悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

15.12


2015.12.31:

今年鬼籍に入った人のことを書く。
水木しげる、野坂昭如など、私が若い頃に名をはせた人達が高齢に達し、天寿を全うしていった。それは年齢から考えて仕方がないことだが、一方で萩原流行、川島なお美など、天寿とまでは言えない人達もこの世を去っている。
こうした中、私が注目したのはヴァイツセッカー元独大統領(Richard Karl Freiherr von Weizsäcker)である。
「ハフィントンポスト」でジャーナリストの波佐場 清が語っているのを始め、前回の首相談話を出した村山元首相以下、多くの人がヴァイツゼッカー演説と比べてのアベットラー70年談話を批判している。
この演説の一節、「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります」はあまりにも有名だが、日本では戦後の歴代保守政権が侵略戦争への反省を拒否し続け、アベットラーではそれが逆に戦前回帰の発想になってしまった。
今年は戦争法が強行採決され、ドイツとはあまりにかけ離れた道を歩もうとしているだけに、ヴァイツゼッカーの言葉が身に染みるのである。

2015.12.30:

昨夜は仕事納めで職場で一杯。かなり飲み食いしたためか今朝の血糖値は高かった。
さてその飲み会の途中、いつも重役が各職場に顔を出してひとしきり演説する。しかも全員を席から立たせてである。言う言葉はいつも同じで、「来年も頑張れ」である。「今年はご苦労様」とは言わない。
この重役、就任当初から部下の尻を叩くことに執心で、とにかく儲けろばかりである。東芝に限らず、最近の大企業では海外資本による利益主義がはびこっていて、村上ファンドではないが金だけをしこたま持っている経営の素人が、ROCとかROEとかのもっともらしい数字を使って尻を叩く。東芝経営陣は暴走してしまったが、他社でも経営陣は利益主義のプレッシャーを下に押し付けることが蔓延していると見てよい。
ところで前の重役は下に席を立たせることはしなかった。誰かが立ち上がろうとすると「そのまま、そのまま」と抑えた。彼は若い頃私と一緒に仕事をしたことがあるので性格はわかる。結構えげつないことも言うが、部下があれこれ言い訳を始めると「責任は俺が取るから言うとおりにやれ!」と言うのが口癖だった。
彼はその後社長レースにも加わらず、顧問を数年勤めてから辞めた。
さて、今年も残り30時間を切った。しかしこの日記は来年も続く。

2015.12.28:

今朝はぐっと冷え込んだので毛糸の帽子を被った。しかし足のほうは甘く見ていたのでパッチをはかずにいたが、これは失敗だった。
従軍慰安婦の問題で、日韓の合意が急転直下行われた。日本は謝罪と共に慰安婦に対する支援の金を出すと言う。またその交換条件として「最終的・不可逆的に解決した」、つまり話を二度と蒸し返さないということも合意された。
今までのアベットラーの侵略合理化の発言からすれば一歩前進と言っていいだろう。ここには来年の選挙に対する厳しい目もあるし、加えて、これは私個人の見方だが、アメリカから繰り返し従軍慰安婦は日本軍の強制で行われたことを認めろという圧力がかかっていたこともあるだろう。国連では既に決着済みの問題で、日本軍の関与と断罪が行われている、
ここには世界から、また日韓の両国民による不正常な関係を清算すべきという声の反映がある。
ただひとつ気になるのは、アベットラーが記者会見で、70年談話に含まれている「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という言葉を引用していることである。
今回の合意が従軍慰安婦について語っているものの、朝鮮半島を植民地にし、創始改名など民族抑圧を行った歴史を消え去ることは出来ない。またアジア全体に対する侵略の歴史も事実である。
よってこれからは対等平等の外交を行うと同時に、二度と侵略行為を行わないという確約がなければならないだろう。それはドイツが毎年繰り返し明言したことと同じものである。その一環として平和憲法を守ることも含まれることは言うまでもない。それこそ日本の国民が子々孫々受け継ぐべきものである。

2015.12.27:

今日は一日曇り空で寒かった。気温がほとんど上がらない。ようやく冬になった感じである。
寒いけれど外に出て買物の連続。年末の休みは2日間しかないから、野菜などの生もの以外はほぼ買い終えた。
今度の正月はあまり食わないだろう。私の食欲は落ちてきているし、息子もアルバイトで夜はほとんどいないから沢山料理を作っても仕方がないのである。アルバイト先は年中無休で、元旦のみ営業時間が短いだけ。しかも夜のシフトが基本だから夕食を一緒に食べることはあまりない。
ところでスーパーの客足はまだそれほど混んでいない。やはり多くの企業が休みになる29日からだろう。
もっとも休みを多く取っている人はすでに土曜日から旅行などに出かけている。

