職場サポーターのつぶやき:

先に「私は某大企業の事務系の職場で、部として50人くらいのところで働いている」と書いたが、一応PCについて職場ではまあまあのレベルを持っているせいか、時として相談事が持ち込まれる。仕事の時間を食われる事もあるが、大抵は相手をするようにしている。人によっては「便利屋」でしかないと嫌がる向きもあるようだが、私は気にならない。むしろ本人にやる気があるなら、積極的に応ずるべきだと思う。本人がそれで腕を上げるなら、反ってこちらの負担も減るはずだから。
そうは言っても中には困った人が必ずいるもの。何度教えても覚えないとか、自分の不勉強(というか出来ないと思い込んでる)を棚に上げて、逆にハードやソフトのせいにする人など、様々である。
そうしたことも含めて、ぼやき・珍事を取り上げてみたい。勿論私の大ボケも含んでいる。

其の壱百七拾壱:メールアドレスは"表札@マンション名"なのだ!の巻−(2010.10.05)
其の壱百七拾:初めてのMacの巻−(2009.11.15)
其の壱百六拾九:IDのダブル発行の巻−(2009.06.16)
其の壱百六拾八:電話サポートはやりにくいの巻−(2008.09.03)
其の壱百六拾七:手入力は間違いの元の巻−(2008.04.20)
其の壱百六拾六:「中途半端やな〜」の巻−(2007.11.14)
其の壱百六拾伍:ジグソーパズルの巻−(2007.08.08)
其の壱百六拾四:コロンブスの卵の巻−(2007.07.02)
其の壱百六拾参:遮断されるFTPの巻−(2007.01.08)
其の壱百六拾弐:恐怖のメール分割の巻−(2007.01.04)
其の壱百六拾壱:純正Windows2000 "SP2"の巻−(2006.06.15)
其の壱百六拾:サーバーを私物化する大ばか者の巻−(2006.03.20)
其の壱百五拾九:プラチナ製(?)トナーカートリッジの巻−(2006.02.03)
其の壱百五拾八:ブロードバンドの功罪の巻−(2005.11.05)
其の壱百五拾七:無意識ほど恐ろしいものはないの巻−(2005.10.22)
其の壱百五拾六:超早技の巻−(2005.08.30)
其の壱百五拾伍:職場「被」サポーターのつぶやきの巻−(2005.08.26)
其の壱百五拾四:メーカーサイトにも載らないカスタムモデルの巻−(2005.08.13)
其の壱百五拾参:最もまずい「IT化」の巻−(2005.05.23)
其の壱百五拾弐:ユーザーにやさしくない2000/XP環境の巻−(2005.05.09)
其の壱百五拾壱:質問はBusiness Object、画面はExcelの巻−(2005.03.28)
其の壱百五拾:生活の知恵、2題の巻−(2005.03.25)
其の壱百四拾九:「陸蒸気」後遺症の亡霊の巻−(2005.03.10)
其の壱百四拾八:DOSの亡霊の巻−(2005.03.05)
其の壱百四拾七:天に唾する話の巻−(2005.02.21)
其の壱百四拾六:他人任せはダメの巻−(2004.11.24)
其の壱百四拾伍:Notesのバージョンアップにご注意!の巻−(2004.09.10)
其の壱百四拾四:Excelがすべての巻−(2004.09.07)
其の壱百四拾参:「誰が為に情シスは働く」の巻−(2004.06.21)
其の壱百四拾弐:フォルダの怪の巻−(2004.06.12)
其の壱百四拾壱:これが新品?の巻−(2004.06.07)
其の壱百四拾:「気にしない、気にしない」の巻−(2004.05.25)
其の壱百参拾九:ID窃盗事件の巻−(2004.05.08)
其の壱百参拾八:他人のふんどしで相撲を取るなの巻−(2004.04.03)
其の壱百参拾七:真相はヤミに葬られたの巻−(2004.03.16)
其の壱百参拾六:英雄WIndows95を好むの巻−(2004.03.12)
其の壱百参拾伍:フレッツ接続ツールの巻−(2004.01.11)
其の壱百参拾四:省エネ設定にご注意の巻−(2003.12.01)
其の壱百参拾参:人間性を疑う行為の巻−(2003.11.19)
其の壱百参拾弐:合掌(−人−)・・・の巻−(2003.11.07)
其の壱百参拾壱:旧PCよさらばの巻−(2003.11.05)
其の壱百参拾:新PCの巻−(2003.10.22)
其の壱百弐拾九:大文字小文字の巻−(2003.07.07)
其の壱百弐拾八:いちかばちかの巻−(2003.05.08)
其の壱百弐拾七:「金払え!」の巻−(2003.04.03+2003.04.06)
其の壱百弐拾六:「ごみ箱」と「圧縮」の違いの巻−(2003.04.01)
其の壱百弐拾伍:朝4時まで頑張った挙句・・・の巻−(2003.02.23)
其の壱百弐拾四:連続2題の巻−(2003.02.03)
其の壱百弐拾参:同じパスワードなのに・・・の巻−(2003.01.24)
其の壱百弐拾弐:黒い画面の巻−(2003.01.12)
其の壱百弐拾壱:「靴敷」の巻−(2002.11.26)
其の壱百弐拾:懲りない面々の巻−(2002.11.16)
其の壱百拾九:中小企業の悲哀の巻−(2002.11.12)
其の壱百拾八:典型的トラブルの巻−(2002.11.10)
其の壱百拾七:超過料金の巻−(2002.11.01)
其の壱百拾六:一人相撲の巻−(2002.10.17)
其の壱百拾伍:「摘発隊」の巻−(2002.10.16)
其の壱百拾四:「開かない」添付ファイルの巻−(2002.10.06)
其の壱百拾参:アンタはPCを使う柄やない!の巻−(2002.08.29)
其の壱百拾弐:レ・ミゼラブルの巻−(2002.08.09)
其の壱百拾壱:はよ言わんかい!の巻−(2002.07.10)
其の壱百拾:嘘教えたらあかんがなの巻−(2002.07.01)
其の壱百九:検索のコツの巻−(2002.06.08)
其の壱百八:ネット販売の巻−(2002.05.08)
其の壱百七:接触不良の巻−(2002.04.19)
其の壱百六:努力を惜しむなの巻−(2002.04.01)
其の壱百伍:ウィルスを保護するWindowsMeの巻−(2002.02.15)
其の壱百四:ソフトといえばすべてExcel?の巻−(2002.01.25)
其の壱百参:迷子になったフォルダの巻−(2002.01.17)
其の壱百弐:余計なことせんでよろしいの巻−(2001.12.08)
其の壱百壱:見習うべしの巻−(2001.11.20)
其の壱百:なんちゅうこっちゃ!の巻−(2001.11.13)
其の九拾九:職場サポーターの義務の巻−(2001.11.09)
其の九拾八:サイバーテロ?の巻−(2001.0926)
其の九拾七:新記録!の巻−(2001.09.03+2001.09.05)
其の九拾六:盆休みが明けたら・・・やっぱり・・・の巻−(2001.08.20)
其の九拾伍:雷に注意の巻−(2001.08.04)
其の九拾四:違法コピー摘発!の巻−(2001.06.27)
其の九拾参:二個一で動くドライバーの巻−(2001.06.19)
其の九拾弐:新会計システムの巻−(2001.06.16)
其の九拾壱:やっぱり図星の巻−(2001.06.07)
其の九拾:モバイルで大ボケの巻−(2001.06.05)
其の八拾九:日本語禁止の巻−(2001.05.17)
其の八拾八:「サーバーが消えた!!??」の巻−(2001.05.09)
其の八拾七:サーバーがうらめしい・・・の巻−(2001.04.14)
其の八拾六:「陸蒸気組」のIT革命の巻−(2001.03.22)
其の八拾伍:ヨメハンサポート日記の巻・1−(2001.03.21)
其の八拾四:「プラグアンドアンフェアプレイ」の巻−(2001.03.15)
其の八拾参:ネズミは死なずの巻−(2001.03.08)
其の八拾弐:ドライバー同士の喧嘩の巻−(2001.03.01+2001.03.02)
其の八拾壱:「おまじない」の巻−(2001.02.22)
其の八拾:プリンターは二度死ぬの巻−(2001.02.07)
其の七拾九:初めてのモバイル設定の巻−(2001.01.31+2001.02.01)
其の七拾八:「壊し屋」の巻−(2001.01.23+2001.02.01)
其の七拾七:工場設備に何をするの巻−(2001.01.11)
其の七拾六:"Windows97"の巻−(2001.01.09)
其の七拾伍:素人がはまる罠の巻−(2000.12.11)
其の七拾四:意外なアイデアの巻−(2000.12.09)
其の七拾参:かわいそうなネズミの巻−(2000.11.27)
其の七拾弐:桁違いの感染速度の巻−(2000.11.23)
其の七拾壱:「3本立」の巻−(2000.11.09)
其の七拾:役に立たないワクチンの巻−(2000.11.08)
其の六拾九:「やさしくしてね」の巻−(2000.10.30)
其の六拾八:謎は謎を呼ぶの巻−(2000.10.23)
其の六拾七:馬耳東風の巻−Part2−(2000.10.02)
其の六拾六:馬耳東風の巻−Part1−(2000.09.28)
其の六拾伍:別巻・3点セットの巻−(2000.09.27)
其の六拾四:ダブルパンチの巻−(2000.09.26)
其の六拾参:3点セットの巻−(2000.09.11)
其の六拾弐:またかいな・・・の巻−(2000.08.28)
其の六拾壱:隠し玉の巻−(2000.08.25)
其の六拾:ド肝を抜く行為の巻−(2000.08.12)
其の伍拾九:独断専行の巻−(2000.08.08)
其の伍拾八:勝手に治った??!!の巻−(2000.08.07)
其の伍拾七:人事異動は大変の巻−(2000.08.03)
其の伍拾六:書き忘れの巻−(2000.07.11)
其の伍拾伍:HDパンクかく解決せりの巻−番外編−(2000.07.10)
其の伍拾四:HDパンクかく解決せりの巻−Part3−(2000.07.04)
其の伍拾参:HDパンクかく解決せりの巻−Part2−(2000.07.03)
其の伍拾弐:HDパンクかく解決せりの巻−Part1−(2000.06.30)
其の伍拾壱:素人を巻き込むな!の巻−(2000.06.24)
其の伍拾:サポーター幹事会議の巻−(2000.06.16)
其の四拾九:Y2K vsHDD容量の巻−(2000.05.12)
其の四拾八:面倒くさいの巻−(2000.04.27)
其の四拾七:出張中のハプニングの巻−(2000.03.18)
其の四拾六:ドライバは「純正」に限るの巻−(2000.03.12)
其の四拾伍:再び鋭い?質問の巻−(2000.03.03)
其の四拾四:時代は変われどの巻−(2000.02.21)+後日談(2000.02.24)
其の四拾参:心臓に悪い出来事の巻−(2000.02.09)
其の四拾弐:ついに来た!の巻−(2000.02.04)
其の四拾壱:またドライバに泣かされたの巻−(2000.01.18)
其の四拾:鋭い?質問の巻−(2000.01.12)
其の参拾九:新年早々のぼやきの巻−(2000.01.05)
其の参拾八:ディレクトリ殺人事件?の巻−(1999.12.14)
其の参拾七:よくあるパターンの巻−(1999.12.09)
其の参拾六:「重要でない」ソフトの巻−(1999.12.03)
其の参拾五:どついたろか!の巻−(1999.11.11)
其の参拾四:「純正部品」の巻−(1999.11.04)
其の参拾参:とんでもない発想の巻−(1999.11.01)
其の参拾弐:「不正な処理」の恐怖の巻−(1999.09.21)
其の参拾壱:続・ドライバに騙されたの巻−(1999.09.08)
其の参拾:ドライバに騙されたの巻−(1999.08.31)
其の弐拾九:史上最大の不覚の巻−(1999.08.17)
其の弐拾八:我が身を笑うの巻−(1999.08.09)
其の弐拾七:不在通知に返事を書くの?の巻−(1999.07.18)
其の弐拾六:またやってしもた・・・の巻−(1999.07.07)
其の弐拾五:職場クライアントのつぶやきの巻−(1999.06.21)
其の弐拾四:メモリー増やすと速くなるの?巻−(1999.05.26)
其の弐拾参:新職場での初サポートの巻−(1999.05.21)
其の弐拾弐:初物食いは危険の巻−(1999.05.19)
其の弐拾壱:大丈夫かいな・・・の巻(1999.05.08)
其の弐拾:発つ鳥あとを濁すの巻−(1999.05.07)
其の拾九:時代は戻る・・・の巻−(1999.04.19)
其の拾八:組織改正の弊害の巻−(1999.04.12)
其の拾七:アホタレ上司の巻・Part5(最終回)−(1999.04.02)
其の拾六:続・使われてないPCの巻−(1999.03.19)
其の拾五:「洪水は来れり」の巻−(1999.03.15)
其の拾四:使われてないPCの巻−(1999.03.06)
其の拾参:他人のことは笑えないの巻−(1999.03.01)
其の拾弐:「タマネギ文書」の巻−(1999.02.24)
其の拾壱:噛み合わない会話の巻−(1999.02.12)
其の拾:外された梯子の巻−(1999.02.05)
其の九:アホタレ上司の巻・Part4−(1999.02.04)
其の八:小さな親切大きなお世話の巻−(1999.02.03)
其の七:アホタレ上司の巻・Part3−(1999.01.30)
其の六:何年PCを触っていても・・・の巻−(1999.01.26)
其の伍:アホタレ上司の巻・Part2−(1999.01.23)
其の四:E−Mailに御用心の巻−(1999.01.23)
其の参:アホタレ上司の巻−(1999.01.21)
其の弐:BASICは恐いの巻−(1999.01.21)
其の壱:学生時代の巻−(1999.01.19)


