悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

15.10


2015.10.31:

通信手段の歴史について書く。もっとも70年代以前の話は若い人にはもはや教科書にしか出てこない話なので割愛する。
70年代、私が社会人になった頃は電話が中心で、一部に電報も使われた。仕事では主にテレックス。
電報は電報電話局に行って専用の用紙にカタカナ(のみ)で電文を書くと、字数に応じて料金が取られた。そして局員が相手の電話局に電話して電文を読み上げる。このときに使う文字の読み上げ方は語呂合わせのようになっていて面白かった。こんな感じである。
朝日のア いろはのイ 上野のウ 英語のエ 大阪のオ・・・
相手局では局員が電文を用紙の上にタイプライターで打って、自転車などで相手先に運ぶのである。
テレックスはアルファベットのタイプライターで穿孔テープを作り、それを読み取り機にかけるとモールス信号に変換され、電話線を通じて相手先にある受信機上に印字されると同時に穿孔テープが出力されるのである。よって発信、受信側双方にテレックス端末が必要だった。
その頃FAXもあったが、まだ船舶に無線で天気図などを送ることが中心で、受信機には専用用紙の上に円盤が回っていて、印字ドットが来ると用紙と円盤の間に火花が飛んで黒くなるという仕掛けだった。
それが90年代以降激変する。
電話線を使ったFAX通信、それがインターネット通信に変わり、さらには電子メール、携帯電話の普及で通信速度は猛烈に上昇したのである。
そういえば携帯電話も70年以前にあったが、鉛バッテリーとダイヤル式電話器を組み合わせたものでやたら重いものだった。主に新聞記者などが使った。
私がインターネットに加入したのは98年。同時にこのHPを始めたが、当時の加入者数は約800万人、それがすぐに1000万人を超え今や1億人を突破した。それに伴って生活の質もガラリと変わった。目立つのはネット通販とかオークション。これは便利なほうだが、ネット上で偽の情報を流したり誹謗中傷をして、それが全世界に拡散してしまうというマイナス面も出てきた。
ともあれ通信手段の進歩はわずか数十年でこれだけの変化をもたらしたのである。

2015.10.30:

またも沖縄を踏みにじる行為が続く。
ひとつは、普天間にある米軍のオスプレイの訓練を佐賀空港に移す話が出ていたものを引っ込めたこと。
政府は「地元の合意が必要」としているが、「オスプレイは来るな」という沖縄県民大多数の声は無視するが佐賀では計画を引っ込めるという二重基準もいいところ。翁長知事はカンカンである。
一説によれば佐賀県の選挙は自民党の牙城で、玄海原発再稼動、TPP合意に加えてオスプレイでは来年の参院選はたたかえないとの読みがあるという。本当なら佐賀・沖縄両県民をバカにした話である。
次は辺野古の工事差し止め問題。
15日の日記に書いたが、予想通り裁判に持ち込まれることは避けられなくなった。
沖縄県は埋め立て承認取り消しの効力を国交相が停止したことについて「国地方係争処理委員会」へ審査を申し立てる予定である。一方国側は埋め立て工事に本格着手しするとともに、県の承認取り消しを撤回させるために知事に代わって撤回の強制代執行の手続きをするという。
いよいよ抜き差しならない事態になる。もちろん激しい対立の原因を作ったのはアベットラー極右政府である。

2015.10.29:

少しだけドイツ語の話。
先日あるTV番組でドイツのサッカーリーグに所属するチームの名前について、Leverkusenを「レバークーゼン」と読んでいた。明らかな間違いである。正しくは「レーファークーゼン」。
ドイツ語の"V"は"F"と発音する。他に英語と違うのは、"W"が"V"、"J"が"Y"になることである。だから、大都市の「ハノーバー」の発音は「ハノーファー」、ヒットラーがぶっ壊した「ワイマール憲法」は「ヴァイマール憲法」が正しい。日本流に発音したらドイツ人は間違いなく変な顔をする。
昔にも書いたことがあるが、「ドイツ語の発音は硬い」というイメージを作ったのはヒットラーの絶叫演説が災いしている。本当は発音がはっきりしていて聞きやすい。英語や、口を大きく開けることがないフランス語に比べればわかりやすいのである。
ただ、ドイツ語の最大の難点は「ウムラウト」(母音の頭に点々がついているやつ)の発音と、名詞に男性・女性・中性の種類の性別が存在することである。しかも冠詞と形容詞は続く名詞の性に引っ張られて語尾が変化する。さらには英語と同じく格変化が加わるから、ひとつの形容詞には12種類の語尾変化が存在するのである。これはドイツ人でも迷うようで、若者あるいは移民がこの違いを区別できないと嘆く向きもあるくらいだ。

2015.10.28:

最近ウチの職場では実際のジョブ番号に割り当てている時間が他の職場に比べて少ないと幹部が指摘した。
しかしおかしな話である。
まず、受注したジョブの実行予算を作るとき、採算がきびしい、あるいは利益を上げるためにウチの職場のような間接的仕事をやっているところには割り当てられる時間を絞ってくる。ところが実際には予期しない仕事、特に突発的なトラブル処理があり、その後始末をやらされる。例えば大きなプラントを受注し、最終段になって不足した品物や壊れた部品を宅急便で送る仕事が出てくる。そのたびに輸送費の出費が増えるとともに荷造りなどの時間が増えるのだが、ジョブ番号の予算は増えないので間接的な仕事の時間を使うのである。そして上司は割り当て工数を増やすことを予算管理をしている部署に申し入れない。だから見かけだけはジョブ番号で消化している時間は少ないのである。
そこで現在不足分がどれくらいあるか実態調査を始めた。足らなければ追加予算をむしり取る作戦である。
だが実態調査は結構面相臭い。仕事をやりながらどのジョブに従事したかを1時間刻みで記録しないといけないのである。
だが大義名分を作るにはそれなりの証拠が要る。しばらくは続けるしかない。

2015.10.27:

アメリカの艦船が南沙諸島を通過した。中国が「領土」と主張する人口島から12海里以内、つまり国際法上領海とされる区域内である。
実はアメリカの船は横須賀に駐留しているイージス艦「ラーセン」である。アメリカの軍事行動に日本が強く組み込まれていることを物語るものである。
このアメリカの行為に、早速スガッペルスは支持を表明した。そうなると、もし米中が何かのはずみで戦闘を始めたら戦争法によって参戦することができるようになる。また、場合によっては最悪の事態に備えてアメリカが準備する核兵器を運ぶことになることもありえるのである。アベットラーは国会で、法律上禁止されていない核兵器を輸送するのは「ありえない」と答弁したが、今回の事態はそれが現実味を帯びてきた。
一方の中国だが、今のところアメリカに自制を求めるという趣旨の発言をしている。挑発だとして戦争準備に入るまでには至っていない。だがこれからどう変わるかは予断を許さない。
本来ならこういう時こそ平和日本が間に入って仲裁するなどすればいいのだが、今や兵器を持って中国を攻撃できる法律を作ってしまったから、戦争のリスクは戦争法成立前より高くなっているのである。だから言わんこっちゃない!!

2015.10.26:

宮城県議選で自民が4議席減らし、それを穴埋めするかのように共産党が4議席増、すなわちこれまでの2倍を獲得した。
少し前の仙台市議選でも共産党が議席を伸ばしたが、最近の政策の焦点である震災復興、戦争法、TPPと、どちらが住民のためになるかがはっきり選択されたのである。共産党以外は住民に根を持たないから増えない。これも政党助成金に頼っているということの結果の表れだろう。
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伊方原発の再稼動が、愛媛県知事の合意によって決まった。
これで川内1、2号機に続いて3基目である。しかしマスコミは書かないが、伊方3号機は使用済みウラン・プルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うことが予想されている。MOXはこれまでろくな実験もしていないし、ウランだけの燃料と挙動が違っているので事故のリスクは高くなる。愛媛県知事はそのことを理解しているかどうかは知らないが、目先の補助金、地元企業を潤すことに心を奪われたのだろう。極めて残念である
原発再稼動は事故のリスクの問題と共に、いわゆる「核のゴミ」問題、すなわち「トイレのないマンション」がますます深刻になることが予想される。
政府・電力会社は「核燃料サイクル」で循環できるからという甘い考えでいたが、六ヶ所村の再処理工場も高速増殖炉「もんじゅ」も動かないままで、サイクルが途中で切れたまま、糞詰まりの状態のなっている。そしていずれも稼動の見通しはまったく見えないのである。そういう状態で原発再稼動をしたらゴミは増えるばかりで、各原発にある燃料プールは10年以内に満杯になると予想されている。
それでも無理して再稼動をし、いずれサイクルが復活するだろうという甘い見通しをするのであれば、結局「後は野となれ山となれ」という無責任極まりない、えげつない考え方をしていると断定せざるを得ない。
原発再稼動はやめろ!というのは国民の多数の声である。

2015.10.24:

維新の党は分裂し、もはや元の鞘に収まることはないだろう。
元が寄り合い所帯だからちょっとしたきっかけで分裂する。そもそもはこれも寄り合い所帯の石原慎太郎のグループと新興勢力のハシズム大阪維新の会が、数が多い方がいいし政党助成金が沢山もらえるからくっついたもので、サル山のボス争いと同じである。ただ、メンバーの多くがアベットラーと似て、極右という点では一致している。
しかしきっかけはどうでもいいことで、何か問題が出たら一気に崩れただけの話である。
それにしても醜い。彼らの究極の目的は金である。円満解決の道を選ばず、政党助成金の通帳と印鑑を大阪側が握っていたことが争いを余計に激しいものにした。活動資金を支持者からの寄付によらず、政党助成金が大きなウェイトを占めるからである。こういう体質は助成金を拒否している共産党以外は自民党以下皆同じである。
こういうことをやっていれば来年の参議院選挙は大敗するだろう。もちろんハシズムも同じで、来る大阪府知事、市長選挙も危ない。
だが日本の政治にとって、国民そっちのけでボス争いをし、しかも極右勢力とあればそれは崩壊するのが望ましい。