2015.12.26:

外に出ていて気付いたが、街路樹の銀杏の葉がまだ残っている。桜などはもちろん丸坊主だが、銀杏だけ今頃まで黄色いのは極めてまれである。
六甲の山裾でも常緑樹以外は全部落ちているはずだが、良く見ると赤や黄色が一部混じっている。
この冬はエルニーニョ宇野影響で暖冬だと予想されているが、それにしても変だ。すべてを温暖化で片付けるにしては極端に思える。
来週は例年通りの冷え込みだそうだが、さて年明けからはどうなることやら。

2015.12.25:

高浜原発再稼動問題で、再稼動の差し止め仮処分でについて最初は「NO」と出たものの、別の裁判官が「YES」とひっくり返してしまった。
最初の裁判官は「事故リスクを「ゼロ」にするよう目指すべき」として、原子力規制庁が作った基準を解釈したが、今度は「原発の耐震安全性を確保するための基準として信頼に足る」と解釈した。
この違いは明らかに基準はあくまで最低のものであってそこからもっと高い目標を目指すべきとするのか、現時点の基準がベターであればそれはやむを得ないという姿勢の違いである。
裁判所が品質ISOのことを勉強したのかどうかはわからないが、現在官民に関わらず取り入れられているISO9000シリーズの考え方は明らかに前者である。毎年の改善目標を決め、それを達成したら翌年はより高いものを目指すというらせん状の上昇サイクルを求めているのである。
そう考えると、現状に満足して「まあこれでいいじゃないか」という発想は甘いと言わざるを得ない。
今度の裁判官が鼻薬を処方されたとは言わないが、あまりに政府、電力会社を擁護する立場に立っていることを危惧する。

2015.12.24:

中国深圳市で発生した大規模な土砂崩れ、行方不明者の捜索はままならないようだ。また捜索の一方でこの問題の責任は誰にあるのかということも調査が始まっているようである。
だが、ネットでの話が政府の責任、批判になると途端に削除、閲覧禁止になる。これまでの数々の事故とか事件についての政府批判は絶対に許さないという当局の姿勢は目に余る。こんなことをやっているから中国には民主主義がないと世界中から叩かれるのである。
もっとも中国政府は蛙の面に小便、方針を変えるつもりはまったくない。国民を指導するのは最も秀でた集団である中国共産党の政府であって、一般国民ではないのである。ここまで極端な上から目線の政策は他国では見られないものである。
友人HPのアクセスログを見るとわかるが、どうやら中国を出入りするすべての信号は各省が常時監視するサーバー経由になっているようだ。だから政府に都合が悪いと見ると中国国内のページは削除、国外からのものは閲覧禁止にできるのである。
そういえば、先日HTTPのステータスコードに検閲による閲覧禁止を示す451を追加することが決定された。これによって政府が言論統制をやっていることが明らかになるので抑止力になることを期待しての措置である。
但し、中国政府がこれに反応して検閲をやめるかどうかはまったく不明である。

2015.12.23:

今日は天皇誕生日だが、会社は出勤日。しかし世間が休みなのに自分だけ出勤はけったくそ悪いから「自主的」に休んだ。
不思議なことに先代も含めて天皇誕生日は毎年出勤日になる。年間カレンダーの組合との協議で決まるのだが、それなりの理由があるようだ。
まず旧天皇誕生日(現「昭和の日」)だが、この日から子供の日までを休みにすると7連休となる。さすがに会社としては7連休は困るので、昭和の日を犠牲にし、メーデーの5月1日から子供の日の5月5日までの5連休を基本にする。前または後ろに土日が来ると7連休となるが、これには会社は文句をつけない。
一方の現天皇誕生日は、毎年盆休みを増やした「敵討ち」として出勤日にする。年末の忙しいときに独立した休日は無駄という考え方である。
ただ、天皇が代替わりになった場合、現皇太子の誕生日は2月23日だが、この時はどうするのだろう?
ちなみに、もし天皇誕生日が2月29日となった場合は、法律も含めて変則的なことになるかもしれない。

2015.12.22:

今日は冬至である。これから本格的な寒さが来るはずだが、今のところ最低気温が5度を下回るような日はない。ファンヒーターを出してはいるが、点火する時間はまだ少ない。
年の瀬も迫っていて、仕事のほうは最後の追い込み。今年最後の船積は今週末で終了。しかし一方で年明け早々の船積みが既に2件予定されていて、そのために資料の準備が忙しい。これも今週末くらいに船を決めてしまわないと、海上輸送関係の会社は税関の休み、つまり役所関係の仕事納めの28日と同時に休みに入る。
ウチの会社は毎年29日が仕事納め。年越しの用意はいつも2日間しかないからあわただしい。