其の壱〜其の弐拾伍

其の弐拾五:職場クライアントのつぶやきの巻−

職場の異動があって以降、ずっと使えなかったホスト端末用エミュレータソフトがやっと動くようになった。1ヶ月ぶりである。なんでこうなったか、今回はクライアントとしてのぼやきを書く。

元々、組織変更で私のマシンが事務所の引越しと同時に移動することは3月中旬頃から決まっていた。しかし、移設に伴うIPアドレスの変更や移設の手続きの詳細は未定で、4月になっても具体的な指示はなかった。それで連休前になって新しい職場のまとめ役を通じて私のマシンの移設の他、エミュレータソフト新設3台とプリンター1台増設の計画を接続図とともに情シスへ申し入れた。その時点ではプリンターとソフトの納期が連休明けになるので、それまで待つ事になった。私はまだ前の事務所にいたので以前の環境のままでマシンを使っていた。
連休明けにプリンターも到着したので「セットアップに来て欲しい」と情シスに連絡したら「接続申請を出してくれ」と言い出した。おまけに申請から使えるようになるまで10日かかるという。職場のまとめ役もPCにはそれほど詳しくないのだが、以前の説明の時にも何ら申請書の必要性を言われなかったのでかなりむくれていた。それでもまあ、私が引越しするまで我慢をすれば、と思っていた。そうこうするうちに私は5月20日で新しい事務所に移った。
移ったはいいが、まずNTサーバーのIPアドレスを貰うのに数日かかった。おまけにエミュレータの接続はTCP/IPではなく、別の方法でホストに繋がっているので例の接続申請によるアドレスが必要だった。その間、私の実務は1台だけある部共通のホスト専用端末でこなさなければならなかった。それでもマシンの設定に28日には来ると言うので、再び我慢の日を続ける事になった。

