悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

13.01


2013.01.31:

ここで毎日日記を書き綴っていたらいつの間にか新年も1ヶ月が過ぎた。
昨日あたりから気温が上がって、今夜はまだファンヒーターを起動していない。
しかし昨年からの冷え込み続きでガンガン運転していたら、今月のガスの使用量は昨年同月の1.3倍。料金は1万円をはるかに超えた。
そうでなくても給料の激減や息子のPCの交換など予定外の出費もあり、2月の家計は大幅な赤字が確定した。
苦しいからといって仙人のように霞を食って生きることは不可能だから、4月のボーナスで補填するしかない。

2013.01.30:

私より少し年上の人間と話をしていて、やっぱり・・・と思ったことがある。
話は歩く速度のこと。若い頃は早歩きをすると次々と人を抜いていた。ところが最近は逆に、いくら早く歩いているつもりでも人に抜かれ続けるのである。この逆転現象の原因は何か?
そんなことを彼と話していたのだが、彼曰く、歳を取ると筋肉の衰えで足が上がりにくくなって歩幅も小さくなるという。
なるほどそうだったのか・・・と納得せざるを得ない。
こういうところにも加齢の影響が出るとは、いやはや入歯のことといい、いい加減ウンザリする。

2013.01.29:

最近ウチの会社が納入した機械の一部が破損する事故が続いている。納入後十数年を経過しているために保証期間は過ぎているし、人身事故につながるような壊れ方ではないので、客側も多額の金をかけてでも修理を依頼してくる。
そもそもが粉砕機の一種なので振動が激しく、運転中の点検あるいは定期的に一部を分解して詳しい検査、消耗部品の交換が避けられない。ところが客は生産を優先したいがために修理費を削ろうとする。そうなるとかえって機械を傷めてしまうことがある。
故障は駆動部を構成する減速機に集中しているのだが、歯車を作っているメーカーは今大量に仕事を抱えており、もはやパンク状態。そこへ修理の話が持ち込まれても作業スペースが足りない。苦肉の策は客先最寄の一般の工場を借り、部品は減速機メーカから送り込んで、分解・再組立を行うというもの。そして作業の指揮命令は減速機メーカーの指導員が行う。素人が実作業をやるので作業効率が悪いのだが、背に腹は替えられない。客は工場の操業停止期間が1時間でも惜しいから、無理を承知で修理期間を短くしろと言ってくる。
ウチの会社としては、相手が困っているしそれなりの代価がもらえるのだから全面協力すべし、という態度である。モノづくりをやっている会社としては普通の対応である。一方で設計の最高責任者は「そろそろ寿命なのかなあ・・・」とつぶやいている。
もちろん客にはストレートに言えない。相手が生産回復に必死になっている時に、「修理するより新品を買いなさい」とは言えない。それを本当に口にしたメーカーは、出入禁止になった上に、噂が業界全体に広まった。

2013.01.28:

今朝は各地で冷え込んで積雪が見られた。しかも積もった雪が凍る事態も。
神戸では植え込みを中心に積雪、しかもうっすら詰まった部分はそのまま凍結しており、歩道部分などでは滑りやすくなっていた。積雪の後、溶けかかったところに早朝の冷え込みで凍結に至ったものと考えられる。
話は変わって関西電力の料金値上げの話。
今日公聴会が開かれ、批判が相次いだ。高い役員報酬、コスト削減の努力が足りない、財務内容のさらなる詳細な公表、等々。
私自身もわずかな期間だが電力会社向けの仕事に携わったことがあるが、一般の民間企業のコスト体質とはまったくかけ離れていることを知った。一言で言うと、コストを下げる努力をしない、逆に最高級の超贅沢な仕様を満足することが要求されることである。
何故こんなことをするかというと、コストが高いほど儲かる仕組みになっているからである。しかもそれは法律で約束されている。
つまり原価に対して常に一定の割合の利益を乗せて計算され、それを基に家庭用電気料金を決めるのである。だからコストが高いほど利益の絶対額が増える。このことがコストアップを指向する、わけても建設費がべらぼうに高い原発建設に積極的な理由である。
私の経験ではこんなことがあった。
ある火力発電所の設備を制御するコンピューター、CPUが2重(デュアルコアではなく、マザーボード2枚とみなしてよい)になっていて、通常では考えられない、片方のCPUの基板を運転中に強制的に抜いても正常に動くことが求められているのである。しかもそれを電力会社の立会いの下、実際にテストするのである。当然そのための開発コストは膨大になる。
こういう調子だから費用はうなぎのぼり。しかも電力会社の上から下までこういう体質が至上命令として行き渡っているから、始末が悪い。民間の仕事では最も忌み嫌われるコスト感覚が電力会社では逆に奨励されるのだから、通常の神経では仕事がやれない。私は正直なところ、電力会社の仕事から抜けることでホッとした。
いずれにせよ、こういう電気料金の決め方と「原子力ムラ」がたかる体質と法律を根本的に改めない限り、政府・原発メーカー・電力会社が結託して原発推進に走る体質を改めることはできない。

