悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

99.03


1999.03.28:

デジタルカメラが手に入りそうなので仕事の帰りに電器店へ冷やかしに寄ってみた。
実物に触ってみたが一眼レフなどと違ってやたら軽い。昨年出張で使った以前の機種よりさらに軽くなっている。色んなメーカーがあって機種選定が悩ましい。
それにしても、あ〜あ、疲れた。

1999.03.27:

今週末は20年ぶりの土日出勤となってしまった。現場で1ヶ月休みなし、続いて2週間2交代の夜勤をやって以来の出来事である。休日出勤はなるべくしない、しても1日だけという私の主義だったがどうにもならなくなった。
今度の組織変更で今迄の仕事の半分くらいを他人に引き継ぐため、飛ぶ鳥後を濁さずで迷惑を掛けないためにどうしても片付けておかねばならなかった。
年度末まであと4日しかない。時計よ、止まれ!

1999.03.25:

今日は余りに腹が立ってついに怒鳴ってしまった。
事の起こりは、私が遅くまで決算の仕事をやっている時だった。設計のY(私と歳は殆ど変わらない)からNotesでメールが来た。ドイツR社製の機械が故障したらしく、メーカーに問い合わせてくれというものだった。それもWordの添付文書は日本語で書いてある。このYという男、前科が何度もあるので私もついにキレた。
俺は通訳じゃない!Wordを書いてる暇があったら自分で英文FAXを書け!
海外も行ったし横文字もまったく知らない男じゃないのに、明らかに白人コンプレックスとしか考えられない。相手と対等に渡り合わねばならないややこしい仕事は海外契約をやっている人間に放り投げとけという根性が気に入らない。この国際化時代にいつまで子供みたいなことを言うのかと思うと、情けなくなった。
言葉が不得手でも事実と心は伝わる。先人達はそういう苦労を経て海外と交流してきた。言うべき事は言う、毅然とした態度で海外の人間と接したいものだ。そうでないと日本は世界から取り残される。

1999.03.24:

卒業式のシーズンとともに学校が休みに入りつつあるので通勤の電車も空いてきた。コート姿も減っている。
本格的な春を前に、私には憂鬱な決算と異動が控えている。うっとうしい一週間が早く過ぎてほしい。
春よ来い!早く来い!

1999.03.23:

会社で大規模な組織改正の発表があった。社長を初めとする上層部が好き勝手に線を引いたらしく、地域性やそれまでの役割分担を無視していじりまわしたものらしい。ベテラン社員は「こんな実状を全く無視した異動は始めてだ」と洩らしていた。
実務部隊の管理職連中は再編を無理矢理押し付けられたせいで、これからどのように組織を再構築すべきか迷っているのが現状だ。実際問題、新しい組織がスタートするのは4月1日からだが、決算を控えてあと10日もないので何も手が付けられない。勤務先の異動やフロアーの移動などは一切なしで名刺の所属部署だけ変わるというケッタイなことになりそうだ。
大胆なことをやるのもいいが、事前協議なし、時間なしで考える暇も与えず、その上先の見通しもわからないのでは、ただ単に人を減らすことだけをねらったと勘ぐられても仕方あるまい。

1999.03.22:

春分の日を過ぎてすぐに、ものすごく寒くなった。強い風と共に神戸でもほんのかすかに雪がちらついた。一瞬の冬への逆戻りだ。北のほうでは猛吹雪だそうである。
子供が風邪を引いたようだ。季節の変わり目で寒暖の差が大きいからか。毎朝、薄着で行くか厚着するのかが悩ましくなる。こんな調子だから「年取ったせいだ」と笑われる。そうは言っても時間は後戻りしてくれない。ささやかな抵抗だが、未だ冬でもパッチは穿いていない。単なるやせ我慢か。

1999.03.20:

地下鉄サリン事件から今日で4年である。
思い起こせば震災の余韻もさめやらぬ間の大変ショックな事件であった。「オウム」の犯行と判った時はもっと衝撃を受けた。何故かと言うと、震災の時に「オウム」が何らかの手助けをしたということもなく、逆に殺人事件を起こす組織が「宗教」と言う名前を使っていると言う事実を見せられたからである。
それにしても野心家で詐欺師の(こう呼ばせてもらう)教祖に唯々諾々と従う人間が何人も育つ社会って何なんだろう。それも世をはかなんでの集団自殺なら世界中に例があるが、他人を攻撃することが主目的となると意味合いが違ってくる。オウム関係者の処罰は当然としても、社会としての病があるのじゃないだろうか。
「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」