ところがである。
突然設定を28日から6月1日に変更してくれと言い出した。冗談じゃない、その日は月末処理の締切日である。月末、月初めはどこでも忙しいのが当たり前、非常識も甚だしい。それで無理矢理28日に来させた。そして28日になって唖然とするようなことがわかった。何と申請書が情シス内の事務所部門から本社部門へ渡っていなかったのである。職場のまとめ役と私は怒り狂った。「すぐに接続番号を設定しろ!
さらにとんでもないことが起こっていた。ソフト新設の3台は申請書が出ていたのだが、私の分は移設ということなので何もしてなかった。それが「実は移設も申請がいるのですが・・・」ときた。「紙がなくては動けませんので・・・
呆れて物も言えない。それでも怒りを抑えて3台分は番号を割り当てさせて月曜日から動けるようにさせた。しかし私のマシンはそのまま10日待たされる事になった。あげくに実際に番号の連絡が来たのは17日だった。かつホスト機の端末番号リストの更新は休日のバッチ処理のため、本当に動くには21日まで待たねばならなかった。
これが事の顛末である。

今回の事件で明らかになったのは、
1.情シスの担当部門(実は3個所がからんでいる)は各々自分のところのことだけしか考えず、コーディネーター役がいない。おまけにお役所的対応しかしないし、できない。(情シスはその性質上縄張り意識が強い)
2.システムの構築、設定はクライアントがやるもので、情シスは言われたら必要な事だけしぶしぶやる。
ということであった。

其の弐拾四:メモリー増やすと速くなる?の巻−

PCではなく、FAXの話をする。
何年か前まではFAXが職場に1台しかなくて困っていた。前の職場に初めて配属された時、1台しかないのを目撃して驚いた事を覚えている。多数の部署が2台置いているのに比べて、本来なら社外との連絡が多いはずの職場と知っていたからなおさらだった。思わず大きな声で「えーっ、1台しかないの?」と言ってしまった。
職場の中からは「いつも混んでる」とブーイングの嵐があったし、社外からも「おたくのFAXはいつも話し中ですね」とのクレームが出ていた。だがなかなか増やして貰えない。
そりゃそうだ。経費関係の財布のヒモを握っていたのは其の拾で紹介した保守主義者のH氏だったからである。特に設備にかける金にはうるさかった。関西風に言う「しぶちん」で、返答に詰まると「部長の判が貰えない」を連発した。
だが、あまりの非難の声に彼もついに降伏した。・・・と思いきや、どこでどう入知恵されたのか「メモリー増やすと速くなるから手配してきた」と言うのである。
「メモリー増やしたって話し中は解消せえへんよ」
「嘘やろ」
「蓄積できる量は増えるし、メモリーが空くまでの待ち時間は減るけど、通話時間は変わらん」
「何で?」
こんな調子でまったく理解できないらしい。仕方がないので通話時間のチャートを書いて説明したが、これも完全とはいかなかった。そもそも電話もFAXも同じ原理だということを説明しても、これまた「むつかしいことはようわからん」で終わってしまった。
結局こちらの真剣な顔で、メモリーだけではまずいということだけは納得したらしく、数ヶ月後に追加の1台がやってきた。それ以来文句が出なくなったのは言うまでもない。

其の弐拾参:新職場での初サポートの巻−

新しい職場に引っ越して、早速サポートをすることになった。

まず一緒に引っ越した同僚のLAN接続の設定変更をした。まあここまでは別にどうってことはない。だが彼もごく普通の中年一般ユーザー、Excel/Word程度しか使わず、何とマシンを貰って以来3年くらい不要ソフトの削除はおろか、HDの掃除もしたことがないという。一番の典型がテンポラリファイル。c:/windows/tempに300ファイルものカスが溜まっていた。不要ソフトも合わせて「ごみ箱」の中を一気に掃除したら1300ファイルが消え、20mbくらいの空きが増えた。
そのうちに画面の色がおかしいことに気付き、はは〜んとデスクトップの設定を見たらやっぱり256色のままだった。こういうのが一般ユーザーには多い。でもExcel/Word程度しか使わないなら、確かに気が付かないだろう。

そうこうしていると、別の中年ユーザーが「E−Mailを見たいのだけど、何とかして」との相談。彼は初めてタイへの輸出の仕事をしていたのだが、関係先から「E−Mailを送ったので見て欲しい」と言われて、どうしていいかわからなかったのである。
そんな人に何故E−Mailを?理由は簡単、彼の名刺には本人も意識になかったメールアドレスが書いてあったためである。最近は本人の希望に関係なく会社がアドレスを与えることが多い。だからこんな珍事も起こるわけだ。
本題に戻って、彼のマシンにはメールソフトが入ってなかったので急遽インストール、無事メールを読む事ができた。既に4通が入っていたが、よく見ると1通は昨年12月のものだった。

其の弐拾弐:初物食いは危険の巻−

ヘルプデスク掲示板でのやりとり。(デスク:デ ユ:ユーザー)

ユ:Windowsを終了すると必ず途中でフリーズします。解決法を教えて。
デ:いつからそうなっていますか?
ユ:IE(インターネットエクスプローラー)5.0をインストールしてからです。
デ:業務に必要でない限り、こちらで評価を下していない不安定なソフトを勝手に入れないで下さい。サポートできません。IE4.01 SP1またはSP2を入れ直して下さい。

いわゆる「初物食い」で失敗する人は結構いる。これなんかは典型である。ましてや管理のうるさい会社のマシンに平気で指定外のソフトを入れ、厚かましくも馬鹿な質問をするもんじゃない。
個人的に言わせてもらえば、初めてリリースされたソフトは買う気にも使う気にもならない。失礼な言い方かも知れないが、Windows95が出た時に徹夜で並んで買ったという人の神経は理解しがたい。世の中広いからそういう人もいることは否定しないが。
発売するメーカーのエンジニアも辛いところがあるだろう。あらゆる機種、あらゆる設定条件についてベンチマークをテストするわけにいかないからである。だから、実態としてバージョン0のソフトは初物食いのユーザーが実験台になり、半年か一年でバグフィックス版が販売されることになる。それを百も承知で新作ソフトを買うユーザーは、嫌味でなく、勇気のある人と言えるかもしれない。知っていてやるのと、知らずに初物に飛びつくのとは意味が違う。
最近は買ったソフトに「次回のアップデート版を無料で送ります」というのがあるが、自信がないからそうしてる面もあるとしても、最低でもそうすべきだろう。サポート窓口で「それはバグですので、次回発売のバージョンで直します」などとふざけた回答するよりも正直でいいと思う。