2015.12.21:

19日に行われた安倍、菅、橋下、松井の会談の内容について、松井が概要を明らかにした。
松井によれば、憲法改正について話し合われたという。アベットラーは当然民主主義破壊の改悪を目論んでいるのだが、ハシズムは「統治機構改革」のための改憲という。
統治機構改革とは、おおさか維新の会の綱領にもあるが、首相公選制、国会を一院制変えることなどである。これらの理由は「決める政治にする」ということらしいが、冷静に考えれば非常に危険である。
確かに衆参の決議の「ねじれ」とか、大阪府と大阪市の不統一などあるが、これを即決するというのは所詮ファシズムでしかない。
民主主義は多様な意見を容認するのが基本である。だから意見が真っ二つに割れたら確かに集約は難しくなるし、いつまでも決まらないということはあり得る話である。現在はまさに憲法をはじめ、集団的自衛権、原発再稼動など、世論調査でも意見が拮抗している。だからといって誰かが鶴の一声でどちらかに決めると言うのは乱暴な話でしかない。それを憲法改正で簡単に片付けようというのだから、先に書いたごとくファシズムにならざるを得ないのである。
アベットラーも同様のファシズムの信奉者だから意見の一致をみるのだろうが、民主主義の観点からは許されないものである。そうでなくても小選挙区制によって戦争法はごり押しされ、多くの国民から反発を招いているのだ。反対意見を無視して決めるのであれば民主主義は死ぬ。

2015.12.20:

昨夜は友人HP編集委員の忘年会。どちらかというと飲むより食べるほうに神経が集中していた。というのも「飲み放題」だけでなく「食べ放題」とのセットになっていたからである。
さて、宴会の話題のひとつに「一体我々のHPはいつ始まったのか?」というのがあった。というのも当初のメンバーから入れ替わった人が結構いたからである。当初のメンバーも思い出せないという。
それで帰宅後調べたら約10年であった。それで思い出したのが初代リーダー。
彼はHPの作り方、もちろんFTPによるアップロードも含めて基礎的な知識はあったのだが、当初は変なことを口走る癖があった。例えばWordファイルをPDFにすれば簡単にHPが出来るというものであった。10年前だったらCPUの速度も遅かったから、ファイルが大きすぎて閲覧が遅くなるのでやめろと言って却下させた。
その後もメンバーとの折り合いが悪くて、辞任した。後で聞いたらうつ病の傾向があって、それで一時期入院したとのことだった。
今は何とか順調なHPだが、次に来るのは私の引退である。私が最年長で、いつまでもやっているわけにいかないから、引継ぎをする必要がある。幸いにして40代でITの仕事をやっていて、HTMLも理解できるとのことで今のリーダーが連れてきたものである。
ただ、さすがに自宅にサーバーを置いて原稿置場にすることまではやったことがないので、私が免許皆伝をする。それが終わるまで私は引退できないのである。

2015.12.18:

今世紀最大の無駄遣いとも考えられるリニア新幹線のトンネル工事の起工式が行われた。
甲府駅から南アルプス赤石岳付近の下を通り、飯田に抜ける。トンネルの上には最大1400mの標高差の山がのしかかる。
JR京葉線の東京地下駅の深さが地下30mだから、その違いがおわかりと思う。
こんな経験のない工事をやろうというのだからかなり無茶な話である。しかも中心部の土質がどんなものかもわかっていない。恐らくトンネル掘削機で掘るのだろうが、途中圧力で潰れたらどうするのだろうか。
ウチの会社ではトンネル工事用の機械も作っているので、掘削機のことも一部知っているが、一旦掘り始めたら後ろへ下がれない仕組みになっている。というのもトンネルを掘った後は壁に「セグメント」と呼ばれるコンクリートパネルを貼るので、それが機械の後部を阻むのである。逆に機械はその壁の断面部を利用して、機械と壁の間に油圧ジャッキをかませて前進できるようになっている。
だがこのトンネル掘進機が実際潰れた話を聞いたことがある。但し水島コンビナートで鹿島建設の掘削機の海底が崩れて機械が水没した話ではない。あれはセグメントを貼ったばかりの壁がまだ固まっていないうちに崩れたのであって、機械が土圧によって潰れたのではない。
さて話は戻る。
場所は東海北陸自動車道の飛騨トンネル。ここには先進抗(調査用、工事用、緊急避難の兼用である)と本坑(自動車が通る本線)の二本を掘ったのだが、先進坑の掘削機が途中で土崩れにあって完全にへしゃげたのである。
当然取り出すことは不可能だから。反対側の抗口から別の機械で掘ってトンネルを開通させたのである。この時も地質が100%事前にわかっていなかったので難航した。いわば手探りとなったのである。
リニア新幹線のトンネルの工期は10年とされるが、何の根拠もない。先に書いたように赤石岳の直下の土質がわかっていないためである。
大手ゼネコンはこれで大儲けをするだろう。予測できなかった部分は追加工事費としてJRからたんまりせしめればいからである。
そしてその費用は運賃に跳ね返る。しかし新幹線に比べてそれほど急ぐような旅行が必要な人はほとんどいないはずだから、赤字だけが残ることは容易に想像できる。