2013.01.27:

アルジェリアでのテロによる死者は10名にのぼった。残念である。
若い頃、私も日揮関連ではないがアルジェリアの建設現場にいたことがある。独立後まだ10数年しか経っておらず、若い幹部が成長途上の国を支えていた。しかしその後は高い失業率を背景に若者の多くがイスラム原理主義に走り、内線も起こるなど不安定な政治が続いた。そして政権中枢には軍部がいて、テロや誘拐との戦いが続いていたのである。
その中でテロ集団による外国人を狙った石油関連プラントの襲撃が行われた。もしろんその中には昔からアルジェリアの仕事をやっていた日揮の社員が含まれていたのである。
今回の事件で気になるのは少なくない派遣社員が犠牲者に含まれていること。日本では労働人口の約1/3が非正規雇用であるが、海外へ派遣される人達にも多く含まれていることが明らかになったのである。そうでなくても派遣の人達は正社員よりも賃金が安い。しかしその能力は正社員と同様に海外の仕事でもやっていける力がある。
賃下げだけのために派遣労働者が利用されるというのはやはり間違っている。

2013.01.26:

とにかくこの冬は寒い。これまでは暖冬が続いていただけに、寒さが身に染みる。
昨夕から急に冷え込み、そのまま来週も続くという。
今朝洗濯をしたが、手が痺れるくらい水が冷たい。ファンヒーターはフル稼働。但し窓がびしょびしょに露天するまで温度を上げることはしない。後でカビが生えるからだ。
ということで、買物もいやになるくらいの寒さ、しかも強風とあっては、ひたすら家にこもるしかない。

2013.01.25:

例によってWがやる仕事はトンチンカン。今日も、旧正月(今年は2月10日)までに中国に送らないといけない荷物があるのだが、百数十キロもあるのにそれを宅急便で送ろうとしていた。当然ものすごい金額の運賃になる。
そこで私は乙仲に電話をかけて直近の船便がないか聞いた。すると来週初め出航で今日荷物を渡せば何とかなるとのこと。それを逃すと来月になり、旧正月以前に送り先に届かない。
そう聞いて私は即決した。「荷物はすぐに渡せるし船積書類もすぐ作る」と回答した。さあ大変である。
梱包会社に電話して荷物を乙仲手配のトラックにすぐ渡せるように頼み、一方で船積書類の作成開始。もちろん他の仕事は全部ストップ。
約3時間かけて書類を完成し、乙仲に送ると同時に中国の送り先にも船名や到着日を連絡した。もちろんWにはメールのコピーを渡して、仕事とはこういうふうにやるものだと手本を見せた。
どうやってとっさの判断で仕事を進めるか、瞬時に決断するのは若手には難しい。だがこういう時にこそ年配者は本領を発揮する。
通常年とともにあらゆる能力は落ちていく。唯一の例外は豊富な経験に基づく知識と判断力。これだけは逆に年とともに向上するという。

2013.01.24:

1.昨晩に歯医者から入歯(部分)を渡された。
欠けていた左側での噛み合わせの相手ができたので右側の負担は減るし、バランスよく噛める。だが入歯を支えるブリッジ部分が顎に乗っているので大きな違和感がある。
入歯は初体験だから仕方がないのだが、慣れるまでいどれくらいかかるのだろうか?
それと寝る前とか歯磨きのときは外さないといけないのでこれは面倒。いやはや手入れを怠ったツケと年齢は、容赦なく我が身に降りかかる。
2.災難はさらにある。
給与明細を渡されたが、本給でこれまでの7割になった。これは残業代に影響するし、ボーナスも計算方法が違うが同じ程度になってしまう。やはり悲しい。
しかもまずいことに、所得税や住民税は下がるものの、年金とか健保の料金は5月の標準報酬月額の改定まで据え置きだから、なおさら家計にこたえる。
仕事は変わらないのに給料だけが下がる、歳を取ることは罪悪か!(怒)

2013.01.23:

今日は手配漏れの話。
機械の「丸ごとハウマッチ」ならあまり問題は起こらないが、アフターサービスでの部品商売だと注文された品物がちゃんと手配されているのか要注意である。
今日も船積の準備をするのに客の注文書と社内の手配書を見比べていて、数量不足を発見した。設計に出かけていって書類を調べさせたら手配書のレベルで間違っていたことがわかった。設計担当者は慌ててメーカーに電話していた。
私は受注直後に必ず注文書、場合によっては信用状の中身を調べることにしている。そして注文点数が多い場合は設計から出る手配書とを見比べる。これは間違いをチェックする目的と、分割して船積する場合のインボイスの分割金額を確認する意味もある。トータルで発注金額と合わなければ、客には怒られるし、信用状の金額と合わないと銀行からもクレームが出る。
新入社員のとき、先輩からは「数字は絶対に間違えるな」と教え込まれたことを思い出す。

2013.01.22:

今日は貨物にかけた保険をめぐって悶着が起きた。それで残業することに。
大手保険会社はウチのような大口の保険をかける客に対しては割り引いた保険料率を適用してもらえる。しかも積出国の内陸輸送、揚地国の内陸輸送も、一部の地域を除いてカバーしてもらえる特約が標準で付いている。
しかしだからといって無制限ではない。トラブルの原因はまさにそのこと。
通常、船積した貨物は揚地港に下ろされた後、一括して指定された場所に持っていく。ところが今回は客から「貨物の置き場所がないので一旦別の保管倉庫で2〜3ヶ月置いておくという。しかも倉庫から指定場所までは分割して運ぶという。
そうなると保険会社は黙っていない。保管倉庫での火事とか、分割して運ぶことによる交通事故の確率が高くなるのだから、保険料の割増をもらわないと保険は失効させると言い出した。
確かにそういわれると反論は困難。よって客先に割増保険料の負担を要求することになった。客先にすれば余計な出費をすることになるので愚痴のひとつも言いながらも、しぶしぶ同意した。時間がかかったが何とか話を収めることができたので一安心。
だが私としては少々気分が悪い。というのもウチの営業は終始客先の味方になってあれこれ文句を言うのである。一体どこの会社の営業なんだ?? これは日本企業の多くに見られることだが、「お客様は神様」ということがエスカレートして、社内を敵に回すことがしばしば見られる。

2013.01.21:

18日の船火事について、訂正ならびに正確な経緯を書く。
問題の船は最初淡路島の沖合いで火災を起こした。消火活動を行いながら神戸港沖へ曳航。その後ある程度鎮火したところで岸壁に移動した。
私が見たのは岸壁移動後の消火活動である。

本題に移ろう。大阪市立桜ノ宮高校の入試をめぐって、教育委員会が体育系2学科の入試中止を決定した。
このことについては多くの市民から教育委員会への批判が寄せられている。しかも問題はそれだけではない。橋下大阪市長の教育介入にも批判が出ている。
入試の中止とか教育人事に口出しをした上に、要求が通らなければ教育予算の執行停止をほのめかした。しかしこれは議会が決定した予算を勝手に変更する行為であり、違法である。大阪弁護士会の有志も批判する声明を出した。
橋下市長は元来体罰容認派である。府知事時代から体罰容認の発言を幾度も繰り返している。それが元巨人の桑田氏が体罰批判をしたあたりから理由も示さず体罰禁止派に急遽鞍替えした(大手マスコミはこのことを伏せている)。
体罰は学校教育法で明確に禁止されている。だからといって教育委員会の方針について介入する権利はない。要するに彼は滅茶苦茶な論法で発言を繰り返しているに過ぎない。
体罰を含む教育全体については住民、教師、教育委員会が議論を尽くして責任をもって決定すべきもの。自治体の首長があれこれ勝手に指示すべきものではない。

