悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

12.08


2012.08.30:

機械のパーツ輸出商売をやっていると、時々同じような質問を繰り返して受けるときがある。
典型的なのが「1式」で表示されている場合の構成部品の詳細や価格を事細かに聞かれること。
自動車を買ったときに付いてくる「修理工具1式」と仮定してみよう。中身はレンチ、ドライバーなど各種のものが入っており、普通バラ売りはしない。
ところが機械のことを何も知らない商社マンから「構成部品のそれぞれの価格を教えてください」という質問が稀に飛び込んでくる。
答えは簡単で、「それはバラ売りしません。船積書類には1式の価格だけ書いて、"consisting of"という表現で中身の品名だけ書いてください」となる。しかしもっと極端なのは中国の一部の税関からの要求で「個々の部品の重量を教えてくれ。そうでないと輸入できない」というもの。
技術屋からすれば、重量を知って何になると言いたいところだが、税関が通らないとあれば知らぬ存ぜぬではどうしようもない。よって答えは簡単、梱包の全体重量から適当に按分して「エイヤッ!」とでたらめな数字を教えるのである。はっきり言って、税関吏はその重量が正当かどうかに興味はない。重量を書かせたことに満足するのである。
もうひとつ別の例は、紐のようになっているシール、パッキンで定尺の長さでしか売らないもの。自動車のドアについている水切りのパッキンを想像してもらいたい。
あれは現物に合わせて取り付けてから端を切り取るのが普通のやりかた。最初から寸切りはしない。もし寸足らずになったら困るからである。
そのことを知らない客からは定尺での注文が来るのだが、丁重に「寸切りはしません、長い定尺を送るので現物に合わせて切って下さい」とコメントを付けて送るのである。
以上のような回答ができるのは私を含めて技術屋出身だけ。ウチの会社でも営業はまず無理だろう。というか、製造業はそういうノウハウがあるからこそメシが食えるのである。

2012.08.28:

昨日から今日にかけて、実は私の本来の仕事でややこしい話をしていた。
ある客先から商社を通じての注文で、下請のU社に機械部品を作らせていた。そして完成したので先週末にウチの検査員がチェックして出荷OKとなった。
それで商社を通じて客先にいつ、どこに持って行けばいいかを聞いた。ところが客から「検査にはウチの人間が同席することになっていたはずだ。やり直せ」と言い出したのである。
しかし品物は数百キロもあり、錆止め塗料も塗ったし、運搬用の補強も入れてある。これを表面に疵が入っていないかを調べる非破壊検査をやるとなれば塗料もはがさねばならない。当然U社は追加費用を要求するだろう。
そのこともあるが、そもそも客の注文書には「検査に立ち会う」とは書いていない。そのことを商社に突っ込んだら意外な答えが返ってきた。
注文書には「(ウチの)見積書番号XXによる」と添え書きがあり、かつその見積書には「客先引合書YYによる」とあって、元を辿ると引合書には「検査立会あり」と書いているというのだ。
注文書としてはこのように次々と文書を参照させる方法(俗に「タマネギ文書」という)は避けるのが常識。海外契約などではわざわざ「この注文書がすべてであって、これまでの経緯はすべて破棄する」という文言を入れることがあるくらいだ。
最終的には、今回の品物はそのまま納品させ、秋に納入する追加注文分の検査に立ち会うことで決着したが、私としては腹の虫が収まらないので、商社には「タマネギ文書はやめろ」と申し入れするつもりである。

2012.08.27:

問題児のWのこと、輸出については素人だが彼よりも年上で話のわかる同僚のKと相談して、少なくともWには輸出の仕事をさせないことにした。
Wの仕事を観察していて気付いたのは、ひとつのジョブで問題が起こったり、彼のところで仕事が滞ってクレームを受けると、その問題の火消しだけに集中してしまって他のことがまったく目に入らなくなってしまうのである。要するに「もぐら叩き」を毎日繰り返しているだけ。もちろん私が以前書いたような「プロジェクトマネジメント」のような考え方で、先を見据えた仕事は期待すべくもない。
しかも彼の態度の特徴として、おろそかになっている仕事について指摘されると、子供のように頭を抱えてうつむいてしまう。
これを見ていて私が感じたのは、彼は頭の中が完全にパンクしていて、仕事を自分でコントロールする力がもはや残っていないということ。
ご存知の方もあると思うが、人間は他の動物と違って能力を超える記憶が溜まってくると一部を放棄する、つまり記憶から消してしまうということができる。もちろん無意識にである。
そのことをWにあてはめて考えていたら、盆休み前に彼からある事実を聞きいたことを思い出した。
彼は40を過ぎても独身で、しかも病弱の母と同居していることを聞いたのである。
これでは仕事に集中することは難しい。しかも彼の経歴として「他人のことは考えるな、上から言われた仕事だけやっていろ」という教育を受けていたようである。
だが今の仕事はどちらかというとジョブの司令塔という、まったく逆の立場にあり、自分が何をやればいいのかを自分で生み出すという経験したこともなければ教えられたこともない境遇に追い込まれたのである。それはWの能力を超えた。

2012.08.26:

友人と話をしていて、ウチの会社で労災事故が増えていると聞いた。しかも死亡事故もある。
そして労災認定にはなっていないものの、精神疾患も高止まりしたままである。
労災事故増加の背景には色々あるが、高齢になってからの新しい職場での仕事、無理な納期短縮による焦りなどが複合している。
精神疾患も同様の傾向が見られる。
だが問題はそうした原因の追究を中途半端に行い、「本人の不注意」など個人責任に転嫁することである。会社側はせいぜい「作業マニュアルの不備」くらいしか言わない。しかし実際の作業でマニュアルを見ながらやるなどということはありえない。よってこれも言い訳の役割しかない。
そして会社が労災について口やかましく言うのは労働者の安全確保を重視しているからではない。
労基署から事故の増加について口うるさく指導されることと、労災保険の翌年の料率が上がることをいやがるためである。

2012.08.25:

夜中は以前よりもしのぎやすくなったが、昼間は相変わらず猛暑。セミの鳴き声は減ったが、今日は特に風が吹かない。もちろん夕立の気配もなし。しかもこの傾向は9月に入っても続くという。やはり台風が来て冷たい空気を呼び込まないと収まらないようである。
話は変わって、年金の請求手続書類が郵送されてきた。いよいよである。
私の場合、定年延長があっても年金(厚生年金部分のみ)が支払われるので賃金はその分だけ激減する仕組みになっている。つまり年金があるから賃金を減らしてもかまわないという論理である。一方の政府側も、賃金が高いと年金支給額を減らすことができる。早い話、政府と企業がぐるになって高齢者の所得を抑えているのである。
いずれにせよ、来週は会社の人事に一言声をかけておかないといけない。

2012.08.24:

今夜も首相官邸前の抗議行動は行われた。
先日は首相と原発反対運動のリーダーとの面会が行われたが得るものは何もなかった。そりゃそうだろう。昨日も書いたように世論は原発ゼロに向かって進みつつあるのに、「原発は必要」と壊れたレコードのように繰り返すのでは議論にならない。「何故反対するのか」、「地球温暖化対策はどうするのか」、「再生可能エネルギーは原発の代わりとして十分な供給力はあるのか」など、原発反対派に対して突っ込んだ質問をしてもよかったはずである。しかしそうはならなかった。
このあたりに野田首相の致命的能力不足が現れている。すなわち彼は国民の多数の意見に耳を傾けるという発想がなく(松下政経塾的「リーダーシップ」の特徴)、科学的な知見に基づく最善策はどうなのかという立場で、疑問があれば突っ込むという姿勢がまったくないのである。
実は小泉元首相や「ハシズム」にも同じ傾向が見られる。自らの思い込みがすべてであり、事実に基づく議論を尽くしての結論・決断ができないのである。「決める政治」の致命的欠陥でもある。
それを象徴する出来事が橋下市長の「慰安婦として強制連行した証拠はない」発言である。
多くの当事者の発言から、もはや慰安婦問題は明白な事実である。そもそも軍部が国際法に違反する行為を証拠として残すわけがない。犯罪者が証拠を残さないために指紋を拭き取ることと同じである。
そのことをもって事実を否定するのは恣意的、かつ悪意で物事を断定するものである。そういう思い込みと独断は民主主義とは無縁であることを指摘しておきたい。

2012.08.23:

連日の暑さで節電効果がどの程度あったのか、あるところが関西電力の発表しているデータから連日約400万KWの余裕があることを突き止めた。
ということは大飯3・4号機の合計出力最大236万KWをはるかに上回る余裕があったことになり、原発を無理矢理再稼動させる必要がなかったことが明白になった。逆に原発の出力が下げられないために火力を停止させることになったのである。
また、今年の最大需要(8月3日に記録)は2010年の夏のそれから13%以上節電できた。
これは企業や個人の節電意識の高まりであり、まさに国民の勝利である。政府・関西電力の本音は運転コストを下げて儲けを増やすことであり、そのためには「工場の操業が止まる」とか「計画停電をやる可能性がある」という脅しをやったのだが、それは見事に打ち破られた。
そういうこともあって、国民の「原発は停止を!」の声が政府の調査でも多数を占めている。政府もしぶしぶながら2030年までには原発による発電をゼロにする目標を検討せざるを得なくなりつつある。
もちろん原発ゼロをどうやって実現するかの責任は国民が負うのだが、特に企業に対しては強制力が必要となる。いや、強制力が働いた方が話しは簡単になる。つまり「原発ビジネスは儲からない」ということがはっきりすれば、当然他の儲かる仕事に資本を集中させるようになるのである。

2012.08.21:

海外取引をやっていると国際宅急便を良く利用する。書類だけでなくちょっとした物品もOK。
物品だったら航空便よりもやや料金が高めだが、何と言っても通関も含めて宅配までの一貫輸送が便利で早い。
有名どころはDHLやFEDEX。他にもTNT、OCN、UPS、EMSなどがある。DHLはアメリカ創業だが、最近になってドイツポスト(旧ドイツ郵政公社)が買収した。FEDEXは自社所有の貨物機も保有。日本の郵便局はEMSと提携。クロネコヤマトは一部の業務でDHLとかUPSと組んでいる。
ウチの会社は圧倒的にDHLの利用が多い。昔から需要が多い送り先だと割引サービスもしてくれたが、最近はさらに拡大して、全社的に大口需要家割引をやるようになり、他社を排除して独占になった。
同様に国内向けではクロネコヤマトが独占。他社は配達以外ウチの会社に入れなくなったのである。
自由競争の世界は恐ろしい。

2012.08.20:

連休明けの出勤ででどれほどメールが溜まっているかと思ったが、それほどでもなかった。考えたらよその会社も9連休ではなくても何らかの盆休みを取っているのだから、少ないのは当然である。
もっとも、メールの返信を書いたり連休中に出航した船の船荷証券の回収などもあって、一日はあっという間に過ぎた。
明日からは普段どおりの生活リズムが本格始動。しかし猛暑日の連続はまだ続きそうだ。
建設現場では熱中症患者も発生。今日聞いたケースでは、朝におにぎり2個、昼食は抜きで塩水ばかり飲んで炎天下の作業をし、遂には夕方に倒れて救急車で搬送。点滴で回復したが、こんな食事では体が持つわけがない。

2012.08.19:

本日で連休は終了。
相変わらずの暑い一日。もっとも昨日のように大阪あたりで落雷の死者が出るほどの激しい夕立はなかった。不思議なことに昨日の甲子園球場では試合が2時間中断するほどの雨だったが、神戸はほんのわずかの降雨。非常に局地的な雨だったのである。
さて、尖閣列島を巡る跳ね上がりは日本人にも出た。このような行為は冷静な交渉の障害物でしかない。当事者がじっくり腰をすえて交渉すべきときに、余計な雑音を入れては時間を浪費するのみ。ここはきちんと政府に交渉をやらせるべきだろう。

2012.08.18:

昨年からずっと道路拡幅に伴う工事が続いていて、今日はガス管の切替工事で朝からうるさかった。
考えたら、既設の下水管、上水配管、ガス管は現在の歩道の下にあるので、そのまま拡幅したらこれらは車両が行き交う車道の真下になって破損する可能性が高くなる。よって新しい歩道となる部分に新しい配管を引いた上での切替が必要になる。
もっともそれらを一度にやってしまえば道路を掘り返す回数が少なくて済むのだが、役所仕事かつガス会社がからむので何度も工事が繰り返され、歩道はそろばん状になってしまう。
配管工事が終わったら、今後は歩道の整備に加えて電柱の移動(配電線と電話線)が行われる。よって道路拡幅が完成するのは来年度(2005年度)になるだろう。気の遠くなる話だ。