2015.12.17:

消費税の「軽減税率」の話から、自公は姑息なことを考えている。
例えば子育ての給付を来年度からやめるとしたり、代わりに老人に対して一回限りの給付を行うなどである。
こうしたその場しのぎで、かつ選挙のための目玉を作って票を掠め取ろうというのは、もはや政治ではない。
政治の基本は、老いも若きも、富める者も貧しき者も、安心して暮らせることにある。そういう意味での「一億総活躍」ならば大いに結構である。
しかし今の安倍政権にはそういう観点が全くなく、ひたすら富める者に金を渡し、貧しき者にはわずかな施しをしてありがたがらせるという手法を使っている。
我々は働きもせず、怠惰な生活をしているわけではない。しかし時として思わぬ災難がやってくる。天災だけでなく、夫が突如亡くなって妻と子供が路頭に迷うということもありうる。そういうときの救済、立ち直りを助けることなくして世の中は成り立たない。
だが、アベットラーは助けが必要な人達には「予算がない」として冷たい態度をとるのである。高齢化社会の問題でも、数十年前から団塊世代の老齢化はわかっていたはずで、それを今になっても対策を取らず、逆に無認可の老人施設が増えているのを放置したままにしている。
今回のように、消費税増税と法人税減税が同時に行われることに、後ろめたさのかけらもないのでは、日本の社会は荒れに荒れることが目に見えている。

2015.12.16:

今日、夫婦別姓についての最高裁判決が出たが、女性判事を中心に夫婦別姓は違憲としたものの、数の力で「違憲ではない」とした。しかもこの問題は国会の問題であると責任転嫁をしてしまった。
世界的趨勢は、国連でも決議されたように選択的夫婦別姓、すなわち同姓であるか別姓であるかは夫婦の自由に任せるという考え方に傾いている。
この問題はその国の慣習とか歴史に左右されるため、線引きは時代が変われば始終変わっている。日本でも庶民は姓を名乗ることを禁止された江戸時代を除いて、それ以前は自由であった。現在の法律で同姓を強制されたのは明治時代からである。
よく別姓反対派は「夫婦同姓は日本の伝統」と言うが、それは嘘である。
私個人としては選択的別姓に賛成である。やはりその選択は夫婦間の話し合いに任せるべきだろう。私が結婚したときは自然な流れというか法律で別姓は無理だったので私の姓に決めざるを得なかった。もっとも離婚後、元ヨメは私の姓をそのまま使うことにした。変えるのが面倒くさかったのだろう。私は何となく気分がよくなかったが、それは彼女の権利だから文句は言えない。
夫婦別姓で問題になるのが子供の姓だが、それも夫婦の選択にまかせるべきだろう。もし子供が大きくなってから姓を変えたいというのならば、裁判で変更可能な道を用意しておけばよい。もっとも姓が変わったからといって本人のアイデンティティーがなくなるとは思えないのだが。

2015.12.15:

12日に少し触れたが、アベノミクス(浜矩子・同志社大教授は「アホノミクス」と称している)は結局日本経済を破滅させているとしか思えない。
アベットラーの頭の中は、企業が儲ければそれが国民の購買力を上げる、いわゆる「トリクルダウン」で物価も上がり、景気も持続的に右肩上がりになるという単細胞で満ちている。
だが現実はそうなっていない。
物価も上がらず、GDPも足踏みなのに、それを無視した新・3本の矢でもっとひどいことをやっている。
これまでの企業の利益は株高、配当金が増えて一部金持ちを潤しただけで、労働者の賃金には回ってこないし、輸出も含めた景気がそれほど上がっていないので設備投資も振るわないのである。それゆえ、内部留保だけは急上昇している。
この上にまだ法人税減税をやろうというのだから、蓄蔵貨幣・財貨が猛烈に膨らむだけで、個人消費や設備投資などの経済活動には役に立たない。こんなことは正気の頭では絶対にできないことである。
もし最悪のシナリオをやるのであれば、それは軍事費を猛烈に増やすことである。軍事費にはGPSのような民間に転換できるわずかな例外を除いて、すべて再生産に寄与しない。耐用年数を過ぎた兵器は廃棄され、弾薬は破裂されて消える。
今の流れを見ると、アベットラーはその最悪のシナリオに目を向け始めたようだ。