2015.10.23:

現在マンションなどを支えている杭の工事で旭化成が槍玉に上がっているが、実はその裏でかすんでいるが大きな問題がある。
マスコミ報道でも出ていたが、道路などの橋桁が地震で落下しないよう、橋桁と橋脚をつなぐ金物に溶接が不十分なものが発見されたのである。
実はウチの会社も橋関連の仕事をしていたことがあって、問題のメーカー製の金具を取り付けたものがいくつかあった。当然国交省とか自治体から問い合わせがあったが、仕事から撤退したのをきっかけに問題のある金物の資料が大量に廃却されたのでほとんど不明になっている。
よって問い合わせには「不明」と回答することがほとんど。何しろ当時の設計陣は解散していて生き残りもほとんどいない。しかも10年前くらいの話だから退職者も出ている。
金物自身をウチの会社は作っていなくて、下請として買った問題のメーカー製だから真相はメーカー以外はわからない。だが国交省とか自治体にすれば重要な安全装置だから実情を調べるので必死になって手当たり次第に問い合わせをする。
他人事だが心が痛む話である。

2015.10.22:

アベットラーが外交に出た。しかし国際会議があるわけでもなく目的は不明確である。実はここに彼の胡散臭さがある。マスコミもあまり突っ込まない。
理由は大企業の連中が彼と同じスケジュールで行動して訪問国で営業活動をやるからである。というかアベットラーの本当の目的はそういう営業活動のサポートをやることである。早い話が番頭である。マスコミも広告料のことがあるから腰が引ける。
以前も彼はロシアとかトルコなどで同様の行脚をしている。特にトルコでは原発の売り込みに成功した。
ウチのような大企業には、アベットラーが外交に出る前に同行しないかと必ず声がかかる。相手国がウチの製品に興味を持っている、あるいは既に買ってもらっているとあればすぐに話に飛びつくのである。実は今回も訪問国のひとつで重役が先に行ってアベットラーを待ち受けている。
今まで首相が外遊のたびに大企業の有象無象を、金魚の糞よろしくぞろぞろ連れて行くような話は聞いたことがない。もちろん歴代首相もそのようなケースがなかったわけではないが、アベットラーのように毎回随行団を引き連れていくのは異常である。
このように、彼は輸出大企業に奉仕することで景気が良くなるという考え方の単細胞である。国内でGDPが低迷していても気にならない、つまり「三本の矢」が失敗しようとしまいと、アドバルーンを上げて人気を取ること、大企業を肥え太らせることだけが目的なのである。

2015.10.21:

アベットラー極右内閣の大企業奉仕がまたあらわになった。今度は法人税減税である。
政府・自民党は、財源が全額確保できなくても先行して減税する「先行減税」を実施し、今年度2.51%引き下げたのに続き、来年度は、さらに0.78%以上引き下げ31.33%以下とする方針を提案した。
消費税の低減税率には「社会保障の財源が減る」と反対し、今度は低減幅を8%から9%に圧縮することも口にしている。
既にこれまでの法人税減税分と消費税増税分はほぼ同一になっており、社会保障の財源云々は嘘なのである。
加えて復興特別法人税の1年前倒し廃止をやっており、この上にまたぞろ法人税減税なのである。
庶民を踏みつけにしてでも大企業にはお手盛りで奉仕するなど、はらわたが煮えくり返る思いである。

2015.10.20:

TPPの大筋合意で政府はあれこれ小手先で国内の農水産物に対する施策を模索しているようだが、根本的にTPPは問題があるのでうまくいくはずがない。
そもそも政府は輸出と輸入で相殺できるというような考えでやってきているが、輸出で得をするのは工業製品、輸入で損をするのは農水産物であることを全く無視している。しかもアメリカいいなりだからまったく話にならない。
農水産物の輸出競争力をつければいいという安易なことを言う人もいるが、日本の農業はアメリカのような大規模化できる条件はまったくない。Google Mapで見ればわかるが、アメリカ中部あたりでは土地を碁盤目に区切って境目に道路を走らせることが数10キロ、数100キロも続いているのである。大農化をめざした八郎潟の干拓地でもまったく及ばない面積である。しかも減反政策で農地を荒れ放題にしてしまっているから、簡単には戻らない。
それともうひとつ、元来各国の農産物は自国の消費に回るのがほとんどで、輸出をあてにした農業を営んでいるのはアメリカをはじめ数カ国に過ぎない。だから国際市場の価格は天候などに左右されて乱高下を繰り返す。以前日本が米不足で輸入を増やしたとき、米を輸入に頼っているネパールは価格高騰でクレームをつけたことがあるくらいだ。
これを日本が大量の農産物を買って国内の農業を弱体化した後、輸入に頼る政策をすれば価格高騰に対してそれがそのまま日本国内の供給不足を補うことはできなくなり、価格高騰がそのまま国内価格に反映するのである。
また、安全性の基準も日本に合わせることを放棄すれば、基準以下とか遺伝子組み換えの農産物が野放しになる恐れがある。
いずれにせよ、輸出大企業だけが潤い、農水産物が大打撃を受けるような協定は日本国民を窮地に陥れるものでしかない。