其の弐拾壱:大丈夫かいな・・・の巻−

前回の続きで、WINDOWS95の再インストールをする時のこと。
マシン付属のリカバリFDとCD−ROMを捜すが、ない。職場の誰に聞いても知らないという。おいおい、トラブルがあったらどうするつもり???でもよく聞いてみると4年ほど前に入ったマシンはすべてそうらしい。何と情シスの人間が持って帰ったという。どうやらサイトライセンスで一組だけしかなかったようだ(最近は1台づつ配っている)。しかし困った。それでよその職場を回って適当なやつを借りてきた。幸いにも同じメーカーのマシンなのでうまくいったが冷汗ものだった。

さて、そのまた続きで呆れた話を。
もう一方の共用マシンは140MBの空きを確保できたが、ついでだからもう少し増やしたくなってOffice97のアドインの「追加と削除」を試みようとした。会社の標準はOffice95で、Office97は個人で入れたものだ。ところがこのマシンを管理していた女性(A子)に「CD−ROM貸して」と聞いたら・・・
A:「あ、あれは友達に借りたものだから返したけど・・・」
私:「そりゃ違法コピーだよ。おまけにCD−ROMがないとソフトの削除もできないよ」
A:「でも、その友達も持ってないと思う」
私:「何で??」
A:「その子は、マシンと一緒に別の人に譲ったから」
私:「それじゃもしトラブルがあったらWindows95から再インストールしないといけないよ」
A:「・・・・」

あちゃ〜、先が思いやられる。(>_<)

其の弐拾:発つ鳥あとを濁すの巻−

新しい職場でのOA環境がいよいよ整う。プリンターやソフトが入荷して、後は情シスの人間がセットアップに来たら完成である。そのための準備作業をしに行ったら、とんでもない目にあった。
殆ど誰も使っていなかったPCに実務のソフトを入れて再生することになったが、こいつのHDを見るとトータル500MBしかない上に空き容量が50MBしかない。ソフトは入るがキャッシュを考えると恐ろしくて使う気になれない。聞いてみるとどこかで使っていたお下がりだった。中身を見ると、こんなことがしてあった。
1.約500MBの内、一部4MBくらいを別パーティションにして圧縮ドライブにしてある。(用途不明)
2.c:/tempフォルダにアプリのセットアップで使ったテンポラリファイルが放置されている。
3.「アプリケーションの追加と削除」では消えない出所不明のソフトがわんさとある。
4.c:/windows/tempに放置されたままのテンポラリファイルが260個もあった。
5.これだけHDが詰まっているのにチューチューマウスとか変なお遊びツールが入っている。

誰がこんな事をしたのか問い詰めたが、前の所有者は結局わからずじまいだった。何とか普通の手段で空き領域を増やそうとしたが、65MBが限度だった。頭に来た私はついに、WINDOWS95の再インストールに踏み切った。お下がりに出す時はちゃんと身奇麗にしてから人に渡すもんだろが!マナーの悪い奴にPC使わすな!

もうひとつ同じような使われていない共用マシンがあったが、これは管理が良くて、50MBの残り容量から贅肉を削って140MBにできた。えらい差である。

其の拾九:時代は戻る・・・の巻−

組織改正の混乱は連日続いている。その中でとんでもない事がわかった。
まず、本社サイドから出勤簿を全社統一するという話である。私の旧所属では昨年秋からPCに直接出勤時間をインプットする電子出勤簿を導入していた。それも勤怠だけでなく、各社員の工数をどの実ジョブの原価に割り当てるかという通称「工数カード」の処理もしているスグレモノで評判もよかった。Oracleのデータベースを使ったカスタムアプリで、社内の先頭を切っていたのである。これが突如OCRに変えろという指令が出た。
せっかく何百万円も投資したのが半年でパァになるので反対したらしいが、本社曰く「現場との統一のため」と強硬だった。事務部門だけそのまま使わせろ!下らん統一をするな!と言いたい。

その次が私の新しい所属での話。私を含めて60人くらいが異動したのだが、この新しい部門は今の事務所から50Kmくらい西にある工場を基点としており、社内でも指折りのOA化が遅れたところであった。時代遅れの、万事がお役所的対応で、かつ対外的には大会社を傘に着て態度だけデカいとの噂である。それで異動になったある管理職は覚悟を決めて、「せめて昭和くらいまでの逆行に止めてほしい」と願いながら工場へ仕事のやり方の打ち合わせをしに行った。ところが彼はあまりのひどさに愕然として帰ってきてこう言った。「まさか大正、いや明治だったとは・・・」とぼやいた。例えばである。
まず、受注したジョブの管理は何とカルテ式の手書きカードである。本社への登録はカードから別のIP用紙に転記し、それをホスト端末からキー入力するのだ。社内の大半が本社電算が開発したホストでの直接インプットを採用しているのに、ここはどうやら実ジョブの件数が少ないという理由で使ってないらしい。
次に前述の「工数カード」は「そんなものは使った事がない」、つまり工場全体で人件費の丼勘定をしていたらしい。もう次の言葉が出ない。
極めつけはPC環境で、今日工場に電話してある担当者にさりげなく聞いてみた。以前から数千人の工場で私くらいのレベルの人間が2人くらいしかいないとはうすうす耳にしていたが、やはり予想通りだった。PCで使うのは全社指導のLotus NotesとせいぜいExcel程度。もちろんインターネットなんかは別世界である。最も驚いたのはNotesを含むサーバーは工場に無く、別の工場のサーバーの一部を間借りしていることである。情シスの管理者はいるがヘルプデスクはいなく、管理者が本社へ取次ぎをしている。
私の机がこの工場へ引越しになる可能性もあるので、先を考えると憂鬱になる。というのも60人もの人間が新しく入るとOA関連設備の不足どころか電話交換機の容量が足りないのが実状だからである。

其の拾八:組織改正の弊害の巻−

日記にも書いた大幅かつ性急な組織改正でPC環境の再構築が追いつかない。原因は簡単、準備をする時間が全く与えられなかったからである。最大の犠牲者はPCユーザー、次は情シス担当者である。
何しろ大会社の事ゆえ、部門によってサーバーやデータベース、専用アプリが仕事の内容のせいでバラバラ。それを横断して大きな異動がやられたものだから、大混乱である。本来なら引越しの準備に1ヶ月以上は必要、それを異動の2週間それも決算前に発表するという無茶をやったのである。今の混乱の収拾がつかなかったらそれは上層部の責任である。中間管理職も怒っている。
PC問題に限らず、軌道に乗らないことが予想されるところでは数ヶ月後に組織を再編成しないといけないだろうという声も聞こえる。
さて、私が新しく所属することになった部では、数人が仕事の移管の関係で私と同じホスト端末の作業をしなければならなくなった。だがWindows95用のエミュレータとプリンターは今から購入するため、本人達の机での仕事ができない。それでどうしたか。
毎午後1kmも離れた私がいる事務所の所まで出てきて端末を操作するはめになったのである!
私自身は新しい所属の事務所に移動せず、旧所属のところで作業している。仕事ができない場所に移っても意味がないからである。こんな状態が少なくとも4月末までは続く。エエ加減にせえや!