2015.12.14:

フランスの地方選挙で2回目の投票が行われたが、1回目で躍進した極右政党・国民戦線(FN)は惨敗した。結論的に言うと、国民は極右が政権を握ることを危険視したものと考えられる。
パリのテロを足場に国民の不満を吸収してきた国民戦線だが、最近の極右の台頭にナチズムの匂いがすることに、フランス国民は戦前のドイツの悪夢を思い出したのかもしれない。
世界中でテロが頻発するその反動で、極右が一定程度支持される理由があるのだが、単純に「目には目を」という報復合戦は、確かに単純でわかりやすい。それとこのような単純化された論理は、ごちゃごちゃした議論を必要とせず、自分の頭で考えなくても済むのである。
しかも極右のリーダーたちは、ルペンにしろトランプにしろ、これまた「黒か白か」の2択でアジるから受けがよい。
しかし極右の論調に落とし穴があることは自明の理である。敵対と憎しみが産む究極の結果は「ホロコースト」である。人類はこのような悲劇を克服したのではなかったのか?
フランスでは極右が敗北したが、その根源にある移民問題をきっかけとした国民の不満は全面解決したわけではない。
貧困と差別がイスラム国のようなテロリズムを生んだのと同じで、先進国でも差別と貧困が増大していることが、極右を拡大させている原因のひとつである。
日本でもヘイトスピーチが問題になっているし、さらに問題なのはアベットラー極右軍団が政権を握っていることである。
アベットラーは日本の民主主義を破壊し、来年の参議院選挙で会見派が2/3の議席を取れば、当然のごとく憲法改悪を国会に上程してくるだろう。それはこれまでの各国の極右政党の台頭よりももっと悪い結果を招くはずである。

2015.12.13:

兄に歳暮を送ったのと入れ替わりに兄から歳暮が届いた。
これで歳末の行事は年賀状の作成と掃除、そして年末ぎりぎりの生鮮食品の買出しのみとなった。もっとも真空パックの餅とか賞味期限の長いものは先行して買うことにする。今年の仕事納めは29日、よって新年まで2日間しかないからである。

2015.12.12:

アベットラーは日本を滅茶苦茶に壊そうとしている。
ひとつはご存知の通り消費税増税問題。10%に上げると同時に軽減税率の話をやっているが、その範囲を巡って公明党との協議がなかなかまとまらず、遂には加工食品を含む食料品に適用することでほぼ決まったようだが、これまでのプロセスを見ていると、公明党の票欲しさプラス参院選での自民支持票低下を防ぐための党利党略であることが見えてくる。
しかも大手マスコミも一緒になって「軽減」という言葉を使うが、実態は「据置」である。「軽減」で下がるようなイメージを与えることがその意図であるが、消費税は8%から10%になるのであって、減税などではない。税収にすると5兆円規模の増加が4兆円くらいに減るだけで、増加そのものには変わらないのである。
そして腹立たしいことには、法人税減税を1年前倒しで20%台にするという。税収に換算すると1兆円規模の減税である。しかも減った分の財源については外形標準課税の強化でやるつもりらしいが、これは赤字の多い中小企業を直撃するだろう。
減税で賃金や設備投資に回せばいいと言うが、それを強制する法律もなく、現在の流れから言うと内部留保に消えるだけで、自ら豪語したGDP600兆円には程遠くなるだけである。
これを見ていると、庶民には4兆円の増税、大企業を中心に1兆円の減税という極めてえげつないことをやるのである。またこの点についてアベットラー以下自公政権は国民に頭を下げるそぶりすらない。国民をなめているのである。
また、アベットラーはインドに行って大企業のための受注交渉をやった。そして日本の新幹線の売り込み、原子力関連の技術協力を決めた。言っておくがインドは核拡散防止のNPTに加盟していない。軍用に転用しないことの念書を取ったようだが、隠れてやられてもわからないのである。
庶民を足蹴にしてアメリカ、大企業に徹底して奉仕するアベットラーに政権を担う能力はない。

2015.12.11:

私は感じなかったが、夜中に猛烈な風が吹いた。
朝の出勤時にイチョウの葉が大量に落ちていたり、民家の植木鉢が倒れていたので相当な風であったことを知った。
そして会社に出てからニュースを見ると、ルミナリエのアーチが倒壊してたことが出ていた。さらに午後にはJRの建設中新駅「摩耶」にあった作業用足場がこれも倒壊。
夜になってもJRは復旧していない。お陰で会社の帰りは振替輸送をしている阪神に乗ることになった。
冬型の気圧配置でもないのに、12月にこれだけの強風は珍しい。低気圧が太平洋側を通過しているので春一番が吹いたような感じがした。

2015.12.10:

作家の野坂昭如が亡くなった。
私には夜のTV番組で出ていた彼を、怪しい男のような雰囲気で見ていたが、彼の作品で直木賞を取った「火垂るの墓」が映画化されたものを見てから、彼が戦争孤児としてのこだわりを持ちながら生きてきたことを知った。
それをきっかけに「アメリカひじき」も読んだ。ストーリーは戦後アメリカ軍が落としていった物資の中に紅茶があり、それをひじきと勘違いして煮て食べるという話である。もちろん不味くて食べられない。
実は紅茶は戦前から日本製(日東紅茶)が売られていた。しかし庶民の口に入る価格ではなかったから知らなかったのも無理はない。今でこそペットボトル入りが多量に売られているが、戦後しばらくは輸入規制品だった。
彼が生まれた神戸の石屋川は、私の自宅からそう遠くないところにある。また石屋川には天井川の下を掘った日本最初の鉄道トンネルがあった場所でもある。
彼が亡くなったことで、戦後の面影がひとつ消えた気がする。

2015.12.09:

米大統領選の共和党指名候補争いの一人、暴言で有名なトランプがまたもや聞くに堪えない発言をした。
「米当局が問題を分析できるまでの間」イスラム教徒による米国への入国を完全に禁止することを提案したのである。
これは先日カリフォルニア州で起こった銃乱射事件を巡っての発言だが、さすがに国内外から非難の声が上がっている。身内の共和党内からも大統領候補にふさわしくないとの意見も。
しかし彼はこの発言を撤回せず、正当化する発言も行っている。その根拠として戦時中行った日系アメリカ人を収容所に送ったこと
ご存知の人も多いと思うが、この日系人収容は誤りであったと公式な謝罪と賠償が行われている。
もはやトランプはファシストと断言して差し支えない。「ハリー・ポッター」の作者、ローリング氏は「ボルデモート(悪の世界の支配者)よりも悪い」と評している。まさにその通りである。

2015.12.08:

昨日書いた維新の党の問題、急遽「協議離婚」すなわち解党が決まった。
はっきりしないが、実際の解散は来年の参議院選挙前と見られる。政党助成金は必要経費を除いて国に返金するという。
さて、これは見過ごすことが出来ない話が毎日新聞から出た。
特定秘密保護法成立前、会計検査院が法律成立前に3回にわたって条文の訂正を求めたという。根拠は憲法90条の国の収入支出の決算をすべて毎年、検査院が検査するとする規定に対し、秘密保護法は安全保障をタテに提出を拒むことができるとなっていたのである。
これに対して内閣官房は「もし求められれば出す」という通達を出すと約束したがまだ出ていない。
今の憲法は、戦前に軍関係の予算がほとんど闇の中になることが合法化された反省で、明朗会計を義務付けている。
しかし内閣官房のやり方は明らかに憲法をないがしろにするものである。
集団的自衛権の閣議決定、戦争法成立と、アベットラー極右内閣は憲法を次々と破壊してきたが、会計検査にまでも手をつけていたとは知らなかった。
折りしも今日は日米開戦の日。戦争に向かって立憲主義、民主主義を破壊する動きは一日でも早く止めなければならない。

2015.12.07:

政党の離合集散の季節である。
今年はちょっとパターンが違って、「日本を元気にする会」(実質的に猪木グループ)の中の一人が離党し、4人になってしまった。このままでは政党助成金がもらえない。彼らは抜けた穴を必死に埋めようと走り回るだろう。一方、離党者はどこにくっつくつもりだろうか。いずれも期限は年末までである。
他には維新の党と民主党が合併する話が飛んでいたが、結局時間切れで不成功。代わりに国会での統一会派を組むと言う。
もうひとつの問題は維新の党を抜けた大阪維新の会だが、実質分裂しているものの、印鑑問題などは残ったままで、円満に「協議離婚」せずに強引に政党の届出をするつもりだろうか?
このように、政党が急いでくっついたり離れたりするとすぐに軋みが出る。政党助成金のことしか頭にないので政策の違いの穴埋めは後回しになる。ところがこの違いはいつか出てくる。違う金属を接着剤でくっつけるのと同じで、無理な力がかかればすぐに外れる。ということで結局喧嘩別れをするのだが、別の連中とくっつくのがこれまたすったもんだした末に年末ぎりぎりになるので、また問題が後で出て来るのである。
あぶく銭にたかる政治屋がこれほど走り回る根源には政党助成金があることは明らか。政策を訴え、支持者からの浄財で活動しようという発想は皆無である。
政党助成金の制度は廃止するしかない。