2012.08.17:

盆が過ぎて少しは猛暑もゆるむかと思ったがさにあらず、神戸の最高気温はここ数日も35度前後で推移しそうである。ただ寒冷前線がやや南下しているために午後は雲が出やすいという予報である。確かに今日の夕方には雷が鳴った。
さて、昨日の領土問題について補足しておこう。
まず樺太のこと。
明治時代に締結された条約、正確に言うと1875年の樺太・千島交換条約で、一旦は樺太のロシアの領有が決まった。しかしその後の日露戦争で日本は「戦利品」として南樺太を強奪したのである。同様に日清戦争では台湾を奪った。だから第2次大戦後には両方とも返還するのが当然だったのである。そこは千島が戦前から日本領であったこととは異なる。
次に竹島と尖閣列島のことであるが、両方とも15日に書いたように中韓にたいして「侵略戦争」であったことを素直に認めない日本政府の態度が話をこじらせる一因になっている。
つまり両島共に侵略戦争以前から日本の領土であることに国際的な疑義もなく、戦後の国交回復交渉で朝鮮半島や台湾の返還にあたってもその帰属が議論されることはなかった。だから元から日本領土であると主張できるのである。
ところが韓国、中国から文句を付けられたときに、「侵略戦争で奪ったものではない」とはっきり言わない・言えないことが障害になっているのである。侵略戦争の非を認めた上で主張すべきは主張する、そういうことなしに平和的な解決はできない。

2012.08.16:

尖閣列島に中国人が上陸し、逮捕されたことがマスコミをにぎわしている。
先日は竹島に韓国の大統領が上陸した。
それにしても日本政府の態度は煮え切らない。歴史的にも日本の領土であることは疑いないのだが(詳しい説明はWikipediaなどにゆずる)、そのことを道理をもって自ら国際的にアピールしないのである。だからなめられる。
尖閣諸島についてはアメリカに頼んで(?)「米占領下の沖縄には尖閣諸島が含まれていたから、返還後は日本に属する」という間接的で、まどろっこしい援護射撃を受けるしかないのである。
こういう積極性のなさはどこから来るのか?
その根源には千島問題があるのではないか、というのが私の見方である。
千島は、戦後のサンフランシスコ平和条約で日本は領有を放棄し、ソ連に帰属することになった。しかしこれはヤルタ会談での秘密協定で、スターリンがゴリ押しして決められたものである。国際的にはそのような等価交換でない占領は不法とされる。
だが日本は、アメリカも調印したサンフランシスコ条約で千島を放棄してしまった。
日本政府は本来ならスターリンの横暴を根拠に、明治時代に平和的に締結された日露条約の状態、すなわち千島列島全部は日本領、樺太はロシア領とすることを主張できる。現実問題、ヨーロッパではソ連に不法併合されたバルト3国が主権を回復している。
しかし政府は明治に領土確定した以前の、効力を失った徳川幕府とロシアとの間の条約、すなわち歯舞・色丹、国後、択捉を日本領土とする古い、死んだ協定を根拠としてロシアに要求している。しかも4島を「千島」と呼ばずに「北方領土」と呼んでいるのである。
しかし全千島を放棄したままでは「北方領土」などといっても国際的には通用しない。だからロシアは見向きもしないのである。もし本気で領土の回復、すなわち全千島の奪回を図ろうとするならば、スターリンの横暴を許したヤルタ秘密協定の不当性を含めて問題提起し、サンフランシスコ条約の改定を要求するしかないのである。
もっとも今の日本政府にはサンフランシスコ条約に手を付ける勇気はない。アメリカの逆鱗に触れることを恐れるからである。
ということで、日本政府は千島問題の根本的解決を回避し、しかも外交政策はすべてアメリカいいなりでやってきているから、竹島、尖閣列島についても堂々と主張できないのである。

2012.08.15:

今日は終戦の日。
戦没者式典で首相が述べる言葉は、いつものように「尊い犠牲者の上に今の平和がある」という訳のわかったようなわからないようなものである。しかし実態は兵士、民間を問わず強制的に戦争に狩り出したものであり、戦争反対を訴える人はことごとく逮捕・投獄・処刑されたのである。
また、「アジアの人に犠牲を強いた」としつつも、その原因である「侵略戦争」という言葉は絶対に使わない。
いずれも真剣な反省のないことを示している。だから中国や韓国からいつまで経っても批判されるのである。
今年は閣僚2名が靖国神社に参拝した。もちろん「私人」などというのは詭弁であり、戦争に対する反省はまったくない。戦死者とされる兵士達の6割が餓死だったという研究があるが、参拝した閣僚には、どうやら彼等も戦闘で死んだ「英霊」に見えるらしい。
その靖国神社についてちょっと書いておこう。
靖国神社の建立は明治初期。最初の「英霊」は西南戦争の政府軍の戦死者である。西郷軍は祀られていない。このことからわかるように、靖国に名前が刻まれるのはあくまで天皇制政府のために戦った兵士だけである。にもかかわらず、遺族がどう思うかは別にして、朝鮮半島や台湾から徴用された兵士は除外されている。
そしてこういう差別的かつ侵略戦争を賛美するという靖国神社の性格を現しているのが、1978年に合祀されたA級戦犯の存在である。
以前、中曽根康弘元首相が靖国参拝について問われたときにこう言った。「靖国のような存在なくして、誰が戦争に行こうとするものか」。

2012.08.14:

朝方、豪雨と共に雷鳴のオンパレードでいっぺんに目が覚めた。
京都南部から大阪、奈良、滋賀にかけては大雨や洪水の警報が出て、死者も出た。交通機関もガタガタ、一日中警報や運転中止など何らかのテロップが出っ放しだった。
今頃は雨雲が東海から関東へ移っているかもしれない。
午後からは天気も回復したが、高校野球は1日順延。グラウンドは雨で軟らかくなっているだろうからまともな試合は期待できるはずがない。

2012.08.13:

今日は親友Oとの飲み会。彼も私と同じで取り立てて墓参りをするような状態ではないから、時間は自由である。
ところで今日、彼は広島の被爆2世であることを聞いた。両親共に8月6日当日に被爆したわけではないが、数日後に知り合いを捜しに市内に入っているという。ということは間違いなく被爆している。
この事実についてこれまで彼が自主的に語ることはなかった。広島県生まれということだけはわかっていたから、私が疑問に思って聞いた事から判明したのである。
自身が被爆者あるいは2世、3世であることを自ら語ることは少ない。福山雅治が3世であることを告白することに時間がかかったように、世間の誤解で告白をためらうことが少なくないからである。特に結婚の時に問題になる。
そう考えたとき、福島県に住んでる(いた)人達の将来について困難が待ち受けていることを考えざるを得ない。

2012.08.12:

まだまだ暑いとは言え、最近はセミの声が弱くなってきた。特に朝はほとんど聞こえない。猛暑ももうすぐ終りである。
そういえば電力不足の話はほとんど聞かない。関西電力の使用率では90%を越えたことはない。計画停電の話はどこかへ消えた。ということは大飯原発の再稼動は脅しだったのではないか。
火力発電所がクラゲに襲われて出力を下げさせられたこともあったが、それ以外のトラブルはまったく聞かない。電力は足りているのである。

2012.08.11:

今日から9連休の盆休み。世間は高速の大渋滞や交通機関の満員状態が始まった。
しかし私の方は里帰りもないので、いつもどおりの家事や買物をこなすのみ。スーパーでは出かけている人が多いのか客はいつもより少ない。スーパー自身も15日前後は休業が多くなる。
こちらもそれに合わせて買いだめをしなくてはなるまい。
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女子バレーボールの銅メダルが確定した。韓国に3タテの完勝。メダルは28年ぶりという。それはともかく快挙である。
今回のオリンピック、惜しくも銀とか銅のケースが目立つ。
ひと頃は日本の金ラッシュの時代もあったが、次第に各国が鍛え方などを研究して台頭してきた。ところが日本はどちらかというと精神論のみに頼って、科学的なトレーニングを怠ってきたのである。その結果としてメダル獲得数は減った。
だが今回のように、時代は変わって選手の自主性を重視し始めたことが結果として現れてきているように感じる。もちろん金メダルの壁は高い。しかし努力を怠らなければ金メダルは不可能ではないだろう。ただ、日本のスポーツの弱点として、企業の広告塔の役割を負わされる競技が少なくないことがある。もうひとつはそれと関連して政府のスポーツ振興予算が少ないことがある。
もちろん国民としても選手を育てるための支援をもっと行う必要がだろう。いい例はプロ野球の広島カープ。今は少し違うが、当初は市民の一人一人が株主だったのである。

