悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

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2011.05.31:

政府が消費税増税の報告書を出した。「社会保障と税の一体改革」という名目で、結局は自民党流の増税を打ち出した。
そもそもこの言葉は「社会保障の財源が足りないから増税、すなわち消費税増税しかない」ということの言い換えに過ぎない。
しかしこれまでの政府の政策はどうだったのか。社会保障の財源が足りないというのなら、不要不急の出費をまず抑えねばならない。だが、米軍の「思いやり予算」は削ることがなかったし、最大の問題は小泉内閣で相次ぐ法人税減税をやり、消費税はもっぱらその穴埋めに使われたのと等しい結果になっている。そういう問題に頬かむりをしたまま、「福祉財源が増えるのはお前等が長生きするから」と言わんばかりの論調を並べ、足らない分は「消費税以外に財源はない」と繰り返すばかりで、他の財源には目もくれないのである。
長々と消費税増税反対の論旨を並べるつもりはないが、震災復興の速度を落とすだけでなく、庶民の暮らしを破壊する政府の方針を許すわけにはいかない。

2011.05.29:

今日はどうしても行かねばならない用事があって、朝から出かけたが、次第に強くなる風が気になっていた。
そして夕方帰宅するために外に出たら、何とえげつない強風だこと。
ある交差点では、渡るのに苦労した上に、向こう側に着いたら、押し返されて交差点の真中に押し出されそうになった。幸い風上に背を向けることで辛うじて防げたが、一瞬恐怖を感じるほどだった。
これまで台風の風に翻弄されることはなくはなかったが、体が丸ごと持っていかれるような経験はないように思う。
明日には何とか回復する予報だが、一昨日書いたように、船のスケジュールが狂っていないことを祈るのみ。それよりも被災地での風雨による被害が出ることがないようにと、思うばかりである。

2011.05.27:

まあ、良く雨の降ること。この週末から来週にかけての天気予報はずっと傘マーク。
しかも台風が月曜日に近畿に近づくあるいは直撃の予想まで出ている。そもそも5月末の台風直撃など聞いたことがない。何年か前の6月に直撃はあったが、それとて大変珍しいこと。
そしてこの台風の予想進路は憎たらしいことに、月末に北九州を出た後神戸に来て、私が手配した輸出用機械を積んで東南アジアに向かうという船のコースと、もろに重なるのである。
1、2日出航が遅れても大きな影響はないのだが、他人の仕事の邪魔をする台風が許せないだけのことである。

2011.05.26:

中国、四国、近畿が梅雨入り宣言。5月中の近畿の梅雨入りは記憶がない。
今年は冬を過ぎてから、一気に春、初夏を通り越して梅雨に進んだという感じがする。
もちろん本格的な降雨シーズンはまだこれから。それでもこの週末はぐずついた天気になるとの予想である。
梅雨や台風となると、私の仕事にも影響が出る。ひとつは被災地への輸送ルート。地震で地盤がゆるんでいるところもあるから、通行規制がでる可能性がある。もうひとつは輸出で船のスケジュールが遅れること。船は悪天候に弱いから遠回りのルートを選ぶことがある。
波の話でひとつ思い出した。
東北大震災のとき、東京湾などでは津波警報が出たら岸壁に係留されている船に対して湾外に出るよう指示が出た。そうなると荷物を積み下ろししている最中であろうとなかろうと、もやいロープを引きちぎってでも船は一斉に離岸する。実際にクレーンが船に壊された例もある。
横波を食って転覆、大破を避けるためである。また岸から離れれば離れるほど津波の高さは小さいということもある。波が襲ってきたら、船は波に立ち向かう角度で全速力で乗り切る。これが最も安全な方法なのである。
三陸海岸では多くの船が陸に打ち上げられたりしたが、これは持ち主が悪いのではない。船には誰もいない状態で、警報が出ても自分自身が山の方向へ逃げるのが精一杯で、船を放棄するしかなかったためである。津波が来るまでの時間的余裕があれば、と思うと残念でならない。

2011.05.25:

今日は大変な失敗をやらかした。仕事ではない。インシュリン注射の話である。
朝食前、いつものように注射をするのだが、今朝に限ってピストンを押し込む長さがほとんどないという感じを受けた。本当はその時点で十分な量のインシュリンが体に入ったのだが、寝ぼけていたためか針だけ刺して実はまったく入っていないと思い込み、もう一度注射をやり直したのである。その結果、いつもの倍のインシュリンが体に回った。
そうなると恐ろしいことが起こる。朝の9時過ぎから体に異変が起こった。急に体から血の気が引いたようになり、ゆっくりにしか歩けなくなったのである。
軽い低血糖は経験があるが、通常の倍のインシュリンを入れた場合の経験はまったくない。大抵はコーヒーに少し砂糖を入れて飲むことで解決するのだが、異常な低血糖ではその程度では収まらない。最悪昏睡を起こすのだが、私の体は普通の人と違って倒れることはない。だが猛烈に気分が悪いのは確かで、我慢できなくなってきた。
幸いにも「倍の量を打ったのではないか」という疑念があったので、バナナを1本会社に持ち込んでいたのだが、それを口にし、さらにレモン飲料を1杯飲んでやっと落ち着いた。
注射を忘れても一時的に血糖値が300くらいにまで跳ね上がるだけで済むが、インシュリンの打ちすぎによる低血糖は命に関わることもあるので要注意。普段はそのようなヘマはやらないよう注意しているのだが、寝ぼけ眼が招いた不注意であった。

2011.05.23:

そろそろ月末が近くなってきて、納品・梱包・船積の仕事でてんてこ舞い。直接自分が物を運ばなくても、その指示、連絡などで電話やメールが飛び交う。かつ私自身も小物部品を小さなダンボールに詰めて国際宅急便を送ることもある。
しかも国際取引だから書類の量は最低でも国内の3倍はある。国内なら宅急便の伝票1枚で済むが、輸出入となると税関を通るからそのための書類を要求されるのである。場合によっては品物の説明を求められる。関税率の決定のこともあるし、禁輸品でないことの証明をする目的もあるからだ。
種々雑多の品物を動かすジョブ番号は、常に数十件が走っている。よって頭の切替は非常に忙しい。それでも何とかこなせるのは、昔やっていた仕事であることと、まだ頭の回転が辛うじて動くからである。それができなくなれば卒業させてもらうしかない。
幸か不幸かエンジンはまだ元気。しかし、磨耗して動きが悪くなったら若者にバトンタッチすることになるが、その前に免許皆伝をする相手を見つける必要がある。

2011.05.22:

最近の世論調査ではどこでも、原発の停止あるいは脱原発を求める声が圧倒的に多い。今回の福島原発での事故、特に炉心溶融がはっきりしてからは原子力依存体質を改めるべしという声は決定的になった。
これに伴い、政府も自民党政治から続いてきた原発依存政策をいつまでも続けることはできなくなるだろう。「安全神話」が潰えてもはや通用しなくなった今、現状の安全対策の大幅な改善策を講じない限り新設はおろか定期検査で停止中の炉の再稼動もできまい。現に山口県知事は建設予定の上関原発について賛成から反対に転じた。
こうなったからには停止中の火力発電の再開など、とりあえずの代替策を講じるしかないが、それでも電力不足が生じる場合は節電で乗り切るしかない。輸出大企業は抵抗するだろうが、エネルギー政策は政治の問題であり、最終的には国民が責任を取るものである。
それにしても、最近の民主党政権の誕生あたりから国民世論は明確な意思表示をするようになった。自民党が菅政権の退陣の大合唱をやっていることなどには目もくれない。

2011.05.21:

昨夜は息子と一緒に映画鑑賞。題名は「カティンの森」。
ソ連軍がポーランド軍人を虐殺した有名な「カティンの森事件」を題材にしたものである。監督はポーランド人で、父親もこの事件で失ったアンジェイ・ワイダ。
事件ならびに映画の詳細については、ネットで検索すると大量にヒットするので省略するが、息子の感想はといえば「さっぱりわからん」であった。私は一定程度知っていたので、主人公を通じてワイダ監督が事件の真相ということへの猛烈な執着を感じたが、それでもよくわからなかったのが、何故ソ連はポーランド軍人を標的として残虐な行為を行ったのかということ。
ナチスドイツはユダヤ人を「諸悪の根源」として根絶やしにすることでドイツ国民を支配することにある程度成功するのだが、ソ連の意図は映画からはもうひとつ私に見えなかった。
帰宅してから調べると、どうやら1920年にポーランドが社会主義への干渉としてソ連に侵攻したことに対する報復、および第2次大戦でポーランド軍を無力化するために、スターリンが命令したようだ。
だが、これだけの背景がわからなければこの映画の意義を理解するのは困難なように思う。欧州の人間ならば「カティンの森事件」の歴史を知っているからそんな説明をしなくても理解できるのだろうが、日本人でかつ息子のように予備知識が皆無となると、見ても面白くないのは当然だろう。私もドイツに短期間駐在し、ベルリンの壁も見てきたが、やはり欧州の文化と歴史については地元の人間の足元にも及ばないのである。
「スターウォーズ」のような娯楽映画ならば何も考えなくても日本人に通じるが、歴史が大きく絡む外国の話はやはり肩がこる。

2011.05.19:

自動車会社が木金を休んで土日出勤をするという。
節電対策だが、これを一律にやると問題が多い。ひとつは共働きで子供がいる場合。
学校が休みで両親が出勤となると誰が子供の面倒を見るのか。そのことの対策なしで強行すべきでない。
もうひとつは地域の祭りなど週末にやる行事。その昔、トヨタだったと思うが地元の祭りの日を出勤日にして顰蹙を買った。
世間の大多数は自動車産業の都合で動いているわけではない。役所をはじめ、長年定着している土日の休日をそう簡単に狂わせては混乱を招く。いくら電力不足があるとはいえ、周囲への十分な協議なしに勝手に決めることは許されない。もっと検討してから決めるのが筋だ。また代替案として残業なしのサマータイムという方法もある。
いずれにせよ、行政、地域、労働組合などとの合意を得てから実行すべきである。

2011.05.18:

今日もまた輸出関連。
以前この日記で触れたこともある、国際取引の代金決済で信用状(Letter of Credit:略称L/C)という方法があるのだが、最近になって設計所属の若い女性社員から説明を求められた。客からの要望で、追加注文があるからちょっと船積を待ってくれとのことだったが、実際に注文が来ないのでL/Cの期限が迫ってきて効力を失う可能性が出てきたことから疑問を持ったというのである。
私はかない端折った説明を5分ほどでやったが、それでは不親切と思い、今日ネットで見つけたわかりやすい説明があるサイトを紹介しておいた。
話の性質上貿易や契約に関する専門用語が多いのだが、それはまた彼女から質問があれば答えることになるだろう。
この信用状による代金決済は数百年の歴史を持つ方法で、簡単に言うと船による輸送期間が極端に長い場合に、売主は品物が買主に届くまで代金の回収が出来ない不便を、船会社が発行する船に積んだという証券を銀行が売主から買い取ることで、代金回収が遅れることを防ぐというのが基本になっている。
ここから先は複雑になるので省略するが、船積の段取りと銀行提出用の各種書類を乙仲に取り揃えさせて営業に送るのが私の重要な仕事のひとつ。よってこのあたりのことは専門的知識を持たないとやれない。
だからこそ他人に説明できるのだが、実務の内容を他人に教えるのはなかなか難しいものである。

2011.05.17:

ちょっとまた輸出の話。
輸出する工業用機械や部品は多くの場合、頑丈な木箱に入れて船積する。最近はこれをコンテナに詰めてコンテナ専用船で送るが、基本はやはり木箱である。
それで、箱の外側には運送業者や買主や税関がどこの誰が買った品物かが容易にわかるようにSHIPPING MARKと呼ばれるラベルのようなものを貼り付けたり刷り込んだりする。
左はそのサンプルだが、大抵は買主が指定する。
それはさておきこのサンプルには弱点がある。Packageのところで " of  "となっているが、これは1回の船積ですべての納品が完了する前提になっている。すなわち全部でn個の梱包が一度に送られる場合に何番目の梱包かがわかが分かるという考え方である。しかしもし複数回に分けて送る場合は使えない。同じ個数づつ送ったら何回目かはわからなくなるからである。
そのため、複数回に分けて送る場合はPACKAGE NO.という梱包固有の通し番号を使う。これだと何回目の船積だということには関係なくなる。
実はこれに似た問題が今日ウチの会社で起こった。
最近ある中東の客先から注文番号の違う2種類の機械部品の注文を請けた。納期は約1週間の違い。ところがSHIPPING MARKには識別のための注文番号を書く場所がない。しかも営業はPACKAGE NO.を"xxx-001"のように同じ番号を指定してきた。そうなると違いは重量と寸法だけになる。私はそれだと識別は困難になるとクレームした。すると営業は何を考えたか、2つ目の注文の分はSHIPPING MARKの外側に黒い太枠を付けろと言ってきたのである。
葬儀の案内状じゃあるまいし、不細工と思ったので、私はPACKAGE NO.を違うものにすることを強硬に提案し、押し通した。
何とか事は収まりそうだが、発送から受け取りまでのすべての輸送プロセスを考えて、親切でわかりやすいMARKにすることが大切である。