其の拾七:アホタレ上司の巻・Part5(最終回)−

其の拾弐で紹介したNotesによる海外出張の旅費計算プログラムが最近バージョンアップされたが、相変わらず操作性は悪い。で、彼はまた自分で操作できないのでアシスタントに頼む羽目になった。そこまではまあ許せるし、自分でもやってみようとしたところまでは可愛いものだった。しかしそのあとがいけない。
彼女に残業までさせて一緒に操作していたら、突然飲みに行く誘いの電話が来たと思ったら「あと、頼むわ」とそそくさと帰っていった。勿論彼女が怒りまくってすぐに帰宅したのは言うまでもない。

さて、このアホタレシリーズは今回で一旦終わる。というのも、席は変わらないまでも彼との上下関係が切れたからである。もちろんまた何かをしでかしたらその時には紹介する。そして最終回として特別編をお送りする。・・・

1.私も同席していた海外との商談の時のこと、たぶん俺は一生懸命仕事をしてるんだとでも言いたかったのだろう、我が耳を疑う発言をした。
私は給料はいらない、仕事だけあったらいい
この発言は二度聞いた。一度はシンガポールの会社で、これを聞いた相手先の重役は部下に「おい、今の言葉聞いたか」と、笑いながら紹介していた。

2.私のグループ内の一人が商談での交渉術の講習を受けた。その報告会での席のことである。普段から会議と言う名前の独演会をやるアホタレは、報告の後自分がやった交渉のマル秘テクニックを得意満面で紹介した。その内容はとてもここでは書けない。会社として公認しているという誤解を招くと困るので、残念ながら割愛させていただく。で、講習を受けた本人は会議の後でこうつぶやいた。
あれはみんな、講師がやってはいけないこととして説明したやつばっかりやんか
つまり、アンフェアな交渉ばかりだったのである。

3.これはごく最近のこと、こちらが買い手として韓国の某機械メーカーとの商談を私の同僚がやっていた時のことである。契約前の最後のやりとりを彼が電話でやっていた。金額で難航していたらしい。
ちょうど横にいて話を聞いていたアホタレは、その電話を取り上げて自分で交渉をし始めた。
今韓国は不景気やからあんたのとこもいつ潰れるかわからん。そやからこの仕事取っとくことや
これだって脅迫に近い発言である。さらに相手は若い女性のジェネラルマネージャーだった。それを知りながらアホタレはとんでもない発言をした。
まあ、もし会社が潰れても、あんたやったらホストクラブくらいは行けるやろけど
この会話は私も含めて3人が聞いていたが、全員目を丸くしたのは当然である。
アホタレは従軍慰安婦の話を知らないのだろうか。相手は韓国のそれも女性である。外交問題に発展しても決しておかしくはない。同僚は顔色を失っていた。
その後何とか商談は成立したが、この同僚は彼女を日本に呼んで食事に招待し、非礼を詫びた。謝罪をするまで気になって仕方がなかったそうである。もちろんアホタレにはこのことを知らせてない。それで反省するような性格でないことは誰もが知っているからである。

万事がこの調子だから、このアホタレ上司のことは社内外の関係者間では「下品な人間」としてつとに有名である。当然私も相手にしたくない人間と思っている。と同時に、こんな人間を放置している会社って一体何なんだろうと疑問に思うこの頃である。

其の拾六:続・使われてないPCの巻−

其の拾四で書いたNotesによる社内メールの続きを。
掲示板にメール削除の依頼が出されてから1ヶ月後、再び同じ文面の依頼が出された。それも前回からの容量の変化も載せてあった。だが何のことはない、上位記録者の殆どが減るどころか増えている。100MB以上の使用者39人の内減ったのはたった7人であった。前回のワースト1はさすがに3位に転落したが。
云わんこっちゃない。メールを空けたこともない人だらけなのだから別の手を使うべきだと思うのだが。

其の拾五:「洪水は来れり」の巻−

先週東京地区のNotesメールサーバーが丸々2時間沈黙するという事件があった。
原因は簡単である。さるユーザーが8MBのメールを350通も流したからである。悲劇というか喜劇に近い。多数の他のユーザーから、いつまで経っても相手にメールが届かないというクレームで発覚した。
サーバーはこの大容量かつ多数のメールを処理するのに必死で、とても他のメールまで手が回らなかった。CPUはざぞかし忙しかっただろうに。
まあそれにしても非常識というか、無知なユーザーもいたものである。恐らく添付ファイルの容量なんか気にも留めなかったのだろう。それともっと不可解なのは350人にも送る必要のあるメールって一体何だったんだろう???
詳細は知らされていないが、このユーザーはしっかりとお灸をすえられたことと思う。

其の拾四:使われてないPCの巻−

先日Notesによる社内メールの件でヘルプデスクより下のような掲示があった。

1999年2月12日
ヘルプデスクセンターより不要なNOTESメール削除のお願い

A工場、H工場、N工場、B工場、国内支社の皆さんに、NOTESメールサーバー(XXX11)に保管されている不要メールの整理をお願いします。

現在、サーバー上のメール文書保管容量は一人当たり:15MBの計画で設備導入し運用していますが、一人当たりの保管量が増加し、サーバーの空スペースが逼迫してきています、設備の増強も計画していますが、利用面からの見直しもあわせて実施したいと考えます。先ず、効率的な利用/運用をして費用増加を抑制することが必要であり、以下の要領で保管メールをチェックのうえ、不要メールを削除して頂くようお願いします。

※「受信ボックス」だけでなく「送信」からも削除整理してください。操作不明の方は部門LAN管理者にご相談下さい

なお、メールは自動的には削除されませんので、今後とも各自で定期的に削除するなど、サーバーの効率的な利用にご協力下さい。

氏名 容量KB
s_n  303,872
n_m  280,320
t_s  259,584
s_i  211,456
m_i  180,736
s_a  174,080
y_n  172,288
a_y  164,864
s_m  160,512
n_t  153,088

上記ワースト10を含め、100MB以上占有しているのが39名いる。
ワースト10は恐らくNotesを起動したことがないか、PCの電源すら入れたことがないと思われる。よくもまあここまで溜めたものだ。ひょっとしたら長期出張かもしれない。
しかしこれを見て不思議に思ったことがある。ここまで放置していたヘルプデスクは一体何をしてたのだろう。そりゃ、メールの管理は本人の責任である。だが、Notesの掲示板に書かれたこのメッセージを、Notesを起動してないユーザーがどうやって読むのだろう。「操作不明の方は部門LAN管理者にご相談下さい」というのも殆ど無意味である。
ヘルプデスクが直接電話するか、LAN管理者に連絡して本人に不要メールの削除を促せばいいと思うのだが。こんなお役所的メッセージ1本で解決するとはとても考えられない。
PCを使うのはビジネスマンの常識、とはいってもキーボードアレルギーの人は必ず存在すると断言していい。「お前が悪い」というだけでは解決しないこともある。スキルアップの努力をせずに文句ばかり言うユーザーも困り者だが、杓子定規の対応しかできない管理者も困る。

其の拾参:他人のことは笑えないの巻−

先週大変な大ボケをやってしまった。
以前書いた「其の拾」ではないが、Multiplanで大失敗をした。93年に業務で作ったMPファイルを読もうとExcelを起動しファイルを開けようとしたら、あ〜ら不思議、「コンバータがありません!」と一蹴されてしまった。ぬぬぬぬぬ、嘘やろ〜、とセットアップからコンバータを入れようとすると、な、無い! MicrosoftのHPを見ても社内のヘルプデスクに聞いてもだめだった。Office95からは消えていた!
こんなことなら早くコンバートしとくんだった!と悔やむ事しきり。「Office4.3ならコンバータがあるよ」とヘルプデスクに言われたが、今更Office4.3をセットアップしてOffice95と同居させるのは恐ろしくて仕方がない。う〜ん困ったぞ。だがそこで切り札を見つけた。自宅のオンボロノートPCはWin3.1+Office4.3だったんだ!
早速FDを自宅に持ち帰り、死にかかった液晶に顔を近づけて何とかコンバートに成功した。ふーっ、救われた。だが21ファイルの内、1つは死んでいた。でもまあいいか、コンバートは可能だったんだから。
ノートPCを荒ゴミに出さなくてよかった。

