職場サポーターのつぶやき:

先に「私は某大企業の事務系の職場で、部として50人くらいのところで働いている」と書いたが、一応PCについて職場ではまあまあのレベルを持っているせいか、時として相談事が持ち込まれる。仕事の時間を食われる事もあるが、大抵は相手をするようにしている。人によっては「便利屋」でしかないと嫌がる向きもあるようだが、私は気にならない。むしろ本人にやる気があるなら、積極的に応ずるべきだと思う。本人がそれで腕を上げるなら、反ってこちらの負担も減るはずだから。
そうは言っても中には困った人が必ずいるもの。何度教えても覚えないとか、自分の不勉強(というか出来ないと思い込んでる)を棚に上げて、逆にハードやソフトのせいにする人など、様々である。
そうしたことも含めて、ぼやき・珍事を取り上げてみたい。勿論私の大ボケも含んでいる。

其の壱百七拾壱:メールアドレスは"表札@マンション名"なのだ!の巻−(2010.10.05)
其の壱百七拾:初めてのMacの巻−(2009.11.15)
其の壱百六拾九:IDのダブル発行の巻−(2009.06.16)
其の壱百六拾八:電話サポートはやりにくいの巻−(2008.09.03)
其の壱百六拾七:手入力は間違いの元の巻−(2008.04.20)
其の壱百六拾六:「中途半端やな〜」の巻−(2007.11.14)
其の壱百六拾伍:ジグソーパズルの巻−(2007.08.08)
其の壱百六拾四:コロンブスの卵の巻−(2007.07.02)
其の壱百六拾参:遮断されるFTPの巻−(2007.01.08)
其の壱百六拾弐:恐怖のメール分割の巻−(2007.01.04)
其の壱百六拾壱:純正Windows2000 "SP2"の巻−(2006.06.15)
其の壱百六拾:サーバーを私物化する大ばか者の巻−(2006.03.20)
其の壱百五拾九:プラチナ製(?)トナーカートリッジの巻−(2006.02.03)
其の壱百五拾八:ブロードバンドの功罪の巻−(2005.11.05)
其の壱百五拾七:無意識ほど恐ろしいものはないの巻−(2005.10.22)
其の壱百五拾六:超早技の巻−(2005.08.30)
其の壱百五拾伍:職場「被」サポーターのつぶやきの巻−(2005.08.26)
其の壱百五拾四:メーカーサイトにも載らないカスタムモデルの巻−(2005.08.13)
其の壱百五拾参:最もまずい「IT化」の巻−(2005.05.23)
其の壱百五拾弐:ユーザーにやさしくない2000/XP環境の巻−(2005.05.09)
其の壱百五拾壱:質問はBusiness Object、画面はExcelの巻−(2005.03.28)
其の壱百五拾:生活の知恵、2題の巻−(2005.03.25)
其の壱百四拾九:「陸蒸気」後遺症の亡霊の巻−(2005.03.10)
其の壱百四拾八:DOSの亡霊の巻−(2005.03.05)
其の壱百四拾七:天に唾する話の巻−(2005.02.21)
其の壱百四拾六:他人任せはダメの巻−(2004.11.24)
其の壱百四拾伍:Notesのバージョンアップにご注意!の巻−(2004.09.10)
其の壱百四拾四:Excelがすべての巻−(2004.09.07)
其の壱百四拾参:「誰が為に情シスは働く」の巻−(2004.06.21)
其の壱百四拾弐:フォルダの怪の巻−(2004.06.12)
其の壱百四拾壱:これが新品?の巻−(2004.06.07)
其の壱百四拾:「気にしない、気にしない」の巻−(2004.05.25)
其の壱百参拾九:ID窃盗事件の巻−(2004.05.08)
其の壱百参拾八:他人のふんどしで相撲を取るなの巻−(2004.04.03)
其の壱百参拾七:真相はヤミに葬られたの巻−(2004.03.16)
其の壱百参拾六:英雄WIndows95を好むの巻−(2004.03.12)
其の壱百参拾伍:フレッツ接続ツールの巻−(2004.01.11)
其の壱百参拾四:省エネ設定にご注意の巻−(2003.12.01)
其の壱百参拾参:人間性を疑う行為の巻−(2003.11.19)
其の壱百参拾弐:合掌(−人−)・・・の巻−(2003.11.07)
其の壱百参拾壱:旧PCよさらばの巻−(2003.11.05)
其の壱百参拾:新PCの巻−(2003.10.22)
其の壱百弐拾九:大文字小文字の巻−(2003.07.07)
其の壱百弐拾八:いちかばちかの巻−(2003.05.08)
其の壱百弐拾七:「金払え!」の巻−(2003.04.03+2003.04.06)
其の壱百弐拾六:「ごみ箱」と「圧縮」の違いの巻−(2003.04.01)
其の壱百弐拾伍:朝4時まで頑張った挙句・・・の巻−(2003.02.23)
其の壱百弐拾四:連続2題の巻−(2003.02.03)
其の壱百弐拾参:同じパスワードなのに・・・の巻−(2003.01.24)
其の壱百弐拾弐:黒い画面の巻−(2003.01.12)
其の壱百弐拾壱:「靴敷」の巻−(2002.11.26)
其の壱百弐拾:懲りない面々の巻−(2002.11.16)
其の壱百拾九:中小企業の悲哀の巻−(2002.11.12)
其の壱百拾八:典型的トラブルの巻−(2002.11.10)
其の壱百拾七:超過料金の巻−(2002.11.01)
其の壱百拾六:一人相撲の巻−(2002.10.17)
其の壱百拾伍:「摘発隊」の巻−(2002.10.16)
其の壱百拾四:「開かない」添付ファイルの巻−(2002.10.06)
其の壱百拾参:アンタはPCを使う柄やない!の巻−(2002.08.29)
其の壱百拾弐:レ・ミゼラブルの巻−(2002.08.09)
其の壱百拾壱:はよ言わんかい!の巻−(2002.07.10)
其の壱百拾:嘘教えたらあかんがなの巻−(2002.07.01)
其の壱百九:検索のコツの巻−(2002.06.08)
其の壱百八:ネット販売の巻−(2002.05.08)
其の壱百七:接触不良の巻−(2002.04.19)
其の壱百六:努力を惜しむなの巻−(2002.04.01)
其の壱百伍:ウィルスを保護するWindowsMeの巻−(2002.02.15)
其の壱百四:ソフトといえばすべてExcel?の巻−(2002.01.25)
其の壱百参:迷子になったフォルダの巻−(2002.01.17)
其の壱百弐:余計なことせんでよろしいの巻−(2001.12.08)
其の壱百壱:見習うべしの巻−(2001.11.20)
其の壱百:なんちゅうこっちゃ!の巻−(2001.11.13)
其の九拾九:職場サポーターの義務の巻−(2001.11.09)
其の九拾八:サイバーテロ?の巻−(2001.0926)
其の九拾七:新記録!の巻−(2001.09.03+2001.09.05)
其の九拾六:盆休みが明けたら・・・やっぱり・・・の巻−(2001.08.20)