2015.10.19:

今日は日本の民主主義、立憲主義が破壊されてからの「月命日」。昨夜と今夜も東京では集会が開かれている。
それにしても、あれ以来アベットラー極右軍団は国民の声を無視した言動、行動を続けている。消費税低減税率を「面倒臭い」と発言、原発再稼動、内閣改造後の国会を開かない、辺野古問題での行政不服申し立て、TPP合意による農漁業破壊、大臣の靖国参拝、等々。
アベットラー自身も靖国に真榊奉納、そして昨日は現役首相始めての米空母搭乗と、はしゃいでいる。
明らかに国民をなめきっている。国民の声に沿ってではなく、国民を従わせるという露骨な上から目線の政策を続けている。
これに対して国民は黙っていない。集会もそうだし、これから非暴力・非服従の嵐が起こるだろう。それに向かって野党の結束ができつつある。まずは臨時国会の開催である。アベットラーは国会で答弁に行き詰るのを避けようとしているが、それは許さない。

2015.10.18:

先々週くらいから、夕食後就寝するまでの間のコーヒーを、2杯から1杯に減らした。普通のカップではない。特大のマグカップである。
これまで気になっていたのは夜中に用足しで何度も起きてしまうこと。しかも就寝から2〜3時間は朦朧とした状態で変な夢ばかり見ていた。
この原因はひょっとしたらコーヒーに含まれるカフェインが影響しているのではと考え、試しにコーヒーの量を減らしてみたのである。
結果は予想通りで、用足しの回数が減り、夢も見ずに熟睡できるようになった。またその影響か、昼間に猛烈な睡魔が襲うことも減った。これでコーヒーがあく影響していることがわかった。だからといってコーヒーを断つつもりはない。血糖値の上昇を抑制する効果があるからである。
薬と同じで、作用と副作用が同時に出現することは当然のことで、そのバランスを保つことが大切である。

2015.10.17:

横浜のマンションで杭の長さが不足していた問題、さらには杭を固定するためのコンクリート量が不足していたことも明らかになった。
実際に施工した旭化成建材の担当者によるものとされるが、真相はまだ不明である。建て替えの方向で処理するようだが、住民は原因不明の状態に苛立っている。
それにしても今回の問題は典型的なモラルハザードである。フォルクスワーゲンを始め、東洋ゴム工業も再度の不良製品を出していることがわかった。
私の若い頃に比べてこれだけ立て続けに発覚するのには何らかの共通した原因があると見るべきだろう。
昔の例としては、ある造船所で船体の溶接をするときに、何回かに分けて肉盛をすべきところを溶接棒を埋め込んで回数を減らした例があった。また韓国では川にかかる橋で溶接部分の強度を保つために接合部をV型にカットしてから溶接すべきところを、何もせずに溶接したために橋が落下することも起きている。
直接的には「手抜き」、すなわち時間内に作業を終了させるためとか、作業者が楽をしたいという衝動にかられて起こしたものが多い。しかし今回の場合、若干これまでとは違うような感じがする。現時点でははっきりしないが、何か叱責とかイジメを受けたその報復も含まれることもありうるのではないか。
このような報復は食品への異物混入に見られる。私が親父から聞いた話だが、戦前の軍隊では上等兵向の食事の中にフケを多量に入れることがあったという。これも報復の典型である。
それにしても最近のモラルハザードが増えている原因には利益優先、工期優先のものすごいプレッシャーがあるのではないか。また労働者の側にもプライドの低下、すなわち頑張っても評価されない現実にやる気を失っている例が多い気がする。
しかし責任の重さから言うと、私は経営者側の責任をより多くみるべきと思っている。その例証としてはブラック企業の存在がある。
ブラック企業は、金儲けのためには違法行為を行うことは仕方がない、ひどいのは労働者の人権を侵す違法行為を当然視するケースがあること。こうなると労働者の側も権利意識、責任感が薄れ、次第に「どうでもいいや」という雰囲気になっていくのである。
本来なら労働組合が会社側の目付け役にならないといけないのだが、日本の右寄り組合は会社側の無理難題の防波堤になるどころか、会社と一緒になって利益優先を唱えているのが現実である。
さて、マンション問題に戻るが、早急に取り組むべきは第3者による原因調査と住民への説明だろう。説明が不十分なまま「ハイ、建て替えします」では住民は会社に対する不信感はぬぐえない。

2015.10.16:

麻生太郎が「低減税率は面倒くさい」と発言したことが問題になっているが、そもそも消費税を10%に上げる話を決めたときに公明党との合意で低減税率を公約したはず。それを今になって面倒臭いとは何事か。
財務省の還付案が総スカンを食って引っ込めざるを得なくなったことが原因だが、自らの公約を守る気がないのではどうしようもない。本当にアベットラー極右軍団は自分勝手だ。
確かに複数税率にすると、一般商店では税金の仕分け・経理処理が大変になる。しかし百貨店などでは電算システムを使ったら簡単にできるはず。百貨店協会は軽減税率に反対しているようだが理解に苦しむ。
そもそも複数税率は諸外国でやっており、出来ない話ではない。もし煩雑さを避けるというのなら現在でも存在している非課税を拡大することに単純化してしまえば話は簡単になる。それができないのは庶民から税をむしりとるという実に安易な徴税方法の味が忘れられないからである。しかも経団連は消費税増税と引き換えに法人税減税をしつこく要求している。
税収が苦しいというのなら法人税減税をやめ、巨大な内部留保を吐き出させて賃金や設備投資に回せばよい。そうすれば」税収は増えるしGDPの成長にも役立つ。大企業を中心に溜め込んだ内部留保は300兆円を超えている。この10%を出すだけでも経済効果は抜群。日本の内部留保はOECDの事務総長が批判したようにためすぎである。死に金をためて何をするのか。万が一に備えての預金という理屈を言う経営者がいるが、今の内部留保は預金というレベルをはるかに超えている。

2015.10.15:

昨日書いた沖縄県と国との対立だが、このまま辺野古埋め立て許可問題が司法の場に持ち込まれたら、全面対決となり、抜き差しならない関係になるだろう。
しかしこの対立のそもそもの発端は先の戦争で沖縄を見殺しにし、その後アメリカが占領軍としてやりたい放題、国はそんな沖縄をろくに救いもしないまま本土復帰したこと。復帰で沖縄県民は国の保護を一定程度受けることを期待したが、逆に米軍基地を強化することの手助けばかりとなって、何一つ県民の苦しみが緩和されることはなかった。そして辺野古である。
もはや我慢ならないということで、翁長知事を先頭にした行動はもう止まらない。いくらかでも国が譲歩すれば多少は和らぐのだが、アベットラーは意地でも譲るつもりはないから、遂には最後の切り札、すなわち沖縄独立が視野に入ることになるだろう。
現時点ではまだそのような声が表面化してはいないが、司法の場でも国を有利に導くならば沖縄の選択肢は狭まる。
国際法上、独立は可能である。背景は異なるが、最近では東ティモールの例がある。インドネシアによる強制的な併合が原因とはいえ、国連主導による住民投票を実施し、独立が承認されたというプロセスは沖縄でも適用可能と考える。
とにかく沖縄にとって米軍基地は重荷でしかない。それを国が取り除くどころかますます負担が増えていくことは許容の限度を超えている、そう沖縄は危機感をもって抗議しているのである。その抗議が受け付けられないなら、重圧となっている国のくびきから解放されたいと考えることは極めて当然のことである。
沖縄独立を煽るつもりはないが、対立がなおいっそう激しくなるならば、沖縄県民の心は独立に傾くことは想像に難くないのである。

2015.10.14:

辺野古埋め立て許可問題で昨日翁長知事が埋め立て承認を取り消したが、それに対して沖縄防衛局は国土交通省に対して取り消しの無効を求める行政不服審査請求を行った。
これには呆れるしかない。
翁長知事は記者会見で、「承認を取り消した翌日に審査請求を行うのは、新基地ありきの政府の強硬姿勢を端的に示すもの」と述べた。
また不服審査請求について「同じ内閣の一員である国土交通大臣に審査請求を行うことは不当というほかなく、法の運用上、悪しき前例になるものと考えている」とも語った。
この不服審査請求という制度は本来私人が行政の執行に対して意義を唱えることを可能にしたもので、国の一機関が政府に訴えることを前提にした法律ではない。もしこのようなことをすれば、身内が身内に訴えているのと同じで、身内をかばう結論になることは火を見るよりも明らか。
想定されていない条件を元に提訴できるならば法治主義は成り立たなくなる。つまり国の勝手のやり放題になるのである。翁長知事はそのことを「悪しき前例」と批判した。
このような国に都合のよい勝手な解釈は、集団的自衛権行使の閣議決定とか、戦争法の合理化のために砂川判決を利用したことにも見られる。
このような手口は絶対に許されない。アベットラー極右軍団は憲法までをも勝手に捻じ曲げて国の組織を私物化し、アメリカと財界に奉仕する組織に作り変えようとしている。これはナチスと瓜二つではないか。

2015.10.13:

南京大虐殺が世界記憶遺産に登録されたことで、アベットラー極右軍団のスガッペルス宣伝相がユネスコとか中国に噛み付いた。
ユネスコに対しては拠出金を止めることまで考えるとの脅しであるが、世界から見たら下品かつ無謀極まりない発言である。自分が気に入らないことを言われて駄々をこねる子供じみた対応である。
南京大虐殺は、犠牲者の数に調査によるばらつきがあるのが難点だが、事実そのもので争う余地のないものである。ただ中国からの申請で少し大げさに書かれた点はあるにせよ、大騒ぎするようなことではない。しかしアベットラー極右軍団には日本の侵略行為を何としても否定したい意図があるからわめくのである。本当に世界に対して情けない。
彼らの発想にはアジアに対する優越感と侮蔑がある。
アメリカに対しては「太平洋戦争は挑発だ」とか「極東軍事裁判は戦勝国の一方的論理だ」とか言うが、ちょっとたしなめられるとすぐに静かになる。こういう対応の差は明らかにいじめっ子の行動様式、すなわち強いものには下手に出るが、弱いものには威張り散らすことに似ている。
日本政府が明確にアジアに対して侵略戦争を認め、謝罪するならば問題は基本的に解決する。それをしないからいつまでもしこりが残り、それを指摘されてむきになっているのでは、いつまでもいがみ合いは終わらない。

2015.10.12:

ちょっと柿が安かったので買った。但し種無しである。
種無しの品種は基本的に渋柿なので、熟成させて甘くしてある。だから身が少し柔らかい。
最近は、子供の頃からあった種無しスイカだけでなく、ぶどう、柿も種無しが売られるようになった。種無しの作り方はスイカのようにホルモン剤をかけるものや、種無しの品種が存在するものなどさまざま。最初から種無しの品種は種のある品種に接木して毎年出荷するとのこと。バナナは株分けである。
ところで糖分が多い果物は私には要注意。果糖は吸収がよいので血糖値が急上昇するのである。

2015.10.10:

野菜の値段が落ち着いてきた。家計的には少し楽になった。
また秋らしく、色々な果物が店頭を飾っている。梨、りんご、ぶどう、柿、そして早生みかんも出始めている。
ところでTPPの基本合意で農産物の関税が軒並み下がることになったが、単純に喜べない。国内の農家にはかなりの打撃があるはず。マスコミの論調はどちらかというと農家に冷たい。読売・産経ならずとも財界寄りが基本だから。それは広告収入が絡むからである。
しかしもうひとつの問題は、輸入農産物の安全性、すなわち農薬とか遺伝子組み換えの基準が日本の法律に合格しているかどうかである。マスコミはその点にまったくふれていない。
TPPは所詮アメリカのごり押しの舞台である。参加国のうち、日米のGDPが9割を超えるからであり、アメリカは日本を従属させているからやりたい放題である。さすがに他の国もこれには大いに不満を持っていて、合意がかなり遅れた。
でも本質的にはアメリカの製品をもっと買えということでしかない。
アベットラーは軍事でも経済でもアメリカにひざまずき、いいなりになることに喜びを感じているようだ。

2015.10.09:

毎日新聞の調査によれば、安倍内閣改造を「評価する」が39%に対して「評価しない」が47%になった。
これまでも「お友達内閣」といわれた顔ぶれだったが、改造してもその性格は変わっていない。戦争法については相変わらず批判が多いし、例の「3本の矢・2」も評価が低いということだろう。
私に言わせれば「アベットラー軍団による極右内閣」である。
それにしても「3本の矢・2」は意味不明という論評が多い。
そうでなくても「3本の矢」はことごとく失敗しているのだ。株価上昇とか雇用が増えたとか自画自賛しているが、株価上昇で恩恵を受けたのは大金持ちだけでGDPは横ばいだし、雇用は正規が減って非正規がそれを上回って増えただけのことで、言葉の遊びで喜ぶようなものではない。「3本の矢」を出した当初に、「既に失敗している折れた3本の矢を出してどうする」という批判があったが、それは見事に当たった。
しかも「3本の矢・2」はもっと質の悪い冗談で、まったく見通しのない的だけ掲げて、矢は後から用意するに等しいものである。特に「1億総活躍」というのは意味不明のまま今から矢を用意するという。もっとも出てくるのは折れた矢か泥水を含んで腐った矢しか出てこないだろう。
国民は、戦争法で失った人気を経済で回復させたいという苦し紛れの猿芝居を冷ややかに見ている。

2015.10.08:

おととい書いた営業のAが起こしたトラブル、銀行に送るべき書類を提出しなかった原因がわかった。
信用状の何たるかを知らずに、客先へ直接送ってしまったのである。
もし客先がB/Lを船会社に直接持っていて貨物を引き取ったら、今度はウチが銀行から売上金を回収できなくなる。だが船はまだ向こうの港に着いていなかった。よってAは客先の書類の返送を依頼したのである。
彼は信用状の仕組みやB/Lのことを知らずに、現金払いの場合しか頭になかった。よって銀行には送らなかったのである。聞けば以前の会社でも信用状による取引は一度もやったことがなかったのである。
結論:教育不足
新入社員と入社後数年の今の若者は、ろくに教育されないままいきなり一人で責任を持たされる。これが危ない。知識・経験が不足しているから思わぬところでミスをする。ところが目付け役の上司や先輩が張り付いていないからミスをすぐに発見できないのである。今回もその典型で、誰か目上の人間が「銀行に提出する書類は揃ったか?」と一言聞くだけで防止できたはず。
いずれ私からAの上司にちゃんと教育せよと言うつもりである。