1999.03.19:

会社のPCのディスプレイが突然おかしくなった。幸い余っていたマシンのものと交換したが、仕事で使っている途中だったので一瞬びっくりした。とにかく画面がピンク調になって文字がかすれて見えない。以前からかすかにチラッとする傾向があったのだが、ドテッ腹に一発かますと治っていた。それが今回はさすったり殴ったりしてもだめだった。
乱暴に見えるが、ディスプレイにはこれが意外と効果がある。
話はちょっと違うが、自宅のTVはだましながら13年使って、今のが2代目である。買い換えた時、電器店の店員に笑われた。

1999.03.18:

今日会社のE-Mailアドレスが変わるとの案内があった。しかしその内容がひどい。
簡単に言うと「アドレスが変わりますのでメールソフトの変更や、関係先への連絡をお願いします」というだけのものである。
新旧のアドレスがごちゃまぜに来たらどうするか、旧アドレスはいつまで通用するのか全く書いていない。ヘルプデスクの掲示板に質問を書いたら、先に電話で質問したやつがいて、その内容を書いてくれた。肝心のヘルプデスクはその後で「そのとおりです」といとも簡単な書込み。
いい加減な内容の案内を出しといて、その上に他人に返事させるなんて職務怠慢だ!
そう思いません?皆さん。

1999.03.17:

最近の若い人(男女を問わず)の顔を見ていて気付いたことがある。時々見掛けるのだが、口が半開きのままの状態の人がいる。恐らく閉めたくても閉らないのだろう。下顎が小さく、かつ筋肉も鍛えられていないものと思う。
TVで喋るのに口をあまり開けない傾向もあると聞いた。原因は主に食生活にあるのだろう。有名な話だが豊臣秀吉の肖像画から彼は贅沢な食生活が故に顎がやせ細ってしまったという説がある。
私が子供の頃は米と麦が半々で、いやが応でも良く噛まないと食べられなかった。当時の池田首相が「貧乏人は麦飯を食え」と言って物議をかもした頃の話である。だから麦飯を食えとは言わない、好きなものを食ってもいいと思う。
ただ昔は意識しなくても良かったことが、今は意識しないとえらい目に遭う時代になったのだと思う。

1999.03.16:

今日は地震があったらしい。私は丁度バスに乗っていたので全く感じなかった。
震源地は滋賀県。最近は殆ど大きな地震がなかったところだ。神戸の地震以来、日本にはどこも地震から逃れる場所はないということが分かった。大体プレートが4つも集中している所は日本しかないらしい。だからあらゆる設備が地震にに堪えることと、地震に対する備えを怠らないということしか対策はなさそうだ。
現在は神戸が一番安全らしいが、たかが千年単位の間だけのこと、油断は禁物である。

1999.03.15:

最近の不景気で倒産には非常に気を使う。普段付き合っている会社でも油断ならないのが最近の傾向だ。
私は去年、さる商社が倒産したあおりでその子会社が連鎖倒産寸前に追い込まれるのを見た。幸いその会社は業績も良かったので、外資系の会社が買い取っていった。しかし、その目処が立つまで連日のようにそこの社員と話し合いを持った。「何とか今まで通りの付き合いを」と言われても裏付けがない限り「はいそうですか」とは言い辛い。かといって悲しい顔つきを見るには忍びない。その狭間で数ヶ月悲しい思いをした。向こうはもっと辛かっただろう。
現在も、沈没しそうだが首の皮一枚でつながっているある会社と付き合いがある。もう1年以上も前から危ないと評されているが、経営陣が隠しているので社員はいつも通り明るく働いている。だが、これが一瞬にして暗転するかもしれない。それを考えると悲劇は見せてくれるなと祈るばかりである。
路頭に迷う子羊を見なくて済む世の中はいつ作れるのだろうか?