2011.05.16:

原発周辺地域からの「計画的避難」が始まった。
まるで旧約聖書のカナアンの地から追われるユダヤの民のようである。住む家や土地から離れ、見知らぬところへ運ばれて行く姿は、ナチスがユダヤ人を強制収用所へ送ったシーンにも似ている。
こんなひどい仕打ちはない。東電も政府も、住民をここまで追いやった全責任を負うべきである。住民が元の土地に戻って生活が自立できるまでは。もちろん慰謝料は別である。
それでもなお問題は残る。農水産物を始めとする風評被害の解決である。これには海外への影響も含まれるし、「計画的避難」を余儀なくされた人達以外にも影響を受けている地域があるから厄介ではあるが、そのことについても東電と政府は責任がある。
なお、政府が責任を取るということは財政的なことを含むわけだが、だからといって増税を認めたわけではない。今までも言ってきたように、不要な予算支出、例えば政党助成金、米軍への「思いやり」予算、大企業への優遇税制の廃止など、財源はいくらでもある。
しかしより根本的には、破損した原子炉の温度をいかに早く低温で安定化させるかである。

2011.05.15:

福島第一原発1号機が炉心溶融(メルトダウン)を起こしていることを東電が正式に認めた。
公表された内容から、炉心溶融は最初から十分予想できた。そうでなければ原子炉の底の鉄板が溶けるほどの穴が開いて大量の水を投入しても水位が上がらない現象が起こるわけがない。
しかし公表してもまるで他人事のように事実だけを述べるだけで、これからどうするつもりなのかは全く見えない。というか自分たちでもどうしていいかわからないのではないか。確かにそうかも知れない。「起こりえない」という念仏を唱えるばかりで、こういう最悪の事態の場合に何をすべきなのか、何も考えていないし、決めてもいなかったのだから。
しかし事態は映画「チャイナシンドローム」のように、もし溶け出した燃料の温度が下がらなければ炉底の破損から地盤のコンクリートも岩盤も溶かしかねない。
もちろん水を入れ続けている限り、そんなに単純に事態が悪化するとは思えないが、東電自身がわかっていないように、汚染された大量の冷却水は一体どこに消えたのか?

2011.05.14:

久しぶりに丸一日の晴天。気温も上がっているから洗濯をすると夕方には乾く。
そして今日は28日に一度の通院。
血糖値もHbA1cも血圧も安定しているが、連休中に起こった便秘のハプニングを話したら主治医は笑っていた。一方で便秘薬を処方するかという話もあったが断った。
後は血圧の話で薬をやめるかどうかの話題になったが、下がり過ぎになるまでは現在の投薬量を維持するとの結論になった。
ところで今日の外来は超満員。連休で来られなかった人が今週末も集中する現象に思える。
ともあれこの週末は仕事を忘れてのんびりしている。

2011.05.13:

連休が明けてから1週間、仕事が溜まりに溜まっていたということはなかったが、やはり連休による時間のロスが微妙に影響した。
その最たるものは連休の間に一切の船積ができなかったこと。商社、乙仲、そして我々と、関係者がそろって休んでいるから船の予約さえできない。もちろんメーカーからの納品もない。
これが影響して、15日までに船積をしないと信用状に書いてある納期が守れなくなるケースがあったのだが、15日以前の配船がないために本当に遅延が発生してしまった。そのまま放っておくと代金回収ができなくなるから、商社に頭を下げて信用状に書いてある船積期限の延長を頼むことになった。もちろん銀行から手数料を取られた上で訂正した書類が届くまでは船積できない。客からも怒られた。
他にも今月末に制御装置の改造で要員が現地へ出かけるのに、必要な部品が連休で完成しない。もちろん現地での改造も出来ないということがわかって、急遽航空便に切り替えることにしたが、品物が到着しても今度は客側の通関が無事通過できるかわからないために、彼等も必死になって税関に根回しをすることになった。すべて連休で最低1週間ロスしたことが原因である。
とにかくそういう話が次々と出て、今週1週間はカレンダーとにらめっこしながら電話とメールのオンパレードとなった。

2011.05.12:

最近のネットでの検索サービスには感心させられる。
その中でも私が興味を持ち、また活用しているのは2件である。
ひとつはGoogleMap。世界中の地図と航空写真を網羅しているので、私が関係している仕事の注文主の場所(主に工場)を見つけると同時に、輸送ルートを確認できる。そして輸送期間がどれくらいかかるかも目算できるのである。例えばインドネシア・スラウェシ島の内部の工場で、ジャカルタからマカッサルまで船を使い、そこからトラックで道路を走るのだが、途中でジャングルに遮られてフェリーを使う必要があることもわかった。
もうひとつはMarineTrafficというサイト。世界中の船の動静がリアルタイムに表示され、船名を入力するとどこを航海しているか、はたまたどの港に停泊しているかがわかる仕組みである。
これで船会社に予約した貨物船が当初のスケジュールより遅れているかどうかの確認ができる。どうやらGPSを使って船の位置情報を得ているようだ。しかも表示にはGoogleMapを使っているようである。
ただ、このサービスは船が大洋に出てしまうと行方不明になる癖があって、例えば北太平洋ではアメリカの港を出たことはわかっても、日本近海に近づくのがいつになるのかまったく予想がつかなくなることである。同じ現象は南シナ海でも起こり、シンガポールを出た船が中国に近づくまでの2日間ほど船影が消えた。これでは日本に着く日がいつ頃になるのか全く判らない。
でも港到着の1日前くらいには確認できるので重宝している。

2011.05.11:

震災から2ヶ月目、ここまで来ると復興のスピードの速度の差が被災地の中で目立ちはじめている。
内陸部はゴールが見えてきているのに、海岸べりで津波にすべてを押し流された地域はまだ見通しすら立たない。そして最もひどいのは原発周辺の地域で、行方不明者の捜索すらままならないのである。
そんな中で、大船渡のある工場から数十年前に納入した機械の修理依頼が入ってきた。津波で完全に水没したのを「修理してほしい」というものである。
通常なら海水をかぶった機械は、真水と違って塩分のために錆が内部にまで深く食い込んでいることが多い。よって表面的に掃除しても、しばらくするとまた出てくるのである。しかしその工場の経営者はとにかく操業をして収入を得ることが先決として、そのことを知りつつ修理でその場をしのぎたいという希望だった。
技術者ならいずれまただめになるから、新しいものに取替えを勧めるのだが、無理強いは出来ない。そんなに簡単に資金調達ができないからだ。痛んだらまた修理、というイタチゴッコを覚悟しての経営者の苦渋の判断を誰も哂うことはできない。
私のほうは専門の修理業者に震災だからと、緊急の割り込み仕事を頼んだ。幸いなことに神戸の近辺には震災を経験した工場が多いので、協力してくれるところが多い。

2011.05.10:

今日は朝からずっと小雨。時として止むが、細かい飛沫はずっと舞っている。明日からあさってにかけても雨の予報で、しかも気温が高いのでまるで梅雨である。
最近またぞろ夕食のメニューに行き詰ってきた。
きっかけは時として残業せざるを得なくなり、市販の惣菜を買って帰ることで、1週間の食材のローテーション、特に肉の種類の順番(牛肉・豚肉・鶏肉・ミンチ・魚)が狂って頭が混乱するのである。
しかし根底にはメニューがワンパターン化していて、それに飽きがきていることがある。
でも私はまだ恵まれている方だろう。市販の惣菜が増えても何とかやっていけるからである。年収の低い母子家庭では食費をぎりぎりまで切り詰めていかねばならない。
私も無駄遣いは嫌いだから自分で食事を作ることに執着しようとするが、倦怠感との戦いに時々負けそうになる。
しかし子連れバツイチの道を選んだのは私の意志だから、今更後には引けない。ルビコン川を渡ってから愚痴をこぼしても仕方がないが、だからといってそれを極端に我慢するのもまずいから、こうして日記に書くことになる。