其の拾弐:「タマネギ文書」の巻−

以前も書いたが、ウチの社内メール、掲示板とかデータベース(DB)にはLotus Notesを使っている。2000年問題があるのでもうすぐ別のものに置き換えられる予定だが、DBの設計が良ければなかなかのスグレモノである。
しかし、時としてとんでもないものが出来上がる。

−その1:
新規導入マシンのセットアップ手順を書いたDBで、アイコンを開くと説明の途中で何個所も「詳細はココ→」と他文書のリンクが貼ってある。で、リンクの先を見るとまた別のリンクがある。こういうリンクの参照が次々と出てくるのを「タマネギ文書」と言うそうな。何度皮をめくってもまた次が出てくるからである。(ウェブページも似たようなものがある)
タマネギではないがいちばん腹が立つのは「○○のご案内」というタイトルの文書を開けると「○○部から××講習会が開催されますのでご案内します。」と1行だけ書いてあって、Word文書が添付してあるヤツだ。こういう文書は開ける気もしない。

−その2:
海外出張の旅費計算プログラムをNotesのDBで開発したのはいいが、社内では不評たらたら、悪名高きものになっている。例のアホタレ上司も自分ではまったく操作できない。私も韓国行きで2度使ったがうわさ通りである。やはりタマネギ化している上に、A4縦文書と横文書が混在するわ、入力の説明が最初のページにだけあって、入力画面はボタンとボックスだらけで説明不足と、さんざんである。詳細操作マニュアルは別にExcelで10MBある
もっと腹が立ったのは、国名や所属部課コードなどのマスターファイル用アイコンが10個くらい目次に貼りつく。海外出張だけで別のタグが必要になった。
最後のダメ押しはこうである。帰国後に使い残しの外貨を返却するのだが、先に外貨を出納に返却してチェックを入れてもらわないと旅費計算の操作へ進めないのである。苦労して浮かしたホテル代や食事代の差額が給料と一緒に銀行振り込みされるので非難の的になっている。お父ちゃんのへそくりはどないしてくれるねん!
さすがにバージョンアップされるらしいが、結果や如何。

其の拾壱:噛み合わない会話の巻−

これもウチの子会社の話である。前回とは違って東京に事務所がある商社である。10年ほど前に、私が見積書を作ってそこの会社を通じて機械部品などを売っていた。私が見積書をPCで作り始めたのを、ウチでも使わせて欲しいという話になって私が手伝いをすることになった。口銭もオープンになっているからプログラムは殆ど流用のきくものだった。ただ、現存のプログラムがあるのでそれを改造できればという向こうの意向もあったのだが・・・。

まず1回目の出張。向こうの担当者と上司に説明を聞いた。
「今のプログラムは何ですか?」 「わかりません。ただよくコケます」・・・(Basicだった)
「誰が作ったんですか?」 「元大企業のOBです」・・・(おいおい、素人かよ)
「(ソース見て)ちょっとひどいですね。いくら払いました?」 「50万円です」・・・(よくもまあ)
「これを改良するとしてどんなことがやりたいですか?」 「今のままで動くようにして欲しい」・・・(なんやねん)
電話での話しと違うじゃないか、ウチのデータとの整合性をどうするか気にしてたのに。そんな思いで帰社し、早速50万円もしたBasicプログラムを解析した。
メニューの部分と5つほどのサブルーチンがあって、それぞれメニューにマージをするようにしたものである。それにしてもエラー処理が殆どない。変なキーを押したらそれまでである。これが50万円かよー、ええ加減にせんかい!
それで、仕方がないので私が使っていたdBASEIIIに切り替える事にした。文法は割と似ているので簡単だった。だが、1レコードの各項目の文字数の定義が大分違う。そこで資料を用意して再度打ち合わせをすることにした。

2回目の出張。
「今のデータはこういう風になっていますね。これに付け加える事は?」 「わかりません」・・・(テメエのことだろが)
「ウチのデータを入れようとすると、文字数や桁数が合いません」 「そんなに面倒ですか」・・・(当り前やんか)
「だったらこれ(紙を見せる)でいきませんか?」 「?」・・・(今まで桁の不足感じた事ないんか)
「式はこれでいいですか?」 「0は空白になりませんか。それから例外計算があるんですが」・・・(勝手な事ぬかすな)
結局話が全然噛み合わない。それとやたら条件分岐(もし〜なら、〜をする)を要求する。IF文を多くすると処理が遅くなるし(昔はその差がもろに響いた)複雑なプログラムになるのも知らずに、自分勝手に「とにかく動けばいい」という態度である。頭に来た私は相手の言い分を無視して「こう決めましたから」という作戦に出た。
そしてプログラムは完成して動くようになった。何年か後に私は人事異動でその会社とは縁が切れたが、一度も文句は出なかった。もっと仕事が速くできるようになれば、という欲もなかったのだろう。10年も過ぎてマシンも変わったと思うが、このプログラムがどうなったのか、その後の消息は聞いていない。

其の拾:外された梯子の巻−

世の中十人十色、人それぞれであるが、PCを触らせると性格が出る。特にデスクトップの画面や壁紙、スクリーンセーバーにはその人の趣味があって、個性的である。机の上にちょっとした花を飾る気分かもしれぬ。
大体、女性は壁紙とかスクリーンセーバーを飾る。うちの職場で一時流行ったのがディズニーランド、最近ではタイタニック号のセーバーである。いちばん面白いと思ったのはデスクトップのアイコンをリング状にならべているものである。
男性陣は得てして殺風景である。極端なのはWindows95がインストールされた状態そのままのものもある。女性のハダカを壁紙にしているものもあるが水着止まりである。私の会社での壁紙はスペースシャトルの発射シーン、スクリーンセーバーは「ちびまる子」である。笑わないで欲しい。一頃セーバーにScreenDecayという、画面が上からダラーッと溶けて垂れ下がるようなものを使った事があるが、ユーモアが通じなかったようなので止めた。

前置きが長くなった。H氏という大変真面目な性格の人の話をする。年齢は五十過ぎ。PCは以前から使っているので初心者ではない。H氏は部内のノルマの数字を管理している人で、目標と実績、上司からのデータ分析依頼などをコツコツ実直にやっていた。当然使うソフトはExcelである。DOSの時代はMultiplanであった。
ただこの人には一つだけ難点があった。MultiplanあるいはExcelしか使おうとしないのである。おまけにデータは今でもすべてFDで、ご丁寧にもルートディレクトリにファイルがずらっと並んでいた。まあファイルが数十個しかなかったので大した問題にはならなかったが。
一度ファイルが読めなくなったと相談に来た時、この保守主義者に「ディレクトリ作って、ファイルの整理したら?」と進言したが、「私にはようわからん、むつかしいことは絶対にしとうない」と取り合わない。この調子だからソフトのバージョンアップの直後などは「わからん」を連発した。自分の机にWindowsマシンが来ても、わざわざオフラインで置いてあるIBMのDOSマシンを使うという徹底ぶりである。
しかしH氏にも一度危機が訪れた。Windowsが3.1から95に変わると同時に、DOSマシンがリース切れで撤去される事になったのである。さあ、大変だ、後生大事に使っていたMultiplanが消える事になって、上司に泣き付いたのである(例の彼ではない別人)。もともと早くExcelにコンバートすりゃ良かったのだが、頑固さが障害になっていたのだ。そこで上司は情報システム部に相談して特別に彼だけのためにファイルコンバートを依頼した。
ところがコンバートが終わったFDを見て彼はパニックになった。私のところへ、「Multiplanのファイルが消えてる!どこにあるか見てくれへんか」と相談に来た。どうせないものはないのに、とは思いつつFDの中身を見るとそりゃ確かにExcelのファイルしかない。
「うーん、ホンマにないですねえ」
「そ、そんな、むちゃくちゃや」
「どうせExcelにするんだから気にせんでも」
ふと横を見ると、彼の上司がニヤリと笑っている。ははーん、梯子を外したな。
H氏はその日一日FDを調べたり、情シスへ聞きに行ったりして「困った困った」を連発していた。
もちろんH氏は今や文句も言わず、毎日Excelを使いこなしている。