1999.03.14:

金曜日にまたまたフグを食うことになった。そこまではよかったが、ちょっと飲みすぎて土曜日は頭ガンガン、一日中へばっていた。
ごめんなさい、完全にネタ不足です。
と、こう書いてから思い出した。今日はマシュマロデー、といっても私にはマシュマロを贈る人がいない。もしいたら嫁ハンとは夫婦喧嘩になるだけである。世間ではマシュマロ以外にも色んな物を贈るようだ。ただ、パンティーだけは感心しない。誰が考え出したのか知らぬが、女性の側でも評判は良くないようだ。

1999.03.11:

会社では年度末だというのに近々大規模な組織の変更をやるらしい。これから忙しくなるのに上層部は何を考えてるのやら。多数の転勤などもからむようなので緘口令が敷かれているようだ。だが、逆に社外のほうが情報に詳しいので根掘り葉掘り聞いている。
人事異動は世の常だが、抜打ちで有無を言わせないやりかたは承服しかねる。

1999.03.10:

年度末が近づいてきたが、気ばかりあせって仕事をするのが億劫になっている。
机の上は書類のてんこ盛りで、これまた片づける気にもなれぬ。
今の仕事のいちばん辛いところは、仕事柄来客が多いために時間のコントロールが自分の自由にならないこと。考えたり書類を書いている途中で呼ばれると思考が中断してしまい、最初からやり直しということがしょっちゅうある。楽な仕事なんてあるわけはないが、自分のペースが築けないのはきつい。

夕方頃から数時間、掲示板に入れなかった。
ゲストの皆さん、借り物なので自分の自由になりません。ご迷惑をおかけしました。m(_ _)m

1999.03.09:

個人責任制の話のまた続き。
前回「向こうでは出世するほど部下の分の管理責任まで持たされるので仕事はきつくなる。それでも彼らはその分の給料は貰えるので不満だらけということはない。」と書いた件で、誤解があるといけないのでもう少し書く。
管理職は「部下の管理責任」を問われることはある。しかし部下のやった失敗そのものに対する責任は問われない。もちろん会社として、品質や納期などの問題が起こったらリカバーに走らされる。だが、その原因が誰にあったかは明確にされる。また会社としてやるべきことと、従業員がやらなければならないことは区別されている。
どうも日本の場合はそこがあいまいにされるので、「会社の経営がうまくいかないのはすべてお前らが悪いからだ」みたいなことになってしまう。
会社の中の色んな問題や不満がすべて解決されるわけではないが、各個人がそれぞれの持ち場で能力を発揮できるような、「この仕事はあなたに全部任せるから最後までしっかりやってね」という体制になってほしいものだ。

1999.03.08:

例のHAPPY99というウィルス、連日のように会社のメールサーバーを通過しようとする。試しに報告書から統計を取ってみた。最初の攻撃は2月15日、それ以降サーバーに仕掛けてある網に引っかかったやつである。

  02/15 02/17 02/18 02/19 02/21 02/22 02/23 02/24 02/26 02/27 03/01 03/02 03/03 03/05 03/06
HAPPY99 2 3 0 1 1 2 3 1 3 1 3 0 1 2 3 26
その他 3 1 1 6 0 2 1 0 2 2 0 2 1 0 0 21

半数以上がHAPPY99で、労働日数(15日)平均で約1.7通/日である。驚異的というしかない。今迄のウィルスだと感染したファイルがメールに添付された時にのみ送られるのだが、こいつは汚染されたPCから送信されるメールすべてに自動的に添付されるので、感染率は必然的に異常に高くなる。それが見事実証された。
犯人は技術的知識の高い人間かも知れぬが、人格的には欠陥があるのだろう。こんなウィルスは一日も早くこの世から消えて欲しいものだ。

1999.03.07:

先の心臓移植のレシピエント(被提供者)選定作業で、日本臓器移植ネットワークのミスで優先順位2位の患者が最初第1候補になったが、あとで誤りと知らされてぬか喜びをさせられるはめになったという。
理由は「ネットのコンピューターのプログラムの制約のため、こうした(候補の選定)作業は手作業で行わざるを得」なかったと。
こんな大事な問題を手作業のミスで、それも「プログラムの制約」とは、先進技術国の日本として恥ずかしい。多分ハード・ソフトともに古いコンピューターが使われていたのではないか。これからのことを考えると背筋が寒くなる。コンピューター1台の金くらい出してやれよ!お役人さんよー!