2011.05.09:

浜岡原発の停止が決まった。
7日の取締役会では決まらなかったが、今日の会議で停止の結論を出した。電力需給が逼迫するので東電への融通はやめるとのこと。仕方あるまい。
さて、私の方は連休が終わって溜まっていたメールや書類を整理し、今日中に処理しないといけないあれこれを、次々と片付けるのにてんてこ舞い。昼休みにも食い込んだ。
もっとも浜岡原発の話が気になるので、仕事の合間にニュースをチェック。
幸いにして連休ボケの頭ではなく、極めて明朗に過ごせた。なぜかは判らない。

2011.05.08:

今日で連休は終わった。10連休というのは滅多にないことなのでどう過ごすか見通しが立たなかったが、バタバタしているうちにいつの間にか終わったという感じは否めない。特に3日の急病(?)は伏兵で、これから部屋の片付けやPCのバックアップを始める予定が完全に狂った。
しかも本棚などの整理が予想以上に時間を食って、1日で終わるつもりが2日半かかってしまった。
まあ、普段の行いが悪いことのツケが回ってきたとも言えるが、根本的には日常的に部屋の手入れが悪いことが原因である。
それと今回特に感じたのは6日に書いたように食事の用意に時間がかかること。
昼食は出来合いのものを買っても良さそうなものだが、家計のことが気になるのでなるべく手作りで浪費を防ぎたいという意識が強かったのが原因である。
ということで連休の総括はこれくらいにして、明日からの仕事がそろそろ気になり始めた。

2011.05.07:

菅首相が中部電力浜岡原発の停止を要請した。
まだ大事故を起こしていない特定の原発の名前を挙げたのは異例のことだが、近く起こるとされる東海地震の震源地にあり、日本の原発のうちで最も危険としてずっと以前から指摘されていただけに、首相は要請の理由の力点をそこに置いた。
地元で原発関連の仕事に多くを依存している人達を除いて、国民の多くは賛成するだろう。もちろん原発ビジネスにたかる有象無象の資本は別だが。
中部電力では緊急の取締役会を開いて善後策を検討したが、結論は先延ばしされた。もし止めるとなると夏の電力不足をどう乗り切るかということもあるし、これまで原発に投資した金はパァになるから株主からは何を言われるかわからない。さりとて首相の要請に「ノー」と言ったら国民全部を敵に回すのと等しくなる。どちらが大切かは会社が決めるべきことだが、社長以下重役陣は胃が痛くなるだろう。
痛くなって当然だ。会社の経営陣とは、問題が起こったらそのリスクを全面的に引き受ける責任を負うのだから。

2011.05.06:

ゴールデンウィークはほぼ終りになって、表通りを往来する車の量が減った。私個人はまだ連休中だが、残るは後2日となった。
連休中の食事のメニューは豪華とはいかないが、少々時間のかかるものが作れた。不思議なもので、朝食の後、洗濯や買物を済ませたら昼食、その後部屋の片付けなどをしていたらいつの間にか夕食の準備と、いつも食事の用意ばかりしているような錯覚を覚える。多分専業主婦はこうした単調な時間の経過をずっと続けているのだろう。
さて、明日からはいつものように来週1週間を見据えたメニューを考えることと、それにあわせた買物をすることになる。

2011.05.05:

ビンラディン殺害で、また物議をかもす話が出ている。
ひとつはパキスタン政府に作戦を告げていなかったこと。作戦が漏れるということを懸念したわけだが、パキスタンの主権をないがしろにし、かつ政府に対するこれほど露骨な政府不信をあらわにした話はない。要するにパキスタン政府をバカにしているわけである。
もうひとつはビンラディンの暗号名を「ジェロニモ」としていたこと。これもアメリカの先住民の団体が先祖の英雄をテロリストと同等扱いにしたと抗議している。
このあたりのアメリカの支配層、軍事関係者はいつまでも自分達が「世界の憲兵」面をすることから脱し切れていない。それは沖縄を今も占領地扱いしていることと同質である。