其の九拾伍:雷に注意の巻−(2001.08.04)
其の九拾四:違法コピー摘発!の巻−(2001.06.27)
其の九拾参:二個一で動くドライバーの巻−(2001.06.19)
其の九拾弐:新会計システムの巻−(2001.06.16)
其の九拾壱:やっぱり図星の巻−(2001.06.07)
其の九拾:モバイルで大ボケの巻−(2001.06.05)
其の八拾八:「サーバーが消えた!!??」の巻−(2001.05.09)
其の八拾七:サーバーがうらめしい・・・の巻−(2001.04.14)
其の八拾六:「陸蒸気組」のIT革命の巻−(2001.03.22)
其の八拾伍:ヨメハンサポート日記の巻・1−(2001.03.21)
其の八拾四:「プラグアンドアンフェアプレイ」の巻−(2001.03.15)
其の八拾参:ネズミは死なずの巻−(2001.03.08)
其の八拾弐:ドライバー同士の喧嘩の巻−(2001.03.01+2001.03.02)
其の八拾壱:「おまじない」の巻−(2001.02.22)
其の八拾:プリンターは二度死ぬの巻−(2001.02.07)
其の七拾九:初めてのモバイル設定の巻−(2001.01.31+2001.02.01)
其の七拾八:「壊し屋」の巻−(2001.01.23+2001.02.01)
其の七拾七:工場設備に何をするの巻−(2001.01.11)
其の七拾六:"Windows97"の巻−(2001.01.09)
其の七拾伍:素人がはまる罠の巻−(2000.12.11)
其の七拾四:意外なアイデアの巻−(2000.12.09)
其の七拾参:かわいそうなネズミの巻−(2000.11.27)
其の七拾弐:桁違いの感染速度の巻−(2000.11.23)
其の七拾壱:「3本立」の巻−(2000.11.09)
其の七拾:役に立たないワクチンの巻−(2000.11.08)
其の六拾九:「やさしくしてね」の巻−(2000.10.30)
其の六拾八:謎は謎を呼ぶの巻−(2000.10.23)
其の六拾七:馬耳東風の巻−Part2−(2000.10.02)
其の六拾六:馬耳東風の巻−Part1−(2000.09.28)
其の六拾伍:別巻・3点セットの巻−(2000.09.27)
其の六拾四:ダブルパンチの巻−(2000.09.26)
其の六拾参:3点セットの巻−(2000.09.11)
其の六拾弐:またかいな・・・の巻−(2000.08.28)
其の六拾壱:隠し玉の巻−(2000.08.25)
其の六拾:ド肝を抜く行為の巻−(2000.08.12)
其の伍拾九:独断専行の巻−(2000.08.08)
其の伍拾八:勝手に治った??!!の巻−(2000.08.07)
其の伍拾七:人事異動は大変の巻−(2000.08.03)
其の伍拾六:書き忘れの巻−(2000.07.11)
其の伍拾伍:HDパンクかく解決せりの巻−番外編−(2000.07.10)
其の伍拾四:HDパンクかく解決せりの巻−Part3−(2000.07.04)
其の伍拾参:HDパンクかく解決せりの巻−Part2−(2000.07.03)
其の伍拾弐:HDパンクかく解決せりの巻−Part1−(2000.06.30)
其の伍拾壱:素人を巻き込むな!の巻−(2000.06.24)
其の伍拾:サポーター幹事会議の巻−(2000.06.16)
其の四拾九:Y2K vsHDD容量の巻−(2000.05.12)
其の四拾八:面倒くさいの巻−(2000.04.27)
其の四拾七:出張中のハプニングの巻−(2000.03.18)
其の四拾六:ドライバは「純正」に限るの巻−(2000.03.12)
其の四拾伍:再び鋭い?質問の巻−(2000.03.03)
其の四拾四:時代は変われどの巻−(2000.02.21)+後日談(2000.02.24)
其の四拾参:心臓に悪い出来事の巻−(2000.02.09)
其の四拾弐:ついに来た!の巻−(2000.02.04)
其の四拾壱:またドライバに泣かされたの巻−(2000.01.18)
其の四拾:鋭い?質問の巻−(2000.01.12)
其の参拾九:新年早々のぼやきの巻−(2000.01.05)
其の参拾八:ディレクトリ殺人事件?の巻−(1999.12.14)
其の参拾七:よくあるパターンの巻−(1999.12.09)
其の参拾六:「重要でない」ソフトの巻−(1999.12.03)
其の参拾五:どついたろか!の巻−(1999.11.11)
其の参拾四:「純正部品」の巻−(1999.11.04)
其の参拾参:とんでもない発想の巻−(1999.11.01)
其の参拾弐:「不正な処理」の恐怖の巻−(1999.09.21)
其の参拾壱:続・ドライバに騙されたの巻−(1999.09.08)
其の参拾:ドライバに騙されたの巻−(1999.08.31)
其の弐拾九:史上最大の不覚の巻−(1999.08.17)
其の弐拾八:我が身を笑うの巻−(1999.08.09)
其の弐拾七:不在通知に返事を書くの?の巻−(1999.07.18)
其の弐拾六:またやってしもた・・・の巻−(1999.07.07)
其の弐拾五:職場クライアントのつぶやきの巻−(1999.06.21)
其の弐拾四:メモリー増やすと速くなるの?巻−(1999.05.26)
其の弐拾参:新職場での初サポートの巻−(1999.05.21)
其の弐拾弐:初物食いは危険の巻−(1999.05.19)
其の弐拾壱:大丈夫かいな・・・の巻−(1999.05.08)
其の弐拾:発つ鳥あとを濁すの巻−(1999.05.07)
其の拾九:時代は戻る・・・の巻−(1999.04.19)
其の拾八:組織改正の弊害の巻−(1999.04.12)
其の拾七:アホタレ上司の巻・Part5(最終回)−(1999.04.02)
其の拾六:続・使われてないPCの巻−(1999.03.19)
其の拾五:「洪水は来れり」の巻−(1999.03.15)
其の拾四:使われてないPCの巻−(1999.03.06)
其の拾参:他人のことは笑えないの巻−(1999.03.01)
其の拾弐:「タマネギ文書」の巻−(1999.02.24)
其の拾壱:噛み合わない会話の巻−(1999.02.12)
其の拾:外された梯子の巻−(1999.02.05)
其の九:アホタレ上司の巻・Part4−(1999.02.04)
其の八:小さな親切大きなお世話の巻−(1999.02.03)
其の七:アホタレ上司の巻・Part3−(1999.01.30)
其の六:何年PCを触っていても・・・の巻−(1999.01.26)
其の伍:アホタレ上司の巻・Part2−(1999.01.23)
其の四:E−Mailに御用心の巻−(1999.01.23)
其の参:アホタレ上司の巻−(1999.01.21)
其の弐:BASICは恐いの巻−(1999.01.21)
其の壱:学生時代の巻−(1999.01.19)