2015.10.07:

アベットラーの意味不明のスローガンが話題になっている。その名も「1億総活躍」。
活躍という言葉を使うからには何か具体的な目標を立てて、そこに向かって色々な施策をやるかと思ったらそうではない。今回の改造内閣で担当大臣を置いて今から検討するということである。ならば言葉の空回りで終わりそうな気がする。
一人ひとりが目標を立てるとするのならば、1億人がそれぞれ違った自らの目標を立てるものであって、政府が目標をお膳立てするものではない。もし政府が作ったら何種類かのパターンに絞られることになるだろう。そうでないと一億個々人の目標のための予算を出すとなると膨大なものになるからだ。そう考えると何かいやなにおいがする。つまり政府が決めたものの範囲でのみ活躍しろということになる。
高齢者の方ならもうお気づきと思うが、「進め1億火の玉だ」とか「1億総玉砕」という戦争遂行のためのスローガンに似ているのではないか。そういう前提に立つと「1億総活躍」は大企業のぼろもうけのため、自衛隊の海外派兵を支援するため、アメリカに従属した経済・軍事に沿うため、など国家に積極的に奉仕するという目標が出てくることが予想されるのである。
だからあいまいな言葉の裏にはきな臭い話が隠されていると見ていいだろう。先日スガッペルスが「子供を沢山産んで国家に奉仕せよ」と言ったことと繋がっているのが理解できるのである。

2015.10.06:

そろそろ今日の仕事は終りかなと思っていた矢先、営業のA(最近途中入社の若者)から電話がかかってきた。とんでもない内容である。
9月始めに船積した中東某国向の商品について、驚くなかれ信用状で決められた書類を期限までに銀行に提出していなかったというのである。しかもその尻拭いを私に求めてきて(客の担当者の依頼=無理難題)、何と金を銀行に支払ってから受け取るべきB/L(船荷証券)を書き換えて、金を払わなくても荷物を受け取れるようにしてくれというのである。
客の担当者も非常識だが、Aも自分で解決策を考えずに他人に投げる行為ももっと非常識である。
B/Lは一種の有価証券だから、船会社は一旦発行したら書き換えは拒否する。というか既に原本はウチの会社に渡したのでもはやどうにもならない。
しかも、もしこのようなことをやったら中東某国の銀行は怒るだろう。船会社に強烈なクレームが寄せられ、船会社は信用を失う。
船積後B/Lは債権として某国の銀行が握り、客先から代金を受け取るための代償として使う。もし客先が金を払わなければB/Lを競売にかけて落札者から代金を回収する、そういう性質のものである。
それを商品だけ客先に持っていかれ、代金も踏み倒されたらどうなるか。銀行の面子は丸つぶれ。しかもその行為に船会社が加担したとわかれば・・・考えるだけでおぞましい。
Aは以前商社で働いていたらしいが、こと国際貿易に関してはまったくの素人に思える。船積書類を書いたことがあるとのことだが、信用状による決済の仕掛けは無知、教えられなかったのだろう。
しかしウチの営業で仕事をするには知らないでは済まない。明日またしっかりお灸をすえると同時に、自らが起こした問題を自力で解決させるつもりである。こういう失敗を通じてこそ独り立ちができるというものである。

2015.10.05:

腕時計の次は電気カミソリが壊れた。今朝ひげを剃ろうと思ったがうんともすんともいわない。刃の中を掃除してみたがやはり動かない。モーターの系統が逝ってしまったと思われる。
仕方がないので会社帰りに新しいものを買った。また予想外の出費である。
小さなモーターは非常に華奢で壊れやすい。典型はミニ四駆である。巻線は非常に細い。だからギヤ比を高くして速度を上げつ場合、起動のときに無理な力をかけると巻線が焼き切れる。これはモーターの出力トルクが小さいのに、抵抗する大きな力に打ち勝つために大きな電流が流れようとするモーターの特性から来ている。それを知らない子供はすぐに壊してしまう。
私はカミソリ負けがひどいのでいつも電気カミソリ。理髪店でも深剃りは断る。肌が弱いわけでもないしアトピーでもないのに。不思議な皮膚である。

2015.10.04:

インドネシアの高速鉄道を巡って、マスコミでは日中間の受注競争で中国が勝ったとかいう話ばかりが出ているが、そもそもインドネシアに高速鉄道は必要なのだろうか?
それと今回建設するのは首都ジャカルタから百数十キロ東のバンドンまで。在来線だと東京駅から千葉県銚子くらい、新幹線だと三島あたりである。常識で考えるとこの程度の距離で新幹線を走らせてもほとんどメリットはない。本当はジャワ島の西の端、800キロ以上あるスラバヤまでの計画なのだが、この点はマスコミはまったく触れない。
だから日中の競争の根源にはこの長距離の計画をにらんでのことなのである。100キロで受注できれば800キロは受注できたも同然ということになる。
しかしインドネシアにしてみれば、いきなり800キロを建設するには資金が足りない。そこでまずは100キロということなのだろう。だがこの建設費ですらたやすくはない。当然海外からの融資がなければできない。だがインドネシアは経常赤字で苦しんでいる。そこで中国は思い切った優遇策を示したものと思われるのである。
建設しても採算が取れるかどうか不安視されている新幹線。それでも無理して建設しようという政府の思惑は何なのか。そこもマスコミだけではわからない。日本の新幹線を皮切りに、世界各国で建設が進められてきた高速鉄道。インドネシアも・・・ということなのかもしれないが、在来線ですら自力でちゃんとした整備も出来ず、車両は日本からの中古を沢山買っている状態で、高速鉄道が運営できるのかという不安は払拭されていない。

2015.10.03:

おおよそ35年使った腕時計が生涯を終えた。
針が動かなくなったので電池切れだと思い、近所の電池交換をやっている店に持っていったら「もう動かない」と言われた。
「大きな古時計」という歌ではないが、私の一生に付き合うのかと思うくらい長いこと動いていたが、持たなかった。時計のように動く機械は遅かれ早かれ寿命が来る。モーターならば絶縁物が劣化して漏電するし、歯車ならば歯が摩滅してしまう。
建築物は動かないから、内装が変質してボロボロになっても骨組みは数千年単位で残る。
さて、腕時計がないと不便なので早速新しいものを買ってきた。安物のアナログである。デジタルは馴染めない。「あと何分」というような差分を一瞬にして読み取れるのはアナログの得意技である。

2015.10.02:

「第一中央汽船」という会社が倒産した。
私も何度か仕事で利用したことがある。
この会社は商船三井の実質的な子会社で、これまで第一中央汽船の経営難に対して何度かてこ入れしてきたが、万策尽きた。商船三井としては、傾いた会社にいつまでも支援を続けることは株主の合意を得られないと判断したのである。
第一中央汽船はバラ積み船がメインだが、この事業に投資をやりすぎて市場の縮小に追いつかなくなったのが主な原因。
船会社の倒産はめったにないこと。多くは他社が吸収合併して目立たなくしてしまうからである。それでもたまには起こる。私が知っている限りでは若い頃に起こった「三光汽船」の倒産である。オーナーは大臣も勤めたこともある故・河本敏夫だった。
今回の倒産には中国経済の減速も間接的に影響しているとされる。株価の下落とともに、これからどうなるか。今中国はインドネシアの新幹線を受注して失地の回復を図るつもりかもしれない。

2015.10.01:

出社拒否を起こしたY子はまだ出てこない。
彼女を窮地に追い込んだ原因について少し触れておこう。というのも若者が仕事を学んでいくプロセスが彼女の場合、あまりに特異なことが多すぎたからである。
例えば小学生に微積分を使って問題を解けと言ってもできるわけがない。変化率の概念とかΔxを次第に小さくしたら極限値はどうなるかなどという抽象的表現を理解できるレベルに達していないからである。
そこで彼女の場合だが、こんな例をを紹介する。
その1:設計が図面を持ってきて、これを外注業者に見積もらせてくれと彼女に頼んだ。しかも使う予定の鋼材は馬鹿でかいもので、設計自身でも市販されているかどうかもわからない。よって彼女に調査させようとしたのである。
しかし本来は設計が自分で製鉄会社のカタログなどを見て決めるべきもの。しかし彼女は反論できる力がないからかなり悩んでいたのである。もちろん鋼材の規格についてもまったくの素人である。よって頭を抱えてしまった。
その2:東南アジアの工事で、現地に近い工場で配管ユニットの組み立てを行う話をやっていたのだが、業者が決まらない。しかし納期が迫っているのでユニットに取り付けるバルブなどをヨーロッパから送らないと間に合わない。
そこでとりあえずはヨーロッパから船で品物を送って、到着するまでの2ヶ月弱の間に組立業者を決めればいいと誰かが言い出した。それで彼女に船積を依頼したのだが、彼女は問題の根源に気付かないまま送り先未定で船に積もうとしたのである。それで彼女は私に聞いた。
「宛先未定のB/L(船荷証券)は出してもらえますか?」
もちろん私は100%不可能と答えた。国際郵便で宛先の国名だけ書いたものを受け取ってもらえるわけがないのと同じこと。配達の途中で決めるからと言ってもダメなのは当然である。
しかし彼女は事の不合理さに気付かないまま真剣に悩んでいたのである。しかも彼女の周囲は年上ばかりで文句が言えず、ひとりで抱え込んでしまった。
こんなことが繰り返されては脳みそがパンクしてもおかしくないのである。