2015.12.06:

兄へ歳暮を送った。年末年始のルーチンが進んでいる。年賀はがきも買った。残るは部屋の掃除、年末ぎりぎりの正月料理の準備である。
今年の会社の休みは30日からなので、今からやっておかないと2日間では足りない。
仕事のほうも注意を要する。年末年始の輸出はまずできない。理由は、官公庁と同じスケジュールで税関も休みになること、乙仲や船会社も休みに入るし、船会社そのものも日本の港に出入りする船便を欠航させるからである。
こうなると困るのが年明け直後の納期の船積。営業には年明け納期の注文は受けるなと口酸っぱく言っているのだが、客がそれを無視してくることもある。そういう場合は特急で年末までに船積するか、1月上旬納期ならば12月末に梱包まで完成させた上で、年始休み明け直後に出航する船を予約することになる。
今年はそういう仕事が例年よりも多い。困ったことだ。

2015.12.05:

マイナンバーの案内が来た。
全国的にそうだが配布が遅れていて、12月に入ってからである。こんな調子でやっていて本当にうまくいくのか、あちこちから不安の声が聞こえている。
そもそも無理に無理を重ねて、セキュリティーが不十分なままスタートするつもりらしい。しかし自治体での対応は遅れているようだし、そもそもデータの入ったサーバーがネットから見えるところもあるというからあきれる。攻撃してくれと言わんばかりである。同時に利用する民間側でも中小企業などはどうしたらいいかわからないところもある。データをしっかり管理できる人間がいない。大企業はともかく、中小企業ではマイナンバーだけでなく、データ管理を業者に丸投げするケースが多いかからベネッセ問題のようにシステム管理業者の下請、孫請を通じて漏洩することも有りうる。
結局マイナンバーは富士通とかNECなどの大手電子メーカーを儲けさせるネタを提供しているだけのようだ。高速道路のETCで三菱電機が大もうけしたのと同じ構図である。

2015.12.04:

今日はルミナリエ初日。今年からはLEDである。白熱灯とは違って光が硬くなるが、電気代の節約が優先した。毎年「今年で終わり」がささやかれたが何とか持ちこたえている。
同時に今日は職場の忘年会。相変わらず年の話が出ているが、私と同世代は4人、どこまで持つかはわからないが、自らギブアップするまでは誰も辞めないつもりである。そこから下の世代は10年くらい離れている。
そうなると問題になるのが仕事の継承。はっきり言って、我々の世代は職場の後輩だけでなく、他の部署の若者の教育も自然にやる羽目になる。その部署での先輩自身が弱体化しているためである。
これで会社の将来がどうなるか、それは私もわからないし、それを指導する立場でもない。それは会社経営陣の責任だからである。

2015.12.03:

今年の流行語だが、上位10位の中に政治問題が3つも含まれている。やはりこれは今の政治が大きな問題を含んでいることの反映に思われる。
この受賞に対して、右からは選考委員長が鳥越俊太郎だったことを批判している。特に澤地久枝氏の「アベ政治を許さない」を拡散した一人が鳥越氏だったことを激しく攻撃しているのである。
しかしこのスローガンは戦争法反対を訴える人達には良く知られていて、澤地氏が毎月3日にはこのカードを掲げることを提唱した。憲法記念日が5月3日、文化の日(憲法公布の日)が11月3日にちなんだとしている。
大手マスコミはほとんど無視しているが、集会では多くの人が大きなポスターを掲げている。A4版は澤地氏のHPに、A3版はセブンイレブンの有料ネット印刷で出力できる。
それだけ広まっている言葉を無視するほうがおかしい。それは毎週金曜日に行われていた国会前の集会をずっと無視していた大手マスコミが渋々取り上げるようになったことと似ている。
さて、「一億総活躍社会」はマスコミを含めてすこぶる評判が悪い。
この日記にも書いたが、高齢者にとって戦前を思わせる言葉になっていることもあるし、中身が空虚であることも災いしている。しかも政府が発表した「具体策」はこれまた中身がずさんで、財源をどう確保するのかがまったく触れられていないのである。
これは安倍政治の特徴であるが、国民から金を巻き上げる、あるいは給付するための財源を削減することに熱を上げていると言っていいだろう。今も消費税の低減税率で、自ら決めた自公合意を4000億円の枠内に押し込めて公明党から抵抗されていることはご存知の通り。しかも並行して法人税減税はさっさと決めるのである。だが今朝の新聞では企業の内部留保は300兆円を超えたとの報道があり、加えて設備投資は減っているとの政府統計なのである。利益は懐にがっぽり溜め込んで、賃金にも設備投資にも回さない守銭奴の体質が見えている。それに対して法人税減税というのは泥棒に追い銭そのものである。まさにアベットラーの本質が見えている。
さて、大賞の3つめ、「SEALDs」はグループの名前だから論評は困難であることだけ書いておく。