其の壱百五拾壱〜其の壱百七拾五

其の壱百七拾壱:メールアドレスは"表札@マンション名"なのだ!の巻

下請データベースで新規企業の入力をやっていた隣席のH美、相手のメールアドレスが変だとの相談を受けた。
送られてきたFAXを見るとドメイン名の後の組織名、国名がない。ネットのドメイン検索で調べたがわからない。よって電話することにした。
出てきたの女性事務員で、正確なメールアドレスを聞こうとしたら「xxxx.jpがメールアドレスです!プロバイダから教えられました!」との答え。それはドメイン名のことで、ドメイン名の左にzzzz@のような文字が入っているのがメールアドレスだと言っても聞かない。
何回か押し問答を繰り返した結果、やっと聞き出せたのは3つのアドレスだった。しかも・・・
 <顔文字>@−女性事務員用
 <社長名>@−社長用
 webadmin@−プロバイダの管理用なので使わせてもらえない(!!!???)
メールアドレスに顔文字を使っているのは初めて見たし、ユーザーが使えないアドレスというのもこれまで見たことがない。
しかもわかったことはこれだけではない。
HPを作るつもりで独自ドメインを取得までしているのである。プロバイダの営業マンの餌食としか考えられない。加えて決定的なのは社長の名刺にはメールアドレスと称してドメイン名のみが印刷されていた。ネット加入からまだ時間が経っていないが、これからクレームの嵐が吹き荒れるだろう。
ということだからもはや次の言葉が出ない。しかし最低限のことは教えないといけないので、メールアドレスは”表札@マンション名”で構成されているということを強調しておいたが、この会社からウチの下請DBにアクセスすることはほぼ不可能ではないかと思った。

其の壱百七拾:初めてのMacの巻

友人のO氏のサポートで自宅に行った。CDドライブの故障交換と起動後の動きが極端に遅いことの解決である。
CDドライブはバルク品のDVDマルチと交換。起動後の動きが遅いのはVirusScanのフルスキャンが遅いことから毎回途中でキャンセルしていたことと、それを半年以上繰り返したためにソフトがフルスキャンの再実行を繰り返すという悪循環に陥ったためであった。
しかし問題はそれだけでなく、ついでに娘さんのMacがネット接続できないことの解決を頼まれたことである。
実は、ルーターがあるのにMacをネット接続しないまま、親父さんのWindowsで音楽などをダウンロードしていたという。そんなものはLANケーブルを新しく用意すればことは済むのだが、そこは超初心者の家族。
私にとっては生まれて始めて触るMac。しかしAppleお仕着せのSafariを起動しても「問題あり」として切れてしまう。そこで不安を抱えながらもLAN設定を見たが、問題なし。もちろんLAN接続の仕様はWindowsと変わるはずがないので設定項目はすぐに確認できたが、問題は見られない。
仕方がないのでブラウザをFirefoxに変えるべくWindowsからダウンロードしてUSBメモリを介してMacに移動、インストールしたらブラウジングは成功した。
生まれてはじめてのMacだったが、事なきを得て胸をなでおろした。でもなぜSafariがまともに動かなかったのは不明のままである。