2012.08.10:

とうとう民自公は消費税増税を決めてしまった。心底腹が立つ。
法律が通ってから解散をしてもそれは単なる「食い逃げ」でしかない。彼等にとってはアメリカ・財界の要求は絶対であり、その要求を通してしまえば自らの議席がどうなろうと構わないのである。これほど反国民的な行動はあるまい。庶民が苦しむかどうかは眼中にないのであるから。
では庶民はどうすればいいか。
唯一の方法は選挙で増税反対の政党に投票し、法律施行までの2年間に増税を無効にする決議を成立させることである。

2012.08.09:

今日は長崎に原爆が落とされた日。
広島はウランだが長崎はプルトニウム。ご存知のようにプルトニウムの半減期は2万年を超えるが、長崎にはその痕跡もほとんどない。広島でもそうだが、核物質の大部分は空中に拡散したか雨によって流されたものと考えられる。
だが多くの人達は爆弾の発する熱線で命を奪われた。そこが原発事故のように土壌に染み込んで緩慢に放射能を出し続けるものと大きく違う点である。
いずれにせよ核兵器による大量殺戮、かつ本人のみならず2世、3世までをも苦しめるようなものは人類と共存できない。だからこそ核兵器廃絶が必要なのである。

2012.08.08:

消費税増税法案の行方は、国民にとって打撃的な結果をもって終わりそうな雲行きである。
自民党が内閣不信任案をちらつかせながら形だけの「譲歩」を得ようとしたようだが、結局は「3党合意」の通り増税法案を可決させるつもりである。一体こういう茶番をやろうとする意図は何なのだろうか?庶民にはまったく理解できない。
少数野党が衆院に提出した内閣不信任案と参院での問責決議案があるので、慣例上こちらの採決が済むまで増税法案の採決はできない。
自民党はそのことを見越した上でのスタンドプレーなのだが、大手マスコミは増税推進にハッパをかけることに集中していて、真相は見えない。
それにしても民自公による「増税法案を通してから解散」という手法には心底腹が立つ。早い話が食い逃げである。通してしまえば議席が減ろうが知ったことではないという姿勢である。そこには財界の要求をともかくも満たしたいう本音が見えるのだが、それが国民にとってどんな意味を持つかは眼中にないのである。
その昔、フランスの国王ルイ14世が浪費財政について国会(3部会)から「洪水が来たら国民が困る」とクレームを受けたとき、彼はいみじくもこう言った。
「我が亡き後に洪水は来たれ」
民自公の態度の後にルイ14世の影が見える。

2012.08.07:

連休中の船積は3回と決まった。
ただ、通関も連休中に行われるのでトラブったら呼び出しがかかるかもしれない。よって乙仲には自宅のメールアドレスと携帯番号を教えることになりそうだ。
盆休みくらいはのんびり寝たいとも思うが、かといって猛暑の自宅でごろ寝ができるわけもない。いっそのこと旅行に出ようかとも思うが、どこへ行くにしても満員電車にならざるを得ず、結局は近所のエアコンの効いた喫茶店でへたるくらいが関の山。
山へ登っても猛暑だから、涼みにはならないだろう。・・・
思いは千々に乱れるだけで、結局は何も決まらない。

2012.08.06:

今日は広島被爆から67年。今年も広島市長は福島原発事故について触れた。
原爆と原子炉ではもちろん質が違う。しかし放射能被爆に怯える人達が出ていることでは同じである。自分自身が、子が、孫が、・・・いつ発症するかわからないことによる恐怖は、味わった人達でないとわからない。
そのような核の持つ危険性は、その技術的根源を一にしていることから生じる。
ご存知の方も多いと思うが、核兵器となるウランやプルトニウムを取り出すための炉から、発電用あるいは原子力船の原子炉が生まれた。
よって安全性は最初からまともに考慮されていない。アメリカが「原子力の平和利用」と称して軍事用から民間用に転用した結果である。
いずれにせよウランの核分裂によって生じた「死の灰」は制御がきかないまま野に放たれた。人間は目に見えない核物質におののきながらの生活を強いられたのである。こんな悲惨なことはない。二度と繰り返してはならないのである。

