をめぐる解釈で関係者が争いをしている。
元々この言葉は曖昧で、それを承知で合意したはず。ということは菅首相に解釈の主導権を与えたことになり、後から難癖をつけても後の祭りである。
しかし国民、わけても被災地の人達にとっては一日も早い救援策が実行されることを待っているわけで、サル山のボス争いはどうでもいいのである。もちろん国民全体としても経済が復興すること、これ以上失業が増えないことを望んでいるわけで、そのための法案成立が急がれているのである。
今回の事態の最大の責任は内閣不信任案を提出した自公両党をはじめとする提案者にある。他党の混乱に乗じて政権を取ろうという魂胆だったようだが、原発推進の張本人としての自覚もなく、一度は国民に拒否された政策を復活させる意図で他党の混乱に乗じたやり口は許せない。
一方の民主党も、これまた主導権争いだけが中心になっている。
こんなことを続けているのならば、彼等に貴重な歳費を払う理由はない。歳費でなくても、少なくとも政党助成金は返還すべきであろう。
2011.06.02:
大山鳴動鼠一匹、結局は菅首相が区切りのついたところで辞任することを表明したことで内閣不信任案は否決された。つまり「菅降ろし」が明確になったことで民主党の反菅勢力は満足したわけである。
これが民主党の主導権争いでなくてなんであろうか。国民はまったく無視である。
自民党をはじめ、不信任案を提出した連中は単にその手伝いをしただけ、ということにもなる。
大手マスコミは「国会劇場」を華々しく伝えるが、我々庶民はこういうドタバタ劇を冷ややかに見ている。
しかし民主党政権は、その裏で消費税増税に執念を燃やすことを忘れていない。
ふざけるな!
2011.06.01:
月が改まったと思ったら、国会では風雲急を告げる動き。自民党、公明党などが内閣不信任案を提出した。
これに対して民主党は賛否両派に分かれる模様だが、これで総辞職になるのか、あるいは菅首相が解散を決めるのか、まだ予断を許さない情勢である。
それにしても、震災復興への対策を早く実行しないといけないこの時期に、何故不信任案なのか、国民にはわかりにくい。
確かに今の民主党は動きが悪い。それに対して不信任案を出し、被災地は選挙をいやがるだろうから辞職しか選択肢がないという読みのようだ。だがそういう国会戦術を使ったからといって、何か支援の法案が以前よりもスムースに通るというのだろうか?
見ていると、自民党は単に政権返り咲きの手段に菅内閣のもたもたした行動を利用しているに過ぎないように思える。
今必要なのはどうやって被災地復興をするのかや、落ち込んだ経済を立て直すことであって、駆け引きを中心課題にしている場合ではない。しかも自民党政権に替わったからといって、消費税引き上げやTPP推進で国民を苦しめる政策の方針は何も変わらない。確かに前の衆議院選挙で国民が民主党に期待したことが裏切られたのではあるが、それを顔が変わっただけというのであれば、「政変劇」のショーの一幕でしかない。こういう不毛なやり口を国民は冷ややかに見ている。