其の壱百六拾九:IDのダブル発行の巻

超久しぶりの更新である。
とにかくあまりに珍しいことが起こったので報告する。しかも原因を作ったのは私自身。
「のぞみシステム」では各クライアント端末にIDを割り当てていて、情シスと連絡を取りながら私が現在の事務所にある数十個の番号を管理している。最近は内部統制の観点から管理をうるさく言うようになり、人事異動で端末の増減があるたびにきちんとフォローをして、監査のときに報告させられる。今年も監査の前のIDの棚卸で、私の持っているリストと情シスがシステムに登録してあるリストの照合作業をやっていた。
ところが私のリストの内、3つがシステムの登録と違う。しかもひとつは「のぞみシステム」とは関係のない番号。残り二つを追求していくと一つがシステムの登録から消えていた。ではこの一つはどうやって「のぞみシステム」にアクセスしているのか??
わけがわからなくなったので端末のPC2台を調査に出かけた。それぞれのPCには個別のID設定ファイルがあるから現物を見ればわかるからである。
そして現物を見て唖然とした。2台のPCに同じIDファイルが入っていたのである。
ダブって設定ファイルを入れたのは間違いなく私。しかし記憶はない。しかしもっと不思議なのは、IDがダブっていたら早い者勝ちで、後からアクセスした人はエラーになって入れなかったはずである。それでユーザー二人に事情を聞いた。
結論は、二人ともエラーが出るのを知りながら、私にクレームせずにずっと我慢していたのである。何というお人よしの人達だろう!!
多分最低でも1年はしょっちゅうエラーが出ていたはず。でも連続してシステムを利用しない人達だったので、たまには接続できたのがアダになったのである。
今日、情シスに新たな登録を作ってもらい、それに合わせて私が新しいIDファイルを片方に入れて解決した。これでこんなトラブルは二度と起こらないだろう。

其の壱百六拾八:電話サポートはやりにくいの巻

夕方近くになってお助けコールがかかった。
何やら「ディスクをチェックしてください」というメッセージが出てWindowsが動かないという。ならばチェックディスクを実行するようなメニューが出ているのかと思えば、それはないという。何となくOSのエラー、しかもディスクの破損が疑われる。
しかし相手の言うことがどうも曖昧で、自分が見ている画面を私が知っているような口ぶりで話すから、話がうまく通じない。ええ、ままよ、「電源切って再起動しなはれ!」ということにした。すると「システムを修復します」というメッセージが出たという。
だが、いずれにしても話し方が自分勝手で、こちらが画面の状態を聞いても正確に答えない。ついに私は電話で怒鳴った。「アンタは画面を見て勝手なこと言うけど、俺は画面が見えへんのや。ちゃんと説明せんかい!!
するとこれまた呆れた答えが返ってきた。「こんな現象良く知ってると思ったんやけど・・・
確かにシステムの破損の話は聞いたことがある。しかし自分で現認したことはない。そんなものがしょっちゅう起こるわけがないから。だからこそ確認のために詳細を聞いているのだ。勝手な思い込みで、それも電話で中途半端なことを言われてもサポーターは困る。
似た話はいくらでもある。
 「『のぞみシステム』で入力できません」 (どのメニューで何を入れようとしたのか不明)
 「メールを打ってもエラーになります」 (OutlookExpressかNotesかどっちやねん)
 「いきなり変なメッセージが出てきました」 (使っていたソフトは?それともWindowsのレベルの話?)
etc. etc.・・・
電話サポートの最大の困難は、相手がパニクってしまって、画面の状態を相手にわかるように説明しない、できないことである。相手にはその画面が見えないということを忘れて、わめいても何もできないのだ。

其の壱百六拾七:手入力は間違いの元の巻

友人から「近くプロバイダが変わるので、○月○日から以下の新しいメールアドレスを使ってください」との連絡があった。
そしてその開始期限が過ぎてからしばらく経って、連絡のためにメールを打ったら「アドレスが存在しません」とのエラーが返ってきた。何度やってもエラーは解消されない。はは〜ん、アドレスの打ち間違いやな。
電話しようかと思ったが、近く会う予定があるのでそれまで待ち、当日に開口一番、「打ち間違いやぞ」と言ったら、やおらメモを取り出して「これなんやけど・・・」と見せてくれたアドレスは、まごうことなく間違いだった。
アドレスの一部の"aak"となるべき部分を連絡メールでは"akk"と打っていたのである。
メールアドレスとかURLのような長くてわかりにくい綴りの手入力は禁物。必ず元のメッセージからコピー&ペーストをやるのが原則である。
本人も「スマン」と謝ったが、このようなミスは連絡漏れなどの大変な結果を生むので要注意である。