2013.01.20:

元横綱大鵬の納谷幸喜さんが亡くなった。享年72歳。
「巨人・大鵬・玉子焼」と称されるほどの著名人だったから惜しむ声が多い。力士は総じて短命だから、彼はまだ長生きした方だろう。
私の頭の中に鮮明な記憶があるのは小学校のとき、大鵬が関脇で幕内での初優勝をしたこと。ちょうど新聞の折込みに星取表が入っていて、毎日勝敗を付けていたのだが、横綱・大関が黒星を喫する中で大鵬がダントツで白星を重ねていった。それ以来私は大鵬のファンになった。
今になってわかったのだが、彼はウクライナ人との混血。道理で日本人離れした顔をしていたはず。樺太生まれで戦後弟子屈町に移り、混血を理由にしたイジメを受けたようだ。
それにしても最近は戦後を象徴する、あるいは私が若い頃に活躍した人達の訃報が続く。それは私が歳を重ねたことの証明でもある。
今まで書き忘れていたが、憲法24条の執筆に関わったベアテ・シロタ・ゴードンさんが12月30日に亡くなっていた。
憲法24条は夫婦における男女平等を定めたものであるが。彼女はそれのみならず憲法9条などの擁護について積極的に活動した。
今後も、私より一世代上の人達の訃報が続くものと思われる。残念ながら一人一人の人生は限られたものにならざるを得ない。やがては私のような戦後ベビーブームの世代が消えていく。もちろん私は著名人でもないからその名前がWikipediaに載ることもない。

2013.01.19:

ちょっと数学の話をば。
発明王エジソンの有名な逸話として、小学校の教師が1+1=2を教えるのに粘土を例にしたら、1個の粘土と1個の粘土を合わせても混ざって1個の粘土になるだけなのになぜ2個になるのかとエジソンが反論して、小学校を追い出されたいうのがある。
この話、エジソンの並外れた発想の持ち主として語られることが多いが、私に言わせれば、エジソンも教師も数学の本質を理解していない。
数学というのは、実在する物理的実体から数だけを取り出して残りは全部捨て去るということを基本にしているからである。
数学を教えるのに粘土もりんごもコップもすべて必要はない。ただ子供にわかり易く教える例として使っているだけである。エジソンの例で言うと、外見では1個の粘土の塊であるが、体積は1+1=2と数学的には間違っていない。
数学とは、純粋に数だけを取り扱う学問なのである。こういうことを言うと「数学なんか勉強して何になる」と言われそうだが、数学は物理学からは不可分のものである。実際、数学の手法を使わなければ数式を使って物理学的な結論は得られなかっただろう。
卑近な例としては円の土地の面積、交流電力量の計算などがある。
円形の土地を測量しようとすると、いくら正確な器械を使っても円弧の部分は正確には測れない。しかし数学の円の公式を使えば円周率×半径の自乗と極めて簡単に計算できる。
また普段家庭で使っているのは交流電力だが、電気料金の計算には使用した電力を計算せねばならない。その場合、交流電流の波形は正弦波なので単純に波形の面積を測っても、プラス側とマイナス側は同じなので相殺されてゼロになる。
ゼロなのに電気は消費されている!とは一見矛盾に見える。しかし数学的な「自乗平均」という手法で計算すると、見事に実際の消費電力と合致するのである。
数学というのは、物理学から数学への概括化、数学から物理学への還元と、人間の脳が生み出した極めて高度な能力の成果物なのである。

2013.01.18:

神戸港の岸壁に係留中の船から火災が発生した。幸いにして小さな船だったし、爆発のようなことも起こらなかったが、いつまでも煙が立ち昇り鎮火まで時間がかかった。
船の火災は怖い。以前三菱重工長崎造船所で豪華客船「飛鳥2」が建造中に火災を起こしたが、一旦火がつくとあっという間に延焼する。木材が多く使われていることもあるが、最大の要因は船が鉄でできていること。熱せられた鉄は熱伝導率が高いから、あっという間に船体が熱くなって周囲の燃えやすいものが発火するからである。
火災を起こした船は延焼面積が小さければ再生できる。炎で変質した鉄板や装備をを入れ替えればいい。「飛鳥2」もそれで再建した。しかし船体全部がやられたらさすがに廃船にするしかない。
今日の神戸港の船舶火災は何とか再生できるだろう。保険も出る。ただ、しばらく使えないから運賃収入はゼロ、そして信用の失墜は保険ではカバーできない。

2013.01.17:

今日は18年目の1.17。いつものように5時46分黙祷した。
さて、今日の注目すべきニュースは昨年の自殺者が3万人を切ったこと。ただ、全体としては減っているが若者は増えている。
自殺が減ったことの理由はこれから詳しい分析が必要だが、自殺を個人的問題としてとらえるのではなく、社会全体の問題として法的な対策も始まったし、各地に自殺防止ホットラインも設けられるなどの効果が出始めてるのかもしれない。
とは言え、まだまだ日本は自殺大国として有名。飛び込み事故で鉄道が止まることもしばしば。
実は今朝の通勤時間帯に、JR山陽本線塩屋駅で飛込みがあった。私自身も前の事務所の通勤途中で乗っている電車に飛び込まれたことが2回ある。
こうした中での自殺減少のニュースだが、実感はまったくない。

2013.01.16:

寒さのせいで野菜が高騰している。特に青物野菜は最悪。
低温に加えて日照時間も例年より短いとあっては育ちが悪いのは必然。店頭を見るとわかるが、小ぶりなのに高い!と感じるのは私だけではあるまい。
今週初めからの寒波の原因は太平洋側を通過した巨大な低気圧。これによって関東はドカ雪が降り、けが人どころか死者も出る始末。太平洋側を進む低気圧というのは春先のものと私は思っていたが、今回の原因は何なのだろうか?
厳しい寒さの中、明日1.17がやってくる。

2013.01.15:

決算も終わって一段落といったところか。
最近になってわかったことだが、というか今更何をと言われそうだが、最新のコンテナ船は昔に比べて早くなった。
定期航路でも18〜20ノットは出る。在来船だと最新鋭でも14ノット程度。燃費の問題とかがあるので普段は出さないが、高速のコンテナ船では最速40ノットを出せる。太平洋横断するのに余裕を持って11日。本気を出したら7日でも行ける。
荒天など万が一のことを考えて無理をしないだけのこと。実際、「低気圧の墓場」と呼ばれる北太平洋や台風シーズンのインド洋は危険が一杯。その昔インド洋でシケに遭って船体がヒビだらけになり、急遽日本でドック入りして応急措置を取った話もあるくらいだ。
応急措置というのは、海水と接する船体の外側はともかく内部の鉄骨のひび割れの終点に「ストップホール」と呼ばれる穴を開けること。割れた部分を溶接で埋めても、変形した鉄骨は元に戻らないから別の場所にひび割れができる。穴を開けておけば異常な力は穴の周囲に分散されてひび割れの進行はとりあえず止まるという原理に基づく。
もちろん恒久的な対策は本国に戻ってから部材の入れ替え、場合によっては補強の措置が取られる。
船の高速化と同時に燃費の向上、苛酷な条件に耐える船体の開発。我々の見えないところでも努力は続く。

2013.01.14:

大阪の高校での体罰問題、かなり問題点が絞り込まれてきたようだ。
私の結論から言うと、明らかなパワハラである。
一部の議論の中に、体罰は一定程度の効果があり、能力の向上も見られる、というのがある。しかしこれは物事を正確に見ない意見である。
表面上は能力の向上があるケースもあるだろう。だが体罰を受ける立場に立てば、それは強制されたものであり、自らが自覚して得たものでは決してない。よって時間が経てば、あるいは暴力的指導者の下を離れればそれはいとも簡単に忘れられるだろう。
元巨人の桑田氏が「体罰はやってはならない」と明確に発言している。小さいときの経験からいやな思いだけが残っていることを示している。
とかく日本のスポーツ界にはこのような前近代的、非民主的な体質がつきまとう。だがもはやこのような恫喝と暴力は通用しない。選手自身の意識も変化している。
女子バレーボールの真鍋監督を見るがいい。タブレット端末を見ながらデータを選手に示して、今何が必要かを選手自身に考えさせる、そういう時代なのである。

2013.01.13:

「アベノミクス」について考える。
安倍政権は20兆円もの資金を経済再生と称してつぎ込もうとしている。しかもこれまでの建設国債の発行限度を超えることも決めた。
このような大型の公共投資を含む資金投入をやってどこまで効果が上がるのだろうか?
しかも物価上昇を2%を目標としたインフレ政策も目指し、そのためには日銀の方針にまで口出しするという。
公共投資のすべてを否定するわけではないが、現実を無視した方法を取ることには首をかしげる。
というのもデフレ解消の重要な対策としての需要喚起、わけても個人消費の拡大は現状ではほぼ期待できないからである。所得税減税どころか来年度は震災復興増税になるし、次は消費税増税が待っている。加えて経団連は賃上げどころか定昇も聖域ではないとして、個人消費の拡大は望めないのである。
アベノミクスの最大の弱点はここにある。すなわち公共投資とか国債買い上げで企業の投資を促して、そのおこぼれが賃金にも反映され、「やがては消費も上向く」と勝手に解釈していること。しかし上にも述べたように企業業績が賃金上昇に反映されないのでは、物価上昇と増税だけが残ってしまう。実際、これまでの実態は、企業の収益と内部留保だけが増えて、逆に賃金は下がり続けているではないか。
他にも色んな例証を挙げることができるが、長くなるのでここで止める。

2013.01.11:

ちょっと雑談。
「富士電機」という会社をご存知だろうか。業界4位の大手電気会社だが、世間ではあまり知られていない。三菱電機とか東芝、日立などと違って家電製品は作っていないからである。だが私のように工業製品を扱っている人達には良く知られた会社。
創業は1923年、古河電工と独・ジーメンス社の合弁会社としてスタートした。社名も「フルカワ」と「ジーメンス」の頭文字をとって付けられたもので、安直ではあるがイメージは悪くない。勿論富士山の近くに工場があるわけではない。
世間受けのする製品を作っているわけではないのだが、主力ではないものの売れ筋の商品は子会社で作っている自動販売機。国内の生産シェアはトップで50%。この話題は「がっちりマンデー」でも取り上げられた。
また、富士電機本体はともかく、これまた有名なのは富士通。富士通は戦前、富士電機の電話機部門から分離独立した会社である。だから富士電機の名前は知らなくても富士通だけは知っているという人は圧倒的に多いだろう。
世間広い。CMで有名でなくても伝統のあるしっかりした会社はいくらでもある。
ところで富士フィルムは富士電機、富士通とは関係がない。大日本セルロイド(現ダイセル)の写真フィルム部門を分離したものである。

2013.01.10:

最近、大阪の市立高校でのスポーツ指導者による暴力で生徒が自殺したことがマスコミに大きく取り上げられている。
学校や教育委員会の対応の甘さが指摘されているが、根底には教師や親の一部に暴力を肯定する考え方があることも事実だ。戦前の戦争を経験した高齢者の中には「若者を軍隊に入れて鍛えたらいい」とまで発言する人もいる。
しかし冷静に考えて欲しい。上下関係(学校のみならず会社でも家庭でも)を暴力によって支えることが人間としての尊厳に叶うものなのかと。
教育に携わる良心的専門家は、「暴力によって子供に言うことを聞かせるのは教育者としての敗北だ」と異口同音に言う。子供自らが「悪いことをした」と自覚するチャンスを逃すからだという。
私自身は原則として非暴力主義である。但し一度だけ息子に手を上げたことがあった。それは彼が小学生のとき、悪ふざけで私の急所を手で攻撃し、痛さの余り思い切り叩いたことである。これは人間としての防衛本能であって意図的ではない。息子は今もそのことを忘れていない。
だが日常的に暴力を振るうことは質が違う。その典型はパワハラである。
権力を背景にした暴力による支配は絶対に破綻する。エジプトとかシリアを見るがいい。表面的な支配を続けても、それは不満として蓄積し、いずれは爆発する。今回の事件は子供が自らの命を絶つことで抗議した。こんなことはあってはならない。
橋下大阪市長は金をかけてでもこの問題を解決するつもりのようだ。今何かを言うつもりはないが、市の職員に対する思想調査で、暴力的とも思える手法で支配をしようとした手法の持ち主が、今回の問題にどう対処すのか、お手並み拝見というところである。

2013.01.08:

来週にかけてまた船積が連続する。よって船積書類の準備に忙しい。
時々新年の挨拶の訪問者が入るが、適当にこなして仕事に没頭。
そんな中、設計がえらいことを言い出した。海外現地の客に日本から輸出する予定になっていたものを、突如として現地国のメーカーに発注して直接現場に持ち込みたいと言い出したのである。
しかし支払は信用状になっていたからさあ大変。
そもそも信用状は国際貿易を前提としているから、船であろうと飛行機であろうと銀行へは船荷証券(B/L)を出すのが常識。それが直接トラックで運ばれるのだからB/Lは出ない。しかも積出港と荷揚港の名前が指定されるのが当たり前だが、これも存在しない。つまり信用状の原則をはみ出す想定外の条件なのである。えらいこっちゃ。
関係先に聞いてみると、信用状による代金回収はできないので、客先に請求書を送って、銀行から現金送金するしかないという。となると、信用状でカバーしている契約金のうち、直送分は権利放棄となる。これでは財務が黙っていまい。
設計はこういう信用状の恐ろしさに対する認識はゼロ。困ったことになった。

2013.01.07:

今日から仕事始め。
早速社長と重役の年頭挨拶。しかし相変わらずの「社員の理解と協力」の名前で叱咤激励ばかり。数年前はどん底になりつつも、某電機メーカーのように巨大な赤字になることもなく、着実に儲けを確保して配当も内部留保も伸びている。
しかし社員の給料は抑えられたままである。これでも経営陣は「ムチとムチ」で社員をこき使おうとする。曰く「明日はわからない。ヨーロッパの債務問題や中国の景気減速など不安要素は一杯ある」と不安を煽る。自分たちは「これだけ頑張るつもりだ」という決意表明はまったくない。
不祥事でさえ、「問題は個人が犯すもの。それが会社の評判を落とすのだ」とこれまた社員になすりつける。
経営陣は一体いつになったら自らの責任を認めるのだろうか?

2013.01.06:

今朝もまたぐっと冷え込んだ。
この年末年始は本当に寒かった。休み中は結局、元日のプチ初詣、2日の国道ウォーク、5日の歯医者通院以外は少しだけ買物をしておしまい。両親が他界した以後はもう京都の実家へ親族が集まるということもない。
今日でその9連休もおしまい。街中ももう正月気分は消えて通常の生活モードに戻っている。
私も明日から出勤で、今までどおりの兼業主夫生活に戻る。

2013.01.05:

今日は小寒。タイミングよく猛烈な冷え込み。これから2月にかけてが最も寒い季節。
この冬は結構寒さが厳しい。神戸ではまだ氷が張るほどではないが、ここしばらく最高気温が10度を超えることはなさそうだ。
さて、息子の新しいWindows7は順調に稼動中。使い勝手はXPとほとんど変わらないという。ということは一般ユーザーにとっては見かけ上早くなった理由は、Windowsの性能向上なのかCPUの性能アップなのかはわからないということになろうか。
ただ、これまでの大きな違いはOutlook Expressを搭載しなくなったこと。確かにOEは評判が悪い。私に言わせるとプレビューウィンドウ表示などの初期設定をいやというほど変えないと使いにくくて仕方がない。Microsoft特有の「小さな親切大きなお世話」の象徴みたいな存在である。
OEがなくなった現在、Office付属のOutlookを使うか、他のフリーのメールソフト(例えばThunderbird)を使うか、選択が悩ましいところ。
今年中には私もメイン機とサーバー機を"7"に替えなければならないが、多分会社PCが春には交換になるだろうから、それを見た上でソフト・ハードの構成を考えても良い。それとCPUの性能アップがどうなるかも様子見である。