其の九:アホタレ上司の巻・Part4−

この御仁、上に向かっては丁寧な言葉を使い、下には横柄でかつ始終怒鳴る、いわゆる「ヒラメ」タイプである。だからPC操作で困った時でも横柄で、「おい、ちょっと教えてくれ」と言うくらいはまあ可愛いもので、大抵は自分の操作ミスや無知をマシンのせいにする。一度Excelでセルの編集モードになっているのを知らずにキーやマウスを触ったものだから中身がセルの参照で変な事になっていた。「まあ、手が滑ったんでしょう。よくあること」と言っても「絶対に間違えてない!」の一点張りである。
まあこの程度は世間一般でもよくあることだと思う。そこでこれはちょっと、という話をしよう(PCとは関係ないが)。

出張は「秘密裏」に:
国内・海外を問わず、出張することを事前に部下には知らせない。もちろん「出張するからその間はこれを頼む」とも言わない。上に対しても概略は報告してもスケジュールの変更や日程が延びた事などは連絡しない。実務に関係するほんのに数人だけに時折連絡が入るだけである。一度出張中に彼のすぐ上の上司が我々のグループに来て、訊ねた事があった。
「君ら、あいつ今どこにいるんや知ってるか」 「知りません」
「いつ帰って来るんや」 「知りません」
「日程が延びるのとちがうのか」 「そうかも知れません」
「家への連絡とか延長の手続きは」 「もちろんしてません」
「・・・」

仁義なき初対面:
普通人事異動とか仕事の担当替えがあると、社内での関係部署には上司が部下を連れて挨拶に行くものだ。彼はそういうことをしない。人事異動でウチに来た人はまずこれに驚く。私もこういう目にあった。
ある時、今迄まったく付き合いのなかった部署との窓口担当になったのだが、彼は私に「会議に一緒に来い」という。彼が私を紹介しないままにいきなり会議は始まった。今迄どんな仕事をしているか知らなかった部署なので、何を話してるのかわけのわからないまま時間が過ぎた。そして会議が終わって帰り道での彼の言葉は「な、わかったやろ」。
その後、定年退職で辞めた人の後任として私が仕事を引き継いだ初めての担当の相手先には、その人と私だけが挨拶に行った。ちなみに彼が上司になって以来、それまで他の部署に配られていたグループ内各担当者の職務一覧表は、人事異動があっても作られなくなった。

彼のこういうキャラクターがどうして作られたのかは、未だ彼以外の人間にとって謎のままである。
似たような、あるいはこれを超える人がいたらぜひ教えて欲しい。・・・

其の八:小さな親切大きなお世話の巻−

HDが出始めた頃のFDベースのDOSマシン、かつソフトの違法コピー全盛時代のお話。友達同志で、「おい、いいソフトあるんやけど、いらんか?」「ほなちょうだい」などという会話とともにコピーの入った5インチFDが飛び交っていた頃のことである。大企業でもハードは100台買うがソフトは10台分の予算しか出さないのが当たり前だった。
当時、私は頼まれて通常業務以外に子会社で使う汎用データベースソフトの大きなマクロを作っていた。外付けHD付きマシンも専用に買ってもらったし、プログラムも出来たのでその子会社に出向き、マシンのセットアップと動作を確認して満足して帰った。それから2週間くらいしただろうか。突然向こうから電話がかかってきた。「あのー、電源を入れてもワープロしか動かないんですけど」。えっ、ワープロソフトなんて入れた覚えがないのになんで???
話を詳しく聞くと、データのインプットをしていた女性が、友達からワープロソフトをあげると言われて、FDからHDへコピーして貰ってからおかしくなったという。電話でなんとかできればと思ったが、困った事に向こうにはPCに詳しい人が居ない。しょうがないので1日をつぶして30Kmほど離れたその子会社に出かけた。
行ってみて、なるほど電源を入れるとすぐにワープロが起動する。すぐにファイルを調べた。思ったとおり起動用に設定してあるHDのAUTOEXEC.BAT と CONFIG.SYS が上書きされてしまっている。犯人(?)の女性を問い詰めると、その友達はFDから COPY *.* コマンドを使ってワープロソフトを入れていったという。DOS時代のことをご存知の方ならすぐわかるだろう。起動ディスク兼用のFDからコピーしたのである。
私はバックアップのFDを持っていってなかったが、幸いにして同じセットアップをしたマシンがもう1台あったので、そこから2つのファイルをコピーして取敢えずワープロの自動起動は防いだ。だがDOSのバージョンまで古いものがコピーされていた。腹が立つので思いっきりキーを叩いて設定とファイルを元に戻した。
彼女は半泣きである。その友達を呼んで一緒に注意しようと思ったが、見ていて可哀相なのでやめた。ただ「生半可な知識で違法コピーなんかするんじゃない、って伝えておきなさい」とだけ告げて帰宅した。

其の七:アホタレ上司の巻・Part3−

最近になって、2年前に入れたFMV BIBLOのHDが3台立て続けにクラッシュした。いずれも軸受が破損したと思えるシャーという雑音が次第に大きくなってついに動かなくなる、という現象であった。多分ロット不良だったのだろう。
さて、この上司は1台目の破損が起こった時の現場に居合わせてとんでもない発言をした。
マシンの所有者が私に異常音を告げてきたので、見に行ったらすぐにクラッシュと分かった。モーターが泣き声を出しているが、辛うじて回っているのでサーバーに大事な個人データを転送し始めた。だが残念!1/3程度送ったところでついに頓挫、諦めてすぐHD交換の手配をした。
そしてこのユーザーが「データがパーになった」とぼやいていたのを聞いたこの上司、「パソコンにデータなんか入れるからや!俺なんか紙にしか書かんから消えることないわ
これじゃあ人格を疑われても仕方ないだろう。

其の六:何年PCを触っていても・・・の巻−

亀の甲より年の功、とは言えないこともある。電源とケーブルがはずれているのを失念するのは経験年数に関係ないようだ。

社内の掲示板であった話:
ヘルプデスクへの質問で、大変丁重な文面のものがあった。曰く「今朝、業務でリモートドライブとして使っているサーバーにアクセスできません。私のマシンがおかしくなったかもしれませんので、チェックの仕方を教えて下さい。」
それに対する答え。「申し訳ありません、今朝、当該サーバーの電源を入れるのを忘れていました。今は動くようになっています。」

私の大ポカ:
業務で使っている部内共通のプリンター4台の内の1台が、ソーターだけ動作しない。印刷出力設定をいじくっても変わらない。通常の出力位置には紙が出るので、仕方がなく1日待ってそれでもだめならサービスマンを呼ぶ事にした。翌日、同じ職場サポートの人間と相談しながらプリンターをよく見ると・・・あっ、ソーターの電源ランプが点いてない!案の定、電源プラグが抜けていた。誰かが通路にちょっとだけ出ていたコードを引っ掛けたらしい。おまけにプリンターはコンポ方式で、本体とソーターの電源が別になっているという盲点があったのだ。