其の壱百六拾六:「中途半端やな〜」の巻

今朝、急に職場のLANが落ちた。調べるとウチだけでなく、同じIPアドレスのグループ(セグメント)全体が全滅している。他の職場が使っている別のセグメントは健全で、しかも当方のセグメントの外に出るポート(ゲートウェイ)も死んでおり、ルータが疑われた。
私は急遽情シスに電話して解決を頼んだが、十数分してから一時的に回復することがわかった。しかし回復したように見えてもパケットロスが半分くらい出てしまい、繋げないのと同じだった。
そのうち、情シスから連絡が入った。原因は、元ウチの職場にいたことがある男で、「LANが遅い!」とか称して自腹でギガビット対応のハブを買い、許可もなしにルータの後ろに入れたのである。10/100メガで構築されている古い回線にギガを入れたものだから、当然速度は追いつかない。従って大量のパケットロスが発生したのである。
この男、昔から生半可な知識で余計なことをする癖があって、今回もそれを発揮した。その昔家庭内LANが普及し始めて安価なルータが売られるようになった頃、彼は「ハブ」を買って自宅の複数台のPCからネットに接続しようとしたことがある。当然つながるはずもなく、私に相談に来たのだが、一言「アホ!」と回答した。
こういう中途半端な知識は時として致命的ミスを犯す。「中途半端やな〜」は漫才だけにしてほしい。

其の壱百六拾伍:ジグソーパズルの巻

最近会社の友人2人から立て続けにサポートを頼まれる羽目になったが、いずれもノートPCでちょっとてこずった。
というのもトラブルの原因はHDDで、取り出すのに苦労したからである。
デスクトップのコンパクトモデルでも言えるが、HDDの置いてある場所がまちまちで、しかも狭いスペースに収納してある。加えてブツを取り出す方法は千差万別。
あるものはDVDドライブの下。あるものは裏蓋を全部取り外すタイプ。わかりやすいのはメモリ、バッテリー、HDDとそれぞれに分けて蓋を開くもの。しかし極めつけはFDD以外には部分的に外す窓は無く、そのFDDの下にHDDを鎮座させていたものである。
各社各様、狭い場所にぎっしり部品を詰め込むノートPCの配置デザインは苦労しているだろう。
そんなことを考えていたら、ジグソーパズルが頭に浮かんだ。

其の壱百六拾四:コロンブスの卵の巻

職場のK君のデスクトップが突如動かなくなった。先週もいきなりWindowsが落ち、画面も真っ黒になった、それが再現したのである。しかも今回は電源ボタンを押しても再起動しないし、あろうことかコンセントを抜いて再度つなぐと再び電源ランプが点く。まるで幽霊だ。
気持ちが悪いので5分くらい待った上でコンセントを入れるとランプは点かなくなったが、それでも一旦電源ボタンを押してしまうと、そのまま動かなくなる。これはただごとではない。恐らく逝ってしまったと思われた。
さあ大変。ちょうど月末締め切りの入力中だったから真っ青である。
とりあえず思いついたのはHDが健全かどうかのチェック。そこで情シスにに電話して外付けケースを持っていないか聞いてみた。すると「ケーブルだけ」ならあるという。え??? ケースなし??? である。
どんなものか行ってみると、なるほどケースなしで、それも2.5インチ、3.5インチ共通で使えるIDEコネクタにUSBケーブルが繋がったもの。感心しつつも持ち帰ってPCの中からHDを救出し、私のPCに接続した。結果としてHDは健全なことがわかった。そして同型の職場共用機のHDと入れ替えて起動、見事回復した。
結論はもちろんマザーボードの破損である。電源は入るがBIOS画面にすらたどり着かなかったからである。情シスには修理を頼んで一見落着である。
ところでこのケーブルのみのIDE-USBコネクタ、コロンブスの卵のような商品である。ただ、注意すべきはHDがむき出しなのでプリント板部分には手を触れないことである。
そしてまた思いついたこと。先日友人のノートPC回復用に2.5インチ底付けケースを買ったが、これをケースなしで3.5インチにも使えるとわかったこと。但しこれも注意すべきはケース内部にあるIDEの信号変換用の小さなプリント板の取り扱いである。
そしてこの手のコネクタ、当然ながら恒久的な外付けドライブとしては絶対に使用禁止である。

其の壱百六拾参:遮断されるFTPの巻

前回予告したH氏の話、やっと解決できたので報告する。
そもそも、複数の問題が存在していたために核心にたどりつくまで非常に手間がかかった。HTTPではアクセスできるがFTPではできないという現象に初めて出会ったからである。
上記の他にどんな現象・事実があったかというと、
 1.ファイアーウォールでFTPクライアントソフトが例外設定されていなかった。
 2.複数のウィルス対策ソフトがインストールされていた(ウィルスバスター「コーポレートエディション」とノートンアンチウィルス)
 3.ノートンの更新切れ
出張サポートで1.と2.は即刻解決できたが、まだFTPは動かない。3.は本人が新しいバージョンを買わなくてはどうにもならないので一旦引き上げ、連絡を待った。
そして帰宅後、本人からメールが入って「新しいノートンをインストールしたらFTPでサーバーに接続できた」と言ってきたのである!
原因がわかってほっとしたと同時に、その理由に唖然とした。ノートンが期限切れになるとFTPが動かないというのはあまりにむごいのではないかと思ったからである。
期限切れは本人の責任だが、だからといってFTPを遮断することはあるまい。もしもトロイの木馬に感染して、アウトバウンド信号が無制限に外に出たとしても、やはり本人の責任であり、ウィルス対策ソフトが手を出す問題ではないと考えるからである。しかもWindowsのファイアーウォールが生きている限りノートンの責任ではない。問題を複雑化させることはまずいのではないだろうか。