2013.01.04:

奇しくも昨日の話に関するニュースが流れた。
この三が日、百貨店の売上は福袋は好調だったものの他の売上は昨年を下回ったとのこと。やはりない袖は振れない庶民の懐を反映したものと言えよう。
話は変わって私がよく聞いているNHKラジオ第一の「香山リカのココロの美容液」のこと。
彼女の著書でモラル・ハラスメントに関するものが有名になったが、精神科医であることから、番組では女性心理を中にしたコメントを出してている。「セクハラ」、「パワハラ」と並んで「モラハラ」という言葉が流行化しているようだが、こんな言葉がはやっているような世の中は異常である。「モラハラ」の定義については詳しく書かない。読者にて検索されたい。
香山リカという名前はリカちゃん人形の「本名」だそうで、何となく人を食っている。精神科医としての彼女の本名は非公開。
番組では当然ながら女性心理に関わる悩みの話題が多いが、聞いていて感じるのは元ヨメの発想。
これは自分が何を考えているのかの自覚がない日本女性独特のものなのだろうが、他人の目を極端に気にすること、自分の行動が「皆と違う」ことを非常に嫌うことである。
これらのことについて私が元ヨメに「そういう発想でいいの?」と疑問を投げかけたことがあったが、彼女は疑問を呈することのみならず、疑問を感じることそのものに批判を加えた。つまり疑問を感じること自身が非常識なのである。
こういう彼女の発言に対して香山リカはなんと答えるだろう?

2013.01.03:

昨日の補足ならびに派生した話を。
国道2号線を歩いていると、いつもの年より車が多い感じがした。信号待ちをしている車の列がいずこも長いのである。
その原因を推測すると、このようなことになるのではないか。
近年は百貨店、スーパー、大型ショッピングセンターの新年の開店が早まっていて、2日からというのが圧倒的に多くなっている。中には元日からというのもある。しかも「福袋」があって、これまたそれを目掛けて殺到する客が少なくない。
従って車で買いに出る客も多い、というのが私が考えた図式である。
ところで明日4日からは役所関係を中心に初出勤するところが多い。ウチの会社は7日からである。

2013.01.02:

今日は毎年恒例の国道ウォーク。今年は昨年のように西宮でメロメロになることはなく、何とか尼崎まで余裕を持ってたどり着いた。
無理してその先へ進んでも、もしも足にけいれんを起こしてよれよれになって国道を走る阪神バスに乗り込んだら、乗客の視線を浴びることは必至。そんな恥はさらしたくない。
ということで尼崎からは阪神電車に乗って無事帰宅。今夜はすき焼きである。

2013.01.01:

皆様、明けましておめでとうございます。本年も「落書帖」をよろしくお願い申し上げます。
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寒いけれども晴れ渡った朝だった。
酒を飲みながら新年のカウントダウンを聞いた後に寝たので、今朝は遅い起床。雑煮を食べてから初詣を兼ねての散歩。腹は減らないので昼食は抜いた。お陰で夕食前の血糖値は極めて平穏。
昨夜の紅白歌合戦、印象的だったのはやはり美輪明宏の「ヨイトマケの唄」。小学校の頃、ラジオから良く流れた。まだフォークソングブームが来る前で、岡林信康の「山谷ブルース」よりももっと前である。
高度成長の真っ只中で、子供を支えた母親の苦労、それも肉体労働を題材にした作品は今聞いても心を打つ。人が生きるため、家族を支えるために働くことには、肉体労働と頭脳労働の貴賎の差はないのである。