2011.05.04:

「西部戦線異状なし、極めて平穏」と書いたのは、作家レマルクの名作「西部戦線異状なし」の最後のフレーズ、一兵卒パウル・ボイメルが戦死した日のドイツ軍の作戦日誌だが、私にとっても今日は極めて平穏だった。
昨日の出来事が嘘のように、トイレにしゃがんだら固めではあるが無事通過。
後はちょっとした洗濯や買物をして一日が過ぎた。
世間ではリターンラッシュが明日まで続くが、私は連休の中日でやや中だるみ。しかし明日からは残った掃除などの追い込みに入る。もちろん被災地では連休どころではないのだろうが。

2011.05.03:

今日は最悪の一日。
朝食後便意を催したのだが、トイレに何度通っていきんでも出ない。しまいには肛門の手前で滞留したまま戻らなくなってしまった。こんなになるまで約2時間。あまりに気分が悪くなったので医師会の休日診療所の紹介をしてもらって病院に駆け込んだ。
元々糖尿病で少食だから慢性的な便秘だったが、便意があったら必ず出すことができたのに、全く出ないことは初めてで、何かあるのではないかと不安になったせいもある。
診察の結果大量の便が大腸に残っているので、「摘便」といって看護師が指を突っ込んで掻き出すことになった。恥ずかしさはなかった。気分解消のためにはやむを得ない。終わってから10個ほどの丸い餅のようなものを見せられたが、正直ホッとした。
そして今日一日、滞留は解消したが何となく腹が落ち着かない感じは残った。
話は変わって、ニューヨークの9.11の首謀者とされるビンラディン容疑者が昨日米軍によってパキスタン国内で殺害された。
遺体はイスラムの伝統的な土葬ではなく、空母から海に水葬された。
本来なら彼は逮捕拘束され、国際的な法廷にかけられるべきだった。また土葬されなかったのも疑問に残る。崇拝者が彼の墓地を訪れるのを防ぐ目的だったのだろうが、それはアメリカの論理であって、テロを防ぐ根本的な原因である貧困が解消されたわけではない。石川五右衛門の辞世とされる「世に盗人の種は尽きまじ」だからである。
今日は憲法記念日だが、コメントを書く気にはならなかった。

2011.05.02:

本日の午後は友人のPC買い替えサポート。PCショップで買ったものをそのまま自宅へ持ち込んでセットアップ。
予想以上に手間がかかり、データの移行を含めて終わったのは午後8時。原因は、最近のPCには標準的にGeForceカードを積んでいてそのドライバが別のCDにあることを忘れて必死にあちこち捜しまくったこと、ならびに数十GBもある膨大なデジカメ写真が元のPCに残っていたものを移行するのに時間を食ったことである。
終わった後に宴席を開いてもらい、終わったのは10時過ぎで帰宅は11時。
ユーザープロファイルや個人データの移行は、OSやソフトのインストールだけではすまないから、精神的に疲れる。

2011.05.01:

一日うっとおしい天気で、昼前後は本降り。それでも今日はメーデーで、本当に久しぶり(数十年ぶり?)にメーデーを見てきた。
もちろん全労連系である。連合系はいつからか記念すべき5月1日をやめてそれ以外の日祝日に開く単なるお祭りに変えてしまった。百年以上前に始まったアメリカのデモの伝統を守るかどうか、それが試金石になって現れている。
メーデーに集まったのは約3千人。いつ雨が降り出すかわからない天候でもそれだけ集まった。今の世の中に決して満足していない人達が多くいることがわかる。そして今年のメインテーマは東日本大震災救援。被災地からも代表が来ていた。同じ震災経験者ということで挨拶が終わったら大きな拍手。
神戸では、この連休は今日だけ雨で、後は何とか天気が持ちこたえるという予報。最高気温も20度を超える日が続くようだ。ツツジも満開になってきて、新緑の季節は本格化。被災地を始めとする東北各地も桜の満開を過ぎ、避難所でも寒さに震えることからようやく解放されそうだ。