悪餓鬼日記帖:なにぃ、文句あっか!

99.02


1999.02.28:

昨日は生まれて初めてフグを食べた。
何で今迄食べた事がなかったのか、自分でも不思議である。淡白な味でなかなか美味だった。
某サイトの3回目のオフ会で、東京から人が来るので関西の名物は・・・ということからフグを食べようという事になった。考えたら忘年会とかそんな場でもふぐの話題は出たためしがなかった。同じ関西でも神戸にはフグを食わせる店も少なかったように思う。捜せばあるのだろうけど。
それにしても、このオフ会のメンバーは多士多才である。サイトの常連メンバーでは私が最高齢(まだ四十代だというのに)だが、PCの経験・知識は豊富で、ものすごく学ぶ事が多い。また海外勤務の豊かな経験者もいて、語学力は私なんぞよりはるかに上である。加えて自分のHPを独自のカラーで作っている人達が多い。
出会うたびに新しい話題を手に入れて帰って来る。まさに「我以外皆我が師なり」である。
今日で2月が終わり、新しい月が始まる。

1999.02.26:

一昨日から仕事で使っている大型ホスト機の印刷バッファ用子機がダウンし、その日一日と翌朝10時頃まで印刷が一切出来なくなった。月末処理の仕事が溜まっていただけにグループ全員が真っ青になった。原因はまだ聞いていないがハード故障らしい。
プログラム本体は正常に動くのだが、印刷がダメなら結局は何もできないのと一緒という事が改めてわかった。最近は印刷で泣かされる事が多い。
あるホスト専用プリンター1台はカウンターが一周以上するほど酷使しているので、紙を送るローラーが異常に摩滅してしまった。メーカーのサービスマン曰く、「頼むから耐久試験は止めて下さい」と言うほどである。そんなに印刷が集中するとは誰も思わなかった。
もう一つ、LAN/WAN系では50人分の印刷をバッファリングするプリントサーバー機を使っているのだが、一般ユーザーはバッファリングの恐ろしさを知らない。今日もレターヘッドとA4の紙の設定を間違えて、「印刷ができない」と相談に来たユーザーがいた。サーバーに溜まっている文書をキャンセルすればいいのだが、知らずに何度も印刷命令を出したものだから渋滞を起こし、他の人からも文句が出た。印刷のキャンセルの仕方を教えて事無きを得たが、プリンターを一人一台にするわけにもいかないので悩ましい。

1999.02.25:

大変なウィルスが世界中を駆け回っている。通称「HAPPY99.EXE」というメールに勝手に添付されるやつだ。
TVニュースでも取り上げられているが、ものすごい量とスピードのようだ。掲示板にはチリからも感染報告が入っている。私の会社でも連日攻撃を受けているようで、新しいワクチン配布の直前だったPC1台が感染した。WM_CAPとかXM_LAROUXなどが時として入ることが社内で報告されていたが、HAPPY99の入ったメールは毎日複数が送られてくる。幸いメールサーバーにウィルス撃退ソフトが組み込まれているので、個人のPCに入る事はないのだが、こんなに大量に出回っているウィルスは始めて見た。
どうか気を付けていただきたい。メールの添付ファイルでHAPPY99.EXEを見つけたら即刻捨てること
それにしても、最近はネットにまつわる悪い話題がマスコミを賑わせているので非常に不愉快だ。勿論それだけ一般化してきたということではあるけれど。

1999.02.24:

ここしばらく仕事がモーレツに忙しくて、帰宅が10時以降になることが多く、日記の更新もずいぶんサボった。こまめにこつこつと、とのつもりだったが、こうも忙しくてはどうにもならぬ。
加えて今週初めに、「独り言」で書いた私を「その気」させたサイトの女性作者が結婚した。今迄何度となく思わせぶりな発言をしては「ウソ!」とやって読者を笑わせていたものだから、私は半信半疑だった。発表されたその日はあまりの驚きで一日仕事に手が付かなかった。そしていつまた「ウソ!」と出るのか気になって、仕事をしているふりをしながらずっとサイトの更新や掲示板をチェックしていたのである。
結局翌日のページ更新で間違いない事が解ったが、何故か私には娘を嫁にやったような気分であった。しかし実際は彼女は私より一回り年下だけだし、私には小学生の息子が一人しかいないのにである。そんな気分になる自分がめちゃくちゃおかしかった。