其の壱百六拾弐:恐怖のメール分割の巻

仲間内のHP手伝いをしていると色々なことに遭遇する。
今日も新年早々、つぶれた転送メールが5、6件同時に流れる現象の解決にT氏の自宅に出向いた。
原因はメールアカウントの設定で「80KBを超えるメールを分割する」という項目にチェックが入っていたためである。何故そこにチェックが入っていたのかはわからない。もちろんアナログ接続を意識した設定がOEに用意されているのだが、デフォルトからわざわざADSL環境に持ち込んだ設定にした勘違いの理由はわからない。
リモコンのサポートで解決しようとした私にもそれは盲点だった。問題を解決する糸口は事実の確認である。だが電話ですべての設定が正しく行われていることを確認することは難しい。十人十色の環境で、問題の絞込みをするためにすべての項目について報告せよとユーザーに要求することは効率が悪すぎる。
次回は、HTTPではアクセスできるがFTPでは同じサーバーにアクセスできないというH氏の問題を報告することになるだろう。

其の壱百六拾壱:純正Windows "SP2"の巻

最近ウチの職場に異動してきた中堅のK君、持ってきたPCを見て驚いた。何とWindows2000 SP2"なのである。
いきさつを聞いたらこういうことだった。
彼は現場工事の責任者として数年間現場事務所で働いていたのだが、赴任するときに新しく与えられたPCを持って行き、ISDNを通じたVPNでずっと社内LANに接続していた。ところが、ウィルス対策ソフトのデータ更新は自動だが、Windows Updateをはじめ、あとはすべて放置されていたのである。元の職場からはもちろん、情シスからも何の指示もなかった。従って買ってきたままのPCが3、4年間使われ続けていたのだ。
当然本人もそういうことに対する認識もないから、何もせずに使い続けた。そして私が指摘するまでは、何も知らずにいたのである。
異動後に私が指摘するまで、ウィルスやスパムに感染していなかったのが不思議でならない。もちろんWindows 2000 SP4他各種のアップデートを行ったが、これほどまでに手付かずのマシンに出合ったのははじめてである。

其の壱百六拾:サーバーを私物化する大ばか者の巻

今日、職場の共用サーバーでとんでもないものを見つけた。
誰かがトータル1.3GBの音楽CDのコピーを入れていたのである。それもルートにそれらしき名前のフォルダを作っていたからバレバレである。サーバーを管理している者としてさすがに許せない。有無を言わさず即刻削除した。
誰が入れたかはわからない。しかし犯人を突き止める気もしない。本人も誰が消したかはわからないだろう。
ここまで露骨なサーバーの私的利用は初めて見た。こっそりやるならフォルダをどこか下の階層に置くのが普通だろう。しかしルートに置くとは恐れ入った。そうでなくても10GBしかない職場の共用サーバー、残り2GBを切っているので先日不要ファイルの削減を全員に依頼したばかりである。なのにそれに対する挑戦とも思える行為に私はムカッとした。
もしこういうことが繰り返されるならば、しかるべき社内処分を受けてもらうしかないだろう。

其の壱百五拾九:プラチナ製(?)トナーカートリッジの巻

職場の分室事務所からの連絡で、プリンターのトナーカートリッジが切れて交換が必要となったのだが、何でも修理に来た業者から交換費用として6万円かかると言われたという。
たかがトナー交換で6万円はないだろうと思って調べたら、確かにメーカー純正の定価、しかも増量・長寿命タイプは6万円と出ていた。しかしこんな定価で買う馬鹿はいない。メンテ担当の代理店のサービスマンも大ボケである。どこぞの世界にこんな高価なトナーカートリッジを買う人間がいるのか。もし本当にこの値段でしか売れないというのなら、このメーカーのプリンターは誰も買わなくなるだろう。
実売価格で言えば、再生タイプの汎用品では1万円と少しである。しかもウチの事務所で使っているプリンターと共用できるカートリッジ。そこで手持ちの予備品を流用することで解決したが、プラチナ製(?)カートリッジを買わされる寸前だった。

其の壱百五拾八:ブロードバンドの功罪の巻

ブロードバンドの「功」の部分は言うまでもなく高速であり、ファイルのダウンロードをはじめ、ネットでの通信が非常に快適になることである。だが「罪」の部分で思わぬ結果を招いていることが明らかになった。
先日、友人でまだアナログ接続をやっている人間から愚痴を聞いた。私も顔見知りの彼の友人からメールで17MBの添付ファイルを送られてサーバーがハングしたというのである。
幸いにしてサーバーが提供しているツールでこの巨大ファイルを削除して解決したという。もちろん彼は送信者に文句をつけた。
実はこのメール、私にもコピーが送られていたらしいのだが、私の方のメールサーバーは門前払いを食わせたようで、被害はなかった。
この話を聞いたあと、私からも送信者に「マナー違反だ」とのクレームを書いた。
しかしこの事件で気付いたのは、ブロードバンド時代になってからネット接続を始めた連中には巨大な添付ファイルがもたらす悲劇について全く罪の意識がないということである。
ブロードバンドでは当然ながら、添付ファイルが大きくても数分以内で送信が終わるから痛みはまったく感じない。もしこれが昔のアナログならSMTPサーバーが拒否反応を示しただろうし、よしんば行けたとしても送るだけで1時間以上かかるから異常な事態であることは容易に認識できたと思う。
この問題の現実的解決としては、送信者のウェブスペースを利用してファイルの交換を行ったことで終わったが、私としても思わぬ伏兵に出会った気がした。