2015.12.02:

私は年末で一応「9回裏」、現役引退である。
・・・・と言うべきところだが、現実は定年後も65歳まで再雇用の道があって、「延長戦」に入る。
最近出来た法律で、「希望者は全員65歳まで雇うこと」となったため、どこの企業でも定年後は65歳まで働き続けることができる。年金の支給開始年齢が65歳に順次引き上げられるための救済措置が図られたのである。
もっともトヨタは来年から定年を65歳にすることで労使協議に入ることとなった。
考えたら、私は就職以来一度も転職をしていない。よくもまあ40年以上も同じ会社にいたものだ。今の若者には考えられない話である。
正直なところ私は転職するチャンスがほとんどなかった。20代は出張が多く、30〜40代は代役がいない一人だけの仕事。経営不振で希望退職の話もあったが、上司から「辞めないでくれ」と言われてそのまま居座った。そして50を過ぎてからは中高年の転職先はほとんどないから辞める気にはならなかったのである。一方では「ぜひウチの会社に来てくれ」と乞われたこともなかったのだが。
それとこれは私の考え方の根底にあるのだが、「辞めて解決する話など世の中にはほとんどない」という現実を見据えていたのである。実際、日本では転職して賃金が上がることなどごくわずかなのである。
ここは元ヨメとはまったく正反対で、安易に「辞めたら問題は解決する」となって、その実は解決したためしがないことを見てきたから、私の目に狂いはなかったと自負している。痩せても枯れても大企業、定年まで勤めれば食うに困らない、そうなったのである。
私のような働き方が何人にも通用するかはわからない。しかしこれもまたひとつの人生なのだろう。

2015.12.01:

世界経済フォーラムが毎年発表している男女格差に関する調査で、日本は今年も下から数えたほうが早い145カ国中の101位。中国よりも低いランクである。
この格差の根源にあるもっとも大きな要因は賃金格差と長時間労働だろう。
非正規も含めて日本の男女賃金格差はひどく、女性は男性の約半分である。だから女性の経済的自立はほとんど不可能に近い。
もうひとつの問題は長時間労働によって家事や子育ての時間がほとんど取れないこと。特に男性の長時間労働が女性に家事、子育ての負担を押し付けることになるために、働きに出られないのである。女性の側でも子供を預ける場所も金もないからダブルパンチになる。
こうした傾向は一向に改善されそうもない。前近代的な「男は外、女は家」という思想がまだまだ根強い社会でもあるし、上に揚げた問題については政府が本気で取り組まないからである。
アベットラーは「女性が活躍する時代」と言うが、実際は「企業にとって使いやすい女性」であって、低賃金、長時間労働を改善するための取り組みは何一つやる気がないのである。
ところで私の元ヨメは信じられないくらいの、本気で働く気がない「転職バッタ」だった。
とにかく、新しい仕事を見つけても出勤初日から「辞めさせられたらどうしよう」と言う言葉を連発する。そして何か職場でうまくいかないことがあれば辞めようとする。私は「少しのことなら我慢して続けては?」と言ってもダメであった。その証拠に、通勤定期券は1ヶ月しか買わなかった。
そのことを指摘したら、「何でそこまでして働かないといけないのよ!」と怒る始末だった。
ここには彼女が口にしない現実があった。つまり「働かなくても食える」現実である。働かなくても私の賃金に頼ればいいのである。さすがに口が裂けてもこれを口にすることはしなかった。一旦口にすれば、痛いところを衝かれて逆上するかも知れないと思ったからである。
彼女のような現状安住する人はさておき、やはり社会全体としては女性が生き生きする社会にせねばならない。