1999.03.06:

2月19日の日記にも書いたが、欧米流の個人責任制についての続きを。
最近フランスは週35時間労働に踏み切った。これで、雇用の増加を図ろうということである。この、いわゆる「ワークシェアリング」の考え方は欧州には昔からある。例えば、残業の割増率を高く設定することによって残業させるよりも新しく人を雇うほうが割安になるようになっている。また、レストランに行くと店員の担当テーブルがきちんと分けてあって、担当以外に何か頼もうとしても絶対に相手はしてくれない。その代わり店員には担当テーブルのチップが入るようになっている。
「仕事はちゃんと与えるから自分で責任をもってやりなさい。」という姿勢がはっきりしている。もちろん合理化で退職者の補充をしないなどの人減らしはある。あるベテランの営業課長などは「秘書がいなくなって全部自分でやらされるのは大変」とこぼしていた。
向こうでは出世するほど部下の分の管理責任まで持たされるので仕事はきつくなる。それでも彼らはその分の給料は貰えるので不満だらけということはない。

1999.03.05:

「春一番」が吹いた。
九州では最高気温が20℃を越えている。私も通勤の時のコートがむさ苦しかった。それと、ここ数日若干気温が上がり気味だと思ったら、花粉のせいか持病のアレルギー性鼻炎で鼻水が出てきた。私はこれがきっかけでよく風邪を引く。幸い気付くのが早かったので、薬で抑えることに成功した。例年なら一冬で2回は熱を出して寝込むのだが、この冬はまだ倒れていない。
明日は北日本では雪になるという。季節の変わり目が始まった。気温の変化には注意したい。

1999.03.03:

法律施行後初の臓器移植が行われた。まず脳死判定から移植手術まではうまくいったようで成功を喜びたい。
また、提供者と被提供者双方の満足が得られたことは、法的手続きの問題よりももっと評価されてもいいと思う。臓器移植法は国民的な合意が十分なされてないまま成立した面もあるが、今後もっと事例の蓄積と議論を続けていって、より良いものを目指すべきだろう。
実は私は骨髄移植のドナー登録はしているのだが、今回のことで臓器移植登録についての検討を考えている。最初は自分の臓器が持っていかれることの不安が、正直なところ少なからずあった。しかし今回のことで「人助けになるのなら」という思いが出てきたように思う。
それにしても、今回もマスコミの対応が問題として残った。提供者の家族が公にクレームをつけたのだからよっぽどだったのだろう。はっきり言わせてもらうが、個人のプライバシーを暴くような取材をする一方で、権力に対してはますます力が弱くなっていくのは見るに堪えない。また、臓器のリレーまで実況中継をしなくてもいいと思うが。

1999.03.02:

朝夕の日差しが少しづつ強くなってきた。夜のストーブの温度調節を少し高くしても寒く感じない。
日中も最高気温が10度を越えることもある。本格的ではないが春の気配が見えてきた。入学試験も殆ど終わりだ。これから転勤や新学期に備えての移動が始まる。そういえば横浜高校の松坂投手も卒業式を迎えた。
私はこれから年度末に向けて仕事が忙しくなる。今年度は大半の会社が売り上げの減少を迎える。と同時にきな臭い話もまた聞こえてきた。さて、どうなることやら。
そんな中で明日は華やかな雛祭り。うちは息子一人で縁はないが。

1999.03.01:

うちの会社にすごい人がいる。毎日9時〜10時まで残業、休日も半分は出勤、というくらいなら世間にもあること(誉めたことではないが)。俗に言う「風呂敷残業」あるいは「FD残業」も聞く話だ。だがこの御仁はFDではなくHDを持って帰り、家からFAXを打つという猛者である。HDは古い98ノートPC用300MBで、個人データと数種のアプリ程度ならこれで十分間に合う。机の上のデスクトップ機からノートPCにデータをシリアル転送し、自宅にある同じ機種にHDをそっくりそのまま差し込むわけである。
横目で睨みながら、「そこまでやるかー」といつも思っている。