其の壱百五拾七:無意識ほど恐ろしいものはないの巻

またまた職場での話。
あるWindows98ユーザーのPCの動きが極端に遅いことがわかった。しかし本人は動きが悪いことについて何も言わなかった。たまたま会社のカスタムアプリでの印刷が不可能になっているこから判明した問題である。印刷そのものの問題はすぐ解決したが、PCの動きが遅いことについては一見してはわからなかった。というのも該当PCは約半年前にも動きが悪いとううことで私がOSの再インストールを実行したものだったからである。
HD容量は十分、msconfigで常駐プロセスを見ても、私がクリーンインストールの時に設定したものから変わっていない。なのに何故こうも遅いのか、ちょっと悩んでしまった。しかしである。
画面全体を眺めていてやっと気付いたのはタスクバーに見慣れないアイコンが並んでいることだった。そこで展開してみると大変なことがわかった。何と職場用ファイルサーバーのフォルダーを示すアイコンがずらりと並んでいたのである。右クリックで確認してみると、タスクバーの中に職場サーバーにアクセスするためのツールバーが設定されていた。つまり常時サーバーの全フォルダをスキャンするようにしていたのである!
本人に聞いてみると、一度PCがうまく動かないことがあった際にでたらめな操作したことがあるとのことだった。恐らくその時にこのようなツールバーが作られたものと思われる。それにしても無意識にこのような操作がされているとは想像できなかった。それもこのようなデタラメ操作によってユーザーのドメインサーバーへのアクセスも消去されていたのである。ここまでの無意識というのはほとんど聞いたことがない。又聞きの話だがWindowsフォルダをどこかへ移動させてしまったことに次ぐ、異様な操作だからである。
ともあれこのユーザーには危険性を感じる。無意識で何をするかわからないからだ。

其の壱百五拾六:超早技の巻

職場のプリンター2台の入れ替え作業をやった。その間わずか2時間、トラブルは一切なく、無事終了した。
こんなことは初めてである。プリンターであるから変なプログラムのインストールもないので当然かもしれない。しかし2台でかつユーザー数は20、本来なら半日は潰れても不思議はない。何故これだけで済んだか、具体的に見てみよう。
まず作業手順だが、
 1.開梱、据付
 2.電源オン、IPアドレス設定(ネットワークプリンタのため)
 3.クライアント機にドライバインストール
これだけである。
時間が短かった理由は、旧品と同一メーカーであることとドライバは最新版をメーカーHPから事前にダウンロードして共用ファイルサーバーに入れていたためと考えられる。
プリンターの設定はIPアドレス以外、デフォルト値のまま、それも旧プリンターと同じなのでPCのポート設定はそのまま引継ぎできた。
またドライバのインストールは付属のCD−ROMを使わずに、ユーティリティーも含まれないドライバだけのインストール実行ファイルを使ったので、時間節約が可能だったのだろう。
一人だけ自分でインストール作業をしようと、「プリンタの追加」ウィザードを使って.infファイルの呼び出しをやろうとしていたが、それではファイルの場所呼び出し、機種選択、印刷出力先、ポートの呼び出し、それぞれを個別に設定する必要がある。ドライバのインストールソフトはそれらすべてを一括してやってくれるので早かった。
ともあれ、近年になく何の苦労もせずに終了したことは喜ばしい。

其の壱百五拾伍:職場「被」サポーターのつぶやきの巻

職場の共用Windows98マシン、どうしたことか起動後数時間でリソースを使い果たした挙句フリーズする。
余計なソフトをアンインストール、起動プロセスも数を減らし、レジストリの再構築とあれこれ手を尽くしたが治らない。そこでOSの修復インストールに及んだ。何せ他の職場から流れてきたあまりに古い機種のためにCDすらない。そこでノートPC特有の再インストール用圧縮ファイルから修復インストールを試みたのである。
ところが修復インストール後、社内のドメインサーバーに入れなくなってしまった。というのもネットワークの設定がチャラになってしまったためにTCP/IPの設定を入れなおしたのだが、指定したドメイン名に入れなくなったのである。IPアドレス他、DNS、WINSなどを何度見直しても間違っていない。
遂に私としてはギブアップ、情シスの強力サポーターに助けを求めた。そして電話を通じて色々調査していたら、同じ現象を経験したことがあるらしく、レジストリのある値を削除すると解決できると回答をくれた。
そこで言うとおりにやってみたら見事に回復したのである。このあたりは医者と一緒で、診療所レベルでは経験しない症状でも、大病院だと臨床例が豊富かつ治療法も知っている、というようなものである。
ここでは完全に私は「サポートを受ける側」に立った。
ところでドメインサーバーに接続が可能になっても、相変わらずリソースが短時間で激減する現象は解決していない。さて、どうしよう??

其の壱百五拾四:メーカーサイトにも載らないカスタムモデルの巻

友人から自宅PCのサポートを依頼されたのだが、マニュアルや最新ドライバの入手など事前準備のため、メーカーサイトを調べていた。ところがどこをどう探しても聞き出した型番名が出てこない。それで再度確認したが間違っていないようだった。
それにしてもおかしすぎる。それでGoogleを使って一般サイトも含めた検索をしたら、意外な事がわかったのである。そのモデルは大学向け専用として大量に作られ、一般には発売していない、かつ型番名も市販のものとはまったく違うものだったのである。そのことを友人に話したら、実は娘さんが入学のときに大学から買わされたものとわかった。
企業向けで特殊なボードを入れたカスタムモデルを出荷することはあるだろうが、その場合でも基本の型番名は変わらないはずである。おまけに特殊な型番のことは一切公表しない、これではユーザーが困るのではないか。
というのも、ドライバなどの更新がまったくできないし、サポートは大学を通じてしかできなくなる。折角のPCだからと卒業してから使っても、故障したらそれまで。買い替えをさせるためのメーカーの戦略かもしれないが、ユーザーには不親切きわまりない。
企業内なら退社してもそのまま個人が所有することはあり得ないし、卒業という問題もない。しかし学生は毎年入学と卒業を繰り返す。PCを買わせておいて、卒業したら返却せよというのもおかしな話である。
数日後に友人宅で実物を見せてもらう予定だが、マニュアルやリカバリCDが欠かさず揃っているか心配である。メーカーサポートは期待できないから、間違って私がパァにしたらそれまでである。