2012.08.05:

オリンピックの影で、日本の政局は刻々と変化している。
先週、野党7党が内閣不信任案を提出することで合意した。消費税増税を阻止して廃案にするためである。
こうなると自民党が民主党を脅かして増税法案を参院で採決した後に解散総選挙を行うというストーリーが崩れる。「盆前に採決しなければ不信任案を出すぞ」と自民党が民主党に突きつけているが、野党から先に不信任案が出されたら自民党からは出せなくなるのである。
国会の慣例で、不信任案は会期中に1回しか出せない。ということは自民党の脅しの効果はなくなり、盆前の採決の目はなくなる。
しかも野党からの不信任案については、「増税の前に選挙を」とする自民党の一部が賛成することも考えられ、もし可決されれば本当に選挙になる。
選挙になれば民主党をはじめ、「3党合意」という名の談合のイニシアチブを取った自公両党の議席は激減するだろう。
こうなると政治は混沌の時代に入る。そして増税、社会保障、普天間基地移転、TPP、オスプレイなどの緊急課題について、誰が国民の立場を代表になるかをめぐってサバイバルレースが始まることは疑いない。
私はこれも悪くないと思う。国民の支持を得るために切磋琢磨をすることは、本当の民主主義を作るための重要なプロセスであると考えるからである。

2012.08.04:

糖尿病の通院の後ということで、羽目外しに揚げ物を作った。トンカツである。下ごしらえに少々時間がかかるだけで難しくはない。
それいしても揚げ物は何ヶ月ぶりだろう。そもそも昼の会社の弁当は揚げ物が多いのだが、いつも衣は外して食べる。衣は油の塊なのだ。
今日も暑い1日だった。

2012.08.03:

連日の暑さの中、神戸でも遂に最高気温が36度に達した。そして夜になってもまだ暑い。
私は昼間会社でエアコンが効いた部屋にいてまだましだが、息子は家でほぼグロッキー。さすがに我慢しかねたのか、図書館に行ったり、友達の家に避難したりしている。
会社でも、工事現場で熱中症の患者が出た。そういえば昔北アフリカの工場建設現場にいた頃、50度の砂漠の熱風が吹いたときは工事を中止して屋内に避難したものだ。日本は湿度が高いから、汗が出ても引かず、40度を超えると屋外は危ない。
話は変わってまたWの失策。
船積する貨物に危険物が含まれていたのだが、「危険物」と聞いた途端にビビって、それが入っている梱包を船積から外した。爆弾でもない限りちゃんと船会社にMSDS(安全データシート)を渡せば何とかしてくれるのだが、先入観が災いして約束の期限までに船積できなかったのである。間違いなく客からはクレームが出るだろう。
不安だったら聞けばいいものを勝手に止めたから、これはもう上司からこっぴどく怒られることは必死。私も指導員として小言を言わざるを得なかった。

2012.08.02:

オリンピックの予選リーグで無気力試合が問題になっている。特にバドミントンではダブルスのペア4組が失格になった。
やはり無気力試合は相手に失礼だろう。実力差があるのは自明でも、それなりに強さを示して「もっと頑張りましょうね」くらいの貫禄を示すべきだろう。
なでしこジャパンも監督が指示を出していたようだが、自分がどれだけの試合運びをするかは選手自身が考えるべきこと。
これだけ問題が出るのならば、「予選リーグ」というのはやめるべきかもしれない。実力が上の選手は1回戦パスのシードにすればよい。

2012.08.01:

歯の治療を始めてから2ヶ月以上、まずは左下のいびつに欠けたものを清掃、整形してやっとキャップをする歯形を取った。
次回は出来上がったキャップをかぶせる。しかし次回以降には左上の腐って根元だけになった大臼歯2本、右下の欠けた大臼歯の修復が続く。こうなると1年がかりになるのかもしれない。
今まで手入れを放置してきたことの結果だが、特に左下は一度キャップしたところの根元が腐っているとは思わなかった。
体力の低下と同じで、年齢と共に歯も次第に老化するが、手入れが良ければそのスピードは落とすことができる。
精神論は好まないが、事実に基づいた老化防止をいかにして自覚し実行するかがキーポイントのようだ。