つまらない話かも知れないが、USBプラグは構造的に抜けやすいと思う。自宅のマシンで、裏のケーブルをいじると必ずキーボード用のUSBが抜ける。

其の伍:アホタレ上司の巻・Part2−

この御仁、メーラーは持っていても殆ど使えない。(だからこんなことが書ける)
去年の事だが、いやでもE−Mailを使わざるを得ない羽目になった。業界団体の「XX協会」のさるワーキンググループの人選で、彼が会社から指名されたのだが、何せ相手のメンバーも大企業のやり手ばかりで海外経験も豊富、モバイルを使ったことのある人も含んだPCの強者ばかりである。ワーキンググループの報告書を作るのが最終目的であり、当然ながら会合の連絡や報告書の原稿を送ったりするのでE−Mailは必需品になった。
で、彼は困った。困った挙げ句に、アシスタントの女性に、「おい、原稿渡すようにするから俺の名前でメール出せるようにできひんか」???!!!
メーラーはWinbiffで、パスワードがかかっている。おまけに彼女にはメーラーがインストールされていない(E−Mailアドレスは必要な人にしか与えられていない)。周囲が手取り足取りして自分で本文を作れるようにはなったが、メールに添付されているファイルを開く事はなかった。一度だけ、教えてくれというので見に行ったらLZH形式の添付ファイルがあったので私が解凍ソフトのLHMELTをインストールして使い方も教えたが、何の役にも立たなかった。それにしても「セキュリティー」という言葉は彼の辞書にはないらしい。
私と隣の同僚とのひそひそ話:「上の人間が聞いたら管理者失格て言われるで。でも、ほんまに他人が操作できるんやったら彼の名前で買物でも何でもやったるのになあ」

其の四:E−Mailに御用心の巻−

別に昨今の犯罪騒ぎに影響されて書くわけじゃないけど、電子メールにまつわる話を。

−Lotus Notesを使われている方ならご存知だと思うが、社内メールのみならず、Notesを使ってE−Mailをやり取りしている(私の職場ではやってないが社内の一部にはある)場合、絶対に不在通知は使うなというお触れが出た。理由はこうである。
最近メーリングリスト(掲示板のように、全てのメールがメンバー全員に送付される。略称ML)に加入するケースが増えてきているのだが、不在通知を設定しているとMLからのメールに対して不在のメッセージが自動的にMLに返され、それを受け取ったML側が再度全メンバーに本人不在の通知を送り、それに対してもまた不在通知が返される・・・というように無限ループが形成される事が解ったのである。
他にも問題があるので、NotesとE−Mailを連携するのはやめたほうがいいと思う。

−言い古された話だが、E−Mailの添付ファイルには本当にウィルスが多い。会社に、送信元のドメイン名も書いた被害報告の掲示板があるのだが、子会社も含めて約1万人のユーザーで1日1件は必ずウィルス報告がある。それも名だたる大企業や大学の名前が出る事もあるのだ。それで最近はクライアント機のワクチンソフトだけに任せず、メールサーバーにもワクチンを置いて、ウィルスに感染している添付ファイルを消去した上で本人に本文だけと感染通知が届くようになっている。

−ウィルスもさることながら、添付ファイルを動かすソフトも千差万別で、WordとかExcelくらいならバージョンが違っても何とかなるが、マイナーなやつだと手に負えない。私も米サンディエゴにある某社からFAX専用らしきソフトで書いた読めないファイルを送られて、ベタテキストを再送付させた経験がある。
職場での最悪のケースは、HTML文書の添付で、かつどこやらの国(英語圏ではない)の言語が使われていて全く判読不能のものだった。添付ファイルがどの形式でどのバージョンかを明記する、マイナーなソフトのものを送らないというのもネチケットの内と考える。私も失敗したがHTMLもやめたほうがいい。

ウィルスの件も含めてこういうことに一番無神経なのがお隣の某国である。

其の参:アホタレ上司の巻−

私の会社の上司は大抵の人から嫌われるという類まれな性格の持ち主である。言葉も態度もハンパじゃない下品さをお持ちのようで、PCに関してもとんでもない発言や質問が出る。まずはPart-1。

社内では定期的に講習会が開かれる。WindowsやExcel入門から、上はLAN管理者までレベルもさまざなものがあるのだが、この上司、「インターネット入門」なるものを受ける(たぶんいやいやなのだろう)ことになった。まあ何と珍しい事も・・・と思ったら、若い部下を一人巻き込んでの応募らしい。でも何かおかしい、この若者は結構仕事を抱えているし、今更教える事の必要もないPCの使い手である。現に彼のインターネットエクスプローラーの「お気に入り」には怪しげなサイトがいくつか入っている。それをわざわざ・・・
同僚からここまで聞いて、ははーん、と思った。そうなのだ、横にカンニングペーパーがないと不安なのだ。要するにレベルがばれるのと「知らないから教えて下さい」と言うのを極端に嫌うのである。でも解らないから講習会に行くんじゃないの、って疑問に思うのは私だけじゃないはず。

このシリーズは今後も続けさせて頂く。

其の弐:BASICは恐いの巻−

8ビット機が初めて世に出たのは就職して以降の事。NECのPC−8801とか富士通のFM−7が世に出た時は磁気テープが媒体だった。テープはその後フロッピィに変わった。
さて、PCが出た当初のソフトはスタンドアロンまたはOS上で動くBASICが主流であった。このBASIC、なかなかの優れもので未だに技術計算などで使われているケースもある。Windows用BASICもちゃんとある。だが、このソフトで思わぬ落とし穴にはまることがあった。
データファイルを読み書きする場合、プログラムのOPENとCLOSE命令を使うのだが、デバッグの途中でとんでもない落とし穴にはまることが何回かあった。デバッグしていると、データファイルをOPENしている途中でエラーになることやプログラムを中断する事がままある。この場合、プログラムを修正した後CLOSEするとか再度RUNすれば問題ないのだが、CLOSEしないままフロッピィを抜くとそのフロッピィー自身が二度と読めなくなる。(これは8ビット機の現象だったのだが、16ビット機の場合はどうだったか記憶にない。)
エラーが出たりプログラムを中断したら、真っ先にCLOSE命令を入れればいいのだが、あわてていると忘れてしまう。これで苦労して作ったデータもプログラムもパァにして泣くことが何度かあった。

其の壱:学生時代の巻−

学生時代は図体だけが大きい超ミニコンピュータ、こいつでFORTRANのプログラムを走らせていた。入力は何と紙テープである。今の若い人には信じられない世界だが、当時は紙テープか紙カードしかなかった。それでプログラムを走らせる前にテープ穿孔機でテープを作り、本体に読み取らせるわけである。
ある日、プログラムのデバッグを繰り返し、最後の「虫」も修正できたので、これでよしとテープを読ませた。ところがである、Syntax error, Unknown errorと出る、何遍やっても同じ。あれ〜、おかしいなあ、最後の虫も取ったし・・・
仕方がないのでもう一度テープを穿孔機に読ませてソースをダンプしてみた。すると1個所だけ文字が抜けると同時にマシンがそこを通る時だけガクッとなるような現象が出た。はは〜ん、テープが悪さをしてるな・・・、というわけでテープを子細に眺めると、ありゃっ、・・・こ、これは・・・。
何と1個所だけピッチがずれて隣同士のパンチ穴が重なっていたのである。
穿孔機といっても元は電動タイプライタと同じ機構なのだが、文字送りのピッチが狂うとは思ってもみなかった。