其の壱百五拾参:最もまずい「IT化」の巻

全社共通のあるデータについてデータベースを構築することになった。その説明会が開催されたのだが、話を聞いてあきれ返ることばかりだった。その原因は以下の通りである。

1.余計な機能:
ユーザー独自の明細DBを作れるようにしてあるのだが、用件定義をして既にプログラムの開発を開始してからユーザーの声を聞くと、明細DBは使う予定はないとの声ばかり。

2.ユーザーの最も低いPC環境を考慮せず:
最近流行のウェブベースのインターフェース。もちろんIEを想定している。Excelからの入力も可能とのふれこみである。
そこで質問した。「Windows98(無印)、Netscape4.78、Office97の環境で動くの?」。答えは「・・・」である。
ユーザは千差万別だから最悪の環境を想定せねばならない。しかしそういう観点はまったく抜けていることがわかった。

3.CSVという落とし穴:
Excelからの入力が可能というのも曲者だった。一般ユーザーには馴染みのないCSVへの変換を必要とするというのだ。CSVは意味がわからないとどうしようもない。Wordしか知らないユーザーにベタテキストの意味を教えるのはもはや困難な時代になりつつあるのに、それがわからないのでは困る。Excelを使うのならコピー&ペーストの方がよっぽど楽だ。入力項目は数十しかないのだから。

4.印刷のサイズ:
印刷の一部にBサイズのものが混じっていることがわかった。
役所も次第にAサイズに移行しつつある。時代遅れもはなはだしい。おまけに私の職場を含めてプリンターはA3またはA4のトレイしか入っていないものが圧倒的に多いのだ。

其の壱百五拾弐:ユーザーにやさしくない2000/XP環境の巻

職場のPCのLAN設定、わけてもドメイン参加の作業をやっていると実に腹立たしく思うことがある。
それはWindows 2000/XPだとドメインサーバーに入るために今までよりも余計な作業が増えるからである。それも新しいPCだとそれほど目立たないが、人事異動で部署の違うところから持ってきたPCは、ドメインサーバーが違うし、場合によっては単純でない設定がされていることもあるので要注意である。
最近もこんなケースが生じた。そのPCはこちらの部署の所有だったが、前の持ち主が異動で遠いところへ去って入れ替わりに転入してきた人間が使うことになった。その新しい彼はPCに慣れていて、ドメインの違う前の部署で自分の個人的なファイルを前に使っていたPCから移したいとして一旦持っていったのである。当然ドメイン名もセグメントの違うIPアドレスにも設定し直したことは言うまでもない。
ところがである、うちの部署へPCが戻ってきてこれらの設定を戻そうとするとドメインサーバーから蹴られるのである。さすがにDNSもWINSも社内全体では共通にしてあるのに、何をやってもダメである。こんなことは今までなかった。
どうしようもないので、最後の手段として「コンピュータ名」をもう一度ドメインサーバーに登録する手続きをやったら、これが成功したのである。
このコンピューター名をドメインサーバーに登録する作業は2000/XPに独特のもので、一般ユーザーにとって甚だ迷惑なものである。というのも登録はドメインサーバーのAdministratorのユーザーIDとパスワードで入らねばならず、情シスが簡単には教えてくれないからである。新しいPCなら複数台をまとめて彼らにやらせればいいのだが、異動の場合は設定作業のためだけには来てくれない。今回も「教えるのがいやだったらこっちに来て作業しろ」とねじ込んで管理者用ID+PWを聞き出したのである。
得体の知れないPCが勝手にLANにもぐりこまれたら困ると言うコンセプトでOSが作られているせいだと思うのだが、「コンピュータ名」と「ユーザー名」の2重の登録が必要な上に、片方はサーバー管理者しか知りえないものというのは、ウチのような大企業で職場サポーターがある程度LANの管理に関与せざるを得ないところにとって、実にやさしくない環境なのである。

其の壱百五拾壱:質問はBusiness Object、画面はExcelの巻

遂にこのコーナー開始以来、150回を超えるに至った。
そして超えた途端の超ズッコケ話である。
定年も遠くないが、未だに現役で部長待遇のH氏、いつものおっとりした口調で私の所へやってきた。データがどんなものかを回りくどく、ゆっくりと話した上で、Business Objectの集計ができないので見て欲しいということをこれまた遠慮がちに頼んできた。
具体的現象を聞くが、もうひとつはっきりしない。加えてどの項目の集計がおかしいのか、はたまた全部おかしいのか、どんな操作をしたのかを聞いてもうまく答えられない。ということでまどろっこしく感じた私は、彼の席へ行ってPCの画面を覗いた。そしてその瞬間、思わず声を上げてしまった。「え"、Excelやんか!!」
長々とBusiness Obectの話をしていたものと思っていた私は、開いた口が塞がらなくなってしまい、思わずムッとした。
おまけに、よく見るとExcelの集計の範囲がデータをまったく外れている。これでは集計などできるわけがない。私はさっさと範囲を設定し直してそそくさと去った。これほど下手糞というか、的外れも甚だしい説明は聞いたことがなかったからである。
彼の最大の誤りは、「Business Obectの結果データをExcelへコピーしたもの」と言わずに、単に「Business Object」と告げたことにある。おまけにデータの並びのことや抽出条件までをわけのわからない言葉で修飾したから、誤りはさらに増幅されたのである。
「言葉は正確に」ということをこれほど如実に語るものはないだろう。