1999.02.18:

今月に入ってから海外とのやりとりが急に多くなった。先週もさるドイツの会社との打ち合わせが2日連続であった。膝詰めでやるのは何年かぶりなので緊張して疲れてしまった。
しかし、相手も大変である。1週間で日本国内を走り回る。おまけに本社からの連絡は時差の関係で昼間の打ち合わせが終わってからでないとできない(西欧の朝9時は日本の夕方5時)。今回はもっとすさまじくて、打ち合わせに来ていた彼の上司はなんとブラジル出張中で、朝に電話がかかってきたのは向こうの深夜。えらい時代になったもんだ。
そんなわけで、西欧との付き合いが多い私は夕方からの電話がかかって来るし、こちらからかける時もある。最初の挨拶は大抵「Good morning」である。
今日はそれで珍事があった。あるフランスの会社が今週初めに来ていたのだが、今日の夕方ふと電話がかかってきていつもの通り「Good morning」とやったら、返事を聞いてズッコケた。
「Good evening, I am still in Yokohama!」

1999.02.15:

欧米流の仕事、続編。
向こうとFAXなんかでやりとりをしていると、「何月何日付の貴社よりの連絡書番号○○について・・・」という表現が始終出てくる。日本人だと「先日の件」くらいで済ますのだが、そこは非常に几帳面である。慣れてくると何とも思わなくなるし、むしろISOでは日付と番号付けをするように指導される。
よく考えるとこうした関連付けは話のつながりが時系列的になるので理解しやすい。ちなみに私は文書をファイルするのに日付の順に重ねている。確か「超整理法」とかいう本でこうした時系列で並べると良いという話を書いていたような気がする。
日付でもう一つ、向こうの表現で納期などを表すのに「第○週」というのが出てくる。1年を52週で区切るやりかたなのだが、何月頃になるのかさっぱり見当がつかないので閉口する。仕方がないから向こうのカレンダーで週の番号を振ったものを貰って確かめている。ああ、ややこし。

1999.02.13:

私は関西生まれの関西育ちでもちろん関西弁を喋る。で、今日は関西弁の話。
研究によると最近の20歳代より下は明らかに昔と違う関西弁を喋るそうである。(全然気が付かなかった)
文章ではちょっと書き辛いが、例えば「空が」という場合、標準語(共通語)では「らが」と、頭にアクセントを置く。それに対して従来の関西弁は「そら」と、語尾にアクセントがある。今の関西の若い人は中間の「そが」になるらしい。詳しく調べると40歳を境に急激に新しいタイプが増え、20歳代からは完全に多数派になる。
自然発生的な標準語との「妥協の産物」らしいが、明らかにテレビの影響である。テレビ放送が始まったのが1953年だからぴったり一致する。私が小学生の時(1960年頃)、クラスで「テレビのある家は手を挙げて」と言われて、唯一手を挙げられなかった悔しさが記憶に残る私としては、そう断定せざるを得ない。(テレビは近所で見せてもらってた)
テレビの影響やおそるべし。
「時代の変化」ということで拒否はしないが、変化が目に見える年齢になったとつくづく思う。でも、関西弁独特の一文字語の発音、「目ぇ」「歯ぁ」「木ぃ」くらいは残って欲しいナ。

1999.02.12:

会社の私のマシンが来月リプレースされるそうだ。今日急に聞かされた。
何か今年度予算のデスクトップ機が1台余ったそうで、それなら私にというになったらしい。この前FDを取り替えたばかりの今のマシンは3年ちょっと使ったので、多少愛着は残る。もっともHDが800MBに対して残り150MBを切ったから期待と安心感の方が大きい。
スペックは何も聞いていないが、Win95のFMVのデスクトップらしい。本来はWin98プリインストール版だが、全社共通の環境にするとの方針で、情シスでわざとフォーマットし直し、Win95+Office95(97にあらず)などの汎用アプリ+業務用カスタムアプリをインストールしたものが渡される。
私の事だから、当然ながら個人で入れたソフトも移設するしデスクトップの環境もいじくり回すつもりである。もちろんこのHPのバックアップも必要だ。そんなわけで今から引越しの準備にかかる。今のマシンはHDの中身を新品同様にして返却し、もう一世代前のマシンを使っている別の部署へお下がりに出されるらしいから。

1999.02.10:

欧米流の仕事は個人責任制である。個人が与えられた仕事を最後まで責任を持って遂行する。他人が仕事のやり方に口を挟んではいけない。本人が不在の時も勝手に代理をしてはいけない。そのかわり、失敗は最後まで面倒を見なければならないし、成績が悪ければストレートに給料に響く。
昔はそこらへんの悪い面が目立ってしょうがなかった。本人が不在の時にその同僚に何か依頼をしても、まず返事は来ない。甚だしいのは伝言やFAX(昔はTELEX)すら転送をしない。最悪のケースは、本人が夏休みに入ると丸1ヶ月は仕事がストップした。
他人の領分に手を出すな、それは俺の知ったこっちゃないということを、フランス語で「それはうちのタマネギじゃない」と言うそうな。

1999.02.08:

最近製造業あるいはエンジニアリング系の会社でISO−9000シリーズの認証を取る会社が大分増えてきた。商業関係には縁がないと思うが、海外、特にEC諸国にはこれがないと売れないという仕組みになりつつあるので、日本でもここ2−3年に取得する企業がものすごく増えた。但し最近話題になっている環境標準のISO−14000とは違う。
「顧客の要求する品質を確実に、正しく伝達し実行する」という趣旨であるが、早い話が欧米式の仕事のやり方を真似しているようなものである。特徴的なのは電話、口頭連絡だけではだめで、全て証拠としての書いたもので残せということである。日本人が避けてきた、あるいは不得手な仕事のやり方をさせられるので、評判は良くない。連絡書・指示書の類が増えるので紙の洪水になる。
だが、良く考えると希ではあるが役に立つ事もある。つまり「言った、言わない」で揉める事が無くなるのである。日本人同士だと、わざわざ紙に書いて角を立てなくても、というような一種の合意が成り立つ。だが、欧米では歴史的に突然隣同士が戦争を始めるようなことを繰り返してきたので、逆に紙に書いたほうが揉めないという教訓を得てきたらしい。ここらへんの感覚が違うのでISO−9000に馴染むには時間がかかる。
ところで、こうした欧米式の仕事のやり方で気が付いたことがある。それはまた明日以降に・・・

1999.02.07:

インターネット接続のバックアップとしてセカンド・プロバイダに加入した。
加入料なし、固定料金なしの完全従量制である。
これでトラブル解消、一安心である。その代わりネット中毒は治る見込みがなくなった。
ま、いいか。

1999.02.06:

久しぶりに三宮に出て、買物ついでにPCショップへ。
デジカメ欲しい。デジカメで写真取ったらこのHP用にFrontPageも欲しい。SCSIも欲しい。SCSIとなるとMOも欲しい。プリンターもカラーが欲しい。目移りばっかりしていた。
誰や!「子供みたい」って言うやつは。

1999.02.05:

週末は来客が多い。来客が多いのは今の仕事の性質上仕方がないのだが、やりたかったことが中断されてあとで続きを、と思っても席に戻ったら頭の中は御破算になっていて、一からやりなおしになる。
「思いどおりにならないのが人生さ」、って大袈裟な書き方をしてしまった。

1999.02.04:

昨日からの雪で通勤バスがなかなか来なかったので午前中会社を休んだ。
半日だけ休んで会社に行っても仕事をする気になれなかった。やっぱり1日丸ごと休みにすりゃよかった。

1999.02.03:

今日は節分である。

節分とはもともと年に4度ある季節の変わり目のことです。
現在では冬から春への節分を指すことがほとんどですが、旧暦では年末にあたります。従って、季節の変わり目と年の変わり目が同時に来ることになります。この、年の変わり目には、あの世とこの世のあいだに裂け目が生じ、あの世からこの世に向かって「鬼(=悪運)」と「福(=幸運)」がやってくるという言い伝えがありました。そこで「福」だけを迎えて「鬼」を追い返し、新たな年のしあわせを願う。これが「鬼はそと、福はうち」の由来です。
(以上、NHK「コメディーお江戸でござる」での杉浦日向子さんの解説を要約=吉田神社のHPより)

夜になってから雪が降り始めた(今9時を過ぎている)。歩道が白くなっている。気温が低いのだろう、今夜は積りそうだ。季節の変わり目だというのにこの世の天気は気まぐれである。

1999.02.02:

新しいPCを買ってから今日で丸1年になった。早いものだ。
当日は早めに帰宅すると、玄関口に大きなダンボール箱2個(PC本体とディスプレイ)と、小さな箱(ターミナルアダプタ)がデンと置いてあった。来たぞ来たぞ!夕飯もそぞろに据え付けと配線を済ませ、マシンに電源を入れた。う〜ん明るくて奇麗だ。それまでの薄ぼけたノートPCに比べて格段の差である。それに早い。PCのリプレースをすると、いつもこう同じ事を感じる。
ソフトはプリインストールだが、起動時に若干のパラメータを入れる。それから各ソフトの固有設定を行った。そしていよいよインターネットの接続だ。まだISDNには入ってなかったので、電話線から仮配線をしてアナログで繋いでみる。さる有名プロバイダの「お試し版」がインストールされていたので、それを使ってインターネット・エクスプローラーを起動し、ホームページをいくつか覗いてみた。ヨシ、会社のよりはちょっと遅いが、いけるぞ!
そんな事をしているうちにとうとう夜の12時になった。おもちゃ遊びの時間は終わりにして寝た。それから2−3日はソフトの追加と削除で夜はつぶれた。まあまあ自分好みのマシンに仕上げるまでに一月位かかっただろう。そして1年後、こんなホームページを作るまでになってしまった。
「君がこれはいいマシンだねと言ったから今日はPC記念日」・・・ちょっと!それは盗作じゃない!・・・なにぃ、文句あっか! (俵万智さん、ゴメンナサイ)

1999.02.01:

今日は数学の話を一つ・・・と言っても「何故日本人は釣り銭に強いか」という話である。
海外旅行をしたことのある人なら経験があると思うが、外国人はおしなべて釣り銭勘定が遅い。例えば100ドルで38.5ドルの買物をしたとしよう。すると釣り銭は38.5ドルを皮切りに、50セントを置いて39ドル、1ドルを置いて40ドル、50ドル・・・と100ドルになるまでお金を足していく、というケースが多い。日本人は大抵、瞬間にして61.5ドルを出せる。何故か?
いろいろ考えていたら、算盤のせいではないかという結論を引き出した。つまりこうである。
算盤を頭に描いて、一番下の桁を除いて全ての桁が9になるように数を足していき、最後の桁は10になるようにすれば、瞬間にして釣り銭が計算できる。このようにある数に対して全ての桁を9にするような(999・・・9.99)数を数学的に「補数」と言う。理論的にはむつかしい表現だけれど、日本人はこの理論を自然に会得しているわけだ。世界に誇ってよい。
実はこの「補数」という概念はコンピュータの引き算に応用されている。ちょっと専門的になるが、CPUは2進数の足し算しかできない。それをこの補数を使うことによって引き算を足し算に変化させているのだ。
手品の種明かしにしてはちょっとむつかしい話になってしまったかな?